マスターテリオン、天野ケータになる   作:久保サカナ

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小ネタのはずなのになんか書いてて楽しくなって来たのも妖怪のしわざだ!!


「ちょっと!聞いてるの!?」「ごめんヘルシェイク真上&海動のこと考えてた」

 

ジバニャンは「飼い主だったエミちゃんの思い出」をまるでサスペンスドラマのラストシーンの崖の上の犯人のように語り出したのだった。

 

ジバニャン曰く、自分はエミちゃんという女の子の飼い猫だったということ。

 

エミちゃんはとても優しい女の子で日替わりでキャットフードを食べさせてくれたり、よく自転車の前かごに乗って一緒にお出かけしたり、外出後はキチンとお風呂に入れてくれたらしい。

 

ただ、ある日エミちゃんとお出かけをしているとこの魚屋の交差点でジバニャンはトラックに轢かれて死んでしまったそうだ。

 

エミちゃんは車に撥ねられたジバニャンを見てこう言ったそうだ。

 

 

 

「車にひかれて死ぬなんて………ダサっ」

 

 

 

それを聞いた俺たちの感想としては………

 

「人の心とかないんか?」

 

「可愛いがられていたの存在しない記憶じゃないでウィッスか?」

 

いや、俺は原作知識あるから「不幸な行き違い」だって知ってるけどさぁ…こうしてみると地縛霊化するのもむべなるかななのだ。

 

しかし、ジバニャンは頭を左右にブンブンと振ると「違うニャン!悪いのはトラックに撥ねられたくらいで死んだオレっちニャン!!だからオレっちはここでトラックに勝てるように特訓してたニャン!!!」と言うのだ。

 

 

 

━━・・・侵されていたんだ。犯されていたんだ。冒されていたんだ━━

 

 

 

━━為す術もなく邪悪(死神の運転するトラック)に貪られていた。理不尽に、無意味に、ただ陵辱されていた━━

 

 

 

━━未来に繋がることなく、殺され続けていた━━

 

 

 

━━それはただひとりの親友が自分を庇って死んだエミちゃんの嘆き━━

 

 

 

━━それは上位者の勝手でエミちゃんを殺されそうになった◼️◼️◼️◼️の怒り━━

 

 

 

━━それは穢され続けてきたジバニャンの、無力な憎しみ━━

 

 

 

━━━━だけど―――それでも、それは怨嗟じゃないんだ!それは正しき怒りと憎悪━━

 

 

 

━━涙を流し血を流し、それでも歩くことを止めない、いつしか希望へ辿り着こうという、命の熾烈な叫び!━

 

 

 

『どうすればいいかじゃない、大事なのはお前自身がどうしたいかだろ?』

 

 

 

瞬間、天野ケータの脳内に溢れ出した存在しない記憶

 

 

 

そこは何時も「早瀬軍団」が集まって駄弁っているチェーン店のファミレスだった。

 

角椅子席の通路側に座る俺の前にはJUDA社謹製のスーツを着崩した…点と点を穿ち希望の線を引く、想像を創造する正義の味方、早瀬浩一が居た。

 

なお、俺の横では高校生より収入額の少ない旧神探偵が早瀬の金で久しぶりの肉をかっ食らっている、貴公はそういう奴だよ。

 

ドリンクバーでふざけ過ぎてダンセイニ色になったジュースを時折啜りつつ俺は「ジバニャンのために何をしてやれるか」を相談するとお前は呆れたように笑いつつそう答えてくれたな。

 

『正義の味方ってのはさぁ、基本お人よしというかお節介なくらいでちょうど良いと俺は思うね!大丈夫、お前の優しい祈りはジバニャンにもエミちゃんにもきっと届くさ』

 

お前は悪役ロールプレイを強要され過ぎてアルティメット・クロスに仲間入りしてもミウミウからは親の仇のような目で見られていた俺とエセルドレーダを気遣って「大導師サマはファミレスは初めて?」と言いながら早瀬軍団に入れてくれたんだったな。

 

あと食堂のガムシロップとクリープをペロペロして必要カロリーとタンパク質を摂取していた旧神探偵に飯を奢ったんだったな!本当に良い奴だ…

 

そうと決まれば俺はジバニャンのために動くのみ!!

 

ならば俺に出来ることは総ての怒りと憎悪を清めジバニャンとエミちゃんを仲直りさせること!!!

 

 

 

(もちろん、存在しない記憶である)

 

(欺瞞だ、欺瞞に満ちている!)

 

(落ち着け九郎!早瀬に飯たかったのは事実ではないか!)

 

 

 

刹那にも満たない回想(妄想)をIQ 56億7千万の脳内CPUで叩き出した俺は屈んで自分の目線とジバニャンの目線を合わせた。

 

「ジバニャンはスゴイよ!もし俺だったらエミちゃんを恨んだり祟りに行ってたもん」

 

「ニャニャッ!?」

 

「それに自分の死因なんてトラウマの元はフツーは避けたり逃げたりするだろうしね、逃げないジバニャンは本当にすごい!!」

 

 

 

(それはもう旧神の資格があるくらいに)

 

 

 

「そんなことを言ってくれたのはケータが初めてニャン…!ここを通る妖怪たちはみんなオレっちのことを馬鹿にしたニャン…」

 

「そんな奴らなんて気にしない方がいいよ、俺ジバニャンと友達になりたいな」

 

「オレっちもそう言おうとしてたところニャン!今日からよろしくニャン」

 

そう言ってプリチーなデザインのメダルを渡して来たジバニャン、これでウィスパーを除くと2体目の友達妖怪だな。

 

「なぁ、ジバニャン。俺はジバニャンの力になりたいんだ、また明日ここに来て良いか?」

 

「もちろんニャンよ、出来ればチョコボーを持って来て欲しいニャン」

 

「この赤猫野郎図々しいでウィスよ、ケータきゅん〜ともだち解約なら今でウィスよ〜」

 

嫉妬がましく声を上げるウィスパーをスルーして再び魔術による強化でダッシュして今度こそ家路に着くのだった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

父さんと母さんが妖怪に取り憑かれて夫婦喧嘩…などということも無く、普通に夕食を食べて(ひも爺とつまみ食いの助を撃退はしたが)歯を磨き(歯磨貴婦人がご褒美をくれた)自室にたどり着いたのだった。

 

なんかフツーに妖怪が家に入り込んでいるけど気にしてはいけない、ウィスパー曰く「見える人間には優先的に寄って来ますよ」だそうだ。

 

「ウヒョーここがケータきゅんのお部屋でウィッスね〜!」

 

「うん、漫画とか読んでも良いけど元の場所に汚さずちゃんと戻してね。あと棚のプラモは触らないでね」

 

基本的には原作ケータと変わりない部屋である…ただスパロボUXグッズに溢れているが。

 

3DSとスーパーロボット大戦UXは隠しぜんぶ出すほどやり込んだし参戦作品のコミックとDVDはお小遣いとお年玉をフルに注ぎ込んで全部収集している(お手伝いめちゃくちゃ頑張った)。

 

棚には誕生日とクリスマスにおねだりしたMODEROIDリベルレギスとデモンベインが飾ってある。

 

「何というか…こだわりを感じる部屋でウィスね、このSEEDアストレイ?っていうの一体何巻あるでウィッスか」

 

「それはときた先生に聞いてくれ」

 

そう言ってあちこちフヨフヨしているウィスパーだったが、俺が夏休みの日記をつけている最中に「そういえばケータきゅん、ジバニャンの力になりたいと言っていましたが具体的にはどうするんですか?」と尋ねて来たのだ。

 

そう聞かれて俺はおれの秘密を知る人間…じゃなくて妖怪がひとりくらいいても良いよね、という気分になる。

 

エセルドレーダがいなくて思ってたよりも気が滅入ってたのかもしれない、いや邪神から解放されて平和な国で生きてる時点でウルトラハッピー!!!なのだがそれはそれ、これはこれである。

 

「なぁ、ウィスパー。俺が魔法使いだって言ったら信じるか?」

 

「またまたご冗談を(AA略)、厨二病には早いでウィッスよ?そういうこと言ってると妖怪に取り憑かれちゃいますよ〜!」

 

「プラモが動く魔法」

 

俺がそう唱えると棚に飾ってあったリベルレギスとデモンベインが動いてウィスパーに飛び蹴りをかました。

 

「アウチッ!!何するんですか!?」

 

「いや信じるかな、って思って」

 

「こんなのトリックか妖怪のしわざに決まって〜「レムリア・インパクト&ハイパーボリア・ゼロドライブ」熱ゃ冷ゃびゃびゃ!?

 

左右から魔術で再現された無限熱量と負の無限熱量でサンドされてウィスパーは見事に紅白に染まった、必殺技だけどプラモ規格で尚且つ室内で大丈夫なレベルだからギャグ補正のあるウィスパーだし平気だよね(楽観的)

 

「ちょっとぉ!!熱いのと冷たいのが同時に来て個性が半冷半燃になっちゃったじゃないですか!!!メドローア撃てますよ!?」

 

「混ざってる混ざってる、で?信じてくれた?」

 

「半信半疑ですけどね、まぁ妖術師の一種だと考えたらアリかな〜と思えて来ましたよ」

 

「うん、そんな認識で良いよ。でね、ジバニャンの力になる方法なんだけど魔法と妖怪の力を合わせれば行けるんじゃないって思うんだけど」

 

例えば「探しものを探す魔法」で「お目当ての能力を持つ妖怪」を探すとか、ウィスパーの話じゃあこの世界は森羅万象あらゆることが妖怪のしわざで説明出来るらしいからね。

 

ゲーム的に言うとどんな妖怪ともともだちになれる最高レアアイテムである「禁断の果実」を増やしまくるとか出来そうだけどこれは禁忌の手段だよね…

 

というか心変わりさせる果実とか怖すぎるだろ…黒い妖怪ウォッチだよね…

 

「ウィスパーにお願いがあるんだけど

 

・なんでもバクロさせる妖怪

・記憶を忘れさせる妖怪

・記憶を思い出させる妖怪

 

を調べておいて欲しいんだ、俺の魔法で探すにはある程度相手の情報が必要なんだ!」

 

「ふむふむ成る程!妖怪執事としての最初のミッション、このウィスパー明日までには調べておきましょう!!」

 

「頼んだよ、じゃあおやすみ〜」

 

俺がそう言って明かりを消して寝るフリをするとウィスパーは待ってました!と言わんばかりに妖怪Padを取り出して検索し始めた。

 

妖怪ウォッチ1の頃のウィスパーはキャラが違い過ぎてビックリするからね、まだ正体が定まっていない頃だからだね!

 

正体が妖怪シッタカブリになってPadを使うようになったのは2からだったハズ、そのうち石田三成のことも聞いてみようか…

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

そして天野ケータが眠りにつくと見計らったように2つの影が天野家上空に現れたのだった。

 

「普通の一軒家に見えるが凄まじいとしか言えねぇ結界だな、隕石が直撃しても平気な頑丈さを持ちつつ悪意を持つ者と害意のみを弾いて残りはスルーと来た。妖魔界でもこれほどの術者はいねぇよ」

 

「普通の小学生の擬態をしているがアレの本性はヤバいぞ、俺が変身してこの地球のリソース全て使っても勝てるかどうか。核兵器ですら生身で粉砕しちまうんだからな」

 

「だから基本的には人間界にも妖魔界にも関わらない地球の精霊であるアンタがこうして動いたわけだしな、見た限りじゃ悪いことをし無さそうだし「原作通り」なら改心してるし大丈夫じゃねぇか?」

 

「だと良いんだがな…」

 

赤い法衣に金髪の少年は楽観的にそう言うと、黒髪に現代風の服の青年はやれやれと頭に手をやるのだった。

 

 

 





転生者ものだとキャラ崩壊に気を遣わなくて良いからめっちゃ楽!!

あと、この世界はクトゥルフ神話的なサムシングは存在してません。

ただ、ギンガウォッチネタは入れたい。
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