別世界の元神がオラリオに来たのは間違ってるだろうか IFシリーズ 作:さすらいの旅人
ベル・クラネルの活躍をフレイヤと一緒に見守っていた隆誠は、感心するだけでなく深く同情していた。
一つ目はフレイヤが
二つ目は【アポロン・ファミリア】の主神アポロンがベルを狙おうと、【ヘスティア・ファミリア】に
三つ目は【イシュタル・ファミリア】の主神イシュタルがベルを捕らえたとの報告が入った瞬間、フレイヤは本気で潰そうとオッタル達を率いて本格的に動き出した。隆誠も一緒に行こうとしたが、フレイヤから『貴方が行くまでもないから、
四つ目はダンジョンにいるモンスターが地上に現れてオラリオ中は大騒ぎになり、またしてもベルが大きく関わっていた。更には都市を危機に晒した事で烙印を押され、都市に住まう殆どの住民達がベル・クラネルを敵視する事になった。第三者側である隆誠は、これには何か裏があるのではないかと推測する。あのフレイヤが一目で気に入ってしまうほど純粋な少年が、そんな利己的な行動を起こすとは到底思えないと。他にもオッタルが黒いミノタウロスを見て何か引っかかっているような素振りを見せており、単なる普通の騒ぎではない何かが裏で動いていると思わせてしまう一件となった。フレイヤも当然気付いており、【ロキ・ファミリア】が主体となってモンスター討伐で動いている中、【フレイヤ・ファミリア】は密かに妨害工作を仕掛けた。オッタルが気にかけている黒いミノタウロスを、宿敵と認識しているベルと戦わせる為に。結果としてベルは敗北した挙句に逃げられてしまうも、都市の住民達からの信頼を取り戻す事に成功する。因みに後から知った隆誠は、すぐにコロッと意見を変える別世界の
ベル・クラネルがオラリオに来て一年も経っていないのに、こうも立て続けに災難級の面倒事に遭遇するのは最早異常としか言いようがなかった。何か作為的な運命みたいなものに巻き込まれるような感じがしてならないほど、あの少年は色々な意味で凄いと隆誠はつくづくそう思った。そんな彼や【ヘスティア・ファミリア】は現在、ギルドから『
「随分ご機嫌じゃないか。それだけあの少年の活躍はお気に召したと言う事か」
「当然よ。私はあの子があれくらい成し遂げるのを信じていたもの」
ベル・クラネルが黒いミノタウロスと交戦して数日が経ち、オラリオは再び落ち着いた日々を送っている。
彼の活躍に大層機嫌の良いフレイヤは
楽しそうに話している二人だが、チェスの盤面に視線を固定している。互いに本気でやっており、相手の動きを予測すると同時に先読みを繰り広げていた。
「そう言えば昨日は【
隆誠はそう言いながらナイトの駒を動かして、相手のポーンの駒を倒す。
「ええ。私は【
お返しと言わんばかりに、フレイヤはビショップの駒でナイトの駒を倒す。
「そりゃそうだろう。他派閥の眷族にそんな二つ名を付けるのはどうかと思うぞ」
「あの子は何れ私のモノになるから、ヘスティアに宣言しただけなのに」
「随分と質の悪い宣言だな」
呆れた表情となる隆誠だが、フレイヤは全く意に介していなかった。相も変わらずベルに執着しており、今も本気で自分の眷族にしようと考えている。
二人の会話とは別に、チェスの方は終盤に差し迫ろうとしている。
そして――
「はい
「あら、負けちゃった」
フレイヤがベルの事を考えた所為で一瞬の隙が生じた為、隆誠は空かさずにそこを突いて
「むぅ……やっぱり負けると口惜しいわね」
負けた事で頬を膨らませてしまうフレイヤに、隆誠は思わず苦笑してしまう。
彼女は今までチェスをやって誰にも負けた事がなかったが、隆誠とは常に互角の勝負をして勝ったり負けたりの繰り返し状態になっている。因みに今日の戦績は互いに一勝一敗だった。
「リューセー、もう一回やるわよ」
「良いぞ。今日はこれで最後だ」
三回目の勝負をしようと、二人は駒を元に戻して再びチェスをするのであった。
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