話を聞く限り、今攻めてきているのは牙狼族というらしく、「管理者」によれば、この間、俺達を見て逃げていった狼たちの種族らしい。
あれを見る限り、負けることはないだろう。
(それに俺も、こっちの世界に来て、まだ技を使えてないしな。)
「それで、貴方様方には牙狼族を倒していただきたいのです。」
本題に入ったようだ。
何でも、倒された
[どうするリムル。僕はこの提案飲んであげてもいいと思うけど。]
[俺もそう思ってたところだ。ただ体裁は保っとかないとな]
[そうだね。]
そしてリムルが村長に尋ねる。
「村長。もし俺達が助けるとして、その見返りは何だ?お前たちは何を差し出せる?」
一見、非情な物言いではあるが、こうでもしておかないと後々の立場が難しいものになって
くるだろう。見返りがなくても助けるつもりではあるが、村長はどう出るのか...。
すると、村長は覚悟を決めた顔で
「我ら一同、貴方様方に仕えさせていただきます!どうか、我らをお助けください!さすれば貴方様方に忠誠を誓いましょう!」「誓いましょう!」
息子と一緒に必死に頭を下げてきた。どうやら覚悟は完全に決まっているようだ。
そうして俺とリムルは、ゴブリンの村を牙狼族から守ることになったのだった。
〈第三者視点〉
我は、牙狼族の長である。
ジュラの大森林を守っていた、暴風竜ヴェルドラの気配が消えて一ヶ月、我々はジュラの大
森林の覇権を得るべく、その足がかりとして大森林の中にあるゴブリンの村を近々攻め落とす予定だ。あの村にいた「名持ち」も我々には勝てなんだのだ。もはや我らの覇道を邪魔するものなどない!
「ち、父上!戻りました...!」
…こやつは我の息子だ。流石は息子というべきか、他の奴らよりも強く、すでに群れのナンバー2になっている。その強さを見込んで大森林の偵察に向かわせていたのだが...
「何をそんなに慌てているのだ?大森林の様子はどうだった?」
「は、はい...。大森林は予想通りヴェルドラが消滅しておりました。攻め込んだとしても暴風竜のことは考えなくても良いでしょう。」
「ふむ、予想通りだな。しかし、では何故そんなに慌てている?」
「そ、それが...。暴風竜の偵察から帰る途中に、圧倒的な妖気を放つ人間の子供と、スライムに遭遇したのです!あの妖気はおそらく今の大森林で一番でしょう。」
「ふん、なにかと思えば人族のガキにスライムだと?我が息子よ、大森林に攻め込む直前に臆しおったか?たかが人族やスライムに我々が負けるはずないだろう!」
「っ!そ、そうですね...。申し訳ありません父上...。出陣の準備をしてまいります。」
「うむ。」
まだまだ子供だな。少しの予想外で混乱するとは...。どちらにせよ暴風竜がいないのであれば我々の勝利は約束されたようなものだ。これをきっかけに、大森林の王となってやろうではないか!
「はーっはっはっは!」
しかし、この時の我は知らなかったのだ。息子の報告が想像以上に重大であったことに...