恋と真実 作:1人の深空ハンター/超勉強不足
1つでいい。たった1つでいいから嘘を見破ってみてほしい。
そこから目の前にあるものを疑い始めて、どんどん調べていくと
本当のことが点と点で繋がっていって真実が分かるから。
ずっと祈る気持ちでいる。だけど所詮は届かない声だ。
素通りされてしまう声だ。
ずっと調べている。調べても調べても調べたりない。
やっぱり地球温暖化は大嘘だった。
やっぱりNASAは宇宙に行ったというのも大嘘だった。
こんなくだらないことに私たちのおさめた税金は溶かされているのだ。
死んだと報道されていた宇宙飛行士も普通に生きていて
笑ってしまった。
人類は宇宙にはいけない。全部嘘だった。
私『(じゃぁ禁猟区で見たセイヤの宇宙船はなんだったんだろう…)』
今の時代に宇宙なんかに行けないのに。
私『(セイヤも嘘つきなのかな…。もう何が本当で嘘なのか分からないよ)』
ハンターとしてのいつもの仕事として
今日は海辺に出たワンダラーをセイヤと一緒に速やかに退治した。
超知能型の政治家ワンダラーと違い、分かりやすく合法的にボコボコにできる上、
真実を伝えてまわる仕事と違い、分かりやすく人々から感謝される。
とてもストレス発散によかった。
しかし。
私『あ、ケムトレイルだ』
空を指さしてセイヤに伝えた。
飛行機雲だと信じていた頃は遠い昔のように感じる。
忌まわしきケムトレイル。
セイヤ『当たり前のように今日も撒いてるな』
私『知らないことをいいことにやりたい放題だね』
せっかくワンダラーをボコボコにしてストレス発散できたのに。
また気分が盛り下がってしまった。
具合が悪くなる人が必ず出てくるだろう。
今、ケムトレイルを撒いていったあれを撃ち落としてしまいたい。
私『きっとケムトレイルを飛行機雲だって信じたまま人生を
終える人もいるんだろうね』
セイヤ『むしろそっちの方が多そうだな』
私『私はそんな人生は嫌だな』
できれば真実をできる限り知ってから人生を終わりたい。
私『(真実と言えば…)』
ふとセイヤの禁猟区の宇宙船を思い出した。
今の技術では宇宙なんかには行けない。
NASAは大嘘だったのだ。
セイヤ『(じゃぁセイヤの宇宙船はなんなんだろう)』
大学に一緒に潜入捜査をした時は、確かにあれで宇宙を
飛んだのだ。
嘘なのかな。全部。でも待って。
セイヤが嘘をついていなかったのだとしたら?
その場合、どういう真実が隠されている…?
今の地球の技術では宇宙なんかには行けない。
でも宇宙船を操縦しているセイヤ。
仮にどちらも成り立つ場合は…?
私『セイヤは未来からきたの?』
ぽつりと言葉に出してしまいセイヤが何かを喋る前に
慌ててセイヤの口を両手で塞いで、目を逸らした。
セイヤの目を見てはいけない。
見たらなんとなく答えが分かる気がしたから。
セイヤは私の手を掴み、ゆっくり外した。
セイヤ『あんたから聞いたんだろ』
セイヤ『今、全部聞きたいのか?』
セイヤの青い瞳が真っ直ぐに私を見つめていた。
大学に潜入捜査をした後の、あの時の言葉を思い出す。
もう彼はきっと隠す気はないのだろう。
この国の情勢はハッキリ言ってすごく悪い。
この国の今の状況を、分かっている人がとても少ないからだ。
私もいつ死ぬか分からない。吹けば飛ぶような命だ。いつ終わるかも分からない人生で
セイヤの話を聞かずに終わってしまってもいいのだろうか?
青空を見上げた。最低な有害なケムトレイルが見える。
私『(…ケムトレイルが2度と撒かれることのない澄んだ空を見てみたいな)』
そのためにも私は最後まであらがうと決めたんだ。
現実的に。今の私にできることで。
だから………
私『今じゃない。全ての戦いが終わったら
その時に聞かせて?』
セイヤ『あんたは本当にそれでいいのか?』
私『いいよ。だって…』
近くの海の水を掬い上げてきた。
私『お楽しみは後にとっておいたほうが面白いでしょう?』
思いっきりセイヤにかけた。
つもりだったが避けられた。
セイヤ『あんたは油断も隙もないな』
セイヤは抗議する目をした。
私『反射神経いいね』
セイヤ『褒められてる気がしない』
私『水鉄砲あったら良かったね』
セイヤ『また今度来る時は持ってくる』
私『その時は3つ持ってきてね』
セイヤ『3つ?』
私『私はニ刀流するから!』
セイヤ『あんたには敵いそうにない』
私は見れるだろうか?2度とケムトレイルの撒かれることのない青空を。
きっとそれはセイヤの瞳と同じくらい澄んでるに違いない。