U.C.0111 機動戦士ガンダムχ 作:サクナ
アスカ・レインは自室で椅子に座っていた。
「あと、もう少しで..エクソダスの民が来るのか...」
とっくに深夜1時を過ぎていたが寝付けない。会議中に飲んだコーヒーのせいでもなかっ
た。
コロニーは暗闇に包まれ、建物の光がところどころついている。車の音もしない。
静寂に包まれたコロニーの団地に扮した寮に突然警報音が鳴った。
「ただ今大型MAとムサイ級、チベ級機動戦艦8艦確認。総員、直ちにドルトンの格納庫に集
まれ。出撃用意を行え。繰り返す。ただ今大型MAとムサイ級、チベ級機動戦艦8艦確認。総員、直ちにドルトンの格納庫に集まれ。出撃用意を行え。」
「とうとう来たか..」
そう言いながら団地型の寮の地下の通路を通りドルトンの格納庫に向かう。
8分後、アスカは格納庫のχガンダムに乗り込んだ。
「システム・オールグリーン!出撃します!」
そう言ってカタパルトデッキから射出しχガンダムは宇宙空間に飛び立った。
他にもブルーローズ隊のザクIII、ギラ・ズールや連邦軍のスタークジェガン、ジムIIが浮
かんでいる。
「あそこの連隊がエクソダスの民の連隊か..中心にいるベージュの大型MA..ルシファーの
言っていたやつか。」
そこへ通信が入る。
「アスカ少尉。彼らは攻撃を仕掛けてきませんよ。どういうことでしょう..?」
「わからないな..奴らの行動が。」
アスカが黙考していると全天周囲モニターに謎の「SOUND ONLY」の文字が浮かび上がる。
「なんだ..?」
「...........私は、攻撃は仕掛けない。」
「誰だ!」
「..........ルシファー・クレイドルを解放しろ。」
「ルシファーが?..あいつは、お前らに利用されているだけだった。ルシファーは渡さない
ということが決まっている。」
「ならば、攻撃を仕掛ける。総員。攻撃準備を行え。」
「ルシファーは渡さない!」
そう言う間もなく、「SOUND ONLY」が消えた。
「何だったんだ..うおっ!」
弾が飛んできた。ザクマシンガンの弾丸である。
エクソダス側のハイザックの攻撃だ。
すかさずスタークジェガンがコックピットを狙い撃墜。
しかしあまりにも数が多かった。
「総帥の標的はあの白いモビルスーツだ!胸部に青いバラの絵が書かれてるやつだ!狙え
よ!」
「了解!」
ザクマシンガンでχガンダムに攻撃を仕掛ける。
しかし、その攻撃も虚しく、全て避けられビーム・ライフルで狙い撃ちにされる。
ハエのように群がってくるザクIIやゲルググの連隊に対して、アスカは鬱陶しさを覚えた。
「どいつもこいつも...!邪魔なんだよ!」
ビームサーベルで一番近くにいたザクIIを真一文字に切り裂き、次々にエクソダス側のモビ
ルスーツを撃墜していく。
ザクIIやゲルググの連隊を振り切り、大型MA「Σ・アジール」に近づく。
すると、指のような大型のファンネルビットのメガ粒子砲が火を吹いた。
「おっと!あぶねぇ..」
次々と襲いかかってくるファンネルビットにχガンダムは避けるのに精一杯で、攻撃するこ
とができない。
すると、全天周囲モニターにまたもや「SOUND ONLY」の文字が。
「...ルシファー・クレイドルを解放しろ。」
「決まっているんだ!ルシファーは俺達ブルーローズ隊で保護することになっている!」
「解放しろ。お前らについているよりはこちらのほうがマシだろう。なぜ拒む?」
「さっきも言ったろう!彼女はお前らに利用されていたんだ!ルシファーはお前らの道具じゃない!」
「わからないやつだな!ルシファー・クレイドルは我らエクソダスの民の貴重なニュータイプだ!お前らよりは十分役に立つ!改めて言うぞ!ルシファー・クレイドルを解放しろ!」
「ルシファーは渡さない!何があってもだ!!!!!」
その瞬間、χガンダムの背部の装甲が折りたたまれ、青く光るサイコフレームが露出する。
そして、バックパックからリング状の装置が出てくる。
黄色く発光しだし、サイコ・シャードのキューブ体「サイコ・キューブ」が出現しリングに
沿う形で8つ浮かぶ。
そして、キューブがアイスピック状に変化し、Σ・アジールの肩を貫いた!
「なに..なんだ!この武器は?!」
「ルシファーは...渡さない...」
肩を貫いたアイスピック状のサイコ・キューブが方向転換しΣ・アジールの頭部に狙いを定
める。
Σ・アジールは間一髪で攻撃を免れるも肩をやられた今、撤退する他選択肢はない。
「撤退するぞ!全艦、全機体撤退だ!」
「撤退しろ!総帥の命令だ!」
ヒートホークで襲いかかろうとしていたザクIIも身を翻し撤退していく。
「なんだ?!撤退していくぞ!」
「俺らは勝ったんだ!勝ったぞ!」
一方、アスカ・レインは荒い息でχガンダムを動かそうとする。
「動け!動けよ!あいつ生かしてはおけない!動け!」
いくら操縦桿を動かしてもχガンダムは動かない。固まったままである。
そのとき、χガンダムのカメラアイが赤く発光しだした。頭部に黒いエンジェル・ハイロゥ
が出現する。サイコ・キューブも黒く発光しだした。
それを見ていたドルトンの艦長は緊急停止措置として操作に支障が出ないよう攻撃しろと伝える。
そして、ジムIIIがロングレンジ・ビームライフルを用意し、腕に照準を合わせ射撃。
ビームが肩と腕を中破させると、サイコ・キューブが消滅する。ハイロゥも自然と薄くなり
消えていった。χガンダムの暴走を食い止めることに成功したのである。
その後、回収部隊にχガンダムは回収され、アスカ・レインは無事、ドルトンに帰還した。
機体解説(追記 2025 8/21)
χガンダム一号機(ARX-χ01/BR)
全高 18.2m
重量 47.3t
装甲 ガンダリウム合金
χガンダム一号機は、アナハイムエレクトロニクスと連邦サイドについたジオン残党含めたブルーローズ隊が主導で開発したMS。
特徴としては全天周囲モニター・リニアシートを採用し可変機が主流になった時代にコア・ブロック・システムを採用した機体でもあるということだ。
主な理由としては試験機体である以上データの回収が必要であることと、貴重な天然ニュータイプの(連邦では公に否定されているが、ブルーローズ隊の大多数はニュータイプである可能性が高い、または素質がある人物のみを採用している。)パイロットの保護などがあるためコア・ブロック・システムを採用している。
しかし中身は進化しており、全天周囲モニター・リニアシートを標準装備するなどのコア・ブロック・システム誕生から32年、十分に進化していると言えよう。
また、フルサイコフレームを使用しているが、シンギュラリティ・ワン(ユニコーンガンダム一号機、二号機バンシィノルン)の最大稼働状態、デストロイモードのように全てが展開、伸縮されて露出されたサイコフレームではなく、背部や脚部の裏、腕部の裏のみ展開するようになっている。
なお、この場合はパイロットが強い意思を持ったときにしか発動しない。
武装
頭部バルカン
2門装備。
ビーム・ライフル
νガンダムのビームライフルの形をしているが、ゲルググのビームライフルのサイトに似たサイトがついている。威力は高いがビームマグナムほどではない。
ビーム・サーベル
高威力でMSを真一文字に切り裂けるほど強力。光刃はピンク。2本装備。
シールド
硬質素材でできており、Zやユニコーンのように複雑な形はしておらず、初期のRX-78-2のシールドに近い形になっている。一瞬だがメガ粒子砲にも耐えれる。しかし通常より重くなっている。
サイコ・キューブ
サイコ・キューブは、ネオ・ジオングやユニコーンガンダムが起こした光る結晶体のような擬似的なサイコフレームであるサイコシャードを一つにまとまる装置を利用してつくられたファンネル・ビットのような物である。
非常に使用は限定的で、主にパイロットの交換能力を最大限に高められたときや、パイロットが極限状態、または激しく強い思念によって形作られる。
物体はサイコシャードの塊であるため作り出す力場で重力まで歪め、制御してしまう力も発生するため、地球のような重力が働く空間でも無重力のように浮くことができる。
また、パイロットの思念で様々な形になることが可能で、例えばアイスピック、剣、棘などの攻撃的な形に変化させたり、縦方向に積み重なり平面状になることでシールドになったり、キューブが連結してビームライフルを創造することも可能ではある。
しかし、激しい憎しみ、恨み、恐怖を感じてしまうとその瞬間に暴走。
外部からも遮断され、パイロットの思い通りに動かすこともできず、敵味方関係なく攻撃をしてしまうという欠点がある。
ビームライフルになることも可能である。また、同じサイコ・キューブ発生装置が搭載された機体と共鳴することもある。
質問があったら言ってください何でもしますから