シャーレの先生追放計画《集いし4人は無関心》 作:ルルザムート
…-0th 02h 35mです、お楽しみください
-0th 02h 35m
「だ、大丈夫ですか?」
「ええなんとか。しかし虎丸が…」
便利屋の1人に手を貸してもらって外に出れたのはよかったものの、肝心の虎丸は聖園ミカにひっくり返されてしまい大破。とても運用できる状態ではなかった
「こ、ここは危険です、なので戦闘は他の方に任せて避難しましょう!」
「ありがとうございます、ええと…」
「あ、えっと、ハルカ、です。伊草ハルカ…」
「ありがとうございますハルカさん。…とすみませんが肩を貸してくれませんか、1人ではちょっと歩けそうに無いので」
「は、はい!」
………
勝負はまだ付いていない、聖園ミカを送り込んだティーパーティだっていつまでも黙って見ているだけとは思えない
ドグマさん、早くケリをつけてください。さもないと面倒なことになりますよ…
バシン!
「あっ!くそっ、が!上等だァ!」
ロケットスターの打撃を弾かれはしたがそんなこと気にせず2撃目、3撃目を叩き込む
しかし──
「フッ!」ブンッ
「げっふぁ!?くそっ」
それらも防がれてしまいカウンターの蹴りをいなすだけで精一杯だ
もちろんトリニティ生のヘナチョコキックなんか比較にならないヴァルキューレ仕込みのコレを1発喰らえば即アウト。めでたく牢屋の中へと連行されるだろう
やりづらい…!
予知とロケットスター、双方揃ってなお尾刃カンナに苦戦する理由は明確だった
「どうした、終わりか?」
「アンタ性格悪いな」
「なんとでも言え、お前達はここで終わりだ」
尾刃カンナが
もちろん微動だにしないというわけではない、こちらの動きに対応し射撃や格闘と言った行動を的確に取ってくる
より正確に言えば尾刃カンナから仕掛けてこない。
以前戦った剣先ツルギは重要人物である先生を取り返すため、何がなんでも最速でドグマを排除しようと攻撃を仕掛けてきた
故に全て予知してカウンターを喰らわせた。打撃も射撃も防御行動も全て先読みしたからこそあの時彼女と渡り合えた
だが目の前の生徒は全く仕掛けてこない、仕掛けてこない以上こっちから仕掛けるしか無いが攻撃しながらカウンターにカウンターを打ち込めるほど余裕も隙も無い
俺が予知してると気付いている、それしか考えられない
こういう場合はひたすら逃げて攻撃してくるのを誘うのが普段のやり方だが今回ばかりはそうもいかない
「く、また増援が…ドグマさん急いでくれません!?」
「分かってます!!」
こうしている間にもヴァルキューレ部隊は続々と集まってきている
コイツの目的は時間稼ぎだ、このままじゃ戦力差は広がる一方…それに
「どいてって、言ってるでしょ!!」
「ガハッ…!通、さないと言ったはずだ…!」
薬で弱体化してるのにも関わらずサオリはミカを止めきれていない
後ろにはほぼ無傷のティーパーティの軍勢が控えている。あれを突破するのは現実的じゃない
なんとしても司令塔の尾刃カンナを無力化してヴァルキューレの統制を乱し強行突破する。これ以外にここを凌ぐ方法は無い
だがそれを向こうは分かっている、自分から仕掛けず時間をかけて増援が来るのをただ待っている
モタついていれば先生が消えるかもしれないという状況にも関わらず的確にこちらの嫌がることをしてくる点はもう褒めるしかない
「くそっ、ロハン達は何をしている!?」
「・・・ハッ!?危うく気絶しかけてたわ!」
「しかけてた、というかアルちゃんも私も気絶してたよ?」多分
「その通り!まぁ起きたからいいさ、私も人のこと言えないし」
戦車を投げる、なんて流石の私も気絶モノだったが幸いまだサオリくんと聖園ミカの戦いは終わっていない
「というわけでアルくん、雇用主としての新しい指示だよ。このセリフを今覚え、サオリくんのところへ行くんだ」ペラッ
1人でね?と付け加えて私はカメラの準備。私は映画監督であって登場人物じゃない
間違っても主役になるなどあってはならないからだ
「また台本…?…え、何これ、そうなの!?」
「アルちゃん何が書いてあったの?」
「おいおいあまり動揺してくれるなよ?ここの場面の主役はあくまで便利屋68なんだからな
さてさて」
勝とうか
「クソ…!」
「………」
たった1回、攻撃してきてくれれば今度こそ受け身すら許さない投げ技を叩き込めるのに!
「七囚人を捕まえろ!」
「盾を並べて押し潰せ!」
「ちょっと…本当にまだですかドグマさん!?」
マズい、本当にマズい!狐坂さんが増援を止めきれなくなってきた…!
後ろも──「ぐああっ…!」
!
「ドグマっ「解毒薬っ!!」
死にもの狂いで振られた拳、間一髪予知で避けたはいいが無茶な避け方のせいで2撃目の対処が間に合わず──
「っ…!!しまった…!」
聖園ミカに解毒薬の小瓶を奪われた
「………」ごくごくごく
ビンの蓋を捻り取り、中身を喉へと流し込む聖園ミカ
「…っプハ」
もうコイツを止められない!
「全員逃げろ!聖園ミカに解毒薬を奪われた!
奴が復活する!」
「局長!」
「全隊下がれ、巻き込まれるぞ!」
弱体化していてなお錠前サオリに優位を取っていた相手だ。それが完全復活するとなれば先生護送もクソも無い、ヘタすりゃ全員バラバラにされる…!
「飲んだのね」
「!? 陸八魔アル…?アンタ今まで何をしてたんだ?」
つーかロハンは?また逃げたか?
「火神ドグマ、確認したいのだけれど聖園ミカは本当に小瓶の中身を飲んだの?」
「は?」
なんだ急に?それに喋り方まで変えて…
「どうなの」
「飲んだ、飲んださ。目の前でな!
ってこんな呑気なことやってる場合か!アイツが復活するって何度も「またゲヘナ…そもそもお前達のせいで…!」
うわ、来た!
「ドグマ、アル、下がってくれ。ここは私が時間を稼ぐ!」
既にボロボロだが相変わらずの自己犠牲精神で割って入ろうとするサオリ、だがそんな彼女を押し除け便利屋社長は前に出る
「おいやめろ!ホントに殺されるぞ!?」
「アル…!!」
「あああああ!!!」
飛びかかるミカ、微動だにしないアル
振り上げられた拳が
「────」
どんっ
「──は?」
「えっ」
──届く前にアルがミカを突き飛ばした
それも、片手で。
「わぁっ!」
情け無く転がりこけるミカ、その顔にはもちろん困惑の表情が…
「な、なんで?いったい私に何をしたの…?」
「私は何もしてないわ、したのは貴女自身よ
聖園ミカ」
「ドグマ、便利屋社長は何を言っているんだ?」
「俺に分かるわけ無いだろ…」
だが聖園ミカの様子がおかしい
──立ち上がってこない?
「なんのことだかわからない、という顔だけれど貴女はたしかに《火神ドグマから小瓶を奪って中身を飲んだ》」
はぁ?
「意味が分から「そういうことか、社長」
どうやら錠前サオリは何かカン付いたみたいだが…?
「っ…!ゲヘナってやっぱり…卑劣だなぁっ…!」
「そうね。できることなら貴女と手を結びたかったけれど決裂した以上はこうするしか無かった」
聖園ミカも気付いた?
「ドグマ、お前がロハンから渡された小瓶の中身は解毒薬じゃない
恐らく最初に聖園ミカに盛ったものより更に強力な睡眠薬だ」
「なんだって?」
だがロハンは…
「待てよ、じゃあなんでロハンは『絶対に守り切れ』なんて言ったんだ?
解毒薬じゃないなら死守する必要はないだろ」
「聖園ミカを騙すためだ
以前聖園ミカと相対したことがあるから分かる、彼女は強い。
私達が全員束になってかかっても彼女を止めるのは難しいだろう」
「聖園ミカ、貴女が先生を好いているように私たちも先生には恩がある。
今回ばかりは失敗できないのよ」
「っ…」
「力業で止められぬと判断した陸八魔アルは妙奇ロハンを通じて私たちに渡した睡眠薬を
それを信じた私たちは死に物狂いで守り、また聖園ミカがそれを突破すると分かっていた」
「…マジかよ、じゃあ」
「最初から、必死に小瓶を守ったのは…私に飲ませないためじゃなく…
それを突破して、私の意思で飲ませるための…小細工だったって、わけ…?」
「貴女は私の話を聞いて手を組むしか無かった。そうすれば最後に先生と会えたかもしれないのに
──残念よ、聖園ミカ」
「ぐ、ぅ…せん、せ ぇ…」ガクッ
「──マジかよ便利屋」
聖園ミカを、倒しちまった
まさかの逆転劇で敵も味方もさっきの戦車投げ以上に呆気に取られていたがそれに一石を投じたのはサオリだ
「…っ、よし!みんな聞け!便利屋社長、陸八魔アルがトリニティ最高戦力の聖園ミカを討ち倒したぞ!
今がチャンスだ!戻ってきたヴァルキューレ部隊を撃破して先へ進む!
私とワカモが道を切り開く、行くぞっ!」
そこからは早かった、聖園ミカが無力化されたと知ったヴァルキューレ達は再び部隊を展開させようとしたもののサオリとワカモはそれを許さず撃滅。
尾刃カンナこそ取り逃したものの部隊の半分を殲滅、ここに来てようやく突破口が見えたのである
「よしっ…!追撃するぞワカモ!ヴァルキューレはここで徹底的に叩いておく!」
「ええ、言われなくとも!」
しかし脅威はまだ残っている
「やぁやぁおめでとう!ヤシマ起動を待たずして聖園ミカを撃破したことは喜ばしい
拍手の1つでもしたいところだが今ここにティーパーティのお嬢様方が向かって来ているぞ!」
「やれやれ…」
ったく空気の読めない連中だ!あんなの相手してられないぞ!?
「というわけで便利屋社長!」
「何かしら?」
「雇用主として最後の指示だ
キミたちで
「お、おいロハン!そりゃパワハラってレベルじゃねぇ!
聖園ミカが居ないとはいえ学園間で戦争ができるレベルの数がいるんだぞ!?」
「そうだよ?だから頼むのは撃破じゃなく足止めだ。…できるかい?」
いや、できるわけな「分かったわ、けれどティーパーティ以外の戦力に対して対応はできないわよ?」
「それでいい、では頼んだよぅ!」
ロハンの無茶振りにも陸八魔アルは全く動じること無くその場から消える
いやアルだけじゃない、付き従っている2人の社員も特に気にしていないようだ
…二重人格だったりするのか?あの社長
「終わりましたかドグマさん」
「氷室さん?ええ、まぁ。…空崎先輩は?」
「安定してきましたが戦闘は無理ですね、移動しながら回復を待ちたいところですが移動手段無しで流石に同行は…」
「いや仕方ありません、そもそも空崎先輩は頑張りすぎた
便利屋がトリニティを引きつけるのでその隙に貴女と火宮さんは離脱を」
正直いえば無理にでも連れて行きたい、最後に先生に会いたいという彼女のワガママをなんとしても叶えてあげたいが守り切れるかどうか…
「ひ、火神ドグマ…」
「! 空崎先輩、意識が…」
「あの話なら、もう忘れて。私はここに残って身体を回復させる…
だからアナタは先に行って…」
「………」
「私の代わりに先生のところに…
ドグマ、アナタに託すわ」
「──了解!」
「とりあえず隠れましょう、ここは目立ちすぎる」
その後、比較的破壊の少ない建物へ3人が退避、結局同行はせずに別れることとなった
そして入れ替わりで──
「──?この音は…」
車の音?もう来やがったか!?
あわててロケットスターを抜くも来た車は──
「火神ドグマはいるか!?万魔殿議長、羽沼マコトの使いだ!乗れ!」
「──らしいな、あのバンに乗れロハン!」
なぜ羽沼マコトがこんな気の利いたことをしたのかは後でコイツに聞くとして今はここを離れねぇと
「棗さん、貴女も乗ってください!」
「………いえ、私はやめときますよ。多分役に立たないんで」
「役に立つとかそういう問題じゃ「説得してる時間は無い、出しますよ!」
「くっ…わかった、出してくれ!」
「頑張ってください、では私はこれで」
力なく手を振る棗さんと別れ、サオリ達を追う
といっても運転してるのは万魔殿から来た生徒だが
もう少し、もう少しだ…
風邪引いたワカモにお粥を作って看病してあげたい作者のルルザムートです、ハイ。
最近ドラクエ9×ブルアカを趣味で書いてるんですけど9主人公がどうやってギュメイ将軍に勝てたか分からないくらい強くない…?