マスターテリオン、天野ケータになる   作:久保サカナ

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メディアミックスで割を食うのはいつも女主人公 依頼編

 

 

 

慟哭し膝から崩れ落ちるカイラとそれを抱きしめるフミちゃんを目の前にして俺は何と言葉をかけるべきか、何をすれば良いのかわからなくなったのだった。

 

 

 

『たった数十年で絶望するのか?』ーーーーーやめろ

 

 

 

『余はもっと地獄、否!無限螺旋を強要されたのだぞ?』ーーーーー言うな

 

 

 

『自分ではなく愛する者を目の前で邪悪に貪られた経験はあるか?』ーーーーーそんなの無い方が良いに決まっている

 

 

 

俺の中のドス黒い獣がそう嘯いてくるのをグッと抑え込む………銀魂の高杉と違って俺のドス黒い獣は『ガチ』なんだよ、厨二の妄想にあらず。

 

いやね?高杉もあんな目に遭ったらおかしくなってもおかしくないけどさぁ………俺、将軍暗殺編以降は銀魂読み返しても笑えなくなった。

 

ギャグやってる最中に『崖』がチラつくんだよなぁ………銀さんというか松下村塾組の過去があそこまで辛いとは思わなかった。

 

むしろ高杉が人間としてマトモな神経していて銀さんの方が人間としてブッ壊れていたとは!

 

(ヅラは多分ドクターウェストと同じ人種、つまりキ◯ガイ)

 

………呪術廻戦の夏油と五条もそんな感じだよね、呪術廻戦は本当にジャンプ漫画のオマージュだね。

 

そうして思考に銀魂と呪術廻戦を経由させつつドス黒い獣を抑え込み(獣はわりとオタク気質かもしれない)、俺はカイラのために何が出来るか考える。

 

まいったなぁ、俺前前世と前世はあるとはいえここ最近ちゃんとマトモな人間として生きたのこの10年+α(アルティメット・クロスに加入出来た時間)だぞ、どう慰めたり励ましたらいいかわからない!

 

ジバニャンの時は原作を知ってたし早瀬が助言してくれた(存在しない記憶)から何とか出来たけど、TS蛇王カイラとか想定外過ぎるわ!加藤だって多分想像出来ないよ!!まだ初代最初のボス・ミツマタノヅチすら出ていないぞ!?

 

大十字九郎やアルティメット・クロスならどうしただろうと考える………そもそも性暴力被害者とかナイーブでデリケート過ぎる………ここ妖怪ウォッチの世界だよね!?

 

そう悩んでいると俺にテレパシーがかかって来た、発信元は世界の外だ。

 

 

 

(………聞こえるか?マスターテリオン…いや、天野ケータ)

 

 

 

このヘルシーでち◯こデカくて女装したらスッゲー美人になりそうな声は!?

 

もしやかつての我が宿敵大十字九郎ではないか?(またもや山月記)、そうか!切なる叫びに応える旧神なら今度こそきっと良いアンサーをくれるよね!!

 

 

 

(難しく考える必要は無い、お前はおそらくこの世界で唯一「カイラの苦しみが理解できる人間」だろう?。自分が何を言われたら嬉しかったか、なんでアルティメット・クロスで戦おうと思ったか、なんで今世で良き人間でありたいと思ってるのか、お前の原点を考えるんだ。そうすればその言葉はきっとカイラに届くはずだ)

 

 

 

そうだ………俺がアルティメット・クロスのようにありたいと思った理由は………!

 

 

 

「俺もカイラと同じような目に遭ったことあるよ………いや、俺はカイラと違って無実の罪じゃなくて悪いことを何度も繰り返しやってしまった」

 

俺がそう言うとその場にいたみんなの視線が俺に集中する、俺は言葉を続けて行く。

 

「今世でエセルドレーダに未だに会えないのもきっとそのせいだ………でもね、そんな俺にも手を差し伸べてくれた人がいた。今までずっと俺のせいで酷い目に遭ってたのにも関わらずだ、俺はその手を取って決起集会にも参加したよ。那由多を越え不可思議を越え無量大数を超えた無限螺旋の中で一番楽しかった」

 

ウィスパーが「そんなにループしてたんでウィッスか………」と声を上げるのを聞きつつさらに言葉を続ける。

 

「俺はヨグの門の向こうに残って悟ったよ、『悪行をやるよりも善業をやる方がずっと気が楽だし楽しいし裏切らない本当の仲間が出来るんだ』って」

 

「それが私となんの関係がある………」

 

「数十年酷い目に遭ったのなら、残りの数百年数千年の半妖の生を笑って楽しくたくさんの友達と生きれば良いじゃないか!!もちろん、善業を積みながら。ずっと過去に囚われたままじゃ駄目だよ!!!もう牢獄もクラインの壺も無いんだよ!?」

 

「!!!」

 

「そうよ、カイラ。エンマ大王は貴女が無実の罪だって信じてくれてたんじゃない?貴女の見た光はまやかしじゃなかったのよ」

 

そうフミちゃんが言葉を続ける、確かにさっきのマオくんの話ではぬらりひょん議長がやったみたいなこと言ってたね。

 

「それに貴女は不良品なんかじゃあ無いわ、こんなに綺麗で私にだってコマさんにだって優しいじゃない。自分で自分を貶めないでよ!それにエンマ大王ならこう言うと思うわ『最後まで投げんな!人生まだまだ捨てたもんじゃねぇ』ってね!」

 

「!?」

 

「そうズラ!自分で自分のことを悪く言うのは良くないズラよ?」

 

「兄ちゃんと会えたのもカイラの人探しの妖術のおかげズラ!」

 

「第一にアータは生きているじゃあないですか、人間も妖怪も半妖もとにかく生きてれば良いことはたくさんありますって。少なくともワタクシはそうでウィス」

 

「ウィスパーのくせに良いこと言うニャン」

 

「んだとジバ野郎ゥ!?ワタクシにだって昔仕えていた人とか色々あるんでウィッス!!!」

 

そういえばウィスパーは前の主人(石田三成)が戦の前に裏切られて関ヶ原の合戦で大敗して処刑されたんだったな、俺(前世マスターテリオン)のところに来たのは運命かもしれない。

 

 

 

やっと顔を上げたカイラ、その表情にはさっきと打って変わって希望が浮かんでいる。

 

彼女はフミちゃんの手を借りて立ち上がった、ひとまずこれで大丈夫そうだ。

 

 

 

その時、ウィスパーの妖怪Padがオシラセを受信した、この着信音はアスからだ。

 

ちょっと失礼して………ウィスパーとPadを覗き込むとそこには驚きの内容が載っていた。

 

 

 

『カイラを投獄した真犯人がそろそろ動き出すぞ』

 

 

 

『止めねぇと人間界も妖魔界も不味いことになる』

 

 

 

『ヒントは白いイカ』

 

 

 

白いイカ………妖怪ウォッチ1をクリアした人間ならばそんなことやりそうな奴がパッと思いつくだろう、この世界は一旦はゲーム寄りに進むようだ。

 

というか真犯人はぬらりひょん議長じゃなくてお前かよ!これで遠慮なくぶっ飛ばせるな!!

 

アスからのメッセージをフミちゃんやカイラにも見せると驚いたのが分かる、怒りよりも急に来た困惑が勝るようだ。

 

アスからのメッセージは続いた。

 

 

 

『お前の次のミッションは「フミの虚億問題を解決しろ」』

 

 

 

『まずはフミに話を聞け』

 

 

 

アスからのメッセージはそこで途切れた………アス貴様見ているな!!!

 

「なんかこういうミッションが入ったんだけどフミちゃんなんか悩みある?虚億だから変なものが見えるとか、もちろん妖怪以外でね」

 

「毎晩繰り返し変な夢を見るわ………今はカイラの妖術で何とかなってるけど」

 

「フミちゃん、ケータくんにも話すべきだよ」

 

 

 

そうマオくんにも促されてフミちゃんは見える夢の内容をポツポツと話してくれたが………なるほどなぁ。

 

 

 

「ポケットモンスターと共に冒険の旅に出てチャンピオンになり図鑑を完成させた」のはポケットモンスタークリスタルの女主人公。

 

 

 

「R-GUNというパーソナルトルーパーを駆り自らと歪んだ世界を生み出したユーゼスを仲間達と共に討ち果たした」のはスーパーヒーロー作戦のヴィレッタ・プリスケン。

 

 

 

「ペルソナという超能力を使ってユニバースという奇跡を起こして自らの命と引き換えに世界を救った」のはペルソナ3ポータブルの女主人公。

 

 

 

「月のムーンセルでセイバーのマスターになって優勝目前で覚者に敗北した」のはFate/EXTRA Last Encoreの岸波白野。

 

 

 

「最後のマスターとしてカルデアというところで戦っていた」のはFate/Grand Orderの女主人公。

 

 

 

………こうしてみると「シリーズ化やメディアミックス化で男主人公に追いやられ割を食う女主人公」ばかりだな、ぶっちゃけフミちゃんも3やアニメで散々割を食うどころかヨゴレ役やらされてるし。

 

俺は魔力を集中させてフミちゃんに「解析(アナライズ)」よりももっと上の魔法、「運命透視」の魔法をかけて正体を暴く。

 

フミちゃんの見る夢と「運命透視」の結果見えたフミちゃんの正体とは………

 

 

 

「フミちゃん!君の運命というか正体は『シリーズ化やメディアミックス化で男主人公に追いやられ割を食う女主人公達の化身』だよ!!」

 

「えぇ〜!?そんなのアリなの!!」

 

「どうにかならないのか?そんな運命悲し過ぎるぞ!!」

 

「それを何とかするのがミッションだよ!」

 

 

 

そう言って考え込む俺たちだったがふと、シャドウサイドで月浪トウマの所持していた「妖怪ウォッチオーガ」が思考に引っ掛かった。

 

 

 

「女主人公達を虚億から幻魔に昇華させてフミちゃんが憑依合体出来るようにすれば良いのでは?」

 

 

 

荒唐無稽に思えるかもしれないが俺の勘が「そうするべき」と言うのだ、「答えを出す魔法(アンサートーカー)」も同じ答えを出している。

 

幸い、俺は実はアーティファクトを創るのには自信がある。

 

だが、ここは妖怪ウォッチ世界………時計の専門家の手を借りるべきだろう。

 

 

 

「よし、団々坂にある時計のチョーシ堂に行こう!そうすれば道が拓ける気がする!!」

 

「一体どんな思考をしたでウィッス!?」

 

「でも他に手掛かりは無いニャン」

 

「とりあえず、もう夕方だから一旦明日に回してお家に帰ったら?」

 

 

 

そうして俺たちはもう夕方なので明日また集まる約束をして家路につくのだった。

 

 

 




ケータくん(前世マスターテリオン)は銀魂キャラだと将ちゃんが好きだったためダメージは大きかった模様。

「答えを出す魔法(アンサートーカー)」は自分より上位の存在には通用せず脳の負担や魔力の消費も大きいので微妙に使い辛い………というのがケータくんの感想です。

次回からフミちゃんをプロデュースしつつ町の結界を守れ!編に入ります。



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