銀鏡イオリ、倫理観ゆるふわ概念 作:雛烏
ジルちゃんの戦闘シーンメインです。
今まで恨み辛みを押し込めてお行儀よく風紀委員として振る舞っていたジルちゃん。その真の姿を解放したマジ戦闘、かなりバイオレンスになる予定です。
――緋脚ジルside
「あ…はは…っ♪あっはははははははははっ!!!!」
私は今、人生最高の瞬間を味わっていた。
「あ゛っっ!?!?」
「ぶっっ!?!?」
「げはっっっ!?!?」
私の愛銃から放たれる大口径マグナム弾――.600
『象を殺せる』と伝えられる弾丸に吹っ飛ばされるクズ共。父の家を自分達の為だけに爆破し、死別の原因の1つを作った連中。
ゲヘナ全土を爆破しまくる悪魔のような組織を私は今、ただ1人で蹂躙しているのだ。快感以外の何物でもない。
「ほらほらどうしたんだよぉぉぉっ!?!?いつもみたいにクソみたいな持論振りかざして向かってこいよゴミ屑共がぁぁぁっ!!!!」
「「「ひぃぃぃっ!?!?」」」
喉が枯れるのも気にせず怒鳴りつける。普段こんな大声は出さないが、いざやってみるとスカッとして気持ちいい。行儀よく振舞うというのは、慣れたとて案外疲れるものである。
「ごえっ!?!?」
やけくそになった部員がハンマー片手に飛び出して来るが、クリアリングもなしにそんなことをするとは馬鹿な奴だ。
無防備に飛び出して来た奴の頭を鷲掴みにすると、口へ全長50センチを越える拳銃を突っ込んでやる。銃口が喉奥に当たったらしくえずいたが、構わずに私はそのまま射撃した。
「ごお゛っ!?!?」
拳銃とは思えない強大な発砲音と共に、喉奥に叩き込まれるマグナム弾。皮膚に当たるならまだしも、喉奥――脆弱な内臓へ直接撃ち込まれるのは、流石のキヴォトス人でもたまらないだろう。
血と唾液、胃液を噴き出しながら意識を失ったそいつの襟首を掴み上げる。
――ゴシャッ!!
「ぶえあっ!?!?」
「あぁ!?み、ミオ!?」
「お~、ナイス一撃~」
仲間の窮地を救おうとハンマーを振り被ってきた部員に向けて、今しがた気絶させた奴を盾として突き出してやると、部員は勢いそのままに仲間の顔面をフルスイングしてしまった。
敵ながら、スカッとする一撃。拍手をしてやりたい位だ。
鼻先を撃砕され、鼻血を噴出する部員を盾として有効活用しつつ、その陰から"
「があ゛っ!?!?」
.600NE弾を叩き込まれて怯む部員。
怯む奴の隙を衝いて肉薄すると、その首根っこを鷲掴み。下方向に頭を振り下ろすと同時に膝蹴りを食らわしてやった。
――バゴォッ!!
「う゛お゛ぁっ!?!?」
口元に打ち込まれる私の膝。唾液と血、折れた歯が汚らわしい飛沫を上げる。
これだ。これが一番『
足技全般…特に、あの燃える蹴りは是非使ってみたい。それに、色々と武器も手に入れているとの話だから、ちょっと貸してもらいたいな。
(えーと、
父が死に、傷心していた最中、心労を癒そうと訪れた山海経自治区。そこの部活動の1つである『武術研究部』を興味本位で訪れた際に見せてもらった様々な武術の指南書の内容を思い出しながら、手近な部員の腹に後ろ蹴りを叩き込んでやった。
――ズドォッ!!
「ぐお゛っ!?!?」
踵が腹…丁度肝臓がある辺りにめり込む。少なくとも、肋骨は何本か逝ってしまったようだ。吐き出された胃液や唾液に混じって赤いものが見える。内臓も潰れただろう。
「隊長の蹴りはもっと強かったよね~。コツは何だろ?」
我ながら上手く決まったとは思うが…隊長がやっていた蹴りはこんなものじゃなかった。
蹴り足を抱える速度、軸足の回転量、重心の移動、純粋に脚力がもっと要るのか…どうすればもっと強く蹴れるのか、疑問は尽きない。
「あ~~…鬱陶しいなぁ…!あはは…っ!!」
奴らの銃撃が命中し、鋭い痛みを発するが…なぜか悪い気はしない。寧ろ、必死になって悪足掻きしてくる連中への呆れ、怒り、滑稽さが感じられた。笑えてしまう。
愛銃の片割れ――
――ドガァンッ!!
「「「うわぁぁぁぁっ!?!?」」」
タンクには未使用の燃料がたっぷりと詰まっていたのだろう。大口径マグナム弾がタンクを薄紙のように貫いた瞬間、団員の背中で爆発が発生。火の点いた燃料が周囲に飛び散り、周りを囲む仲間へ牙を剥いた。
その隙を見逃さず、私は炎に巻かれて右往左往する団員の1人に肉薄。先ほど奴らからくすねたスレッジハンマーを片手に持ち、腕力と遠心力に物を言わせて振り抜いた。
――ドスッッッ!!
「う゛っっっ!?!?」
腹を真正面から叩き潰されたそいつは一瞬で白目を剥き、身体をくの字にへし折った状態で吹っ飛んでいった。血も吐いているようにも見えた。
次いで、今しがた吹っ飛んだ仲間に気付かずに熱さに悶える間抜けの膝目掛けて振り抜く。
――ゴシャ…ッ!!
「――あ゛あ゛ぁぁぁぁぁっ!?!?」
膝小僧を粉砕されたことで身体が支えられず、そいつは醜い絶叫を発しながら崩れ落ち、脚を抑えてのたうちまわった。
「や、やめrぶあ゛っっ!?!?」
「静かにしてよ、ゴミカスが」
仲間の窮地を救おうと向かってきた奴の側頭へハイキック。銃を持っていた為か、私の蹴りに反応できずにそいつは吹っ飛ばされて壁に叩きつけられる。
「ひ…ひぃ…!!ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!!」
「…」
戦意を喪失し、ハンマーも銃器も投げ出して命乞いしてくる部員。
――ガシッ!!
「う゛…っ!?!?ご…あ…っ!?!?」
どうせ反省はしていないのだ。目の前の脅威に対する恐怖が謝罪の言葉を引き出しているだけ。自分が罪を犯している自覚もない。
容赦はしない。牢屋に放り込んだとしても、確実に同じことをやらかすだけだ。死なせはしないまでも、もう温泉など見向きもできないレベルになるまで、その心をぶち壊してやる。
「やめてっ!!!!」
部員の背中を踏みつけて後頭部を撃ち抜いてやろうと銃を向けた直後、おどろおどろしい轟音と共に私の視界が紅蓮の炎で覆い尽くされた。同時に、凄まじい熱量が皮膚を焼け付かせる。
「うぅ…っ!?!?」
咄嗟に二丁拳銃を身体の前で交差させ、炎の奔流を防ごうとするが、押し寄せる熱波は熱湯風呂やサウナの比ではない。私じゃなきゃ意識が飛んでいただろう。
辛うじて目を開けると、炎の向こうで火炎放射器を構える赤髪の…無駄に豊満な身体が嫌でも目に入る生徒がいた。
「下倉…メグ…!!このイカレ野郎がぁ…っ!!」
温泉開発部の副部長である下倉メグ。彼女もまた、鬼怒川カスミと同じく危険な存在だ。
カスミのような聡明さはないが、その身体能力を駆使してキヴォトス各地の治安維持組織の部隊を焼き尽くしてきた経歴の持ち主。
噂によると、「正義実現委員会の副部長と前線指揮官の生徒を纏めてぶん投げた」という話もある。膂力に関しても厄介な奴だ。
「おかしいのは貴女だよ!!こんなに乱暴なことして、風紀委員会なんでしょ!?」
…本当に知能が足りない猿だ。色々と無駄にデカい身体へ栄養を全部吸われたらしい。
一般市民や平和に生きている生徒の気持ちを考慮せず、温泉を掘るべく無断で彼女らの家や施設を爆破して生活を奪い去るお前等が、一丁前に道徳を語らないで欲しい。
腹が立つ。自分たちがやってきたことを棚に上げ、風紀委員の業務を極悪人の所業だと宣い、さも自分たちがその毒牙にかかった被害者だと主張する…。
「……お前みたいな奴が一番ムカつくんだよぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
沸き立つ激怒の感情が爆発し思わず叫んだ瞬間…自分では認識できなかったが、私のヘイローが一際輝いた、と見えた直後、私の右脚に光が灯り…燃え上がった。
火炎放射よりも眩く輝く、まるで太陽の
――ブオッッッ!!
同時に、交差させていた愛銃2丁を思い切り振り下ろすと、その風圧が火の点いた燃料の奔流を吹き飛ばした。
「え――!?!?」
単純な動作で炎を吹き飛ばされ、思わず火炎放射器を降ろして驚愕する下倉メグ。
その隙を逃さない。もう銃なんて使ってやらない。
助走をつけて思い切り跳躍。私ってこんなに跳べたんだ…軽い驚きを覚えながら、奴に向けて緋色のオーラを纏う右足を突き出した。
「くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
――ドゴォッ!!
「んぐ…っ!?!?!?!?」
隙だらけな下倉メグの腹に、
爆発の轟音に掻き消されたが…骨が折れる音、内臓が潰れる不快な音が聞こえた気がする。
白目を剥き、大きく開けられた口からは唾液に混じって結構な量の血が含まれていた。汚い。極悪人の体液はデキれば見たくはない。
――ズガァァァン…ッ!!
爆炎を切り裂きながら吹っ飛ばされた下倉メグは、工場のコンクリート壁を突き破って敷地外まで吹っ飛んでいったようだ。3、4枚は壁を貫通したかもしれない。
起き上がって向かってくるのを警戒して壁に開いた大穴を見据えたが…いくら待っても奴は向かってこない。
「はぁ…はぁ…」
物言わずに転がる温泉開発部員共の真ん中で息を整える。流石に疲れた。思わず銃を投げ出してしまう。
右足の炎は、マッチの火を吹き消したかのように消えていた。
「…あはは」
しかし、それ以上に心は晴れやかだった。私の父を含め、正しく生きている清い生徒と一般人の心身と財産に耐えがたい苦痛を与え続けていた仇敵を、ほとんど一方的に叩きのめしたのだから。
「最っ高…♪♪」
――数多の骸*1のど真ん中で妖しく口元を吊り上げるジル。その横顔を、部下の風紀委員たちは腰を抜かし、恐怖におののきながら見つめていた。
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・ジルの固有武器
ジルの固有武器は世界最強のリボルバー『プファイファー・ツェリスカ』の二丁拳銃。普段は背中のホルダーに背負っている。武器名はそれぞれ
作者はフルオートショットガン持ちの近接特化、グレラン装備で自爆を顧みない爆殺魔と、ジルの戦闘スタイルを模索した結果この形に落ち着いた。
・やけに近接格闘に慣れてるジル
父親を失ったジルは心身を癒す為山海経を訪れた際、武術研究会と交流。気の良い部員に武術の指南書を融通してもらい、練習に明け暮れた結果こうなった。
後、"外"から帰ってきたイオリが自主練をしている様子を遠巻きに眺めて動きを盗み見、自分の体術にも取り入れている。
・ジルのレ◯キック擬き
作中で使ったジルの蹴り。イオリと同じ神秘を集中させた蹴り技。父の死、それに伴う虚無感、強大な怨念、復讐心、それをバネに続けてきた鍛錬の成果、私情を押し殺して業務に精進してきたことなどから、無意識に精神が練り上げられ、今作の戦闘で覚醒。
イオリの蹴りは漆黒の炎を纏うエフェクトだけど、ジルの蹴りは緋色の炎を纏うエフェクト。まんま『ウ◯ト◯マン◯オ』のレ◯キック。