シャーレの先生追放計画《集いし4人は無関心》   作:ルルザムート

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評価が3つも増えてて感想も貰っちゃった!
…まぁ評価の方は全部あまりよろしくなかったみたいだけど。
ssって難しいなぁ
でも評価も感想も本当に嬉しかったです、ありがとうございます!
というわけで戦いは終局に。そして先生がキヴォトスにとって、生徒達にとってどれほど大きい存在なのか、それまで無関心だったドグマさん達は果たしてどういった結末を迎えるのか…
あ。まだもうちょっと続きますよ。
評価と感想もらってハイテンションになって前書きが長くなってしまいましたが-0th 00h 05mです、どうぞ!


-0th 00h 05m

小鳥遊ホシノがドグマ達に襲撃を掛ける少し前…

 

「ヒナ委員長、まだ身体が…」

「これ以上時間をかけるわけにはいかないわ」

 

さっきの轟音といい普通じゃない、完治していないが銃を持って走れればそれでいい

 

「助けてくれてありがとう、あなた達は万魔殿の救援に向かって」

「……分かりました。毒は酷くなることはないでしょうが今のアナタはまだ本調子ではありません、くれぐれも無茶はやめてください」

「分かってる」

 

表通りに出て端末を取り出す

転送場所は知っている、もう転送は始まっている頃だろうし早く行こう

 

…!

 

と、今まさに向かおうとした方向から車が来た

あれは万魔殿の…

 

「うん?あれ?風紀委員長!」

「マコトの部下の子ね。…後ろに乗ってるのは?」

「え、えーと…その…「気を遣わなくていい、私だ」

 

後部の扉が開いて出て来たのは列車でも見た顔

「錠前サオリ」

「これ以上戦うことは難しくてな、彼女に頼んで乗せてもらった

それと小鳥遊ホシノも無力化した。放置するわけにも行かないから一緒に連れて離脱する」

 

「彼女を?」

 

車の中を見ると確かに彼女がいる、意識は無く全身ズタズタではあるがすぐにチナツ達のところに送れば助かるだろう

 

「もう追手はないと思うが戦えるのなら合流してくれ、先生を守る戦力は多いほうがいい

ここが転送場所だ」ピッ

「そのつもりよ、あとは私に任せて。

小鳥遊ホシノをチナツ達に引き渡してあなたも離脱を「そうか、そこに先生がいるんだ」

 

「「「!!?」」」

 

意地か執念か、私とサオリの後ろにゆらりと立った彼女は取り憑かれたように立ち上がって──

 

「ッッ!」ブンッ

「ぐはっ!?」

 

ボロボロの身体から繰り出されたとは思えない打撃が完全に無防備なサオリの腹部に命中し、そのまま崩れ落ちてしまう

 

「小鳥遊、ホシノ…!」

場所を知られた、そして彼女の強さを知る身としてはもうここで叩き潰す以外の選択肢は無い!

 

「っ、シロコちゃん!みんな!助けて!」

「!?」

 

呼びかけと共に飛び出してきたアビドス生徒達

ミニガンやライフルの銃撃に対処しようとして肝心の小鳥遊ホシノへの反応が遅れてしまい

 

「私が先生を連れて帰る!ヒナちゃんを足止めして!」

「ん!分かった!」

 

まずい、逃げられる!

「この──「あなたの相手は私たちですよ!」

 

「っ、」

 

倒すしか、ない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ、はっ…」

「ん…ごめんホシノ先輩…」バタリ

 

…ようやく、倒した

 

先生とドグマ達が危ない、もう手加減している余裕も無く全力でアビドス生を倒しにかかったが予想以上に4人が気を吐いたため時間がかかってしまった

 

「早く、先生のところに…!」

 

さっきの大爆発といい只事ではない

謎の衝撃波によって周囲の建物がいくつか崩壊したことにより到着まで更に時間がかかってしまう

 

そしてようやく辿り着いたころには

 

「ここで何があったの…!?」

隕石でも落ちたようなクレーターと瓦礫の山、人の姿は見えなく、文字通りの廃墟の街。

丈夫な建物はなんとか一部分だけ残っているが…

 

「そ、そらざき せん…」

「! ドグマっ!」

 

掠れたそれを聞き逃さず声の方向へ

「ドグマっ、あなた目が…!」

 

左腕はおかしな方向に曲がっており、右目に至っては潰されて真っ赤に染まっている

問題の多いゲヘナでは怪我を負った生徒を見るなど日常茶飯事だがここまで酷いのは…

 

「すぐにチナツ達を呼ぶわ!それまで耐えて「俺の、ことは…後回しで構いません…それよりも小鳥遊ホシノが…!今の彼女は、手段を選びません!お願いです、今すぐ彼女を…止めてください!」

 

「でも…「いいから今すぐ!行ってください!

俺に構っていてもし小鳥遊ホシノに装置を壊されでもしたら、俺達はなんのためにここまでやったんですか!?

分かったらさっさと先生のところに行くんです!さぁ!!」

 

ボロボロの彼女に諭され、すぐに戻るとだけ伝えて先生の元へ走る

 

「この地下ね!」

壊れたシェルターを潜り抜け、転びそうになるほど速く階段を駆け降りる

 

「お、お願いやめて…生徒同士でこんなこと、間違ってる…先生が、悲しんじゃうよ…」

 

「!」

 

まだ誰かいる!

 

「先生は、私が守るよ…これが終わったら、あなた達みたいな馬鹿を1人残らず潰せば、少なくとも今より先生は安全だから」

「あ、うあ、あ…」

 

銃身が壁にぶつかるのも構わずデストロイヤーを抜き、部屋に飛び込み

 

 

 

 

 

チャキッ

 

 

 

 

 

………

 

「…え?」

 

「そこまでよ」

 

 

 

「だ、れ…?」

満身創痍で弱々しくこちらを見つめるスケバンの生徒。彼女のことは知らないが小鳥遊ホシノと対立していた以上、先生を守るためにたった1人で戦ってくれていたのだろう

 

「ごめんなさい、貴女が誰なのかは知らない

でも貴女達が命懸けで稼いだ時間は確かに、先生と先生の故郷を守ったわ

…あとは任せて」

 

「………ヒナ、ちゃん」

「小鳥遊ホシノ…もうやめなさい」

 

 

 

銃を突きつけた彼女の顔からは感情は読み取れない

怒っているのか悲しんでいるのか、虚ろな目は私を映しているようで映していない

 

炭化した腕や今も大量に出血し続けている左足も相まり、端的に言って正気に見えなかった

 

「──ねぇ、見逃してよヒナちゃん」

が、予想に反して彼女の口から飛び出した声はひどく落ち着いたものだった

 

「無理よ、先生は外の世界に送り返す」

「…ここで先生を帰しちゃったら、もう会えないんだよ?そんなの嫌だよ、まだ伝えてないこともたくさんあるし一緒にやりたいこともいっぱいあるのに、これでお別れなんてあんまりだ

ヒナちゃんもそう思うでしょ?」

 

「…そうね、確かにこれで離別するのは私もイヤよ」

「なら「でもそれ以上に先生の未来を奪う度胸は私には無いの。だから私はあなたを見逃せない」

「ヒナちゃん…!」

 

ガンッ

 

彼女がゆっくりと構えかけたハンドガンを殴り飛ばし、デストロイヤーを構え直す

 

「私は、私は!もう失いたくない!たとえそれで先生の故郷を奪うことになってもいい!

私は先生と一緒にいたい!先生と、アビドスのみんなと、6人一緒に笑いたい!

こんな結末いやだ、いやだいやだ!」

 

「………小鳥遊ホシノ、もう」

「いやだいやだいやだ!いやぁぁぁっ!

 

ゴッ…

 

あ"っ…!」

 

泣きながら向かってくる彼女を殴り落とし、力の抜けた身体をゆっくり床へ下ろす

 

「──先生」

ベッドで寝ている先生の頬に触れる

「暖かい…」

 

 

 

-0th 00h 00m 50s

 

 

 

小鳥遊ホシノ、私はあなたが羨ましい

あなたのように自分と仲間のことだけ考えていられたら、きっと私も違ったのだろう

 

 

 

-0th 00h 00m 28s

 

 

 

電光掲示板のカウントは残り30秒を切っている。なんのカウントかは…聞かなくたって分かる

 

 

 

-0th 00h 00m 21s

 

 

 

あなたのように嫌われてもいいと覚悟できていたら、私の選択も違ったのだろう

 

 

 

-0th 00h 00m 16s

 

 

 

先生の手を握る。…私より大きくて、暖かくて、いつも撫でてくれてるあの手だ

 

 

 

-0th 00h 00m 12s

 

 

 

でも私にはできない。彼の故郷を奪ってまでキヴォトスに留めて…その後、先生が私をどういった目で見るのか、それを考えると足がすくんでしまう

 

故郷を奪われて怒らない人間なんているわけない、私は先生のためがどうとか以前に嫌われたくない

 

 

 

-0th 00h 00m 08s

 

 

 

ついていくことも考えた、でも私には風紀委員会のみんなを捨てることもできない

結局のところ私はただ他の生徒より強いだけの臆病者にすぎなかった

 

これは私の意思ではなく、ただ嫌われないためにどうすればいいか考えた結果、消去法でこうなっただけ…

 

 

 

-0th 00h 00m 05s

 

 

 

「せんせい」

 

最後の時間、先生と話すことは叶わなかったがその代わりに私はちっぽけな勇気を精一杯かき集め、彼の唇に己の唇を重ねた

 

「大好きよ。………さようなら」

「んっ…あれ、ヒナ?」

「あ………」

 

 

 

-0th 00h 00m 00s

 

 

 

それが最後の会話、いや会話と言えるのかと聞かれれば誰もが否と答えるだろう

でも私にとっては彼が私の名を呼んでくれただけで充分だった

 

充分、私の心をかき乱した。

 

「………」

 

空っぽのベッド、消えた異世界へのトンネル、手に残る温もりは急速に消えていき、1分後には消えてなくなるだろう

 

「………うっ」

 

泣きたい、今すぐ何もかも放り出して泣いてしまいたい

でもまだだ、まだ終わっていない

 

「…もしもしチナツ?行かせておいて悪いけどすぐに来て、重傷者が多すぎる

トリニティの救護騎士団にも救援要請を

このままだと死者が出るわ、急いで!」

『分かりました!』

 

気絶してる妙奇ロハンとスケバンの子は比較的マシだが小鳥遊ホシノと外のドグマは危険な状態だ。特に小鳥遊ホシノはなぜ生きているかわからないほどひどい

 

…黙って見ているわけにはいかないわね

 

「担ぐわよ」

デストロイヤーを捨てて瀕死の彼女を抱き上げる

 

こちらからチナツ達のところへ行こう、今の彼女には時間がない…!

「クック…ちょっと待ってくれませんか?」

「! 誰?」

 

声がするまで気配が無かった、文字通り突然現れたとしか思えない声の主に振り返る

…!?

 

「いったい誰…いや、なんなのあなたは…!?」

黒いスーツに身を包み、頭部と思しきそれには白い亀裂と光が張り付いて目と口みたいになっている

 

「申し遅れました、私は黒服。ゲマトリアという組織に属する者です」

 

 

0th 00h 01m

 

「申し遅れました、私は黒服。ゲマトリアという組織に属する者です」

「………」

 

ゲマトリア…確か小鳥遊ホシノを研究しようと狙っていたあの…

 

「あなたと話をしている時間は無いの」

「分かっています、だから声をかけたんです

…このままでは医療機関の生徒が来る前に小鳥遊ホシノが死んでしまいます」

 

「分かっているなら放っておいて、私は彼女を連れて行かないといけないの」

「…確かにあなたが彼女を救うにはそれしかない。しかしそれでも間に合うかは分の悪い賭けです。

…私なら賭けをせずに彼女を救える」

 

「………信用できないわ」

「そこは…難しいですが信用してもらう他ありません、私達にとっても小鳥遊ホシノを失うわけにはいかないのです

どうか信じてください、先生に誓って彼女が完治するまで治療行為以外は干渉しないと約束します」

 

「………」

つまり完治した後は干渉する、とそう言っているの?この男は

失うわけにはいかないという言葉に嘘はなさそうだが預ければ死ぬより酷いことをされる可能性も否定できない

 

「だめよ、信用できない。彼女は渡せないわ」

「………」

「なら…私が一緒に行こう」

「妙奇ロハン、あなた意識を…」

 

弱々しく起き上がった彼女が呟く

 

「彼のことは知らないが…ゲマトリアには知人がいる…おーい、マエストロ!いるんだろう?」

「え?」

「おや?」

 

「ここにいる、かなり派手にやったなロハン」

「ハハ…作品のためならなんてことはないさ」

 

人形が軋むような音を立てて更にもう1人現れた

得体が知れないがロハンとの会話を見るにかなり親密に見える…

 

「それよりも小鳥遊ホシノだ。私もゲマトリアに頼る以外に方法が無いと思っている

だから今教えてくれ、彼…黒服は信用できるかい?」

「できる。必ず彼女を助け、治療後は干渉せずアビドスに戻すと私が保証しよう」

 

「ならばよし、ゲヘナ風紀委員長。小鳥遊ホシノを渡してくれ

心配するな。マエストロが保証するなら大丈夫だとも」

 

「………分かったわ、でも私は信用しないわよ」

「連絡役として定期的に報告するよ、それなら良いだろう?それに私は表向き先生を追放した大悪党だからねぇ、しばらく彼の元で身を隠すさ」じゃ転移お願い

 

「確かに預かりました、感謝します空崎ヒナ

そしてマエストロ、アナタにはあとで聞きたいことが…」

 

パシュン

 

「アビドス生徒達には…後で伝えないといけないわね…」

 

その後、少し時をおいて駆けつけたゲヘナ救急医学部とトリニティ救護騎士団の合同部隊によって山田マヤ、火神ドグマ、雷川ラミィ、青山フクヨ、狐坂ワカモの5人が搬送されていき、ヒナも護衛兼付き添いとして同行、道中アビドス生徒や万魔殿戦車長を回収しながらDU地区から撤退。

 

これで先生追放計画は幕を閉じ、先生を巡った生徒同士の戦争は終わりを告げたのである

 

もっとも──

 

「…ヒナ委員長、ハンカチを」

「ハンカチ…?いえ、要らないわ」

「いえ、でも委員長、涙が…」

「あ…」

 

気づかぬ内に流していた大粒の涙、それは先生が消えたこのキヴォトスがこれから今日以上の波乱と悲しみを生むと予言しているようだった…




ワカモの尻尾ってふんわり桜の香りがしそうだな…と思ってる作者のルルザムートです、ハイ。
ええー、まず先にお詫びを。ヒナvs対策委員会の戦闘シーン…きちんと描写するつもりだったんですが書いてたメモを間違って消したのか無くなっており、またそれに気付いたのも投稿の少し前だったので不自然な空白ができてしまいました。
全部書いてから毎日投稿する、という目標自体を諦めきれなかったのでこのまま出してしまいましたが…

まぁ何はともあれこれで戦争終結、この日を持って先生はキヴォトスから去ってしまいました
…次回より、先生がいなくなったキヴォトスの状況を投稿していきます
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