あと、急にお気に入りとかが増え始めたなと思っていたら、ランキングの方に乗っていたことが原因のようです。(ルーキー日間 総合16位、二次創作12位)
閲覧いただきありがとうございます。引き続き頑張っていきますので、評価や感想の方お待ちしています。
「くっそ、どこいった・・・!?足早すぎだろ!!」
「最大時速80kmは出るように設計しているからね。」
「いや、早いな!?俺より早いってどうなっているんだよ!?」
超高速着せ替え人形『バニーちゃん』を探してセミナー室を飛び出した俺達だったが、残念なことにターゲットを見失ってしまった。いつもならC&Cにも捜索依頼を出すのだが、本日は任務で不在とのことだ。
「いや、50m走を3秒で走る君も大概だと思うけど・・・・。」
「時速に直したら時速60km・・・・一般道における車の最高速度並みね。」
早瀬が瞬時に俺の走力を時速に計算し直して口に出す。アレは身体測定の時に遊びで走った非公式記録なのでノーカンだ。
「普通に走ったら5.3秒だから大したことないよ。」
「・・・・それでも世界記録超えていますけどね。」
生塩がボソッと呟くが師匠はもっと早い。なんなら術式アリならばストップウォッチを止める間もなく移動ができるのだ。まだまだ修行が足りていない証拠だ。せめて、未だに分からない自分の術式を解き明かして、使いこなせるようにはならないといけない。
「びえええぇぇぇぇぇ!!!ユウカ~~!」
「えっ、モモイ・・・って、その恰好!?」
バニーちゃんの行方が分からず、そろそろ二手に分かれて捜索しようと思っていたところで、ゲーム開発部1年の『
「もしかして、超高速着せ替え人形『バニーちゃん』にやられたんですか?」
「ぐすっ・・・名前は分かんないけど、変な人形に身ぐるみ剝がされて、バニーガールにされちゃって・・・・・なんで、魚里先輩以外バニーガールなの?もしかして、これも全部魚里先輩の陰謀だったりする?」
「もう一度この場で身ぐるみ剥がして野ざらしにした後、ゲーム開発部の予算10分の1にしてやろうか。」
「鬼だ!この人、鬼だよ!!」
「冗談に決まっているだろ、才羽姉。」
「目が本気だから怖いんだよ!!」
先程までひどい泣きベソかいていたというのに、表情がコロコロ変わって忙しい奴だ。
「魚里先輩がそんなことするわけないんじゃん。そんなこと言っちゃダメだよ、お姉ちゃん。」
今度は曲がり角の向こう側から別の声が聞こえてくる。声の主は、才羽姉の双子の妹『
「才羽妹か・・・・なんで隠れているんだ?」
顔だけをひょっこりと出して、頑なに身体を見せようとしない才羽妹にそう尋ねると、彼女は顔を赤らめながら言う。
「は、恥ずかしいからです!」
「・・・・ああ、まあそうだよな。」
「わ、私たちも恥ずかしいんですからね・・・!!」
バニーガール姿を恥ずかしがる才羽妹の様子を見て、早瀬と生塩の方に視線をやると、俺の考えていたことを察してか、食いつくように早瀬が反論してくる。だって、バニースーツを着ていること自体は恥ずかしがってなかったじゃん・・・。
「この格好で動き回るのは、私も少し恥ずかしいね。」
「知恵の実でも拾い食いしたか?」
お前さっき何のためらいもなく、俺たちの前で素っ裸になったじゃん。ウタハの言葉を適当に流しながら、俺はジャケットを脱ぎ始める。
「才羽妹、ちょっと大きいかもしれないけど、しばらくはこれ羽織ってろ。」
俺は上着を脱いで、曲がり角の向こう側にいる才羽妹へ渡す。俺と彼女の体格差がかなりあるためにブカブカであるが、肌を隠す分にはこれでいいだろう。
「魚里先輩、ありがとうございます・・・!」
「ねえ、なんか私とミドリで対応違わない!?」
「普段の行いだろ。」
俺はまだ恨んでいるぞ。部室に入った途端、ゲーム機が顔面目掛けて飛んできたの。
「いいなぁ・・・。」
「フフフ、ユウカちゃん可愛い。」
才羽妹が俺の上着を羽織った後、今度こそ曲がり角から姿を見せる。俺が手渡したブカブカのジャケットの内側には、緑色のバニースーツがチラっと見える。
「(モモイだから桃色、ミドリだから緑色って安直だな。)」
下手に発明品に対する愚痴を口に出せば、ウタハにまた突っかかられるので言わないでおく。
「それで、どこにいったか人形が分かるか?!」
「部室棟の方に行っていると思う・・・・私たちもゲーム開発部に向かう途中で突然バニースーツを着せられたし。」
「・・・・・。」
廊下のど真ん中で裸にひん剝かれたのか、こいつら。
「早瀬、来期のゲーム開発部の予算10倍にしてやろうか。」
「え?ホント?やった~!」
「極端すぎるんですよ!!」
両手をあげて喜ぶ才羽姉と俺に対してそんなことは許されないと抗議する早瀬。そうは言っても、流石に公共の場で真っ裸にさせられたのはあまりにも可哀そうだろ・・・・。
「(そもそも、現在のゲーム開発部の活動状況だと、予算どころか部の存続自体が危ういのですが・・・・。)」
生塩がそんなことを考えているとは知らぬまま、俺達は部室棟へと急ぐのであった。
「見つけた!!」
『次のターゲット!次のターゲット!』
部室棟に着いて早々、バニーちゃんを見つける。相変わらず目を赤く輝かせて、そこらの生徒をバニースーツに着替えさせていく姿は、もはや怪異の一種だ。一応ウタハ曰く、オートパイロットモードの平常運転であり、仕様通り(エンジニア部基準)とのことだ。
「あああああああ!!!ミレニアムプライスのために作っていた新素材があああああ!!」
いや、絶対暴走しているだろ、これ。
「服なんざどうでもいい!!新素材開発部の名に懸けて、開発したものだけは守り切れぇえええええ!!!」
「「「うおおおおおおおっ!!」」」
ただ一方で自分の服よりも開発したものが取り込まれないように、積極的にバニーガールになりに行っている生徒たちもいる。いや、ホント開発者って凄いんだな。俺にはそこまでできる度胸はないわ。
その様子に一緒についてきた早瀬と生塩も呆然としている。
「はあはあ・・・・流石・・・・我々と同じように・・・・・探求を続けるものたちだ・・・・覚悟が違う。」
「全部お前のせいだけどな。」
しばらく走り続けたことで、完全に息を切らしているウタハに向けてそう言う。一応怪我人とかはいないので、安全性とかはしっかりしているが、変な方向に働くロマンチシズムによる暴走だけはなんとかしてほしい。
「も、もう一度オートパイロットモードのボタンを押せば止まるはずだよ~・・・・!!」
「分かった!」
流石にこれ以上の被害の拡大は看過できない。最悪、ぶっ壊してでも止めてやる。
『危険人物の接近を確認!逃走!逃走!』
「ざっけんな!どっちが危険だよ!!」
俺の接近に気が付くと、即座に背中を向けて逃げ始める。機械とは思えないような、スムーズな走りモーションに思わず驚いてしまうが、そんな考えを振り払って俺は距離を詰めようと走る。
トップスピードに乗り切っていない今がチャンスだ。
『迎撃!!迎撃!!』
「うおっ!?バニースーツを銃弾みたいに飛ばしてきた!」
「そんな使い方はAIに学習させてないはずだよ!!」
あくまでバニースーツであるため殺傷力はないが、物凄いスピードで射出されるそれが命中すれば、怪我はしなくても大きなロスになるはずだ。
恐らく、搭載されたAIがどこかで変な学習をしてしまったのだろう。
「クハッ、ということは製作者の想定を超えた機能ってことか!ロマンの塊だな、ウタハ!!」
「うん、凄いワクワクしてきたよ!」
やっぱり戦いも発明も、想像を超えるものがあってこそ───────
「魚里先輩、私たちが人形の射出口狙って、弾道を逸らします!」
「そのまま突っ込んでください!」
「分かった!」
──────故に、超える甲斐があるというものだ。俺は呪力を両足に集中させて駆け出す。
『様子見!様子m────ッ!?』
こちらの様子を伺って温存しながら逃げていた人形だったが、先ほどよりも圧倒的に早い速度で向かってきたことにより、演算処理が少し遅れてしまい、反応が遅れる。
『引き続き迎撃!迎撃!』
「させません!」「させないわ!」
先ほどバニースーツを射出してきた口を開いた瞬間、早瀬と生塩は自身の銃で、その箇所を狙い撃ちにする。生塩の銃弾で1着目のバニースーツを弾き飛ばし、早瀬の銃弾で射出口そのものを稼働停止に追い込む。
『損傷!損傷!次の迎g────!』
「鬼ごっこはもう終わりだ。」
その言葉を呟いたと同時に俺は飛び上がり、
「はあ・・・・なんとか終わった。」
「お疲れ様。無事に止めてくれてよかったよ。」
動きが完全に停止した人形を抱えて俺がみんなのところに戻ると、ウタハからそんな言葉をかけられる。
「これが無事か・・・・?」
「怪我人はゼロですけど、各生徒の衣類の被害総額を考えると・・・・計算するのも億劫になるわね。」
超高速着せ替え人形『バニーちゃん』が主に暴れたのは部室棟付近、そこにいた各部活動に所属する生徒は勿論、そこに向かうまでに遭遇した生徒も考えると何着バニースーツに生まれ変わったのだろうか。
「すべてエンジニア部に請求しておきますね。」
「うっ・・・・まあ仕方ないか。」
生塩にそう言われて、ウタハはガックリと項垂れる。まあ、仕方がない。正直こうしてひたすらロマンを求めて新しいものを開発し、ロマンを探求していく姿勢は凄いとは思う。俺自身そういったものに興味があってこの学校に来たわけだし・・・・ただ、もう少し節度というか後先を考えてほしい。
「ひとまず、セミナーに戻ろうか。早瀬と生塩もずっと恰好のままでいるのも恥ずかしいだろ。」
俺も目のやりどころに困るし。
「そうですね、ひとまず私たちもこのままだと────」
『5秒前!』
一件落着といった感じで話がまとまり始めた瞬間、突如俺が抱えている人形から妙な電子音が響く。
「・・・・どこのスイッチを押したんだい?」
『4秒前!』
「えっ、頭頂部のボタンだけど・・・・。」
『3秒前!』
「オートパイロットモードのボタンは後頭部にあるボタン、頭頂部のボタンは自爆スイッチだよ!!」
「んな、紛らわしいところにボタンを付けるな!!」
どうやら俺は間違えて自爆スイッチを押してしまっていたらしい。そんな近い位置にそんな重要なボタンをデザインを変えることなく付けるな・・・・って、そもそも自爆機能なんていらないだろ!!
『2秒前!』
そんなツッコミを心の中でしていても、カウントダウンは無情にも進んでいく。このまま人形が爆発しても早瀬たちヘイローを持つ生徒は大丈夫だろうが、確実に俺は死ぬ。
「魚里先輩、貸してください!!」
「早瀬!?」
俺が判断するよりも早く、早瀬は俺から人形を取り上げて、誰もいない方向に向けて投げる。
『1秒前!』
「伏せてください!」
「うおっ!?」
そして、早瀬と生塩が俺の身体を地面に押し倒す。女子特有の柔らかい感触を覚える間もなく、光と音が俺の感覚を支配するのであった。
「いたたたた・・・・ウタハのやつどんだけ火薬を詰めたんだよ・・・・。」
激しい爆発によって起こった爆風から二人が覆いかぶさる形でかばってくれたおかげで、俺はほぼ無傷で済んでいた。しかし、二人はいくらヘイローがあるといっても、爆発から俺をかばってほぼ直撃を受けたこともあり、まだ気を失った状態だった。
「早瀬、生塩!大丈夫か!!」
「うっ、ううっ・・・・・・。」
煙によって視界は開けないが、俺の声の呼びかけに反応して早瀬はうめき声のようなものをあげる。
「あれ?魚里先輩・・・?」
「んんっ・・・・ここは・・・?」
続けて、生塩も目を覚ましたようだ。よかった二人とも無事だったようだ。爆発によって起こった煙が、次第に晴れ始める。
「2人ともありがとう。おかげで・・・・・・って、うえぇぇえええい!?」
「どうしたんです?急に変な声を・・・・・・っ!?」
「えっ、な、なんで!?」
俺の変な声を上げた後、早瀬と生塩も同じように驚きの声をあげる。特に生塩は普段の様子から想像がつかないほどに動揺した。それもそのはず────────
「────────な、なんで全裸なんだよ・・・・お前ら・・・・・っ!?」
「わっ、わわわわ・・・・!!」
「こ、これは・・・・!」
爆発によって吹き飛んだとか、そういった理性的な思考を巡らせる間もなく、布一枚も隔てずにダイレクトに伝わってくる感触、そして決して見ることは許されない光景。あまりにも突然目に飛び込んできた情報に、脳のキャパシティーをオーバーしてしまい、俺は鼻血を吹き出しながら再び気を失うのであった。
「もう起きても大丈夫なのですか?」
「ああ。輸血してもらった直後はちょっとフラフラしてたけどもう大丈夫だよ。」
あの後、俺はあまりにも鼻血を出し過ぎて、気を失っていた。その後、保険室に運ばれて、即座に輸血を受け、今はベッドの上でくつろいでいた。今部屋に入ってきたのは、いつもの服に着替え直した生塩だ。
「スマホで何を?」
「シャーレの先生に連絡だよ。アビドスに戻るのを1日伸ばすって伝えておこうと思って。」
そう言って、俺は生塩に今開いているモモトークの画面を見せる。
『すみません。鼻血を出し過ぎて貧血になったので、アビドスに戻るのは明後日になります。』
『えっ、なにがあったの!?』
『事故なんですが、後輩の裸を見て死にかけました。』
『・・・・青春だねぇ。了解、シロコたちには説明しておくよ。』
先生に連絡をすると、すぐに返信が返ってくるのでありがたい。ちゃんと寝ているのか少し心配になるけど・・・・。
「シャーレの先生、面白い方ですね。私もお会いしてみたいです。」
「あの~・・・二人とも俺を庇った時にできた怪我は痕とかになったりしないか?それが心配で心配でさ・・・・。」
「大丈夫ですよ。私もユウカちゃんも痕になるような怪我はしてませんから。少し安静にしていたら治りますよ。」
「そうか、それならよかった。」
起きてからずっと気になっていたことが問題ないということで、肩の力が抜ける。もし一生残るような傷が女の子の肌に残ったなんてことになったら、どう償えばいいか分からないし、師匠に伝えたらボコボコにされてしまう。
「ところで、魚里先輩────────
────────もちろん、私たちの裸を見た責任取っていただけますよね?」
「故意じゃないんです!許してください!」
俺は即座に頭を彼女に向けて下げだす。生塩の背後に漂う圧のあるオーラが、俺にそうさせる。まるでライオンを目の前にした草食動物ばりに俺は震えているだろう。
「私は大丈夫ですよ。ただ、ユウカちゃんはどう思っているか・・・・まさか身を挺して助けた相手に裸を見られることになるとは思ってなかったでしょうし、さっき会ったら顔が真っ赤っ赤でしたよ。」
「そ、そんなに早瀬怒っているのか・・・・・ま、まあそうだよな・・・・・。」
早瀬の怒っている姿を想像して、俺はさらに身体を震わせる。普段は凄く可愛らしい後輩なのだが怒る時は非常に怖い。正直、修行の時の師匠よりも怖い。
一番怖いのは日常生活の師匠だけど。
「(まあ、顔が真っ赤になっていたのは、意中の人に裸を見られたことが恥ずかしかっただけだと思いますが・・・・・相変わらず周りからの好意に鈍感な人ですね。まあ、そういうところにユウカちゃんも惹かれているんだと思いますが。)」
「せ、責任・・・・ど、どうすれば・・・・!?」
「自分で考えてください、先輩。」
あ、終わった。
生塩からの満面の笑みでそう答えられた俺は、全身の力が抜けて、そのままベッドに倒れ込むのであった。
アンケートを追加しているので、よかったら回答お願いします。
「じゃあ、今後の展開のために呪術sideのオリキャラを登場させればいいじゃないですか。」
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それは"アリ"だ。
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それは"ナシ"だ。