第一回戦。トールVSエスデス。
ヘイムダル『さあ、人類の存亡を賭けた
観客『『『ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』』』
すると、神側の観客席から一人の声が響く。
???「トール様ァ!!たかが人間の女なんて、一撃で滅してくださいませ!!」
『北欧神話:平和の神フォルセティ』
すると、それに対して強気な応援が人類側から響く。
???「隊長!!絶対に勝ってくださーい!!」
フォルセティ「な、なんだぁ?トール様に勝つだとぉ?」
フォルセティは眼鏡を整えながら、応援を掛けた人間を睨む。
???「まさか、隊長が神と闘うなんてな!」
『アカメが斬る!:ウェイヴ』
ウェイヴは観客席から、エスデスの様子を見守っていた。
???「ええっ。しかも見てください。隊長の嬉しそうなあの顔を」
『アカメが斬る!:ラン』
ランも同じである。彼女が冷酷非道なのは知っているが、部下には情を掛けたり、一人の男に恋をしたりと、人間的な一面も持っている事も知っている。
???「隊長ー!!絶対勝ってください!!正義の裁きを与えてください!!」
???『ワンッ!!』
『アカメが斬る!:セリュー・ユキビタス&コロ』
???『すまない。遅れてしまった』
『アカメが斬る!:ボルス』
???「ウェイヴ。遅れてごめん、美味しい料理食べてた」
『アカメが斬る!:クロメ』
ウェイヴ「遅かったなクロメ。元気で良かったよ」
クロメ「此処に来てから、凄く調子が良い」
クロメはビスケットを食べる。それは、生前に食べていた薬物入りのビスケットではない。天界御用達のビスケットだ。
???「もう。私も忘れちゃダメよ」
『アカメが斬る!:Dr.スタイリッシュ』
ラン「スタイリッシュさん。貴方を呼んだ覚えはありませんが?」
スタイリッシュ「固い事を言わないで頂戴。私も一応、イェーガーズの一員よ。そりゃ単独行動をしてた件や、色々な事を黙ってたのは謝るわ」
ウェイヴ「……言いたいことは沢山あるが、今は隊長を応援しようぜ。あの人は負けねぇ。なにせ、世界最強の将軍だからな」
イェーガーズが見守る中で、闘いが始まろうとしていた。そんな中で、ゲルはブリュンヒルデに尋ねる。
ゲル「お姉さま………エスデスは、勝てるッスよね?」
ブリュンヒルデ「ゲル。人間が神に勝てる訳が無い。いくら前列があると言っても、この様なタイマンでは無理がある。そう思ってますね?」
ゲル「い!?いや、そのっ………」
ゲルは誤魔化した。実際そう思っているのは間違ってないからだ。
あの評議会で見せた神殺しも、実際は様々な策を練り、仲間の機転や援護、更には神の力を落とした上で初めて出来たものだ。しかし、この様なタイマンではそれが発揮出来ない。直接戦えば、先ず人間が勝つのは不可能。そう思っていたのは言いにくいし、かと言って否定出来ないゲル。
ブリュンヒルデ「実際多くの神々が、前列があると言っても、まだ多くが神に人類は勝てない。思っています。だからこそ勝機があります!人間を舐め腐っているその澄まし顔に一撃ブチ込む必要があります!」
ゲル「………ナメクサッテイル」
ブリュンヒルデ「舐め腐っている」
ゲル「ブチコム」
ブリュンヒルデ「打ち込む」
『お姉さまは時々口が悪いなぁ』と、考えるゲルであった。
ヘイムダル(どれほど………どれほど待ち侘びたか!こいつを、思いっ切り吹けるこの日を!!)
ヘイムダルは片目に涙を溜めるが、今は感動に浸るよりもギャラルホルンを吹く事を優先する。
『北欧神話エッダ
ー終末の番人ヘイムダルがその手にせし
ヘイムダルはギャラルホルンを通して大きく息を吸い、そしてギャラルホルンから息を吹いた。
ブオオオオオオオオオオオンッ!!
天界に笛の音色が響き渡る。神と人類のタイマンが、幕を開けた。
ヘイムダル『さあ、最強神VS最強プレイヤーの闘いが遂に始まった――』
その時だった。
ガコンッ!!という金属音と共に、二人はそれぞれ構えを解き、武器の切っ先を地面に付ける。トールはミョルニルを地面に着けて、エスデスは剣の切っ先を地面に着ける。
ヘイムダル『なっ!?構えを解いた!?の、ノーガード!!両者、開幕と同時にノーガードのまま、互いに間合いを詰めていく!!』
エスデスもトールも、お互いを見つめ合う。武器を下げたまま互いに歩み寄る。
ゼウス「ほう。お互いの出方に興味無しか。様子見するつもりなど全く無いようじゃの」
シヴァ「まっ、そうなるよね〜」
フォルセティ「なんなんだあの人間!?畏れを知らぬ不敬者め!」
ウェイヴ「へへっ、流石だぜ。隊長」
クロメ「うん」
トールとエスデス。生まれも育ちも、種族さえも違う相手。そんな彼等が相手に対して発する言葉は無い。有るのはたった一つ。シンプルな考えだ。
闘い勝利する。
ただそれだけが、二人の共通の思考だ、
幾千もの戦場を巡って来た二人は、言葉を交わさずとも分かるのだ。
相手は強い。ならば、叩き潰して勝利する。
シンプルな思考を抱いている事を、言葉を交わさずとも理解している。
トール&エスデス「「ッ!」」
初めに動き出した者は居ない。何故なら……。
ダッ!!
二人同時に、攻撃を開始したからだ。
トールがミョルニルを振り上げ、エスデスは自分の剣で受け止める。トールの怪力から繰り出される重い一撃をエスデスは受け止め、剣でミョルニルを弾き飛ばす。
ギャリンッ!!ガガガッ!!
エスデスが剣を振りかざし、トールがミョルニルで弾く。
エスデスは笑う。
これまで闘った敵の中で、一番強い。
一撃一撃が、正に即死級なのだ。
エスデス「ッハハ!!」
エスデスはトールの腹を蹴り飛ばす。トールが横に振りかざしたミョルニルを避けて、トールの腹に蹴りを入れたのだ。
トール「ッ!ほう!」
トールは腹を蹴られた事で後方に吹き飛ばされるが、すぐに体勢を立て直す。
ヘイムダル『ご、互角!!力も速さも、全くの互角!!とんでもねぇ展開になって来やがったぜ!!』
人類『良いぞ!!』
人類『あのエスデスって女、あんなに強えのかよ!!』
人類側も盛り上がり始めた。
まどか(でも………トールさんはまだ本気じゃない!油断しないでね!)
まどかは冷や汗を流す。トールの攻撃をいなしつつ攻撃を当てるエスデスの実力には感心するが、トールがまだ本気で戦ってない事も理解している。
すると、トールの両手から電撃が発生する。
フォルセティ「来たー!」
まどか「来る……!嘗てトールさんが、アースガルズに攻めて来た巨人族の軍勢を単独で殲滅させた功績を讃えて名付けられた、必殺の一撃!」
まどかが冷や汗を流す。ミョルニルからも電撃を放ち、これから放たれる一撃が尋常ではないものであると理解出来る。
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ!!!
落雷の音が響き、電撃もより強くなる。
それは、会場を揺らし、雷は観客席全体にまで及んだ。
ヘイムダル『こりゃあスゲェ!!会場が、いや、世界全体が揺れてるぜ!!』
種族の中には電気を吸収する能力や特性持ちも居れば、電気そのものが効かない者が居る。しかし、トールの電撃はそんなもの等を嘲笑うかのように、彼等の身体を電撃によって痺れさせていく。
ゼウス「遊びは終わりじゃ」
オーディン「見せよ」
ほむら『来るわ!』
そして、トールは振り下ろす。嘗てアースガルズに攻めて来た『
雷の如き速さを持って対象を捉え、その一撃は世界を揺らす。
曰く―――
『
エスデス「ッフハ―――」
エスデスは笑う。その時、彼女の胸元に赤い入れ墨のような紋章が輝き始めた。
振り下ろされた一撃が、地面を貫いた。雷光と電撃が混じった極太の閃光が天と地を貫き、闘技場が真っ二つに粉砕される。その攻撃は、まるで落雷、否、光の速度に匹敵する速さで振り下ろされた。
更に、一撃から放たれた閃光は真上と真下に進み、闘技場のを突き抜けると、瞬く間に星を貫通し、雷光の先に存在する地球に似た惑星の表面が、巨大な隕石が衝突したかのような大爆発を起こし、軈て星をも消滅させた。そして、真上に飛んだ閃光は、進む先に存在する木星にも直撃し、巨大隕石が衝突したかのように表面が爆発し、ガスの中にある黒い核が露わになる。
闘技場は神々の加護によって二つに裂かれなかったものの、闘技場の床には隕石の衝突跡に似た大穴が開き、その下に宇宙が広がる。
トール「ッ!!この手応えは!?」
トールは、その一撃を放った後に気付く。嘗て巨人を、多くの敵を葬り去ってきた、命を奪う感触がしなかった。それは寧ろ、氷の壁を砕いたかのような感触だ。
オーディン「ッ!」
フギン「居ない!?」
ムニン「潰れたか!?」
オーディン達も気付く。
エスデスの姿が無い。砂煙が舞う中でも目立つ底無しの穴を見渡しても、エスデスの姿は無い。
トールは足元を見る。その足元には、氷の破片が転がっていた。
そして、トールは気付く。
砂煙から姿を現す、無傷のエスデスの姿を。
エスデスは剣を振るう。狙いはトールの胴体。トールは後ろへ下がろうとするが、突然剣の刀身が伸びてきた。
否、正確には、剣の刀身から氷の刃が生成され、それがトールの身体を斬った。
スパンッ!!
ヘイムダル『なっ!?』
アフロディテ「っ!?」
ヘカーティア「嘘でしょ!?」
フレイヤ「そんな!?」
神々が驚愕する。
ウェイヴ「っしゃあ!」
クロメ「っ!」
ラン「流石です」
それは、人類側も同じだ。しかし、彼女を知る者達は、信じていた。
???「当然だ。あの方ならば」
『アカメが斬る!:リヴァ』
???「流石はエスデス将軍!」
『アカメが斬る!:ニャウ』
???「貴女様の事を信じておりました!」
『アカメが斬る!ダイダラ』
エスデス軍に所属する三獣士のメンバーも。
将軍の部下達『『『うおおおおおっ!!』』』
エスデス軍の兵士達も。
そう。トールの胴体が斬られたのだ。胸から腹に掛けて、深い傷を付けられたのだ。
ヘイムダル『と、トール様の身体が鮮血〜!?人類の一撃が、神の身体に傷を付けたー!!?』
観客『『『うおおおおおおおおおおおっ!!』』』
エスデス「良いぞ!!良いぞ!!貴様は最高だ!!」
トール「貴様、人間なんぞにしておくには勿体ない奴だ」
二人はお互いに、最高の好敵手と呼べる相手に出会えて、幸せそうであった。
???「あの女ならば当然だ。帝国最強と謳われたあの女ならば」
『アカメが斬る!:アカメ』
???「しっかしホントに神と闘うなんてね」
『アカメが斬る!:レオーネ』
???「彼奴なら喜んで闘うぜ。短い期間だが、エスデスの事はよく知ってるよ」
『アカメが斬る!:タツミ』
???「もうタツミ!彼奴の話をしないで頂戴!アタシが居るんだから」
『アカメが斬る!:マイン』
タツミ「当たり前だろ?お前が一番だからな。マイン」
マイン「ふふっ」
タツミはマインと共に、エスデスとトールの闘いを見守る。
???「しかし、複雑な気分だよな!敵だったエスデスを応援するような立場になるなんてよ」
『アカメが斬る!:ブラート』
???「まあね。でもまあ、今回ばかりは良いじゃん。過去の事は関係ない。私等の後の世を生きる奴等の未来を、神々に壊させはしないさ」
『アカメが斬る!:レオーネ』
???「よっ。待たせちまったな」
『アカメが斬る!:ラバック』
???「お待たせしてすみません」
『アカメが斬る!:シェーレ』
???「いや〜ここ広いから迷っちゃったよ」
『アカメが斬る!:チェルシー』
???「もう始まっていたか」
『アカメが斬る!:スサノオ』
???「エスデスが神と闘とは。人類存亡を懸けて闘うような奴ではないが、今は奴に賭けるしかあるまい」
『アカメが斬る!:ナジェンダ』
ナジェンダも今は分かる。エスデスに人類存亡を賭ける事になるのは癪に障る。しかし、エスデス以上に適任者が居ないのも事実だ。
それに、エスデスを含めて代表として選ばれた者達は、共通してこう思っている。
人類代表に選ばれた者達の殆どが抱いた感想だ。それを討ち取れるチャンスならば、乗らない訳が無い。
人類存亡はどうでも良い。
神々をこの手で殺せるならば、殺してやろう。
―――――――――――――――――――――――
ゼウスは悩んでいた。その理由は、人類の武器が神の肉体に傷を付けた事だ。人の造った武器や兵器では、どうやっても神に傷を付ける事は出来ない。況してやトールは闘争の神だ。
ゼウス「ふむ……」
???「ゼウス様。何かお気になさる事でもありますか?」
『ギリシャ神話:ヘルメス』
ゼウス「ヘルメスよ。有り得ぬ事が起きておる」
ヘルメス「有り得ぬ事とは、何故人間が神と互角に闘えてるのかと、いう事ですか?」
ヘルメスは闘技場を見つめる。
闘技場では、トールとエスデスが武器をぶつけ合い、戦いを続けている。エスデスの武器はトールのミョルニルを弾いて受け流したり受け止めたりしても、エスデスの武器は砕ける様子が無い。
更に、エスデスは無から氷の刃を生成し、遠距離攻撃もこなす。また、足場を瞬時に生み出して空中の機動力も確保したり、頑丈な氷の壁を生成したりと、応用幅も広い能力に、トールは翻弄されつつあった。
ヘルメス「ふむ。確かにおかしいですね」
ゼウス「人類の人器では神に傷を負わせられるとはのう。あの南雲ハジメや岩谷尚文ですら、策を張り武器を強くし、仲間の協力もあって初めて神を倒したというのに。況してやこのタイマンじゃ。その策を張る暇も仲間の乱入も不可能と呼べる………いや、待てよ?」
ゼウスはブリュンヒルデを見つめる。ブリュンヒルデは笑っていた。
ゼウス「………成る程のぅ〜。やるわい、ワルキューレの小娘ぇ」
ヘルメス「……成る程。そういう事なら説明が付きます」
ゼウスとヘルメスは全てを確信した。
そして、ブリュンヒルデはゼウスとヘルメスの視線に気付いていた。
ブリュンヒルデ「気付かれましたか」
ゲル「うぅ………ゼウス様とヘルメス様が此方を見てる」
それは、一回戦が開始される直前にまで遡る。
――――――――――――――――――――――――
ーヴァルハラ控室ー
ブリュンヒルデ「エスデスに決定しました。彼女ならばきっと、神に勝てるでしょう」
サンズ「おいおい……コイツはヤベェぞ。弱者を甚振る事を止めないドSだぜ?コイツがそもそも、人類存亡を賭けて闘うとも思えんがな」
ブリュンヒルデ「いいえ。彼女は協力してくれます。何故なら彼女を含め、代表に選んだ戦士達はこう思っている筈です」
サンズ「ッ!成る程な。奴等も神々に滅ぼされるのを良しとしない。それを突いた訳か」
ブリュンヒルデ「利害一致の関係でしかありませんが、協力はしてくれる筈です」
その言葉に、サンズは納得する。すると、ゲルが尋ねた。
ゲル「あの、お姉さま。エスデスは、人間界の帝国の頂点に立つ将軍なんスよね?その姿と能力、戦闘技術とかは全盛期であっても、エスデスは一対一のタイマンで勝てるんスか?況してや第一回戦の相手は歴戦無双のトール様ッスよ?」
ゲルはどうしても聞きたかった。人がそのまま神と闘って勝てるのか。やはり何の対策もなく直接闘って、人類が神に勝てるのか?
そして、ゲルはブリュンヒルデの返事を聞いた。
ブリュンヒルデ「無論、絶対勝てません」
ゲル「絶対!!勝てない!!」
ゲルは早くも絶望した。
ブリュンヒルデ「神々の
神通力。未来を見通す能力、他人の心を読み取る能力、見えるはずのない物を透視する能力、水の上を歩く能力、宙に浮き空を歩く能力等、それぞれの神に宿る神通力は千差万別だ。コズミックパワーは主神若しくはそれに並ぶ主神級の力を持つ神がそれぞれの魂に宿す宇宙そのものであり、その神の意思と力を示す宇宙の理を力に変えて使用する事が出来る。そして、天界で錬成された“神器”は主神級にのみ許された究極の武器であり、その神の力に相応しい力を発揮する。
人間の人器では、とても攻略出来る物ではない。ハジメや尚文、そして他の人類が神々を倒せたのも、修行だけでなく神を殺せる力や武器を会得し、仲間との協力や作戦を利用して漸く倒せたのだ。
今回はそれ等の策は使用出来ない。タイマンである以上、協力プレイは期待出来ない。
サンズ「しかし、主神級、つまり神代表に選ばれる奴等は神通力を使えない。だがそれは………弱くなった訳では無いよな?」
ブリュンヒルデ「ええっ。逆です。神通力が使えない神は、コズミックパワーが強過ぎるあまり神通力が必要なくなるのです。神器と合わせる事で、宇宙の理を神器に反映し、肉体だけでは発揮出来ない力を出す事が出来るでしょう」
ゲル「そ、そんなぁ………」
ゲルは絶望した。人類存亡の会議でアレだけ啖呵切っておいて、もう負け戦でしかない事実に、絶望以外の感情は消え去っていた。
ブリュンヒルデ「では、人類が神の持つ神通力やコズミックパワー、そして神器に対抗するにはどうすれば良いか?況してやタイマンであった場合、どうやって其れ等を破れば良いでしょう?」
ゲル「そ、そんなの無理ッス!負け戦ッスよ!」
ブリュンヒルデ「ええっ。ですが、先程申した筈です。対策も無く挑めばアッサリ負けると。ですが逆を言えば、対策さえ施せばチャンスはあります」
ブリュンヒルデがそう言うと、その場に11人の少女や女性が姿を現した。更に4名の男女が現れた。
???「御召しでしょうか、お姉さま」
『ワルキューレ四女:ランドグリーズ』
ランドグリーズ「長姉ブリュンヒルデの命により、我等
それは、ブリュンヒルデの妹達であるワルキューレ姉妹であった。その全てが集まる様子に、ゲルもサンズも冷や汗を流す。
ゲル「凄い……!お姉さま達が一堂に集まるなんて、初めて見たッス!一体何を……」
ブリュンヒルデ「ランドグリーズ」
ランドグリーズ「はい。お姉さま」
ランドグリーズ。無数の花びらが舞う麗しき女性。
ブリュンヒルデ「トール様の神器とコズミックパワー、知っていますね?」
ランドグリーズ「えぇ、勿論。如何なる攻撃も受け止めて無効化し、装備者に降り掛かるありとあらゆる害を掴んで無効化する『
ブリュンヒルデ「ええっ。その3つが中々の曲者です。その3つがトール様の強さの根源たる所以。天界でもトール様に勝てる神は限られております」
ゲル(いやいや、絶対無理ッス!!そんなのどうやって勝つんスか!?)
ブリュンヒルデ「其処でランドグリーズ。貴女にその身を捧げて貰いたいのです。身を捧げて貰えますか?」
ランドグリーズ「えぇ、お姉さま。喜んで」
ゲル「えっ?えっ?」
――――――――――――――――――――――――
そして現在の闘技場。
エスデスがミョルニルを受け止めた瞬間、エスデスの心臓の位置が突如として夜空或いは宇宙空間となり、エスデスの体を一瞬にして回ったかと思えば元の姿に戻る。そして、エスデスの周りに再び氷の刃が現れたかと思いきや、その刃が全て光り輝いた。氷に光が反射した程度ではない。まるで閃光弾が光を放ったかのようだ。
ヘイムダル『な、何だぁ!?エスデスの氷が光り始めたぞ!!』
その光景を、神々と人類は見つめる。
それこそ正に、人類が神に対抗出来るようにする為にブリュンヒルデが用意した、神々の
ワルキューレの肉体が人類の武器となり、人類がその武器を手にした時、人類はコズミックパワーと神器を手にする。
その名を、“
そして、エスデスはトールの懐に入り込むと、そのまま突きを連続で放つ。トールは突きを見極めてそれらを片手で受け止める。
エスデス「ランドグリーズ!!貴様の力、実に素晴らしいぞ!!これほどの力を得られるとはな!!!」
トールの足元から氷が飛び出し、トールを真上に上げる。しかし、真上に突き上げられた先の上空には、闘技場にスッポリと収まりそうな隕石のような氷塊が降り注ぐ。
エスデス「『ハーゲルシュプルング』!」
神器錬成された武器には、ワルキューレ13姉妹それぞれの特性と、それを更に拡張させたコズミックパワーが宿る。
ワルキューレ四女ランドグリーズ。その名に秘められた意味は、『盾を壊す者』。そしてその神器から得られるコズミックパワーは………。
『ブレイクヴァース』。即ち、神器、人器、理、概念等、万物を貫通し破壊する力を持つ宇宙の理。
トールは上空の氷塊を片手で防ぐ。しかし、其処で終わりでは無かった。氷塊は砕け散ったものの、トールのヤールングレイプルも、粉々に砕け散ってしまった。
ヘイムダル『な、なんということだぁ!?天界最強の防御を誇るトール様のヤールングレイプルが、ポテチのように粉々に砕けちまったぁ!!』
トール「ッ!!」
トールも驚愕せずには居られなかった。まさか自分の持つ絶対的防御が破られるとは、思いもしなかったのだ。
エスデス「ハッ!!」
エスデスはトールの顔を蹴り飛ばし、闘技場へ押し戻す。その際に地面から伸びてトールを突き上げた氷の柱を砕いており、そのままトールは闘技場の地面に叩きつけられ、地面を転がる。
ブリュンヒルデ(イッツアパーリィーターイム)
そう心の中で唱えたブリュンヒルデだが、その顔は興奮を抑えられないのか「ブヒヒ」と豚のような顔に成る程笑っていた。
ゲル「お、お姉様………」
サンズ「気にするな」
ミョルニルは星をも砕く最強の神器。しかしその強大なる力と太陽の如き灼熱は、遣う者も滅ぼして来た。故にトールはヤールングレイプルを使用して自らの手を守り、ミョルニルを使用してきた。
故に、神々は予想外の結果に驚くしか無かった。
人類「エスデスゥ!!良いぞ!!」
人類「やっちまえぇー!!」
人類「強ぇ!!最高だぜ!!」
人類「めちゃくちゃ強え〜!!」
人類『『『『エスデス!!エスデス!!エスデス!!エスデス!!エスデス!!エスデス!!』』』』
人類の誰もがの名を叫び、歓声と応援を込めてエスデスコールを続ける。
ウェイヴ「よし!良いですよ隊長!」
クロメ「やった!!」
人類がある予感に震えていた。有史以来、否、原子人類誕生以来初の、
中世の人々が、戦国時代の人々が、三国時代の人々が、現代の人々が、近未来の人々が、世界大戦の人々が、そして原始人達が、エスデスに希望を託した。
その様子を特別席から見ていたゼウスとヘルメス、そしてヘカーティア。
ヘルメス「………やはり、ワルキューレの仕業でしたか」
ゼウス「お主も気付いたか」
ヘルメス「ワルキューレ共の仕事は『魂の運び手』。地上に降りたワルキューレは、目星を付けた戦士の魂を天界へと召し、来るべき天界の危機に備え『神兵』とする事」
ヘカーティア「………けど、違うのよね?ワルキューレ達が備えてるのは、天界の危機ではない別の何か」
ヘルメス「お察しの通りです。噂では、天に召した戦士と共鳴したワルキューレは、戦士に最も相応しい武器へと自らを変態させ、神と同等の力と共にその身を捧げる。その力の名は、『
闘技場ではエスデスが氷を用いた戦術と、女体の見た目からは信じられぬ力で繰り出される蹴りによって、トールの体を次々と傷付けていき、トールは攻撃を弾いたり避けたりするが、後ろへ追い込まれて行く。
ゼウス「………ほーう。成る程そうじゃったか」
ヘカーティア「ゼウス。此れはつまり……ワルキューレ達の……………私達神々への謀反よん」
ゼウスは椅子に座りながら体を震わせる。
ゼウス「じゃが……まさかワルキューレ共が本気で、我等に刃を向けるとは………こんなの………こんなの……」
ヘカーティア(あっ、此れはまさか………)
ゼウス「
ゼウスは目にハートを浮かべており、離れた位置にいるブリュンヒルデを見つめた。
ゼウス「のぉうブリュリュ〜ぶりゅうんひりゅでちゅわあ〜ん♥」
ブリュンヒルデ(いちいちこっち見んな
ゲル「ヒィィ………」
サンズ「あれは酷いな」
ゲルはブリュンヒルデの服にしがみつきながら恐怖で顔が引き攣っており、サンズも顔を青褪めていた。
人類&神々『『『ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』』』
闘技場は盛り上がりを見せた。その時だった。
トールのミョルニルが、突如としてヒビ割れ始めた。
エスデス「っ!!」
エスデスは感じていた。ミョルニルから感じる大いなる力の波動を。
トールは攻撃する様子を見せない。ミョルニルはその体が徐々にヒビ割れていき、軈てヒビからマグマのような液体が噴き出し始めた。例えるなら、噴火した火山のように、ミョルニルのヒビ割れからマグマのような液体が噴き出し、軈て原型を失っていく。
闘技場の大地を溶かすミョルニルから漏れるマグマ。闘技場自体は神器でなければ傷一つ付けられない金属『オリハルコン』、『アダマンチウム』『ヴィヴラニウム』といった最強の金属等を使って作られている。にも関わらず、ミョルニルから漏れ出た熱とマグマは、闘技場を溶かしていく。
ヘイムダル『み、ミョルニルが砕けて行くぅ!?伝説通りの灼熱ぶりだ!!しかし此れでは、トール神はミョルニルを振るう事が出来ない!!ただでさえヤールングレイプルを片方失ってしまったトール神は、もうエスデスに勝つ事が出来ないのか!?』
フォルセティ「って事は、トール様はもう勝てない?」
神々は絶望する。
エスデス「いや、そうではないな!」
エスデスは笑う。
突如としてミョルニルから、ドーム状の熱波と大爆発が放たれ、エスデスは衝撃波と熱波によって後ろへ吹き飛ばされた。熱波はエスデスの肉体を焼いていくが、エスデスは氷の壁を張って後から襲い来る熱波を防いだ。
氷の壁は容易く溶けていく。氷というのは炎を当てられても簡単に溶けはしない。ただ熱されただけではない。ミョルニルの熱はまるで、恒星の死と共に放たれる超新星爆発のエネルギーである。
トール「
そう言ったトールは、もう片方のヤールングレイプルを脱ぎ捨てた。その瞬間、投げ捨てられたヤールングレイプルは上空へ飛び去っていき、近くにある惑星へ突撃していく。その後、ヤールングレイプルが落下した惑星はより真っ赤に染まり、軈て超新星爆発を起こした。闘技場にその影響が及ばないよう結界で護られているが、それでも手袋一つで星を破壊した光景に人類は驚愕する。
ゼウス「のぉヘカーティアよ。お主はミョルニルの本当の姿を知っておるか?」
ヘカーティア「勿論よ」
ヘルメス「はぁ、本当の姿ですか?」
ヘルメスは知らないようだ。
ヘカーティア「ミョルニルとヤールングレイプルの伝説には、
ゼウス「でなければ、覚醒前のミョルニルを握り壊してしまうからじゃ。覚醒前とはいえ、神器さえも破壊するトールの力も大したもんじゃわい」
そして、煙が晴れた瞬間、トールのミョルニルが新たな姿を見せる。その姿は、まるでハンマーに近い姿をした、青い恒星を槌の中心に備えた白い銀河の塊だった。白い銀河の塊という表現はあまりにも下手な例えではあるが、本当にそのようにしか言い表せないのである。
トールは素手で銀河の塊となったミョルニルを持ち上げた。誰もがトールの行動に驚く中、トールはエスデスを見つめてある事を告げる。
トール「エスデス」
エスデス「………なんだ?」
エスデスは熱波でダメージを受けたが、火傷で済んだ為にまだ闘える状態だ。氷の壁も溶けてしまっており、その上に立つエスデス。そして、彼の危険さを感じる卑しい笑みを見ながら、トールの忠告を聞く。
トール「………死ぬなよ」
エスデス「ッ!!」
エスデスは再び構える。
――――――――――――――――――――――――
その頃、人類側の観客席の上にある廊下から、試合の様子を見ていたブリュンヒルデ。その隣に立つゲルとサンズ。
そんな時、ブリュンヒルデの懐に仕舞っている端末が、音を立てずに震え出した。
ブリュンヒルデ「ッ!失礼」
ブリュンヒルデは端末を取り出して、通知を確認する。
ブリュンヒルデ「どうやら向こう側の戦士達も決まったようです……………ッ!!!」
ブリュンヒルデは髪が一瞬逆立つ程に驚き始めた。
ゲル「お、お姉さま?」
サンズ「どうした?」
ブリュンヒルデ「フゥ………フゥ………失礼、驚いてしまいました。決まりましたよ。
ブリュンヒルデは端末を二人に見せる。
それを見たゲルとサンズは、体が震え始めた。ゲルは緊張と恐怖からだが、サンズは武者震いである。
ゲル「こ、この13VS13が全てを決める、人類滅亡を賭けたカウントダウン……」
サンズ「ああっ。こいつ等が、最後の13人だ!」
《神代表》
ゼウス(ギリシャ神話)
鹿目まどか/???(魔法少女まどかマギカ)
ベルゼブブ(旧約聖書)
ビル・サイファー(怪奇ゾーン グラビティフォールズ)
釈迦(仏教)
ヘカーティア・ラピスラズリ(東方Project)
ロキ(北欧神話)
トール(北欧神話)
スサノオノミコト(日本神話)
オーディン(北欧神話)
シヴァ(インド神話)
イザナミ(日本神話)
ポセイドン(ギリシャ神話)
《人類代表》
エスデス(アカメが斬る!)
ライスシャワー(ウマ娘プリティーダービー)
スティーブン・アームストロング(メタルギアライジングリベンジェンス)
マホロア(星のカービィシリーズ)
クッパ大魔王(スーパーマリオブラザーズ)
マジアベーゼ(魔法少女にあこがれて)
フリーザ(ドラゴンボール)
ハーレイ・クイン(異世界スーサイド・スクワッド)
志々雄真実(るろうに剣心)
ガロウ(ワンパンマン)
両面宿儺(呪術廻戦)
ウルトラマンベリアル(ウルトラマンシリーズ)
ブリュンヒルデ「最後の?いいえ、サンズさん。悪の戦士達は、いずれこう呼び称えられるでしょう!『
天界最強の13神と
選手達の選抜は、私の知る作品からなので、不満のある方の不満は甘んじて受け入れます。