別世界の元神がオラリオに来たのは間違ってるだろうか IFシリーズ 作:さすらいの旅人
「ねぇヘディン、あの姉妹さ……つい最近、神様達が『
「どうでもいい。奴等が生きてるだけで一族の汚点だ。今度こそ滅ぼす」
とある市街地にて、【フレイヤ・ファミリア】所属のヘグニとヘディンはとても嫌そうな顔をしていた。
そんな二人の反応とは別に、対峙している女性エルフ二人はとても愉快そうな表情だ。
「無理ね!」
笑顔で否定する小柄な銀髪ツインテールの
「無理よ!」
同様の反応を示す小柄な金髪サイドテールの
「これから私達が!
笑顔で手を取り合いながら笑顔で平然と悍ましい言葉を口にするディナとヴェナ。
この二人は【アレクト・ファミリア】に所属する『ディース姉妹』と呼ばれ、両方とも『Lv.5』であり異常殺戮者。
【フレイヤ・ファミリア】の『白黒の騎士』と称され、『Lv.5』の実力を持つヘディンとヘグニでも苦戦は免れない。その証拠に彼等は嫌悪を示しながらも、一切油断せず全力で倒す構えを見せている。
市街地で第一級冒険者のエルフ達の壮絶な戦いが始まる直前、突如間に割って入るように、空から何かが振って地面に激突した。
『ッ!?』
突然の乱入によって、ヘディン達は動きを止めざるを得なかった。
「誰よ!? 私達の邪魔をするのは!」
「ヘディン達と
折角始まろうとしていた楽しい時間を邪魔された事に激昂するディナとヴェナ。
彼女達とは別に、ヘディンとヘグニは警戒している。『
地面に激突した事で発生していた粉塵が晴れた先には、全身を覆う黒い外套を身に纏い、
「ヘディン、あれは……」
「モンスターのような仮面に、あの風貌……例の『仮面の狩人』か」
彼等は知っている。近頃オラリオで妙な格好をした存在が、破壊活動をする
ゴブリンより恐ろしい形相に当初モンスターではないかと恐怖したが、その者は冒険者や民衆に一切手を出していない。あくまで
オラリオ側からすれば非常に頼もしい味方なのだが、一体何者なのか正体が一切分からない。『
「あ、確かアレってここ最近、蛆達を潰してる奴じゃない?」
「そうよ、お姉様! アレの所為でヴァレッタが苛々してるのを見たわ!」
ディース姉妹も記憶の片隅に留めておいたのか、『仮面の狩人』を見て思い出すように言っていた。
(ヘディン達と対峙していたこの二人、何だかエリーと似た感じがするな)
『仮面の狩人』――隆誠はディース姉妹の異常性を感じ取ったのか、元の世界にいるサキュバスを思い出してしまう。
だがそれとは別に、二人のオーラはそこら辺の雑魚とは全く異なっていた。近くにいるヘディンとヘグニに匹敵しているから、少しは歯応えがありそうな相手だと思っている。
なので少しばかり実力を出そうと、隆誠は超スピードを使い――
「あれ? いきなり消え――」
「! 危ない、お姉様!」
背後を取った直後、振り返るディナの頬に容赦無く拳を当てて勢いよく吹っ飛ばして家屋に激突した。
「よくもお姉様を!」
姉がやられて激昂したヴェナは、即座に得物を手にして振るう。
得物は魔剣なのか、振るった瞬間に無数の火球が出現して隆誠に襲い掛かろうとするも、それらは彼に命中しても燃え盛ることなく霧散した。
「何で――ごっ!」
直撃しても全く通用しなかった事に目を見開くヴェナだったが、その隙を突くように一瞬で接近した隆誠が彼女の頬を殴って吹っ飛ばす。
「……え、嘘でしょ……?」
「ディース姉妹を、あんな簡単に……!」
自分達が苦戦してもおかしくない筈の相手を、十秒も経たず一撃を与えた事に戦慄するヘグニとヘディン。
『仮面の狩人』が相当な実力者だと既に知っていたが、『Lv.5』のディース姉妹を圧倒するなど完全に予想外だったのだ。
すると、隆誠に殴られたエルフの姉妹がゆっくりと起き上がる。
「よくも、よくも……!」
「私と、お姉様の綺麗な顔に傷を……!」
自尊心が相当傷つけられたのか、先程までの無邪気な笑みから一変して憤怒の表情になるディース姉妹。
同時に――
「「――絶対殺すわ!!」」
殺意も全開にして隆誠に襲い掛かろうとする。
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