別世界の元神がオラリオに来たのは間違ってるだろうか IFシリーズ 作:さすらいの旅人
「あの小僧、リヴェリアを引き抜くつもりだったのか……!?」
(やっぱりか)
戦いが終局の間際、隆誠が【ロキ・ファミリア】副団長のリヴェリアを【フレイヤ・ファミリア】に
しかし、ドワーフと違ってフィンは声に出さず内心納得していた。彼女なら誘いに乗ってしまうだろうと。
それと同時に思い出した。隆誠がフレイヤの使者として『黄昏の館』に訪れた際、さり気ない感じでルーン魔術について口にしていた事を。
(リヴェリアに狙いを定めていたみたいだけど……ロイマンが余計な事をした所為で、計画を変更せざるを得なかったってところかな)
もし【ロキ・ファミリア】も
その際にはリヴェリアだけ残した後、
普通に考えれば品行方正な
今までの戦闘で見せたルーン魔術はリヴェリアの想像を超えたものだった。攻撃、回復、補助などのあらゆる系統が詠唱もせず魔力を込めた指先で描くだけで発動するなど、魔導士からすれば喉から手が出るほど習得したいだろう。
別に感謝してはいないが、ロイマンの独断で不参加にさせていなければ危うく副団長が引き抜かれる所だったと、団長の立場上としてフィンは内心冷や汗ものだった。彼女が【フレイヤ・ファミリア】に
加えてオラリオにいる全エルフ達から『
色々な意味で不味い状況になりそうなところ、その心配は杞憂となった。ベルがルーン魔術を扱いこなしたのを見た事で、隆誠はリヴェリアを引き抜く事をしなくなったのだから。
本当なら一安心したいのだが――
「いやいや待て待て、リューセー・ヒョウドウ。ベル・クラネルがいれば問題無いなどと、それはいくらなんでも早計だ。私なら彼以上にルーン魔術を使いこなせるかもしれないから、是非とも考えを改めて欲しいのだが――!」
「ズルい。私だって弟子になりたいのに……!」
待ったを掛けているリヴェリアだけでなく、何故かベルを羨ましがる金髪金眼の少女も『鏡』に映っている隆誠に抗議していた事で、フィンは
☆
「どうしたぁ! 一回当たったぐらいでもう勝てる気でいるのかぁ!?」
(やっぱりこの人を倒すにはもう
ミアとリューが加わって再び三対一になって多少押しても、今のままでは隆誠に決定打を与えられない。
そう考えたベルは決断を下す事にした。二人を犠牲にする覚悟で
「リューさん! ミアさん! どうか僕に時間を!」
「「!」」
ベルが一旦距離を取った瞬間に全身から
その音を聞いた事で少年のスキル――【
「此処から先は通しません!」
「ちょっとばかりあたし達と遊んでもらおうか!」
「ちっ……!」
覚悟を決めた二人の猛攻に、隆誠は若干煩わしそうな表情になっていた。
彼も気付いている。ベルが自分を倒す為に
本当なら待っても良いのだが、今の状況でそんな素振りを見せる訳にはいかないので阻止せざるを得なかった。
「お前等、邪魔だぁ!」
「ぐうぅっ!?」
「くそっっ!」
立ちはだかったリューとミアの壁も、長刀に纏う『風』が強くなった一度の斬撃によって、あっと言う間に突破される。
(ダメだ! まだ
二人が時間稼ぎをしてくれたのは十秒にも満たなかった所為で、まだ完全ではないとベルは焦り始める。
「覚悟しろ、ベル!」
「くっ!」
万が一のことを考えて雷を纏ったまま超速の移動をしていたベルに、それがどうしたと言わんばかりに追いかけようとする隆誠。
もういっそ破れかぶれの特攻を考えるも――
「【フツノミタマ】!!」
「ッ!」
突如、隆誠の前に巨大な光剣が地に刺さり、彼を覆うドーム状の重力結界が展開された。
「ベル殿! 今の内に早く!!」
「命さん!」
倒れてる春姫の護衛をしていた命はヘスティアに任せた後、重圧魔法をいつでも放てる準備をしていた。
隆誠に心を折られていた彼女だったが、勝てないと理解しながらも挑み続けるベルを見た事で再び火が点いたのだ。
「驚いたよ。まさか心を折られた筈の君に妨害されるとは、ねぇ……」
「ぐっ!」
突然の重圧に膝を屈めそうになる隆誠だが、まるで何でもないように立ち上がろうとしている。
命が使う【フツノミタマ】は
しかし、隆誠には大して効果が無かった。彼は普段から修行用バンドで全身に負荷を掛けている為、単なる修行の延長線に過ぎないのだ。
それでも勇敢に自分を足止めしたことに変わりないので、彼はベルから命へ標的を切り替えようとする。
「はぁッ!」
「ぐっ!!」
隆誠が全身からオーラを放出した直後、彼を覆っていた重力の結界が一瞬で消し飛んだ事で、魔力を使い果たした命は膝を曲げてしまう。
「はぁっ……はぁっ……残念だった、なぁ!」
「うぁぁぁぁあああああああっっ!」
「命君ッ!」
結界を破った隆誠はお返しをしようと、長刀を振るって(切れ味が無い)『風』の斬撃を飛ばし、動けない命は直撃して吹っ飛び壁に激突する。
ゴロゴロと倒れる彼女にヘスティアが叫ぶも、意識が無いのか反応がなかった。
「さて、お次は」
命がもう戦えない状態だと確認した隆誠は再びベルの方へ――
「
「って、嘘だろ!?」
視線を向けた瞬間、新たな乱入者が大声で叫んだのを耳にしただけでなく、襲い掛かる猛炎が自身を吹き飛ばそうとするのであった。
次で何とか
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