U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

6 / 43
第六章「ego sum apud te」

アスカは病室にいた。

 

数日前、Σ・アジールを撤退させた後、χガンダムは暴走状態に陥った。

そして、腕と肩をロングレンジ・ビームライフル撃って暴走状態を停止させたのだ。

 

そして、χガンダムは回収隊に回収され、アスカ・レインは無事救出されたのだった。

体は無事だったが、検査のため入院ということになり、病院にいる。

 

アスカはベッドの上でため息をつきながら、目を閉じる。

 

すると、病室のドアが開いた。

 

「入ってもいいかしら..?」

 

銀白の髪が揺れ、赤い瞳の少女が顔を覗かせる。

 

「ルシファーか。いいぞ。」

 

とてとてとベッドの隣に寄り、ルシファーは丸椅子に座る。

そしてアスカの方を向き、

 

「大変だったわね。身体(マテリアルボディー)は大丈夫なのかしら?」

 

「ああ。なんとかな..」

 

「私のために戦ってくれたのね。ありがとう。あと、さっき中尉から聞いたわ。χガンダム

は修復するのに八ヶ月はかかるそうよ。」

 

「当分俺は前線に出られないな..エクソダスの民が今攻めてこなければいいんだがな..」

 

「本当にそうね。そうならないことを祈るばかりだわ。お邪魔したわね、私は帰るわ。」

 

「そうか...わかった。あと4日くらいで帰るからな。」

 

「わかったわ。フッ..また今度会いましょう。」

 

そう言ってルシファーは丸椅子から立ち、銀白の髪を翻して帰っていった。

 

 

 

 

 

 

ルシファーはアスカの病室を後にし、階段を下りていた。

 

「本当にアスカは大丈夫なのかしら..心配ね。」

 

ゴシックロリータの服をなびかせながら、「2F」と書かれた階段の踊り場まで出てきたところに、サングラスをかけた軍服の男が、二人出てくる。すると、ある一人が口を開いた。

 

「ルシファー・クレイドル少尉かな?一緒に来てほしい」

 

男は、地球連邦軍の軍服を着ている。

胸には青い薔薇(ブルーローズ)の紋章が付いている。

 

「我に何のようかしら。軍人さん?」

 

「君に見てほしいものがある。だから、一緒に来てくれ。」

 

「わかったわ。フフッ...なら、一緒に行ってあげてもいいわね...」

 

そして、ルシファーと軍人二人は足を動かし、階段を下り病院のエントランスに出る。

病院の入口のドアを開き、止まっている黒塗りの高級車に乗り込む。

 

そしてその車に乗ると、ルシファーは目隠しをされ、手錠をかけられる。

そして、フォーンという静かな音を出しながらルシファーを乗せた車は走り出した。

 

「どこに行くのかしら?」とルシファーは首を傾げる。

 

するともう一人の軍人が「極秘の場所にある建造所だ。だから、君には目隠しと手錠をかけ

させている。情報漏洩を防ぐためだ。」と呟く。

 

 

1時間ほど走っただろうか。車が止まり、ルシファーが車から降りる。

 

男の軍人2人が肩を拘束し歩かせる。

 

「ここなのね?本当にここなのね?」

 

「ああ。そうだ。」

 

ギィーっと重たいドアが開く音がする。

 

ルシファーは背中を押され、中へ入る。ルシファーは目隠しを外されると、冷たい空気がル

シファーに降りかかる。

 

「寒いわね..どうなっているのかしら...ここの空調...ん?」

 

ルシファーは目を向けた先には、レールガンを右手に持った赤いモノアイのモビルスーツが

立っていた。その姿は、バーザムを思い浮かべる。その隣には、「TR-2」と書かれた青いザ

ク。

 

「このモビルスーツは...何?..それと..このザクも..」

 

「このモビルスーツはχガンダム二号機『カーマイン・ヴェール』だ。君はこのパイロット

だ。選ばれたんだよ。そして隣の青いザクは『バイザックTR-2[ビグウィグ]』だ。ティターンズから鹵獲した。このザクについては、まだパイロットが決まっていない。」

 

「つまり、私はこのカーマインなんとかに乗ればいいのね?」

 

「そうだ。今日は神経接続をするだけでいい。君の頸部と脊髄に接続するためのコネクタが

あるはずだ。」

 

「なんでそれを知ってるのよ...キモいわ...あなた変態なの....?」

 

「変態とか言うな!さっさとしろ!」

 

「五月蝿いわね...わかったわ。」

 

ルシファーは乗降装置に乗り、コックピットまで上がる。そして、コックピットに乗り込

む。

 

座席にはプラグがついていた。ルシファーはそのプラグを頸部と脊髄の部分にあるコネクタ

を差し込む。

 

ピリッとした感電したような痛みがルシファーを伝わる。

 

「っ..っあ..痛..」

 

そうすると、全天周囲モニターが起動し、カーマイン・ヴェールの胸部にego sum apud te(私はあなたと共にいる)という文字が浮かび上がる。

 

「よし、いいぞ。神経接続は完了した。降りてこい。」

 

軍人が呼びかけると、突然サイレンが鳴りひびいた。

 

「なんだ?!」

 

「何なの?!」

 

「ブルーローズ全隊各員に次ぐ。コロニー内に敵モビルスーツが侵入。直ちに攻撃体制に移

れ。場所はブロック3。都市中心部であるため、注意して行動せよ。繰り返す。ブルーローズ全隊各員に次ぐ。コロニー内に敵モビルスーツが侵入。直ちに攻撃体制に移れ。場所はブロック3。都市中心部であるため、注意して行動せよ。」

 

「丁度いいな..。よし、ルシファー・クレイドル!カーマイン・ヴェールを動かせ!」

 

「了解したわ。χガンダム二号機!システムオールグリーン!起動する!」

 

カーマイン・ヴェールの赤い色がギラつき、モノアイが緑に光る。

 

カーマイン・ヴェールは巨大なシャッターを無理やり開き、バーニアを展開して都市中心部へ向かっていった!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。