恋と真実   作:1人の深空ハンター/超勉強不足

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終わりの旅の始まり

【プロローグ】

『戦争はいけないことだ。』

違う。それだけじゃ足りない。

付け加えよう。

 

『戦争は勝手に八百長で作られるものだ。

それを止められるのは国民1人1人でしかあり得ない。』

 

無駄死はごめんだ。国なんかの為に死にたくない。

だから最後のsnsの呟きはこれにしよう。

 

 

 

【終わりの旅の始まり】

その日、ハンター協会で緊急会議が開かれた。

 

ミナミ『EVER(=国民の敵)の目的が分かったわ。超監視社会からのムーンショット計画よ』

ミナミ『みんな、このHPを見てちょうだい』

 

ミナミさんはモニター画面にHPを映した。

ミナミ『脳みそにAIを入れてサイボーグ化し、全ての人間を究極の奴隷にする。それが奴らEVERの計画よ』

ミナミ『そしてその前段階として2030年までに全ての人間を監視し、政府に逆らう者を全財産差し押さえ等で処分する超監視スコア制社会の計画も進んでいるわ』

 

ざわつくハンター協会。

 

ミナミ『究極の奴隷化計画のことをムーンショット計画というの。しかも民間人にまでこの計画が閲覧できるようにHPにアップされているわ。

自信があるんでしょうね…。計画をここまで明かしても絶対に完遂させるという自信が。舐めた真似してくれるわね。』

私『(どうして内閣府のHPにEVERの計画が…?まさか)』

 

私『ミナミリーダー、政治家はEVERに乗っ取られたのですか?』

 

ミナミ『そうよ。与野党全てがEVERの手下よ。ずっと前からね。

EVERグループはワンダラーを改良して限りなく人間に近い見た目の超知能型ワンダラーを作り出すことに成功した。

それが今の政治家達よ。彼らは人間ではないの。』

 

シアン『!!!』

遠くにいるシアン先輩が目を輝かせているのが見えた。無視しよう。

 

ノゾミ『奴らそんな技術をもってたんですか』

ミナミ『隠し持っている。と言った方がいいわね。この超知能型ワンダラー達は他国にあるEVERグループに作られて、この国にやってきた。総称は“ザイニチ”ワンダラー』

 

私『ザイニチワンダラー…』

なんだろう、ザイニチ?どこかで聞いたことのある響きだ。

 

モモコ『そのワンダラー達の戸籍はどうなっているんでしょう』

ミナミ『元々他国の戸籍を取得するわ』

ミナミ『その上でこちらの国にやってきて、通名(=偽名)を使ったり、帰化(=この国の戸籍を取得)して

こちらの国の人間になりすましているの』

モモコ『まるで本当の人間みたいですね』

 

法律上では彼らは人間扱い。だとすると…

私『他のワンダラーと同じように私たちが表向きに始末することは難しいですね』

 

セイヤ『始末したところで新しいワンダラーに取り替えてくるだけだろうしな』

 

ミナミ『ええ。その通りよ。政治家ワンダラーを替えるだけでは何も変わらない』

ミナミ『全員辞めさせ、政府自体を無くさないといけないわ』

 

ざわざわし始めたハンター協会。

 

私『(全員辞めさせる…)』

そんなこと、考えたこともなかった。

ノゾミ『そんなこと…私達にできるでしょうか』

モモコも目を丸くしている。

 

ミナミ『もちろん1組織でしかない私達だけでは無理だわ。

国民の力も借りなければいけない』

 

 

 

 

ミナミ『それとこれを見て』

ミナミさんはモニターにコアを映し出した。

ミナミ『これはねEVERグループが仕掛けた3Sコアと呼ばれるコアよ』

私『(3Sコア?)』

なんの変哲もないどこにでもある、いたって普通のコアにしか見えなかった。

ミナミ『“3Sコア”は、“大切な情報から目を逸らす”洗脳効果があるの』

ミナミ『このコアはね“どこにでもある”の。だから誰も恐ろしさに気付かない』

ミナミ『私達深空ハンターもこのコアによる攻撃を受けているわ』

ミナミ『そして大多数の国民も気付かず今も当たり前のように攻撃を受け続けているの』

 

 

ミナミ『そして今、この国はねEVERグループの計画の下、静かに静かに侵攻を受けているの』

ミナミ『人口をわざと減らし、大量移民で滅ぼされつつある。国の大切なものは次々に売り払われて私有化(=民営化)させられていったわ。その上で今深空103の誓いを破壊して、八百長で戦争まで作ろうとしている』

 

 

ミナミ『調べれば分かると思うけど、政治には右も左もない。上しかないの。

いくら選挙に行ったところで戦争で滅ぶか。大量移民で滅ぶか。』

ミナミ『どちらかしか、この国には選択肢が用意されていないのよ』

 

ミナミリーダーの声は決して大音声ではない。

しかし静まりかえった会議室では、ハッキリと響いた。

 

ミナミ『私達深空ハンターは、これから頭でも戦えるようにならないといけないわ』

 

ミナミ『貴方達には学校のテストで100点を取るような人間ではなく、

自分の頭で考え真実を判断できる人間になってほしい』

 

ミナミ『EVERグループは強大な組織よ。貴方達にはこれから色んな

苦難が待ち受けていることでしょう。』

 

ミナミ『でもね本当の悲劇はEVERグループからの攻撃なんかじゃない』

ミナミ『善人達の沈黙よ』

ミナミ『沈黙は悪の味方。だから同罪。覚えておいて』

 

ミナミ『貴方達だけに特別長期指令よ』

ミナミ『真実を伝えて回りなさい。やり方は任せるわ。

それが3Sコアに操られていない、私達深空ハンターとしての務めよ』

 

ミナミ『それと、敵の“コントロールドオポジション”。味方のふりをする敵にも気をつけて。』

ミナミ『真実が分からない時は、お金の流れ。誰が得をしたのかを追いかけなさい』

 

ミナミ『本当はね、貴方達1人1人に1から100まで教えてあげたいわ。でもそれは出来ない』

 

ミナミ『1人1人が考えて、今の自分にできる最善の方法を考えて実行してちょうだい。以上よ』

 

ミナミさんは両手をパンッと叩いた。

 

 

 

気付いたらセイヤに手首を握られ、指を1本1本解かれていた。

無意識の内に思いっきり手を握りしめて指を食い込ませていたらしい、

会議室には私とセイヤ以外、人がいなかった。皆、それぞれの任務に出掛けていったらしい。

セイヤ『手、痛いだろ』

ぼんやりと自分の手を眺める。

赤くはなっていたが痛みは感じなかった。

 

 

とんでもないことがこの国で起こっていた。

3Sコアに操られ、ただただ呑気に生きてきていた自分がとてつもなく恥ずかしかった。

 

 

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