今も青き、呪術アーカイブ   作:ネログリフィス

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全然投稿できなくて申し訳ねぇ・・・・忙しくて帰ったらすぐに寝てしまうんですよね。
最低でも1週間に1話は投稿するので、気長に見てやってください。ちなみにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的に朝7時投稿です。


結成!覆面水着団!!

"今日もブラックマーケットバンクはいつも通りに営業していた。ブラックマーケットでも一際有名な闇銀行であろうと、表向きの業務はそこら辺の銀行と何も変わらない。"

 

『はっ、はあああああ!?』

 

"預金の入出金、振込、口座開設をしに来た者、あるいは行員のロボットに融資を断られて、日雇いバイトを進められて声を荒げているゲヘナ生の対応などだ。血の気の多いゲヘナ生であろうと、ここには武装したマーケットガードが複数人いるため、下手に暴れることはできない。"

 

『ん?』

 

『シャッターが勝手に閉まって・・・・。』

 

『電気が!?』

 

"そんなブラックマーケットでの常識を破壊するかのように、彼女たちは爆発と共に壊れたシャッターの向こう側から現れた。"

 

『全員武器を捨てて、その場に伏せて!』

 

"突入から間もなく銃を乱射し、行員や客をすべて人質に取って見せたのは、青い覆面から飛び出した獣耳がチャームポイントの『2号』だ。"

 

『言うことを聞かないと痛い目にあいますよ☆』

 

"そう言ってドデカいガトリング砲を軽々と構えるのは、緑の覆面を被った『3号』。銀行強盗している今でもニコニコと笑顔を絶やさずに脅しをかける様子は逆に怖い。"

 

『え、えっと~皆さん怪我をされないように大人しく伏せててくださいね。』

 

"一人だけ覆面だけでなく、紙袋を被っているのは『5号』。なんかやけに腰が低い。"

 

『ぐっ・・・!?』

 

"突入時に彼女たちが起こした爆破によって、ほとんどのマーケットガードが機能しなくなったが、それでも残る一人が武器を取ろうとこっそり手を伸ばす。"

 

『武器は捨ててって聞こえなかった?』

 

"しかし、手に取ろうとした銃を銃弾で弾くことで、赤い覆面をつけた『4号』が阻止する。勝気な性格もあって、脅し文句が大分様になっている。"

 

『さ~て、ここまでは計画通り!』

 

ピンクの覆面を被った『1号』が、ショットガンを構えながら銀行内の制圧が完了したことを確認する。覆面から飛び出したアホ毛が彼女の視線誘導に合わせて横に揺れる。

 

「あの・・・みんな、くれぐれも一般人には危害を加えないようにね?」

 

彼女たちは、今回の事件をキッカケにキヴォトスを震撼させることになる真のアウトロー『覆面水着団』──────────ではなく、対策委員会と阿慈谷さんが覆面を被った姿である。

 

「なんでこうなった・・・・。」

 

一応銀行強盗をしているのも、きちんとした理由があってこそなのだが、あまりにもトンチキな現状に俺は頭を抱えながら、こうなった経緯を思い出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここまで情報ないなんてありえません・・・妙ですね。お探しの戦車の情報・・・・。絶対どこかにあるはずなのに、探しても探しても出てきませんね。」

 

阿慈谷さんと出会ってから、カタカタヘルメット団が使っていた戦車の部品について、調査を進めた。しかし、ブラックマーケットの事情に詳しい阿慈谷さんの協力があっても、決定的な証拠どころか、断片的な手がかり1つも見つけることができずにいた。

 

「販売ルート、保管記録・・・・すべて何者かが意図的に隠しているような気がします。いくらここを牛耳っている企業でもここまでやるのは不可能のはず。」

 

「そんなに異常なことなの?」

 

「異常というよりは、普通ここまでやりますか?という感じですね。ここに集まっている企業は、ある意味開き直って悪さをしていますから、逆に変に隠したりしないんです。」

 

「それはそれでどうなんだ・・・・。」

 

砂狼さんへの質問にそう答えた阿慈谷さんの見解に俺はそう感想をつぶやく。

 

「まったく、ここでまともなのは飯くらいか・・・・あむっ、うまっ。」

 

「あっ、いつの間にたい焼き買ったのよ!?」

 

「いろんなところを走り回っている時にな。みんなもどうぞ。」

 

「わあ、ありがとうございます~☆」

 

俺は先ほど購入したたい焼きがパンパンに詰められた紙袋をみんなの前に差し出す。それぞれがたい焼きを1つずつ手に取って食べながら、阿慈谷さんは続けて言う。

 

「話を戻しますけど、例えばあそこにあるビル。あれがブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です。」

 

「闇銀行?」

 

BLACK MARKET BANK(ブラックマーケットバンク)』と安直な名前が入り口の看板に書かれた建物を阿慈谷さんが指し示す。闇銀行だから建物の色も黒いのだろうか?

 

「聞いた話ですとキヴォトスでの犯罪に関わる金融資産の15%近くがあそこに流されているみたいです。横領、強盗、誘拐など様々な犯罪によって獲得された財貨が、違法な武器や兵器に変えられて他の犯罪に使われる・・・そんな悪循環が続いているんです。」

 

「それじゃあ、銀行が犯罪を助長しているようなものじゃないですか。」

 

「銀行だけじゃない。このブラックマーケットに所属しているすべての人間、団体、組織が、キヴォトス犯罪へ加担しているといっても過言でもないのか。」

 

流石に連邦生徒会が統括できていない区域といっても、ここまでの無法地帯とは予想できていなかった。言わば、学園一つが犯罪者集団の集まりであり、その規模はキヴォトス三大校と比べても数倍以上の勢力を誇るのだ。その中には、生徒だけでなく、大人や企業といった狡猾な手段も使ってくる相手もいるだろう。

 

改めてブラックマーケットの規模の大きさに呆気に取られていると、バイクのエンジンを吹かしながら走る黒いロボット4人が目に入ってくる。4人のロボットは、一つの車を囲んでゆっくりと並走している。

 

「う、うわあ!?あれはマーケットガードです!」

 

「マーケットガード?」

 

「ここの治安機関でも最上位の組織です!」

 

阿慈谷さんの解説を聞いてマーケットガードたちに目を奪われていると、4台のバイクと1台の車が先ほどの闇銀行の入り口付近で停車する。

 

「・・・あ、あれって?!」

 

「うちに集金しに来る銀行員?」

 

車から降りてきたのは、今朝アビドスに集金しに来た銀行員のロボットであった。車の側面にもカイザーローンのロゴが印刷されていることから間違いない。

 

「アビドスが取引している相手は闇銀行と繋がっている・・・ってことで確定だな。」

 

「ど、どういうことよ。」

 

ボソッと呟いたことに黒見さんが尋ねてきたので、俺は闇銀行の行員とやり取りをしている銀行員が手に持っているスーツケースを指さしながら答える。

 

「今、あいつが渡そうとしているスーツケース。あれは、今朝アビドスのみんなが今月の返済分として渡したものじゃないのか?えっと確か、788万くらいの・・・・。」

 

『788万3250円ですね。あの車も今朝、アビドスに来た現金輸送車と一致しています。』

 

どうしても端数が覚えられないことは一旦置いておき、奥空さんが今朝アビドスに来た車との照合結果を知らせてくれる。

 

「現金だけでの受け取りってのも変だと思っていたけど、やっぱりやましいことだらけじゃないか、カイザーローン。」

 

「か、カイザーローンですか!?」

 

「ヒフミちゃん知っているの?」

 

「カイザーローンといえば・・・かの有名なカイザーコーポレーションが運営する高利金融業者です。カイザーグループ自体は犯罪を行っていませんが、合法と違法のグレーゾーンで上手く振る舞っている多角化企業で・・・・最近ではトリニティにも進出してきているのですが、生徒への悪影響を考慮し、『ティーパーティー』も目を光らせています。」

 

『ティーパーティー』とは、トリニティ総合学園における生徒会────ミレニアムにおける『セミナー』に似たような立場の組織である。先生がキヴォトスに来る数か月前に一度会ったことはあるが、紅茶常飲お嬢様と元気ハツラツお転婆キャラ、そして病弱の割には身体が冷えそうな制服を着た狐といった個性が爆発している面子が生徒会長を務めている。

 

「ところで、みなさんの借金とはもしかして・・・・アビドスはカイザーローンから融資を?」

 

「借りたのは私たちじゃないんですけどね・・・・。」

 

十六夜さんの言う通りである。まあ、当初はすぐに返せる算段だったのだろうけど。

 

「まさか私たちが支払っていたお金が闇銀行に流れていたなんて・・・。」

 

「じゃあ何?私たちはずっと犯罪資金を提供していたってこと!?」

 

黒見さんの言葉に対策委員会メンバーが口を閉ざす。まだ未確定といえど、目の当たりにした事実とこれまでの違和感を総合すればほぼ確定ともいえる事実は、彼女たちにとって最も残酷だったのだろう。まさか、知らぬうちに犯罪の片棒を担がされていたのだ。

 

『ま、まだそうハッキリとは・・・カイザーローンが私たちのお金を闇銀行に運んだという証拠がありませんし。』

 

奥空さんの言う通りである。さっきの行員がアビドスからここまでに来るまでに、大分時間が経っていることもあるため、まったく別の資金源から運ばれてきた可能性だってある。アビドスの資金が闇銀行に流されているという決定的な証拠がない。

 

「あ!集金の際は受領証明書が出ますよね?その発行の記録が見つかればそれが証拠になりませんか!?」

 

「おおっ!」

 

「そりゃ、ナイスアイディアだね、ヒフミちゃん。」

 

阿慈谷さんの提案に、先生と小鳥遊さんが同意するが、それを実現させるのは流石に難しいと思い、俺は話に割って入る。

 

「いや、阿慈谷さんの言う通りだけど・・・もう書類は銀行の中だからな・・・・。」

 

「確かにそうですね・・・・ブラックマーケットの中でも最も強固なセキュリティを誇る銀行の中と考えると・・・それにあれだけのマーケットガードが目を光らせていますし。」

 

阿慈谷さんが別の案を考えようと悩み出す。俺も彼女の案を否定した立場として、別の案を考え始めるが、生憎良い案は浮かばない。

 

「ねえ、ホシノ先輩。ここは例の方法しか。」

 

「ん?例の方法?なるほど、あれかー。」

 

「そうですね☆あの方法なら!」

 

必死に脳を回転させて考えていると、突然砂狼さんが何かの案を思いついたようで小鳥遊さんたちに確認を取り始める。

 

「あれってまさか・・・・私の思ってるあの方法じゃないよね?」

 

「それって・・・・あのことじゃないよね?」

 

小鳥遊さんと十六夜さんは乗り気、黒見さんと先生は顔を青くして、砂狼さんの言葉を待つ。

 

「あ、あのう。全然話が見えないんですけど、あの方法ってなんですか?」

 

「もったいぶらずに早く言ってよ、砂狼さん。」

 

全く話が見えてこない俺と阿慈谷さんは砂狼さんにそう尋ねる。

 

「残された方法はただ一つ。」

 

そう言って、彼女は懐から布のようなものを取り出して頭から被る。

 

「銀行を襲う。」

 

そう言った砂狼さんは、どっからどう見ても、覆面の銀行強盗と化していた。

 

「「は??」」

 

「だよねー、そういう展開になるよねー。」

 

「わあ☆そしたら悪い銀行をやっつけることにしましょう!」

 

「なんで、お前ら全員覆面持っているんだよ!?」

 

砂狼さんに続いて、小鳥遊さんと十六夜さんもいつの間にか覆面を取り出して、頭から被っていた。なぜ、ハンカチ感覚で彼女たちは覆面が出てくるのだろうか。

 

「えええっ!?ちょ、ちょっと待ってください!」

 

「はあ・・・マジで?マジなんだよね・・・・?ふぅ、それならとことんやるしかないか!!」

 

黒見さん、なんで君も覆面を持っているんだ。もしかして、アビドス高等学校では、ハンカチ、ティッシュ、覆面の3つが携帯必需品として校則に定められているのだろうか。そんな校則あるなら、今すぐ粉々に切り刻んでやる。

 

「シロコ、ちょっと待って。他に何か方法が・・・」

 

「大丈夫、先生。犯罪の証拠を明らかにするだけ。」

 

「それは・・・そうなのかな・・・・。」

 

先生も止めようとするが、砂狼さんに言いくるめられてしまう。そんな時、通信を介して奥空さんの声が聞こえてくる。

 

『了解です。止めても聞く耳持たないでしょうし。』

 

了解しちゃうんだ、奥空さん。

 

「ごめん、私の想定が甘かったせいでヒフミの分はない。」

 

「ええっ!?私も!?」

 

「ちなみに魚里の分は、現在鋭利作成中だからもう少し待って欲しい。」

 

「いらんわ。」

 

というか、それ手作りだったのかよ。

 

「まあ、ここまで来たら一蓮托生だし、俺もいくよ。最悪これで顔を隠していけばいいし。」

 

そう言って俺は、たい焼きが入っていた紙袋を胸の前で構える・・・・まだちょっと生地の匂いがするな。

 

「ん~魚里くんはダメかな。先生と一緒に待機しててくれる?」

 

「えっ、なんで?」

 

このままだと被ったときに目が見えなくなってしまうので、どのあたりに穴をあけようかと考えていると、小鳥遊さんから待機の指示が出る。理由を尋ねると、彼女は少し考えた後に答え出す。

 

「魚里くん、ヘイローがないから、私たちと違って銃弾一発で致命傷になっちゃうじゃん。一応マーケットガードとかいう治安維持部隊がいるみたいだし、抵抗されないようにシロコちゃんが作戦を考えているとは思うけど、何かのミスで撃たれでもしたら危ないしね。大丈夫、おじさんたちに任せてよ。」

 

「ん、よわよわ魚里はお留守番。」

 

「まあ、そういうことなら・・・・。」

 

小鳥遊さんの言う通りであるため大人しく引き下がる。砂狼さんはあとで覚えてろ。そろそろ彼女には上下関係を教えてやらないといけない。

 

「というわけで、ヒフミちゃんにはこれを使ってもらおうかー!」

 

「え?!私も行くんですか!?」

 

「仲間外れなんて、それは可哀そうすぎます!」

 

「ちょっ、ちょっと待ってくだs────うぎゃああああああ!!」

 

俺の代わりに阿慈谷さんがターゲットにされてしまい、彼女は紙袋を被せられてしまう。目が見えるように2つの穴を開けて、額の部分には『5』の数字がマジックで描かれている。

 

「あうう・・・・これは私も一緒にご一緒するんですか?」

 

「何言っているのさ、ヒフミちゃん。さっき約束したじゃん。『今日は私たちを手伝う』って。」

 

「うぅ・・・わ、私もう生徒会の皆さんに合わせる顔がありません・・・・。」

 

「大丈夫、いざとなったらおじさんがヒフミちゃんを守ってあげるからさ。」

 

頼りになる言葉をかけている小鳥遊さんだが、元はといえば彼女が阿慈谷さんをこの事態に巻き込んでいるので騙されてはいけない。

 

「ホシノさん・・・・!」

 

──────騙されてはいけないッ!

 

「先生は?」

 

「私も参加するよ。君たちのお金が犯罪に使われているとしたら、それは由々しき事態だしね。」

 

どうやら先生も腹を括ったようだ。目標は先ほどのやり取りが記された受領証明書ただ一つ。

 

「それでは『覆面水着団』、出発です!!」

 

本当にその名前でいいのか、十六夜さん。

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳で、俺は現在先生と一緒に彼女たちの同行を通信越しに見守っているのだが──────

 

『『『ファウスト!ファウスト!ファウスト!!!』』』

 

『ふえええ・・・・。』

 

──────いつの間にか、阿慈谷さんが覆面水着団のリーダー『ファウスト』として担ぎ上げられてしまっていた。ちなみに3号もとい、十六夜さんは『クリスティーナ』とのこと・・・・『だお♧』の語尾といい、覆面水着団のキャラ付けを狙っているのだろうか。

 

『もう!ふざけていないで、盗るもん盗ったんだからさっさとずらかるわよ!』

 

誰よりも強盗らしい発言で、みんなを撤退に誘導する黒見さん。どうやら、目的であった受領証明書は手に入れたようだ。

 

『アディオ~ス☆』

 

『け、怪我人はいないようですし・・・・すみませんでした、さよならっ!』

 

一方で強盗とは思えない振る舞いで立ち去っていく十六夜さんと阿慈谷さん。阿慈谷さんはともかく、十六夜さんのその去り際のセリフはどちらかというと怪盗なのではないだろうか。

 

「俺達の出番ありませんでしたね・・・。」

 

砂狼さんが日頃から練っていた銀行強盗計画によって、あまりにもあっさりと目的の物を押さえてしまった。これは喜ぶべきなのか、二度と使うことがないように封印させるべきなのか、反応に困る。

 

「まあ、何事もトラブルはないに尽きるよ。早速、シr────ブルー2号たちと合流しよう!」

 

「律儀ですね、先生。」

 

恐らくすぐに情報共有がされて、辺り一帯が封鎖されるだろう。俺達は、砂狼さんたちと合流するべく急ぐのであった。




P.S.主人公の覆面水着団入りを回避したのは、実働部隊が5人という黄金比の中に異物を入れたくなかったのと、今後の展開のためでした。
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