転生したら武闘派だった件   作:秦ともひろ

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第四話「大森林」

リムルがヴェルドラを捕食してから1ヶ月が経過した。俺達は未だに洞窟の中を歩いている。けっして迷子になっているわけではない。洞窟が広すぎるのだ。

 

(おいおい、1ヶ月歩いて出られないとかどんだけ広いんだよ...。)

 

ちなみにこの1ヶ月間ただ歩いていたわけではない。リムルとともにスキルの確認をしていた。なんでもリムルもユニークスキルを持っているらしい。

 

1つ目が「捕食者」。

 

スライムの種族固有の能力を最大限強化したような能力らしく何でも食べれて、吸収できるのだとか。さらに吸収した相手の能力も手に入れることができるらしく、魔物に会っては捕食してスキルを獲得していた。中でも大きな収穫だったのは、コウモリの魔物から得た「超

音波」のスキルだろう。これのお陰で今ではリムルも喋ることができるようになっていた。

 

2つ目が「大賢者」である。

 

これは俺の「管理者」と同じような能力らしく、「捕食者」で能力を吸収できるのもこの能力の手助けがあるかららしい。

 

そんなこんなで1ヶ月が過ぎていったわけだが、ついに外につながると思われる扉を発見した。

 

「ふう、やっとか。」

 

待ちわびていた外である。そうして出ようとするとその時、扉の向こう側から人の声がした。

 

[!?マズい、リムル!隠れるぞ!]

 

[?どうしてだ?人なんだろ?]

 

[忘れたのか?今のお前はスライムなんだぞ?]

 

[!確かに!]

 

いかにスライムといえども魔物を見たら倒しに来るだろう。そう考えたため俺達は一度隠れて様子を見ることにした。

 

 

 

「やっと開いたか。錆びついてしまって、鍵穴もぼろぼろじゃねーか...」

 

「まぁ仕方ないさ。三百年、誰も中に入った事がないんだろ?」

 

「入ったという記録は残っていません。それよりも本当に大丈夫なんでしょうか?いきなり

襲われたりしないですよね......?」

 

「がはははっ!安心しろ。三百年前は無敵だったのかもしれんが、所詮は大きなトカゲだろ?俺は、バジリスクをソロで討伐したこともあるんだ。任せろ!」

 

「それ、前から思ってましたが、嘘ですよね?バジリスクってカテゴリーB+ランクの魔物ですよ?カバルさんにはソロ討伐なんて無理ですよね?」

 

「馬鹿野郎!俺だってBランクだぞ!でかいだけのトカゲなんざ、敵じゃねーんだよ!」

 

「はいはい。わかりましたから、油断しないでくださいよ?まぁ、いざという時は私の強制離脱で逃げますけど......」

 

「二人が仲いいのはわかったから、そろそろ静かにお願いしますよ。あっしの隠密技術を発動させやすんで!」

 

 

なんだか騒がしい三人組が入ってきた。

 

服装や会話から見るに冒険者のようなものだろうか。それよりもカバルとかいう大見栄きったやつ、ヴェルドラが健在だったら即死してるぞ...。

 

更に様子をうかがっていると、痩せ気味の男がなにかしたのか、急に三人の姿がぼやける。

 

さっき言っていた隠密技術?というやつだろう。日本で使ったら犯罪し放題なやばいものである。隣でリムルが目を輝かせているが...うん、考えていることはだいたい分かるな。

 

(まぁ、ただああいうのが使えるってのは便利だろうな。)

 

『告。「戦闘者」の戦技習得により、隠密技術を習得しました。』

 

……….手に入ってしまった。やはりなかなかにチートである。

 

(ともかく今は外に出るのが先だな。)

 

そして三人組の気配が消えたのを確認して俺達は外へとつながる扉をくぐった。

 

 

 

洞窟から外へ出るとそこは森であった。

 

(そういえば「管理者」が”ジュラの大森林”って言ってたな。本当に”大”森林だな...)

 

あたり一面に広がる木、木、木...。もはやこの洞窟が浮いて見えてしまう。

 

森の広さに驚きつつも、森の中を進んでいく。

 

 

 

森を進み始めてしばらく経った。

 

歩き始めて思ったのだが、

 

(動物がいない!!)

 

ここまで歩いてきた中で動物とほとんど会っていないのだ。

 

一度だけ狼と出くわしたのだが、何故かすぐに逃げられてしまった。

 

(まぁ、平和に進めるしいいか。)

 

そう考えていると、ふとリムルが

 

「なぁ、そういえばクロスってめっちゃ女の子の姿なのに一人称俺なんだな。」

 

「...確かに。考えもしなかったな。...違和感しかないし、一人称、せめて僕に変えるか。」

 

「おぉ!僕っ娘か!いいねぇ〜。」

 

なんか、ものすごくおっさん味を感じた。

 

そんな事を話しながら、俺......僕とリムルは歩いていた。

 

しかし面倒ごとは突然やってくるのだった。

 

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