漆黒のドラゴンと小さなスライムがいた。
(???ドラゴンとスライム?ファンタジーでは最強の定番のドラゴンと最弱の定番のスライムが一緒に??)
そんな事を考えているとドラゴンが話しかけてきた。
「ふむ、また小さき者が現れたな。貴様は精霊か?」
「うわっ、お前喋れるのか?!」
魔物とは喋らないものであると思っていたため、つい驚いてしまった。
「むっ、お前とは失礼であるな!我こそはこの世界に4体しか存在しない竜種が1体、暴風竜ヴェルドラであるぞ!数少ない客人だからと下手に出てみれば、どうやら死にたいようだな?」
「わわわ、す、すいません!つい驚いてしまって...。なにせこの世界に来てまだ2日も経っていないもので...。」
危うく殺されそうになったので必死に弁明する。転生してすぐに死んでしまうとか洒落にならない。
「ふむ、なんだ貴様もそこのスライムと同じ転生者か。」
「え?そこのスライムと同じって...?」
そう言いながら、ドラゴン、ヴェルドラの前にいるスライムを見る。
[ん?やっとこっちの話になったか。よう俺の名前は三上悟だ。悪いスライムじゃないよ?]
(えっ!頭の中に直せ『思念伝達によるものです。』へぇ、相手に直接考えてることを送れんのか、って今のセリフ!?)
「もしかして日本からの転生者ですか?」
そう今のスライムのセリフは元の世界で有名だったセリフだったのだ。
スライムの名乗った名前も相まって日本からの転生者でほとんど間違いないと判断したのだった。
[そうなんだよ!っていうことはお前も日本からの転生者か!こうも早く仲間が見つかってよかったよ!]
「ええ、俺も嬉しいです!あ、俺の名前は十辺真一って言います!」
そんな感じで転生者同士、話に花が咲いていた。
すると
「なぁ、貴様ら、我のこと忘れてないか...?」
既に空気と化していたヴェルドラが話しかけてきた。
(いっけね、ヴェルドラのこと忘れてた!!)
[わ、忘れてるわけないじゃないか!なぁ!]
「お、おう!忘れてなんかいないぜ!」
「うむ、それならいいのだが...。ところで貴様らはここからどうするつもりなのだ?」
「うーん、俺はここから出て旅をするつもりだったけど、スライムさんは?」
[俺もそんな感じだな。他の異世界人にも会ってみたいし。]
考えていることは同じだったようだ。
しかし、俺達のそんな言葉を聞いてヴェルドラが少し寂しそうにしている。
「いやなに、我ここに三百年くらい封印されておるからな。少し、ほーんの少し、寂しいのだ。」
ヴェルドラ曰く、三百年ほど前にうっかり街を一つ消してしまい、その時の勇者に封印されてしまったらしい。
うっかり街を消すとは規模が違いすぎて想像もできないが、そんなヴェルドラを封印できる勇者はすごいのだろう。
そんなに強かったのかと思って聞いていると、ヴェルドラの口から、その勇者が女性でその容姿が事細かに話されたので、見とれて負けたのでは?とツッコむと
フザケルナ!
と怒鳴られてしまった。