700万年続く人類の歴史が、今、終わりを迎えようとしていた。その原因は、核戦争でも、隕石の衝突でも、地球外生命体の侵略でも、魔法戦争でも、パンデミックでも、異種族との抗争でも、無い。
人類は今。
他ならぬ人類の創造主。
“神”の意思によって、“終末”を迎えようとしていた。
ーヴァルハラ評議会・議事堂ー
???「い、いよいよっすね…お姉さま……!」
『北欧神話:ワルキューレ13姉妹・
???「…………」
『北欧神話:ワルキューレ13姉妹・
???「ブリュンヒルデ。どうするつもりだ?神々の会議にわざわざやって来るという事は、何か考えがあるって事で良いんだな?」
『Undertale:サンズ』
青いジャージを羽織るスケルトンが、ブリュンヒルデに尋ねる。
ブリュンヒルデ「ご安心を。私には考えがあります」
サンズ(全世界の神々が揃うこの会議………圧巻の光景だな)
ゲル「凄い光景ッスね。ヒルデ姉さま」
ブリュンヒルデ「……………」
そして、神々は会議を開く。議事堂の中心には、ドラゴンが寝ている玉座があり、其処に1人の老人が座っていた。ドラゴンの口元を撫でながら、老人は言葉を放つ。
???「では皆の衆。前回からはや1000年が経った。例の会議を始めるぞい」
『ギリシャ神話:ヴァルハラ評議会議長・ゼウス』
此れから開かれるのは、1000年に一度、全世界の神々が一堂に会し開催される、“人類存亡会議”である。つまり、神々によって人類がこの先1000年もの存続が可能かどうか判決が下る。
但し、全世界と言えども総ての神々が参加するのではない。中には会議に参加しなくとも人類を見守る神や、どちらにも味方しない或いはどちらにも中間を維持する神、そもそも人類等どうでも良いと思ってる神々は、会議自体を欠席している。但し、欠席者の中には人類を本気で信じるからこそ会議に出ない神々も存在する。
ゼウス「問おう。人類に次の1000年の存続を『許す』か?それとも『終末を与えるか』?神々の意思を示せ」
ゼウスの言葉はしわがれているが、神々のトップとしての威厳と強さ、そしてその身に秘めた圧倒的な力が込められていた。
神々は冷や汗を流しながらも、人類の存続を話し合う。
一番最初に意見を出したのは、甲殻類と巻き貝が合体したような甲羅を頭に被り、無数の触手を殻から伸ばして体に巻き付かせている少女だ。殻の両端からは蛇の頭部が生えており、蛇達は意思があるようで時々鳴いている。両手は伸縮自在でハサミのような手袋を付けている。髪の毛も自由に動かすことが可能で髪先は殻と同様に紫色の花柄が浮かんでいる。
???「滅亡しかないかも!だってさー、今の彼等の姿を見てても将来託せるか分かんないもん!もう彼奴等は好き放題するだけのケダモノだよ!一回滅ぼしちゃおうよ!」
『ウルトラマンティガ&ウルトラ怪獣擬人化計画:邪神ガタノゾーア』
ガタノゾーアは早く人類を滅ぼしたくてたまらない。
ゲル「そ、そんな滅茶苦茶な………」
幼い邪神の口から放たれる、無慈悲な言葉。
???「俺も滅亡で良いと思うぜぇ」
『インド神話:破壊と創造の神シヴァ』
シヴァ「つーかよぉ。この1000年見てきたけどさ。人類は口からは良い言葉を吐きながら、何度も同じ事繰り返すしよぉ。反省するような事言っておきながら同じ事繰り返してんだぜ?オマケにガタノゾーアの言う通り、考える脳のねぇ連中ばっかで見ててもムカつくしよぉ〜。話も聞かねぇ、騙されても言い訳ばっか、ホントにムカつく要素しかねぇしよぉ〜。サクッと破壊して今度は虫共を人型種族に進化させようぜ。彼奴等のほうがよっぽどお利口さんだ」
寝そべりながら話すシヴァの言葉に、次々と人類存続に反対する神々が現れ始める。
日本神話の神々『しかし………だが、日本人達ももう薄汚れた!一度滅ぼさねばもう反省もせん程にな!可哀想だが…やってやろうではないか!!』
北欧神話の神々『奴等は害悪!』
インド神話の神々『人類は救いようがない』
ケルト神話の神々『もう滅ぼすか』
クトゥルフ神話の神々『………………人類終末に賛同しよう』
そして、更に追い打ちを掛ける女神達。
???「シヴァ様の仰る通りです。人類は美しい世界を汚し続け、挙げ句には同胞すらも蔑んでます。海は油とゴミに汚染され、豊かな森は減り続けるばかり。最早彼等は地球どころか世界を蝕む寄生虫…………いえ、寄生虫以下の害悪とでも言うべきでしょうね」
『ギリシャ神話:美の女神アフロディテ』
従者達に重い胸を下から支えてもらい、蹲る従者の背中に座るアフロディテは、端末に映る地球の荒廃し汚れた自然、そしてイジメや虐待、戦争に差別の光景を見て蔑みの目線を向ける。
???「そうよね。自らが産んだ子供達を苦しめ、自然だけでなく自分達の住む街も汚しておきながら、反省もせずに悲劇を繰り返すだけ。挙げ句の果てには体が大きくて建物を壊したりする理由で、星に元から暮らす罪なき原生生物や星の守護者をも平気で殺して行く。もう人類は世界に不要よ。正義?平等?慈愛?救済?人類はそんな理想論を掲げて来たけど、不義や不平等、堕落や暴力の間違いではないかしら?というわけで、シヴァ様の言う通りサクッと破壊する方でも良いし、ガタノゾーアが言ったように苦しませながら終わらせるのも良いわ」
『北欧神話:美と豊穣の女神フレイヤ』
???「そうよねん。流石の私も、もう養護は出来ないわ。“地球”の私も嫌気が差してるし、“月”の私も既に見捨てる気満々よ。ゴッサムや神室町だけでなく、汚職や堕落、悪逆無道、差別、無関心が蔓延る文明も増えて来たわね。良い人間や強い人間が居るのは知ってるし悪党の中には仁義を通す者も居るけど、だからって暴虐を見逃すなんてしないわ。時に割り切る必要があるわよん」
『東方Project&ギリシャ神話:地獄の女神ヘカーティア・ラピスラズリ/ヘカテー』
それを見ていたゲルは、驚く他無かった。まさか親しみやすいヘカーティアからそんな言葉が出るとは思わなかったからだ。
ゲル「ヘカーティア様………」
神々『そうだ!奴等はもう救いようはない!』
神々『滅亡だ!』
神々『滅亡だ!』
神々『滅亡だ!』
次々と人類存続に反対する神々。会場は真っ赤に染まっていく。もし全員が滅亡に賛同した場合、人類終末は即座に実行される。
しかし、全員が反対した訳では無い。
???「それでも……私は人類存続に賛成します!!」
それは、白と桜色をベースとしたドレスを身に着けた少女であった。ピンク色の明るい髪が特徴的であり、白いリボンでツインテールにしている。
『魔法少女まどかマギカ:鹿目まどか・アルティメットまどか』
全員がまどかに注目する。
ゼウス「ほう。その理由を聞こうじゃないか」
ゼウスがまどかに問い掛ける。まどかは臆さず答える。
まどか「私は嘗て人間でした。確かに人間の中には救いようのない人達も居ます。友達もそんな人達に苦しめられた事がありました!私だって鈍臭くて、弱虫で、役立たずで、なんの取り柄もない人間でした!何も出来なくて悔しくて、苦しくて、何度もないたことだってあります!ですが、その中には必死に毎日を生きて、病に苦しむ人達やその人達を救おうとする人々も居ます。もし此処で人類を滅ぼしてしまったら、その人達の頑張りも無駄になってしまいます!それに、誰かのために何度も泣いて、傷ついて、それでも誰かの為に必死で頑張る人も居ます!嫌な事も悲しい事もあるかもしれないけど、それでも皆、頑張って生きてる!そんな人達が居るなら、私は人類を何度でも信じます!!」
まどかは人類存続に賛成する『○』の札を掲げた。
それに対して、ある神の両肩に一匹ずつ留まる二匹のワタリガラスが返事を返す。
???『随分物を言うようになりましたね。まどか』
???『けっ!元々人間だからそんな事が言えんだよ!』
???「………………」
『北欧神話:オーディン、オーディンの白鴉フギン、オーディンの黒鴉ムニン』
まどか「じゃあフギンとムニンは人間と直接お話ししたことはあるの?触れ合った事は?共に過ごした事はあるの?そんな事もしてないのに分かったつもりにならないで」
フギン『ハッ!何を言うかと思えば?』
ムニン『人間なんかと話す事なんてねぇよ!』
フギン『話してどうなると言うのです?人間が我等の言葉に聞く耳を持つわけがない!今更彼等が我等神々の言う事を聞くとでも?』
ムニン『んなわけねぇだろ!話したって無駄だ!というか、オメェの親友だって言葉すら届かず“魔女”になっちまったじゃねえかよ!!』
まどか「っ!」
まどかは目を瞑り、拳を握る。その事はまどかの中でも、忘れられないトラウマになっていた。ショックなのは変わらない。忘れたくても忘れられない。現に拳を握り、血が指の間から染み出ている。
それでも、まどかはへし折れない。忘れない。それを忘れてのうのうと生きるなんてしたくない。
何故なら自分は、神である以前に魔法少女だ。夢と希望をもたらす存在。ならば、突き進む。それがどれだけ、苦しい道だとしても。
まどか「でも、その人は私を信じてくれた!私の友達でいてくれた!なら私は………何度だって信じるよ!私は、人類存続に賛成します!!」
フギン「っ!言うじゃありませんか!」
ムニン「大したもんだぜ……」
フニンとムギンは、まどかの決意の顔を見て後ろへ退いた。オーディンはまどかを見て笑みを浮かべる。久しく見る強き者の顔に、オーディンも興奮を隠せずに居た。
全員が賛同しなかった。満場一致でない以上、人類の完全な滅亡は間逃れられる。しかし、それでも人類存続に反対する神々が多い以上、人類の滅亡は避けられない。
ゲル「まどか姉さま……!」
サンズ「やるな」
それでも、ゲルは嬉し涙を流し、サンズはまどかの言葉に感心する。
???「私も人類の終末に反対します!」
???「まあ妾は滅亡賛同じゃが、ただ滅ぼすにも惜しい奴等じゃしのう」
『パルテナの鏡:女神パルテナ、自然王ナチュレ』
???「ああっ。俺もまどかに賛成さ。俺も人類存続に賛成だ」
『仮面ライダー鎧武:葛葉紘汰』
???「日本神界の皆はああいったけど……私も賛成しようかしら」
『日本神話:天照大御神』
ゼウス「なんじゃ……お主等も反対か」
パルテナ「当然ですゼウス様。まどかの仰る通り、人間は滅ぼすには惜しい存在。手間のかかる子供のようなもの。過ちにいずれ気付き、生まれ変わる事の出来る存在です」
紘汰「ああっ。俺もまどかに賛成だよ。俺も元人間だしな」
人類の存続を賛同する声も上がり始める。
ゼウス「ふむふむ………やはり賛同する者は居たか…」
ブリュンヒルデ「まどか様達の仰る通りです!」
ブリュンヒルデは前に出る。本来なら神々が全員人類存続に反対した場合に止める手筈だったが、まどかや人類存続に賛同した神々の勇姿を見て、漸く決意を決めた。
神々は会議の場に乱入してきたブリュンヒルデに注目する。
神々『アイツ、ワルキューレじゃねえか?』
神々『なんでこんな所に居るんだ?』
神々が注目する中で、ブリュンヒルデは冷や汗を流しながら続ける。
ブリュンヒルデ「確かに人類の暴虐は目に余ります。しかし、ただ滅ぼすのはあまりにも芸が無い。いかがでしょう?次の1000年、いえそれ以上の刻を存続する価値があるかどうか、神々の慈悲と神威を見せつけつつ、彼等人類を試してみては」
まどか「ブリュンヒルデちゃん………」
まどかはブリュンヒルデを見つめる。
ヘカーティア「へぇ〜。まあ最近退屈してたから、肩慣らしに丁度いいと思ってたのよん。で、何するの?」
ブリュンヒルデ「『
神々『『『…………ハッ?』』』
サンズ「何だそりゃ?」
ブリュンヒルデ「ヴァルハラ憲法第62条15項に定められた、超特別条項。神と人類による、タイマンです!」
ブリュンヒルデのその言葉に、神々は失笑していた。何故ならそれは、神々の戯れとして制定された超法規的条項なのだ。
13対13で行われ、先に7勝した方が勝利。人類が9敗すれば滅亡確定。万が一人類が勝利すれば1000年の生存が許可される。
しかし、その法は人類誕生以来、一度も適用されたことはない。
何故ならば………
嘲笑う神々。ヘカーティアは何も言わないが、流石に無理があると思っていた。
フギン『ハッ!何を言い出すかと思えば!』
ムニン『人間なんか神の敵じゃねーよ!』
フギン&ムニン『『やるだけ無駄だ!!』』
しかし、ブリュンヒルデは神々にある物を見せる。端末を取り出し、画面を操作してある映像を神々に見せる。
ブリュンヒルデ「皆様はこう思っておりますね?『人間なんて神に勝てる筈が無い』と。此れを見てもそう思われますか?果たして本当に、人間は神に勝てませんか?」
ブリュンヒルデが見せた映像。神々は笑いながら映像を見つめる。
しかし、数分が経過した頃だった。神々の顔が曇り始める。中には驚くあまり目を見開いたり、言葉を失っていたり、感心したり、「たかが人間の分際で!」と悪態をついたり、「やるわね」と称賛を送ったりと、神々の反応は千差万別だ。
それは、様々な世界において、神と人間が戦い、人間が勝利した闘いの映像だ。
ある世界の人間は、クラスメイトと共に異世界へ召喚されるも、裏切りに遭って奈落に落ち、愛する者と共に這い上がって神を撃ち倒し、元の世界へ帰還を果たす。その時に出来た愛する女達と共に。:『ありふれた職業で世界最強』
ある世界の人間は『盾の勇者』として召喚されながら、裏切りに遭って苦しませられながら、仲間と共に名誉を取り戻して全ての元凶である女神を倒した。:『盾の勇者の成り上がり』
ある世界の人間は地球の怒りたる怪獣によって生き残った人類と共に宇宙へ追い出され、それでも復讐と共に生きて、ナノメタルで構成された鋼の神を、エクシフが信仰する星を喰う者たる神を間接的に無力化し、因縁の怪獣に倒させる。そして最後は、全てに決着を付ける為に因縁の怪獣へ向けて特攻を仕掛けた。:『GODZILLA三部作』
ある世界の男は、神にも等しい宇宙の力を得た男と一時は互角に闘うも、リミッターが外れた事で無限の成長性を得た事で強くなり、その男を打ち倒した。:『ワンパンマン』
ある少女達は“勇者”となり、世界を脅かす存在と闘い続けた。しかし、世界の真実に気付いて自らを犠牲にしようとしたが、最後は人として生きる事を強く望み、その拳を持って天の神を殴り砕き、世界を救った。『結城友奈は勇者である:勇者の章』
シヴァ「おいおい、マジかよ~!」
アフロディテ「まあ、なんて素晴らしい♥」
ヘカーティア「へぇ〜。人間も捨てたものじゃないのね」
しかし、ほむらのようにまどかの力を奪い取って最悪なハッピーエンドに変えた映像もある。
まどか「ほ、ほむらちゃん………」
まどかとしては複雑な気持ちである。
フギン『に、人間が神を倒してる!?』
ムニン『馬鹿な!?そんな事ありえねぇよ!?』
ブリュンヒルデ「有り得ない……なんて事は有り得ない。仲間を欲し、自らの矜持を強く持った『強欲』な方の言葉です。どうです?此れでも、人類が神に勝てないと、言い張るおつもりですか?」
映像を観ていた神々は話し合う。信じられない光景が続いたが、それでも映像には事実しかない。
ゲル「凄い………」
サンズ「まあ、俺も知ってるぜ。神を力ではなく説得して分かり合わせた、そんな少女をな」
サンズの記憶にある、中性的な少女。彼女がモンスターを地下から解放し、人間との共存を見つけ出してくれた。しかし、1人の尊い存在を失った。それが誰かは言わないが。
ゼウス「フォッフォッフォ〜。此処まで来ると、流石に尊敬に値するわい。ブリュンヒルデよぉ………中々面白い提案を持って来てくれたのぅ?」
ゼウスがブリュンヒルデに向ける視線。それは、怒りではなく尊敬の眼差しだった。ブリュンヒルデとしてはゼウスがこの提案を出した自分に敬意を持った事に、意外性を感じなかった。
ブリュンヒルデ(神々は人間よりもキレやすい。それは神々が元来傲慢で強欲で、時に怠惰で、嫉妬深く、時にダラダラする種族。だからこそ、このような情報に興奮すると信じておりました!口では馬鹿にしつつも、この様な形とはいえ挑戦したいと願えば、受けてくださると信じておりました!)
しかし、ブリュンヒルデの想定していない事態が発生する。
???「フハハハハハハハハハハハッ!!良い!!良いではないか!!」
高らかな笑い声が響き、エセ古文調な話し声も響く。
全員が笑い声の方向を見る。其処には、黄金の鎧を身に纏う王が仁王立ちをしていた。
神々『嘘だろ!?なんでアイツが此処に来てんだ!?』
神々『アイツは本来この会議に来ない筈だろ!?』
神々『ってか、出禁にされてた筈じゃねえか!!』
神々も驚愕するその王を、笑い転げる神を、誰もが知っていた。
???「貴様等が
『Fateシリーズ:ギルガメッシュ王』
その様子を見ていたまどかは、苦笑いを浮かべていた。
まどか「ホントに自由だなぁ、あの人は……」
ナチュレ「ギルガメッシュにはホントに呆れさせられるのう。しかし王としての器も完璧なんじゃし質が悪い」
パルテナ「ですが、何故此処へ?」
しかし、3人は何処か嬉しそうであった。らしさを貫くギルガメッシュ王の事が、不思議と憎めないからだ。
ギルガメッシュ「人類が勝てばこの先1000年だと?たった1000年しか人類が生きられる期間が保証される等、仮に人類が勝てても貴様等神々にデメリットが無いではないか」
ゼウス「ほう……何が言いたい?」
ギルガメッシュ「人類の未来を今後も貴様等の掌の上で決めさせるのは納得いかん。人類が勝てば、神々は金輪際人類に干渉するな」
その言葉に神々は、驚愕と怒りに染まる者が殆どであった。
まどか「ギルガメッシュさん!?」
パルテナ「ギルガメッシュ様……正気ですか!?」
紘汰「マジかよ……」
まどか達もギルガメッシュの提案に驚く中、オーディンの鴉であるフギンとムニンが声を上げる。
フギン『勝手が過ぎるぞギルガメッシュ!貴様はそもそもこの会議に参列する資格等ない筈だ!』
ムニン『偉そうに言ってんじゃねぇよ!!それを決めんのは俺達神々であり、ゼウス様達のような主神達だ!!』
神々『そうだ!!』
神々『神と人間の袂を絶った貴様に、偉そうな事を言う資格は無い!!』
ブリュンヒルデ(今だ!!)
ブリュンヒルデはチャンスを見極めた。
ブリュンヒルデ「おや?神ともあろう方々が、ギルガメッシュ様のご提案を、過去の行いを理由に大して話を聞かないまま拒絶するとは………つまり、人類と直接戦う事をそれだけ避けたいと?」
神々『『『何?』』』
神々はギルガメッシュから、ブリュンヒルデへ視線を向ける。
ブリュンヒルデ「それは………つまり……偉大なる神様ともあろう方々が
ビビってるんですかぁ〜?」
まどか「……ええっ!?」
パルテナ「まあ」
ナチュレ「マジか」
紘汰「マジかよ…」
ギルガメッシュ「ほう」
ブリュンヒルデから出てきた思わぬ挑発。それは……神々の神経を、プライドを、人類に負ける筈がないという絶対の自信を、これ以上無く刺激した。
神々『『『『〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!』』』』
逆なでされた神々のプライド。怒りに満ちたうめき声が評議会を揺らす。
しかし、ゼウスは冷静に答えを出す。
ゼウス「面白い………面白いのぅ!ワシ等を怒らせてまでやりたいと申すか?先程の映像、ギルガメッシュの提案、そして人類を擁護するブリュンヒルデ!!面白い!!面白くなってきたわい!!」
ゼウスが立ち上がり、神々に問い掛ける。
ゼウス「のぉ〜!!!お主等も見たくは無いかのおおおおおおぉぉぉ!!神々の威光を!!暴力を!!怒りを!!人類に見せつけてやりたいかぁ〜!!」
神々『『『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』』』
神々が吠える。ブリュンヒルデの挑発も気に食わないが、人類にビビってると思われるのは彼等のプライドが許さないのだ。
シヴァ「面白え!!面白えなおい!!俺も久々に戦いたくなったぜえええ!!」
アフロディテ「うふふふ♥興奮してきましたわぁ♥」
フレイヤ「そうね………人間の力、見てみたくなったわ!」
ヘカーティア「そうよねぇん。久々に私も闘いたくなったわよぉん!!」
主神、又は主神級の神々も声を上げる。
まどか「最初に人類を擁護したのは私です。責任は果たします!」
まどかも、決意と覚悟を固める。どんな罰も受けるつもりだ。
ゼウス「良かろぉ!!神々と人類で、勝負しようじゃないかぁ!!!」
ゼウスがそう叫んだ後、膨れ上がった拳を天に翳す。その瞬間、ゼウスの手元に槍のように長い稲妻が現れ、ゼウスの手に握り締められた。そして、テーブルを稲妻を握り締めた拳によって粉砕。粉々に打ち砕かれた玉座は、瞬く間に塵一つ残さず消滅した。
神々『『『『『『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』』』』』』
神々が興奮する。自分達に勝てると驕り高ぶる人類に、思い知らせてやるのだ。神々の力を、暴力を、圧倒的な格の違いを。
その時、これまで寡黙であったオーディンが声を上げる。
オーディン「ブリュンヒルデ。楽しませよ」
普段は寡黙なオーディンが言葉を発した。つまり、オーディンさえもこの闘いを楽しみにしているのだ。
ブリュンヒルデ「ご安心を。きっと気に入られるかと思われます。そう………彼等の
そう笑うブリュンヒルデの顔は、何故か強い悪意に満ちていた。
それを見たサンズも、ワルキューレ末っ子のゲルも、ブリュンヒルデの表情の意味が分からず、困惑するだけであった。
その様子を見ていたまどかは、ブリュンヒルデ達の後を追いかけ始めた。
―――――――――――――――――――――――
まどかが追い掛けた先で見たのは、インキュバスに言い寄られるブリュンヒルデ達の姿だった。ブリュンヒルデはインキュバスの前に跪いている。
まどか「こらぁ!無理矢理襲うなぁ!」
インキュバス「げっ!?まどか様!?もう勘弁してくれぇ!」
まどかが声を上げると、インキュバスは驚愕した後にその場から飛び去って行こうとした。
しかし、とある男にぶつかった瞬間、その身体が粉微塵に砕け散る。
まどか「あっ!トールさん!」
まどかが、インキュバスがぶつかった男の前に立つ。
『北欧神話:雷神トール』
その男は、巨大なハンマーを手にしていた。女性のように赤いロングヘアーであるが、白いその服の下に筋骨隆々な肉体があると分かる程の気配を持つ。そして何より、サンズ達が足を竦ませて動けない程の強さを、肌で感じ取らせていた。
まどか「トールさん!ブリュンヒルデちゃんを怖がらせないでください!」
まどかは分かっている。さっきブリュンヒルデはインキュバスに跪いていたのではなく、トールが来たから跪いていたのだ。インキュバスを追い払ったのもブリュンヒルデを救う為だけでなく、インキュバスを救う意図もあったのだ。最も、インキュバスが自ら自滅する形で死を迎えてしまったのは不本意であった。
トール「聞きたい事があるだけだ。それは、お前も同じだろう?」
まどか「否定しませんけど、オーラは鎮めてください。怖がらせたらマトモに答えてくれませんよ」
トールに道を譲るまどか。
トールはオーラを鎮めており、それを感じたゲルやサンズも溜め息を吐きながらその場に尻もちをついた。
トール「ブリュンヒルデ。何を企んでいる?」
ブリュンヒルデ「何のことでしょうか?」
まどか「…………」
まどかは、ブリュンヒルデがはぐらかしてると分かっている。しかし、言及はしない。今はまだ、その時ではないと理解してるからだ。
???『聞かなくて良いの?まどか』
まどかの脳内に声が響く。
まどか「大丈夫だよほむらちゃん。今は良いから」
まどかは、全員に聴こえない声で囁く。
トール「まあいい。楽しませよ。さもなくば、殺す」
トールはその場から去って行く。
まどか「ブリュンヒルデちゃん。私も今は、何も聞きません。でも、一つだけ聞かせてね」
まどかはブリュンヒルデの前に立つと、俯く彼女に視線を合わせる。そして、一つの疑問を尋ねた。
まどか「あの時、ブリュンヒルデは笑ったよね。それも、悪党特有の下卑た笑顔。あれ、何を意味するの?」
まどかの問いに、ブリュンヒルデはトールと対面した時に見せなかった緊張した顔を解き、立ち上がった後にまどかを見つめる。
ブリュンヒルデ「………まどか様、これから私が選ぶ13人の人類代表を見ても、怒らないと誓えますか?」
まどか「怒らないよ。でも、其処まで言うなら、見せてくれる?」
ブリュンヒルデ「………かしこまりました。まどか様になら、先に見せて宜しいかもしれません」
ゲル「まどか様……ボク、不安っす。人類は本当に、神に勝てるのか……」
まどか「大丈夫と言いたいけど、何か対策はしてるんだよね?」
まどかの問いに、ブリュンヒルデは答える。
ブリュンヒルデ「勿論。しかし、それは後日の試合にて全てをお見せします。貴女様に見て頂きたいのは、選抜した出場選手達です」
そう言った後、ブリュンヒルデはまどかにタブレットを見せた。懐にしまい込んでいたタブレットを操作し、人類代表選手を見せた。
???『嘘でしょう!?』
まどか「これって………大丈夫なのブリュンヒルデちゃん!?」
まどかの奥から声がするが、周りには聴こえない。
ブリュンヒルデ「言った筈ですよ?『彼等の
ブリュンヒルデは端末を操作し、人類代表を選別する。
ブリュンヒルデ「彼女は私の知る限り、最も冷酷非道で最も強い、女将軍です」
その様子を見ていたゲルとサンズは、ヒソヒソと小声で話す。
ゲル「サンズさん……お姉様が選抜した代表って、誰なんすか?」
サンズ「俺も知らないさ。けど、ブリュンヒルデの様子やまどかの驚く顔を見る限り、碌な連中じゃないんだろうな」
ブリュンヒルデ「聴こえてますよ。安心してください。ただ悪党を選んだ訳ではありません。彼等は普通の悪党やクズどもとは違う事を、これから嫌と言う程分かる筈ですよ」
ブリュンヒルデが選んだ人類代表とは?
そして翌日、第一回戦が始まる。
―――――――――――――――――――――――
ーヴァルハラ闘技場ー
大勢の種族が観客席に集い、歓声を上げていた。全世界の神々、全世界の人々、全種族が集う闘技場。古代ローマの闘技場に似た地形と構造をしており、円の中心に存在する円形の闘技場に誰もが注目している。
闘技場の神側の観客席側の上に立つVIP専用席には、ゼウスを含めた4柱の神が座っていた。ゼウス、アフロディテ、シヴァ、オーディンの4名だ。ゼウスの隣に1人の執事が立ち、その隣でヘカーティアが壁に背中を付けて腕を組みながら闘技場を見ていた。
そして、闘技場の中心に1人の男が立つ。闘技場が暗闇に包まれた中、闘技場の中心に立つ男に一つのスポットライトが当たる。口が開いた仮面を身に着けた小柄な男は、片手にラッパを持ちながら語る。
『北欧神話:終末の番人ヘイムダル』
ヘイムダル『俺は幾星霜待っただろうか………この“
ヘイムダルはギャラルホルンを通して、神々や人類に向けて高らかに問う。
ヘイムダル『野郎共ォ!!!準備は良いかぁ!?』
神々&人類『『『『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』』』』
ヘイムダル『ルールは簡単!!どちらかの“死”!!即ち存在の永遠の消滅によって勝負は決する!!降伏しようが関係ねぇ!!消滅を受け入れることと見なされちまうからなぁ!!』
人類側の観客席から見守るブリュンヒルデとゲル。サンズも二人と試合を見に来ていた。
ゲル「いよいよッスね!」
サンズ「ああっ。人類と神の対決なんて、中々のカードだな」
ブリュンヒルデ「………」
3人は冷や汗を流しながらも、闘技場を見つめる。
ヘイムダル『それでは、第一回戦!!神側の先鋒は……この漢だ!!』
ヘイムダルが神側の門を指差す。神側の門を通り抜けた先に一つの玉座があり、大地にめり込む巨大なハンマーを手にする1人の男。女性のように赤いロングヘアーであるが、白いその服の下に筋骨隆々な肉体があると分かる程の気配を持つ。その時、全身から空色の雷が放たれたかと思えば、全身があっという間に電撃に包まれる。しかし、その後にその姿は消えた。
その男は、一瞬にして闘技場へ移動したのだ。
ヘイムダル『神ならば誰もが言う!!アイツの
玉座から立ち上がり、ハンマーを持って立ち上がるその男は、自身と同じ大きさを持つハンマーを片手で持ち上げ、肩に担ぐ。
ヘイムダル『さあその名を讃えよ!!北欧最強にして最恐!!雷の
神々『『『『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』』』』
北欧の神々『『『ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』』』
『北欧神話:雷神トール』
オーディン「捻り潰せ」
寡黙なオーディンが声をあげる。決して大きな声ではなかった。しかし、その声は不思議と闘技場全体に響いた。
ブリュンヒルデ「やはり、神側の先鋒はトール様……」
サンズ「離れてても分かる!彼奴……ヤベェぞ!」
サンズは今まで色んなモンスターや人を見てきたが、誰もがトール以上の実力ではなかった。それ故に、トールから感じる強さの気配に動く事が出来なかった。
ゲル「トール様が初戦から………」
ブリュンヒルデ「安心しなさい、ゲル。最初の先鋒を信じなさい。彼女ならきっと、トール様にも負けません」
サンズ「まあ、ドSな奴だけどな」
ゲル「やっぱり、納得行かないっす。あんな奴が人類代表なんて………」
そして、人類代表の紹介に入る。
ヘイムダル『そして………神々に挑む人類代表!!馬鹿共の先鋒はぁ…………この女だ!!!』
人類『『『女?』』』
神々『人類の先鋒は女だと?』
人類だけでなく、神々も、人類側の最初の挑戦者が女と知ると、途端にざわつき始める。
ヘイムダル「その女は、若くして帝国の将軍となり、征伐に一年は掛かると言われた北方異民族の都市を瞬く間に滅ぼした、最強の女将軍!!」
人類側の代表が通る扉が開き、一人の女性が馬車に乗って現れる。但し、馬車を引くのは馬ではない。3人のウマ娘と呼ばれる種族が引いていた。
ヘイムダル「異民族を生き埋めにし、拷問が手緩いということで拷問官達を逆に調教したりなど、性格は極めて冷酷非道なサディスト!!人類の種から生まれた、天性の殺戮者!!」
そして、馬車が止まった後に、女は馬車から降りてくる。地面に足を着けた瞬間、トールに襲い掛かったのは凄まじい闘気であった。
トール「ッ!!」
トールが笑う。彼の歴史上、此処まで強い闘気を放つ者は居なかった。強い者が目の前に居る。男も女も関係ない。楽しむ為に戦うのだ。
ヘイムダル「何のために生きるのか!闘い、殺し、争う事を楽しむ為に生きる!!冷酷非道なこの女の名は………エスデスウウウウウウウウゥゥゥッ!!!」
ヘイムダルがその名を叫ぶ。エスデスと呼ばれたその女は、笑みを浮かべながらトールを見つめるのだった。
『アカメが斬る!:エスデス』
ヘイムダル『さあ、第一回戦!!一回戦の神代表は、トール神!!人類代表は、エスデス!!第一回戦、Fight!!』
『
人類の存続を懸けた闘いが、幕を開ける。
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その頃、闘技場を一望出来る廊下で、まどかは一人で闘技場を観戦していた。
ほむら『まどか………この闘い、というか人類の運命を懸けた闘い、どう見るの?』
まどかの隣に、半透明の妖艶な女悪魔が姿を現した。その姿は、まどか以外には見えていない。
『魔法少女まどか☆マギカ:暁美ほむら・悪魔ほむら』
まどか「うーん………悪い事にはならないと思いたいけど、なにせ人選が人選だから………見た時はホントに驚いたけど、この中には人類側から悪にされた可哀想な子達も居るんだし………そのせいで代表に選ばれたって考えると、とても複雑だよ」
ほむら『それに関しては………人間側の落ち度としか言えないのよね。でも、ブリュンヒルデが代表に選んだというなら、何かあるのね』
まどか「今は信じよう。ほむらちゃん。人類が神様に勝てるって」
まどかはスマホを取り出し、改めて人類代表に選ばれた13人を見た。
何度見ても、不安と期待が同時に出てくる面子である。
《人類代表》
エスデス(アカメが斬る!)
ライスシャワー(ウマ娘プリティーダービー)
スティーブン・アームストロング(メタルギアライジングリベンジェンス)
マホロア(星のカービィシリーズ)
クッパ大魔王(スーパーマリオブラザーズ)
マジアベーゼ(魔法少女にあこがれて)
フリーザ(ドラゴンボール)
ハーレイ・クイン(異世界スーサイド・スクワッド)
志々雄真実(るろうに剣心)
ガロウ(ワンパンマン)
両面宿儺(呪術廻戦)
ウルトラマンベリアル(ウルトラマンシリーズ)
まどか「な、なんか不安になってきた……」
ほむら『いや自信持ちなさいよまどか!』
不安になるまどか。この先の闘いがどうなるか、予想がつかなくなった。
人選は私の独断です。私の知る限り、これは出したいと思ったメンバーです。特に深い意味はありません。人気とか関係ありません。独断です。
おっと、選手変更しました!