U.C.0111 機動戦士ガンダムχ 作:サクナ
χガンダム二号機『カーマイン・ヴェール』は都市中心部へ向かっていた。
『ブロック3の避難、完了しました。』
「了解したわ。それにしても..くっ..バーニアの推進力がザクのそれと違う...!速すぎる...!」
ルシファーは激しいGに耐えながら進む。
「見つけた...!あれがここを荒らす愚者か...!」
都市中心部にいたのは高機動型ザクII、リゲルグ、ギラ・ドーガだった。たった三機のみの出撃に、ルシファーは嘲笑する。
「これだけなの..?!なら..やれるわ..クク..」
不敵な笑みを浮かべたルシファーは、レールガンで迎撃する。
激しい音とソニックブームが起こり、高機動型ザクIIの胸元を貫通する。
そして、爆発した。
「やりすぎたわね...でも、レールガンはこの一発しかないようね...ええと..ビームサーベ
ルを使おうかしら..あっ、ここね。」
タッチパネルを使い、バックパックのビームサーベルを抜く。すると、緑色の光の刃が現れた。そして、バーニアを展開させ都市中心部へ殴り込む。全天周囲モニターに「SOUND ONLY」という文字が浮かんでいる。
「君がルシファー・クレイドルか。本隊へ直ちに帰還しろ。さもないとまた物として扱うぞ!」という男の怒声。
「私は物じゃない!私はルシファー・クレイドル!あんたらエクソダスはみんな死ね!」
襲われたリゲルグはシールドで咄嗟に防御する。
「ちィっ!この赤いモビルスーツ!なんだぁ?!ガキめ...」
リゲルグは後方へ飛び、使い物にならなくなったシールドを投げ捨てる。
「逃げるな!私の存在を証明してやる!」
ルシファーがそう叫ぶと、彼女の虹彩の中にある魔法陣のようなものが光り出した。
変化はそれだけではない。バーザムのような頭部をしていたカーマイン・ヴェールのモノア
イが後頭部に移動し、ツインアイが姿を表す。頭部の外装が変形していき、ガンダムの顔が現れた。そして、頭部の長い一本のブレードアンテナが左右に分割し、ガンダムタイプに変化する。その姿は、ユニコーンガンダムのようだ。
「が、ガンダム?!うあっ!」
リゲルグは隙を突かれ真一文字に切り裂かれる。
ギラ・ドーガは侵入口から退却しようとしていたが、ルシファーのカーマイン・ヴェールに
見つかり、コックピットを貫かれた。
「はぁ..はぁ..これで最後なのね..?」
『戦闘終了だ。撤退しろ。』
「了解したわ..はぁ....」
カーマイン・ヴェールはバーニアを展開し、格納庫へ向かう。すでに、頭部はバーザムような顔に戻っていた。ルシファーの虹彩も光っていない。
ルシファーは格納庫に戻ると、頸部と脊髄付近のコネクタからプラグを引き抜き、コックピットハッチを開いた。すると、カーマイン・ヴェールの下にいる人物を見て、ルシファーは目を見開いた。
そこには、アスカ・レインがいたのだ。
「アスカ..なんで..いるの..?」
「早めに退院してもらえるよう頼んでだめだったから、抜け出してきた。それにしてもお前、すごいな。降りてこいよ」
「わかったわ。」
乗降装置を使い、地上まで降りる。アスカに近づき、話を続ける。
「ありがとう....それで、被害状況は?」
「ブロック3は被害がひどい。当分は改修工事を行うらしい。しかも高速道路が止まってた
から、下道で来たんだ。」
「そうなの..」
そこへ、一人の軍人がやって来た。
「ルシファー少尉」
「何かしら..?」
「お疲れ様でした。始末書はこっちで書きますので、今日は休んでください。本当、お疲れ
様でした。」
「ええ、お願いするわ。ありがとう。」
「お前、最近厨二病なくなった?」
「厨二病ですって...?っフフ..言ってくれるわね..」
「はいはい、わかったから。もう夜遅いし、なんか食って帰るか?」
「そうしましょう。」
格納庫のドアを開き、路駐していたピアッツァネロイルムシャーに乗り込む。
「この車何回も思うけど、狭いわね..」
「そうかな?話変わるけど、ハッカアメいる?」
「スースーするものは嫌いと前言ったはずよ..」
「そうだったな。ごめんごめん。」
アスカはエンジンをかけ、眠たそうな目をしたライトを開く。そして、街の方へ走り出した。