終末のワルキューレVSヴィランズ   作:ちいさな魔女

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戦に生きる雷神VS冷酷非道の女将軍・3

ゼウス達は、端末に表示された代表選手達を見た。

 

ゼウス達は、人類側の選抜に驚愕する。

 

どれも悪人ばかりだ。その内の一人は悪党ではないが、人類によって悪のレッテルを貼られたウマ娘も居る。

 

ゼウス「ブリュンヒルデめ。血迷ったか?」

 

ヘルメス「いえ、そうではありません。善なる者達では我等を葬る事は出来ない。相手が善なる存在ならば尚更でしょうし、中途半端な結果に終わるかもしれない。しかし、悪意のある連中ならば我々が善悪構わず殺す事が出来る。そうお考えなのでしょう」

 

ヘカーティア「舐められたものだわ。人類を救う為にこの闘いを宣言しておいて、悪人共を差し向けてくるなんて。でも、あのエスデスって女を見る限り、この闘いに本気なのは確かみたいね。ただの悪党ではなく、確かな信念や覚悟のある存在ね」

 

ゼウス「ククク……面白いのう!ならばワシ等に出来る事は………人類の悪意をも、捻り潰す!」

 

ゼウスが両腕の筋肉を膨張させる。それだけで、ゼウスの力が底なしと理解出来る。 

 

そして、エスデスとトールの闘いは、佳境に入ろうとしていた。

 

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エスデス「ふははははははははは!!来い!!貴様の本気を見せてみろ!!」

 

エスデスは笑う。これまでとは比較にならないトールの力に、心が躍っていたのだ。

 

トール「我が一撃を受けてみよ。氷の戦士」

 

トールはミョルニルを握り締める。その時、青い恒星が輝き、ミョルニル全体が眩い光を放ち始めた。

 

トールが行う攻撃は、ただ“投げる”事。

 

そう。相手を倒す為に。

 

神話にはこうある。トールがミョルニルを投げた時、巨人の頭を破壊したという。そして一度投げたミョルニルは、絶対に外す事は無い。

 

しかし、此処である疑問が浮かぶ。()()()()()()()()()とはどういう事か?それは即ち、一度投げたミョルニルが絶対に相手に当たる事を意味する。ではもう一度問おう。()()()()()()()()()()()()()()()()とはどういう事か?何処までも相手を追跡する攻撃?否!無限に広がる範囲攻撃?否!

 

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エスデスは走り出そうとした、その時だった。

 

エスデスは気付く。

 

自分は真っ暗な空間に一人立っている。完全な暗闇ではなく、トールの姿が輝きで見える。しかし、周りは常に暗い。明かりも障害物も無い。

 

ただ真っ暗闇が広がっている。

 

エスデスは冷や汗を流す。

 

初めてだ。

 

恐怖を感じたのは。

 

エスデス「…………そういうことか!!」

 

ランドグリーズ『此れは、一体!?トール様は一体何をなさっておられるのですか!?』

 

ランドグリーズすら予想していなかった。トールはミョルニルを投げる事は予想出来ていた。しかし、此れは流石に予想外過ぎた。

 

だってそうであろう。トールのミョルニルが飛んでくると分かっていたのに、まさかその場から逃げられなくなるとは思いもよらなかったのだから。

 

しかし、エスデスは理解する。

 

此処はトールの投擲が必ず当たる場所。逃げ道は無い。隠れる場所も無い。転移も無意味だろう。

 

直感で分かるのだ。仮に瞬間移動やワームホール等を使用しても、此処からは逃げられない。そして前に進んでもトールへ辿り着けない。

 

そして、トールは両腕を振りかぶってミョルニルを投擲した。

 

投擲。その言葉は手放す前までは似合う言葉だが、ミョルニルがトールの手を離れた瞬間にそれは似合わなくなる。投擲ではなく、“発射”という言葉が似合う。

 

トールの投擲によってミョルニルはトールから離れ、軈て一つの光となる。無数の銀河が一つに集まり、創世の光がミョルニルから放たれる。それは即ち、宇宙が誕生する際に放たれる爆発。否、光の誕生である。

 

名を冠するなら、こう名付けるべきだろう。

 

創世戦鎚(ビッグバントールハンマー)

 

エスデス「くっ!マカハ――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙全体が光に包まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光が静まり返る。

 

まどか「……ふう」

 

まどかは全身を白い狐に似た異様な衣服を身に纏い、9つの尻尾を振り回す姿へと変わっていた。それは正に、白い九尾の狐を擬人化したかのような和装の美少女であり、とある存在をまどかは身に纏ったのだ。

 

???『雷神トールの力がこれほどとはな。母上が我の力を纏い防いだとしても、これほどのダメージがあるのか』

 

まどかの服は所々が焦げており、頬や腕の皮膚も赤みを帯びていた。火傷である。

 

まどか「大丈夫だよコハク。ユーゼアルやイフを纏ってたら………」

 

コハク『や・め・ろ!!!』

 

ほむら『あの二体は笑えないわよ……』

 

まどか「それより、エスデスはどうなったかな?」

 

まどか達は闘技場を見つめる。

 

其処には………服がボロボロになりながらも、子供じみた無邪気な笑顔を浮かべて立っているエスデスの姿があった。

 

―――――――――――――――――――――――

 

トール「………何をした?」

 

エスデス「時空を凍結させた。これは、私が唯一恋をした男を逃さぬ為、そして敵を確実に倒す為に編み出した、私の奥の手摩訶鉢特摩(マカハドマ)だ。しかし………」

 

エスデスの服はボロボロだ。しかし、身体は奥の手を使用した疲労を除いて、殆どノーダメージだ。

 

エスデスは時が凍結した世界の中で、確かに見たのだ。

 

凍結された時の中を、トールは動いたのだ。

 

エスデス「私も知らない効果があるのか?」

 

エスデスも驚いていた。あの中で動けた人物は、生涯ただ一人のみだ。単なる時止めではない。時をも凍らせて止めているのだ。エスデスや例外の進化を遂げた男以外で動ける等、エスデスにとっても想定外だった。

 

しかしエスデスにも分からない事がある。それは、トールの振り下ろされた一撃は、エスデスに当たった瞬間、物理的なダメージや干渉は勿論、衝撃や振動も伝わる事は無かった。

 

まるで、止められたかのように。

 

トール「いや、理屈は大方分かる。時間を止めたか。それもただ止めたのではなく、自らの体の時も止めて、俺の攻撃を無効化したか。守りに長けているのだな」

 

エスデス「……自らの時を……そうか。その様にすれば良いのだな」

 

トール「ふっ。面白い」

 

あまりにも高い学習能力。それが出来ると分かれば、即座に実行する判断力。エスデスの身体は青白いオーラを身に纏っていた。

 

それは、エスデスが再び自らの身体の時を凍結した証だ。

 

ヘイムダル『え、エスデス!身体に青白いオーラを纏ってやがる!何をしてやがるんだ!?』

 

フォルセティ「ま、まぐれだ!!トール様の奥義を退けたなんて、まぐれだ!!」

 

フォルセティの飛ばした野次。しかし、それに対して人類側の観客は静かに言い返す。

 

Dr.スタイリッシュ「あらぁ、失礼な発言♡」

 

ウェイヴ「んなわけねぇだろ」

 

クロメ「ん」

 

セリュー「はい!隊長にまぐれはありません!」

 

ボルス『そうだな。隊長なら出来て当然』

 

ラン「ええっ。あの方ならば」

 

イェーガーズもエスデスを信じている。盲信ではない。しかし、エスデスならば不可能を可能にすると信じていた。

 

そして、エスデスとトールの闘いも、いよいよ佳境に入ろうとしていた。

 

――――――――――――――――――――――

 

???「ハァ………ハァ………」

 

とある部屋。其処は、人類代表が神と戦う為に備える修行部屋。其処で一人の少女が、全身が白い人型の外星人と模擬戦をしていた。

 

しかし、少女は見た目こそ人間の少女だが、頭部に馬のような耳を生やし、尾てい骨の部位からは馬のような尻尾を生やしている。

 

???「よし。今日は此処までにしましょう。お疲れ様です」

 

『ドラゴンボール:フリーザ』

 

???「……はい」

 

『ウマ娘プリティーダービー:ライスシャワー』

 

彼女はライスシャワー。人類代表に選ばれた戦士の一人だ。

 

此処で説明しよう。彼女は菊花賞でミホノブルボンに勝ち、天皇賞・春にてメジロマックイーンに勝ち、世間から疎まれた。そして、彼女はバッシングを受けてしまった。

 

そんな時に、神々が人類を滅ぼす事を聞き付け、ライスは選ばれたのだ。

 

彼女は始めこそ、こんな闘いに選ばれた事を悲しんだ。

 

ブリュンヒルデはそんな彼女を強くする為に、こうして悪党達と関わらせたのだ。

 

悪党達によって、ライスは変わった。自分は悪くない。悪いのは周りの奴等。自分の事だけ考えて生きれば良い。誰かの為になる行為等、バカバカしい。勝者だけが正義。

 

もう、誰かを幸せにする等、考えない。

 

悪党達の刷り込みが、ライスシャワーを変えた。

 

もう幸せの青い薔薇ではない。

 

人を傷つける青い茨である。

 

ライス「フリーザ様……エスデス隊長は、勝てますか?」

 

フリーザ「勝てないならば、その程度の御方であっただけですよ。トールという奴もかなり強いですが、どうやらエスデスさんは新たな戦法を身に着けたようですね」

 

フリーザと共に、試合映像を確認するライスシャワー。

 

ライス「エスデス隊長……勝ってください」

 

ライスは彼等の闘いを見守る。その目で、闘いの様子を追っていた。

 

フリーザ「初めは期待外れと思っていましたが、どうやら貴女には素質があるようですね」

 

すると、部屋の扉が開き、一人の小さな人外の子亀が現れた。

 

???「ライスー!元気してるかー!」

 

『スーパーマリオブラザーズ:クッパJr』

 

クッパJrがライスのお腹に抱き着いた。ライスがクッパJrの声を聞いて振り返ったお陰で、クッパJrがライスに抱き着いたのだ。

 

ライス「Jr君。ライスは大丈夫だよ。寧ろ、清々しい位」

 

クッパJr「そっか!パパも自慢してたぞ!お前はクッパ軍団の優秀な幹部だって!」

 

ライス「嬉しいな……ライスもクッパ様の元で働けて良いと思ってるよ」

 

クッパJr「そうだ!お前はボクのコンヤクシャだ!ボクも戦うよ!」

 

ライス「大丈夫。ライスはやれるよ」

 

ライスはクッパJrの頭を撫でる。

 

フリーザ「やれやれ。貴女はフリーザ軍の最高戦力でもあるのですよ。その自覚を忘れないように」

 

ライス「うん!フリーザ様!」

 

青い薔薇は悪の元で育ち、新たな黒い薔薇へと変化した。嘗て勝負服に飾られた青い薔薇はもう無く、代わりに黒い薔薇が飾られている。

 

そして、エスデスとトールの試合は、間もなく決着が着こうとしていた。




ライスシャワーの闇堕ち概念、なんかゾクゾクしちゃうね
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