シャーレの先生追放計画《集いし4人は無関心》 作:ルルザムート
しかし今回は今までと違って最後まで書き切ってからここに来たので完結が確定しています
ので。今日から毎日投稿していきます
どうぞよろしくお願いします
30th
「よう、どこへいくんだ?」
「え?うわぁっ!?」
予想通りトラックへとやってきた美食研究会の1人に飛びかかり、そのまま投げ倒す
ええとコイツは…獅子堂イズミか。
「きゅう…」
「さてと、とりあえずウチの部長を返して欲しいんだが」
「もがもがもが…」
ハルナの後ろで雁字搦めにされてるフウカさんを見据える
ヒナ先輩の言ってた通りだ、美食研究会はどうあっても彼女を諦めるつもりがないらしい
ずれた右目の眼帯を付け直して深呼吸。
ハルナまでの距離はだいたい10m。合間に立ってるアカリとジュンコは…素直に通しちゃくれないだろうな
左腕の骨折もあんまり治ってないし連中からフウカさんを奪って逃げるのは無理だ、全員倒すしかない
「お断りします、と言ったら?」
「そりゃアンタ…通らないだろ?」
だが幸いなことに俺は給食部に来て日が浅い上に美食研究会は俺を知らない、なら──
カチッ…
「!」
トレンチコートを投げ捨ててほんの一瞬視界をシャットアウト
同時に愛用のロケットスターを後方へ激発、反動に身を任せて水平に跳躍。バラバラと撒かれた銃弾の下を潜り抜けて突進
まさか1年生がこんな動きをすると思ってなかったのか分かりやすく狼狽えるアカリとジュンコ、部長のハルナだけはそんな素振りは見せず迎撃体制に入ったがそんなもの関係ない
「そぉら!」
3人の間をすり抜けながら油入りの水風船を連投しつつ、アカリの足を蹴り払う
「キャッ!」
油によって靴裏の摩擦が無くなりあっさりと転倒、もちろんこんなもので気絶なんてするわけないが
がし
「え?」
「んんっ…!」
横のジュンコをフン捕まえ、鈍器を振り下ろす要領で──
「え、わ、待って!それは痛「寝てろ!!!」
「「ぎゃぶんっ!」」
ジュンコ『で』アカリを殴った
あとは──
「っ!」
「させるか!」
ハルナがライフルを撃つよりも速くフックショットを撃発、放たれたアンカー付きのワイヤーが彼女の銃を取り上げる
「食の探求してんだってなァ!ならっ、コレでも食って行けェ!」
足が油に取られないよう気絶した2人の美食研究部を足場に2度目の突進、そして──
「…!?な、なんですかそれ ベチョッ
「…見たら分かるだろ、いや分からねぇなコレ
説明しとくと、パンケーキだ。」
「¥2<°〒\×☆・っッっ!!??」バタバタ
グネグネと不気味に触手をうねらせながら半分ハルナの口にめり込んだパンケーキを更に押し込む
「あぶ、ぶぐ、ぶくぶくぶく…」
と、もう少しで全部入りそうだったがパンケーキの隙間から泡を吹いて気絶したのでここまでにしておく
普段から美味いものを追い求めてるからかあまりの不味さとゲテモノ感に耐えられなかったらしい、予想が的中して良かったってところか
「大丈夫ですかフウカさん」
「…ぷはっ、あなた本当に怪我人?しかも聞いてた話よりずっと強いじゃない、ありがとう」
「次やったら万全でも勝てそうにないですがね、とりあえず風紀委員が何人か回収に来てくれてます。俺たちは給食部に戻りましょう」
給食部のトラックに乗り込み、部長と一緒に今居るべき場所…給食部へと車を走らせる
テロリスト達を野晒しにしておくのはちょっと怖いが入れ違いで風紀委員が何人か到着していたから大丈夫だろう
「…もう1ヶ月経つのね」
「ん?ああ…そういえば今日でちょうど30日ですね、早いものです」
例の事件から1ヶ月、思えばラミィやフクヨの誰ともあれ以来会っていない。ロハンは…アイツはいいか、クズだし
とはいえ俺たちは力を合わせてあの戦争を乗り切った仲間であることに違いは無い
もちろん俺たちだけじゃない、ヒナ先輩や錠前さんに狐坂さん…羽沼議長…その他色んな人の助けが無ければ全滅もあり得た
「先生…今何してるのかな…」
「会いに行ければいいんですが、そうもいかないのがもどかしい…」
やたらと長い赤信号に足止めされながら、脳裏に焼きついた1ヶ月前の事件を鮮明に思い出していた
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-7th
………
「これは…」
とある廃墟にて、探索し尽くされたその中で誰にも気づかれなかった隠し部屋、
第一発見者となった彼女はそこで見つけたのだ
「…先生に、伝えなければ」
戦争の火種を。
ゲヘナ学園 教室にて…
「っし、ごちそうさまでしたっ」
購買で買ったパンを牛乳で流し込み、昼休みの残り時間を確認する…
よし、まだ行けるな
教室を飛び出し、他の生徒にぶつからないように廊下を駆け抜ける
「あれ?ヒカミーじゃん、そんなに慌ててまた覗き見?」
「人を犯罪者みたいに言わないでください、
未来への準備と布石ですよ夜桜先輩」
ゲヘナ生徒とは思えない温厚少女、夜桜キララと軽くお喋り
正直俺は彼女が苦手だ、1コ上の先輩なのに先輩だと言う感じがしない。いやガキっぽいとかそういう理由じゃなくて──
「もー!そんなかしこまった喋り方しなくていいのにー、私のこともキララって呼んでいいんだよ?」
「先輩だって俺のことを苗字で呼んでるじゃないですか」
「だって…ドグマって響きよりヒカミーって方が可愛いじゃん」
「・・・」
ほらこういうところ。
「ともかく俺は用事があるんでこれで!」
「わっ、ちょっと!」
………
火神ドグマ、ゲヘナ学園に通学する1年生(帰宅部)
今日も彼女は理想の未来のために走る
確か今日はシャーレの先生が万魔殿に来る日だったはずだ。来訪の理由は分からない、だがシャーレの先生と繋がりを作れれば俺ものし上がりやすくなる
俺には夢がある。それはこのゲヘナ学園で頂点へとのし上がり、やがてはキヴォトスを手に入れること
だがそれを成すにあたって力も権力も足りてはいない、足りていないのなら補うしかない。特技もあるにはあるがのし上がるのにはあまり役に立たないからな…
「到着到着っと」
たまたま福引で手に入れたカイテンジャーの人形?プラモデル?を片手に万魔殿へ
先生への手土産だ、彼の好みなんて分からないが少なくともペロロとかいうキモいぬいぐるみよりはマシだろう。調べた結果かなり高値で売れることも分かってるしな
「シャーレの先生は…まだ万魔殿から出てはいないようだ」
とはいえのんびりもしていられない、昼休みが終わる15分前には先生を見つけなくては。でないと午後の授業に間に合わない
正直授業を受ける理由はあんまり無いが…俺はハッキリ言って超弱い、真っ向勝負したらどんな奴にも負ける自信があるくらいには
「にしてもシャーレの先生ってのはよほど人気者らしいな…分かりやすく生徒が集まってる」
だから他で目立っておかないと。
幸か不幸かゲヘナの最悪な治安の中で優等生というのは目立つ、のし上がるにはまず権力を持った者の目に止まらなければ
「そのためにまずは先生に1回は直接会っておかないと…お?大人だ、きっとあれが先生だろう」
丹花イブキを肩車しながら歩いている気の弱そうな優男、直接見たことはないが間違いなく先生だ
「こんにちはイブキちゃん、そして初めまして、シャーレの先生」
「こんにちは!」
「こんにちは、キミはえっと…火神ドグマさん、で合ってるかな?」
おっと?これは嬉しい誤算だ、どうやら向こうは俺のことを知ってくれているらしい
とはいえ焦りは禁物、一歩ずつだ。
「あっと、以前どこかでお会いしましたか?」
「いや、私が一方的に生徒の顔と名前は全員覚えるようにしているからキミが知らなくても無理はないよ」
全員の顔と名前を?マジか、上手く取り入ればパイプは一気に広がるぞ!…いやいや待て待て
今日はあくまでも自己紹介だ
「生徒達全員…?貴方のような方がキヴォトスに居てくださって嬉しいですよ」
「そう言ってくれると私も嬉しいな、ところで何か用事があったのかい?」
「いえ特には、見慣れない姿が見えたので噂の先生かと思っただけです
そうだ、お近付きの印にこれをどうぞ」
と、懐で温めていたカイテンジャーの人形を手渡す
「…!これをどこで?」
「ええとどこだったか…何かの福引だったのは覚えてるんですが…」
「そう、なんだ…ううむ…」
…?なんか思っていた反応と違うな、もしかして何かの地雷踏んだか?
「…これ、もう生産終了してる」
「そうなんですか?まぁ本来飾って楽しむ物なんでしょうが正直なんのキャラクターなのか分からない上に飾る場所も無い
かと言って安易に売却して転売屋だと思われるのも嫌ですし…
もしご迷惑でし「とんでもない!」
食い気味で否定する彼にちょっぴり引きつつも鉄の心で笑顔笑顔!
よし、動揺はシャットアウトだ
「本当に良いのかい?多分手放したらもう2度と手に入らないよ?」
「レア物は欲しい人が持ってこそ価値が生まれるんです、構いませんよ」
その後も『本当にいいのか』『後悔しないか』等を散々聞かれ、昼休みが終わりそうになってようやく終わった
授業には遅刻してしまったが後に先生から『私が引き留めた』という旨の連絡が来てお咎めは無しだった
…どうやら、思った以上の大成功だったらしい
「あっ、ヒカミー居た!…めっちゃ嬉しそう、何かあった?」
「ん?いや別に?ふふふ…」
「絶対何かあったじゃん、と!それよりもヒカミーにお客さん来てるよ」
「客?」
「うん、ミレニアムから」
………
なんで???
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授業は終わり放課後
ゲヘナ学園 旧校舎にて…
「とりあえず指定場所に来たは良いが…なんだってこんなところに…?」
「ひいいーっ!助けてくれ!!」
「うわっ」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながらヨタヨタと走ってくるスケバンに思い切り抱きつかれる
「うわ、うわっ!きったねえ!やめろおい!」
「なにも、なにもあそこまで怒らなくてもいいじゃない!ほんのちょっとからかっただけ──
ひぃっ!?き、来た、来たぁ!うわぁーっ!」
俺の服を涙と鼻水で汚したスケバンが転がるように逃げ…られていない、腐った床を踏み抜いて喚きながらもがいている
「許さない」
「ん???」
「見てもいないくせに僕の映画を侮辱したな
制作に関わったわけでも視聴者でも無いくせに僕の生きがいを貶したな」
初対面だがあからさまに『ブチ切れてます』とオーラで主張する生徒がゆらりと奥から出てきた
やれやれ、コイツやっぱり
「アンタがミレニアムサイレンススクールの
妙奇ロハンか?」
「む、とするとキミがゲヘナ学園の火神ドグマか。時間通り、中々真面目じゃあないか
うんうん、素行不良そうな見かけにも関わらず真面目という、ベタだが好感の持ちやすい人物だね」
「はぁ、そりゃどうも」
品定めするように糸目一歩手前の細い瞳でこっちを見てくる謎の生徒
左側だけ妙に長い黒ショートヘアに袖だけが異常に長く改造されたミレニアムの制服を身に纏った少女に対して思うところはひとつだけだった
なんだコイツ…
「で?用はなんだよ、俺は忙しいんだ」
夜桜先輩の手前、素直にここまで来たが俺の目的はゲヘナのトップ、ひいてはキヴォトスのトップに立つこと。
必要ないとは言わないが有名でもなんでもない他所の生徒とお喋りする時間はない
「まぁまぁ、キミと私の利害は一致している
キミの目的のためにも手を貸して欲しい」
…へぇ?
「目的ねぇ…何を勘違いしてるのか知らないが俺は購買のパンが半額になればそれ以上は望まないんだが」
「用心深いね、ますます良い。でも…キミのような無名の生徒が学園のトップに立つと言うのならゲヘナ以外のでの繋がりも必要になってくると私は思うよ?」
…っ!?
なんだ…!?俺は誰にも喋ってない、言葉に出したことも文字に書き起こしたこともない、知りようのない事実をどうやって…!
「…脅迫か」
「おいおい勘違いしないでくれよ、言っただろう?利害は一致していると。私はキミに協力し、キミは私に協力する。
断ってくれてもいい、それならそれでこの話は終わりだ」
…むぅ
「で、どうだい?」
「…話も聞かずに取り決めるマヌケが居るか
何をするのか聞かせろ」
とりあえず話は聞いてみることにした、能ある鷹はなんとやら。無名にも関わらず妙に気迫のある彼女がどうも気になったのだ
「いいとも、それはね…」
………
………おい
おいおいおいおい!
「イカれてるのか?そんなことしてみろ、
全学園が敵に回るぞ!」
「その価値はあるんだよ、私のような半端者が返せる恩なんてそれくらいだ」
あまりにもバカげている、失敗すれば間違いなく全校生徒の報復に遭う!
「危険なのは分かっているさ、でも成功したらキミは間違いなくゲヘナのトップに近付く、少なくとも空崎ヒナはキミを評価するだろう」
「それは…まぁ確かにそうだ」
危険だが確かにやる価値はある。本来少しずつ積み上げて勝ち取る信頼を1発で手に入れるチャンスだ
「それにやるのは僕たちだけじゃない、あと3人キミと同じように目星をつけた生徒がいる」
「…そいつはありがたいな、5人で3大校+αに喧嘩を吹っかけるわけか」
「計画通りに行けば喧嘩は起こらないさ
さて、どうだろう。協力してくれるか?」
…はー。
俺には才能がない、夢を追う限りいずれいつかは無茶かインチキをしないと行けない時が来ると思っていた。それが今回だった…それだけのことだ
「分かった、分かったよ!俺の負けだ、その計画に乗らせてもらう」
「ふふ、決まりだね。じゃあ明日にでも残りの仲間…
雷川ラミィと青山フクヨを迎えに行こう」
「了解だ」
どちらも聞いたことのない名前だが何かしらの考えあってのことだろう…ん?
「ちょっと待て、目星は3人って言ってなかったか?」
確かにそう言ったと思ったが。
「ん?ああ、そこにいる泣き虫くんにも手伝ってもらおうと思ってね」
「びぇ?」
え?コイツを?
「協力してくれるよね?」
「え、あ、いや私は「今度撮る映画で不良くんが敵に拷問されて死亡するシーンがあるんだけど本物の死体があったらリアリティが出るとは思わないかい?」
「はいよろこんで!!!」
「そうかそうか!そんなに死体の役がやりた「あなた様の計画に全ての力を持って協力させていただきますぅ!!!」
「………やれやれ」
とりあえずクリーニング代は請求しておくか…
イズナ好きだしワカモは大好きな作者のルルザムートです、ハイ。
というわけで執筆…というより投稿スタートです
上にも書きましたが既に最後まで書いてあるので今後は毎日一つずつ投稿していく形になります
1話目の投稿時間は深く考えていませんでしたが2話以降は18時に投稿しようかなと考えてたり…
一応読み直しながら補備修正しつつ投稿していくので生暖かく見守っていただけると幸いです