転生したら武闘派だった件   作:秦ともひろ

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第七話「牙狼族」

〈クロス視点〉

 

ゴブリンの村に来てから、3日が経過した。

 

この3日間、僕とリムルはゴブリン村の防衛力の強化に尽力していた。...と言っても大掛かりな装置だったり武器だったりは作れないので、木の柵を村の周りに設置したくらいだけど...。

 

あとは念の為、怪我をしている人たちを回復させておいた。何でも、リムルがヴェルドラの洞窟で大量に食べていた草が、「ヒポクテ草」という薬草だったらしく、回復薬が作れたのだそう。それも死んでいなければどんな状態からでも回復させられる「フルポーション」が作れたのだとか。

 

そんなこんなでいつ襲撃が来てもいいように行動していた。

 

そしてこの日の夜、ついに襲撃があった。

 

 

 

「「「ウオォォォォォーーーーーーーーン」」」

 

 

 

何体もの狼、牙狼族が吠える。

 

そして群れの長であろう顔に傷を持つ一体が前に出てきた。

 

「我は牙狼族の長である!死にたくなければ、我らに降伏し、忠誠を誓うがいい!」

 

…なんだか大層なことを言っているが、あまり大したことはなさそうだ。

 

このまま相手がいい気になっているというのも癪だったので僕は前に出た。

 

「僕の名前は、クロス=テンペスト!お前たちに降伏するつもりはない、見逃してやるからさっさと立ち去れ!」

 

正直、温情のつもりで言ってやった。何体かはビビっていたのだが、長はまったく怯んでいなかった。見ていると、ある一体が長のもとに向かっていっている。確か...前に森で遭遇した牙狼族だ。

 

「父上、あれが以前森で見た者です!あの妖気は魔人では?!」

 

「なに、案ずるな息子よ。たとえ魔人だとしても、あんなにもガキではないか。我々の敵ではない!」

 

どうやら引いてくれるつもりはないようだ。それにしても長の息子とか言う牙狼族、危険を察知して長に忠告するとは、なかなかに良い部下だな。ただ長があんなのでなければ、もっと活躍できただろうに...。

 

そんな事を考えていると、いつの間にか牙狼族たちが村に向かってきていた。結局攻めることにしたのだろう。

 

ゴブリンたちは、木の柵程度では防げないと思っているのか、恐怖で目を瞑っているものばかりだ。

 

しかし、いつまで経っても牙狼族は中には来ない。

 

なんと柵に向かって飛び込んでくるたび、その牙狼族が細切れになっていくのだ。

 

これはリムルの考えた策で、洞窟で捕食した蜘蛛の魔物から得た「粘鋼糸」というスキルで生み出した、硬い糸を柵周りに張り巡らせるというものだった。

 

この策は驚くほど大成功で、これによって三割ほどの牙狼族が死んだ。

 

ついにしびれを切らしたのか、長が

 

「ふん、なんだ!だらしのない。我が行ってやる!お前たちは見てるが良い!」

 

と言って突っ込んできた。

 

流石、長なだけあって今までの牙狼族よりも俊敏に糸を避けてきていたが、結局リムルの「繰糸」によって捉えられてしまった。

 

しかし、相手も考えなしのバカではなかった。

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