「は?負けたいんだが?」   作:天野ミラ

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本当に信じられないような本当の話なんですけど、帰ってきて手を洗った時に洗面台の上に置いていたスマホに水滴が飛んで勝手に投稿されてしまいました。

直ぐ取り消したんですけど、変に期待させちゃって申し訳ないです。
以上です、本編どうぞ。


23.読心系無表情ロリには負けれないんだが?

───疲れた。

 

 

 誰かの顔色を窺って過ごすのに疲れた。

 

 他人が自分をどう思っているのかに、落ち込むのに疲れた。

 

 他人が自分を嫌っているのに落ち込むのにも、怒っているのに委縮するのにも疲れた。

 

 怖がられるのも、不気味がられるのも、恐れられるのにも……疲れた。

 

 

 思い出すのは先ほどの会話。

 

<あっ、もしかして人と居るの疲れた?>

<……大丈夫、もう慣れたから>

 

 自分で言った言葉ながら、笑いそうになる。

 人の内心が見れる私が……慣れる? 馬鹿を言え、こんな事に慣れられる訳が無い。

 ただあなたに心配してほしくなかった故に、口から思わず言葉が漏れただけ。

 

 結局の所、擦り減って……擦り減っていくだけだ。

 摩耗して、痛みを感じなくなっていくだけ。

 忘れられない記憶の中に、嫌な事ばかりが積みあがっていく。

 

 

 そんな中で現れた彼女は、今までで見た事が無い相手だった。

 

 桃色の髪と、眩しいばかりの笑顔。その内心に秘めるのは、どうしようもないくらいに傲慢で強い自尊心。表面に恥ずかしさや、緊張こそ見えるものの……その本質は()()()

 

 究極的に言えば、自分の事が大好きだから。自分に絶対の自信があるから。

 自分の考えが読まれていようが、思考を覗かれていようが関係ない。どうでもいい。

 

 そんな彼女の存在は、私には人生で初めて得た救いだった。

 初めて何かを欲しいと心から願った。

 あわよくば、このままずっと一緒に時を過ごせたらいいのにと。

 

 貴方が行方不明になったと聞いたとき、安心と安堵と絶望が一息に押し寄せてきた。

 貴方が夢を叶えたんだという喜びと、手の届かないところへと言ってしまったという絶望。

 せめて世界が貴方の邪魔をしないように、他の魔法少女には待機を命じた。

 貴方が世界の何処かで幸せなら、それで良かった。

 

 だけどあなたは帰って来た、帰ってきてくれた。

 帰ってきたという報告だけで、舞い上がりそうだった。

 そのせいで呼び出しのメール(会う口実)を考えるのに、一か月はかかってしまった。

 

 

 でも、そんなに都合が良い事がある訳が無かった。

 単純な話だ、彼女は可愛くて優しくて強くて……だから当然のようにモテる。

 

 そして彼女自身も変わった、変わってしまった。

 おそらくはきっと、ほかならぬ彼女達のおかげで(せいで)

 

 私が選ばれることはどれだけ努力してもきっと……ない。

 グライシアもティンカーベルも、そしてルクスという淫魔も私よりもずっと魅力的だった。

 枯れかけの細い腕で、人形と揶揄される無機質でつまらない私と釣り合うはずがない。

 

 諦めていた、貴方が幸せならそれでいいじゃないかと。

 でも少しだけ気に食わなかった。

 誰よりもあなたを理解している私には、何もできなかったのに。

 

 だけど、もう……叶わない願いに必死に手を伸ばすのは……疲れた。

 

 

 全てに整理をつけて首に縄をかけた時……ほんの少しだけ怖かった。

 死ぬことが、じゃなくて。

 誰からも忘れ去られるのが。

 私は、どんなに忘れたくても忘れられないというのに。

 

 だから、貴方の人生に()と言う存在を少しでも刻み込んで欲しかった。

 悲劇的で英雄的な、協会の長としての最期の仕事を。

 


 

「いらっしゃい、待って、たよ?」

「ほう、つまり全ては貴様の想定通りだったとでも? 随分と斬新な負け惜しみだな」

「別に、貴方が、信じる必要は、無い」

 

 ガチャリと扉が閉まる。魔法少女の中でも、選ばれた人間しか立ち入ることが出来ない協会長の部屋。そこに男性が訪れるのは、おそらくは工事以来では初の事になるかもしれない。

 

「当然知っているかもしれないが自己紹介をしておこう、私が神凪宗一郎だ」

「……スクイレ」

 

 何処までも自然体の少女は、読んでいた本を机に置いてアロマディフューザーのスイッチを押す。槍と言う武器を持った大人の男が部屋に入って来たのにもかかわらず、怯えた様子1つ見せないのはどうでもいいからなのか、表情に出辛いからなのかは分からない。

 

 

「私の持つ、魔法。『思考解露』は、()()()いて()わにさせる」

「なら私が何をさせたいかもわかっているのか」

「勿論。意識をして使えば、本人の意識しない……深層心理まで見れる」

 

 心臓が跳ねる、これだけの能力を持つ魔法少女を手に入れられたことに。

 会社はいくらでも建て直せる。こいつの力と権力があれば、容易に国を執れる……!

 

「わざわざ説明してくれるとは、随分と噂の協会長様は話が分かるらしい」

「自分の能力について、解説する時は、もう勝負の、決まった時。お決まりらしいよ?」

 

 勝負は決まっていると来たか、聡明らしく既に負けを認めているらしい。

 お前に直接的な戦闘能力が無い事は、既に調査が終わっている。

 

「随分、思い切ったことを、しようと思ったね」

「あのサテライトが弱体化していると聞けば、好機は今しかないだろう」

「確かに、あの子は弱くなった」

 

 思わず上機嫌になり、何時もより饒舌に口が回る。

 興奮からか、強く握りしめすぎたらしい手が思わず痺れる。

 それにしても甘ったるい匂いだ、何処かで嗅いだ覚えがある気もするが……

 

「人形姫等と揶揄される貴様にも、アロマとは……少女らしい趣味があるらしいな」

「良い香り、でしょ。名前は確か……ウツボスズランだったはず」

 

 その名前を聞いた瞬間、背筋にゾッと冷たいものが走った。ブラフか?

 先ほどまで興奮から来る物だと思っていた心臓の動悸が、やけに早まっていくのを感じる。

 

「『外敵』である、ウツボスズラン。その効果は、貴方が一番よく知ってる、よね?」

 

 確かに良く知っている、何故ならそれは……捕らえた魔法少女たちに言う事を聞かせるために、使っていたものだったから。

 

「効能は軽度だと意識レベルの低下、手足の痺れ……」

 

 閉め切った部屋が息苦しいと感じたのは、決して部屋のせいなんかじゃなかった。

 扉を閉め切っているのは、換気をさせないため。

 

「重症化すると、意識障害……ごほっ、最後は、息が、出来なくなるんだっけ」

 

 パッと見はスズランの見た目をしながら、狂暴な牙の生えた頭を持つ『外敵』。その花粉に含まれる毒を吸ったものは、まるで地上で溺れるように息絶えた事からついたその外敵名。

 

 振り返って慌てて扉を開けようと振り返っても、開かない。何故内側から開かない……!

 

「……ふっ、この部屋は、私を閉じ込めておく、ための……ごほっ」

 

 最期まで言い切れずに、咳き込みだす灰色の少女。

 何故だ、お前を狙ったそぶりは見せた事が無い。

 そして、会ったのも間違いなく初めて……ッ!

 

「テレビで、会見。してた……でしょ?」

「直接の、視認が、条件じゃない、だと……!」

 

 テレビに映った人間の思考すら読み取れるというのか。

 ふざけるな、規格外にも程がある。

 それが真実なら、容易に世界を獲れ──────

 

「そんなものに、価値なんて、ない」

 

 私は、貴様の……自殺計画に……付き合わされた……だけ……だと……

 ふざける……な……

 

「欲しかったのは、一番星……だけ」

 

 視界が揺れる、いきがうまくすえない。

 やがて意識が保てなくなり、思考は闇の中へと包まれていく。

 

 


 

 

 閉じ切られた扉が吹き飛ぶ、まるでその場から弾き出されたかのように。

 来てくれるかもしれないとは思っていた、でも同様に来て欲しくは無かった。

 もう、疲れたのに。

 

「───事!? スクイレ、スクイレ……返事を……!」

 

 必死な顔で私に声を掛ける彼女は弱くなったと思う。一昔前の彼女なら、きっとこんなに必死に声を掛ける事は無かっただろう。

 

 くたばり損ねた。

 その事実だけが胸に重くのしかかる。私は貴方の記憶の中に、私と言う存在を刻んで欲しかっただけなのに。

 

「生きて、るよ。変わった、ね」

「よっ、良かったぁ……!」

 

 そう言って私を抱きしめる彼女は、本当に変わった。

 とても……弱くなった。

 

 自分が損になると分かっていても、親しい人を助けるようになった。

 独りで完成されていた『最強』は、弱みが増えてしまった。

 

「ここ、毒。奥の、部屋に……」

「分かった、神凪何某だけ縛っておくね」

 

 でも、その弱みの中に私が含まれている事は、少しだけ心地良かった。

 

 


 

 

 まっ、間に合ったぁ……!

 スクイレの私室へと彼女を運びながら思う、本当にギリギリ間に合って良かったと。今回はかなりファインプレーだったんじゃないだろうか、別に頭を回すのが私のメインロールじゃないんだけどな?

 

 やけにスクイレの顔に陰りがあった……気がするところだけ気になる所だ。表情が分かり辛いから、なんとなくの直感だけど……私の直感はよく当たる。

 

 

 目が覚めない彼女をベッドに運び込む、薄い胸が上下しているので息はある。すぅすぅと寝息が聞こえる事から、そこまで重症では無いとは思うのだが……

 

 そんな時に机の上に、見慣れないノートが置かれているのを見つけた。この毒に関しての記述があるかと思って中身を漁ったものの……

 

 

 それはまるで……遺書だった。

 

 

 業務の引継ぎや、次の協会長の推薦。国家との取り決めや、これから先注意しなければいけないもの。そして彼女がどれだけの不安と絶望を抱えて生きて来たのか。私が見るべきでは無いと閉じようとしたときに、私宛の文章があるのを見つける。

 

 私はこの時、直ぐに閉じるべきではあったのだろう。そこにあったのは、私への想いが綴られた……ラブレターのようなものだったのだから。

 

「……見た、の?」

「……みっ、見て無いよ?」

 

 何時の間にか起き上がっていたスクイレに、私はそう言うしかなかった。

 それが例え無駄な事だったとしても。無機質な目が私の奥を見透かすように見つめていた。

 

「……そっか」

「いや、その……本当にごめん!」

 

 取り繕っても仕方ないだろう。考えている事が全て筒抜けだというのに、言葉でだけ嘘をついても仕方がない。

 

「……私、余計な事をしちゃった?」

「サテライトが、気を病む必要は無い、よ」

 

 返ってきたのは否定ではなく、慰めだった。

 完璧な記憶と読心能力を持って生まれて、辛くない筈がないのは分かっていた筈だったのに、分かっていたつもりになっていただけ。

 

「この気持ちを伝えるつもりは……無かった。不快、だよね」

「えっ、なんで? 普通に嬉しいけど」

「……なん、で」

 

 そりゃあ可愛い子から慕われる分には悪い思いはしないだろう。宗教上ならぬ……性癖的な理由でカップルのような関係になることは出来ないけど、好かれている事を不快に思う訳が無い。

 

「他の子みたいに、面白い話は出来ない、よ」

 

 別に誰かと比べる必要は無いと思うけど、スクイレはスクイレなんだし。それに私は別に嫌いな人とおしゃべりに興じる程変人じゃないんだけど。

 

「表情は、変わらないし。冷たい人間だって、良く言われる」

 

 少なくとも協会の魔法少女を守ろうと必死なのを、私は分かってるけど。

 

「そっ、それに心が読めるんだよ? 気持ち悪いとは……思わないの?」

「読んでみればわかるでしょう?」

「あっ、貴方の口から……聞きたい」

 

 しりすぼみになっていく彼女を見ていると、少し意地悪をしたい気持ちが鎌首をもたげてくる。全く、いじらしいが過ぎるぞ。

 

「思う訳無いよ、友達……でしょ?」

 

 放心したように、私の事を見つめたまま動かなくなった彼女は恐らく……私の心を読んでいるのだろう。別にわざわざそんな嘘をつく訳が無いのに。

 

 数十秒ほどして再起動した彼女は、目を白黒させてから確かめるかのように呟いた。

 

「そうなん……だ。諦めなくても、良いんだ……ふへっ」

「初めて見たかも、スクイレの笑ってるとこ」

 

 自分でも知らずの内に、口角が上がっていたらしい。そう指摘したら顔を隠してしまった、そこもまた可愛らしい。それにしても彼女が笑っているところなんて、私も初めて見たかもしれない。

 

「……わすれて」

「えっ、どうしようかなぁ」

「……サテライトは、いじわる」

 

 

 

 そんな一幕があった後、お約束とも言えるようなあの感覚が体を襲う。

 

「これにて一見落ちゃ……く!?」

 

 今回は忘れていた訳では無い。だがしかし、後回しにしていた魔法を使った『ツケ』が回ってくる。

 だが今回はそう言う雰囲気じゃないし、スクイレは私とは相性が……

 

「全部、知ってる、よ。確かに、良くない。それでも、策は……ある」

「さっ、策って……?」

 

 催淫効果の物質がある様に、鎮静効果のある『外敵』のアイテムでもあるのだろうか。そんな考えとは裏腹に、彼女が取り出したのは黒い……手錠。

 

「私、サテライトの力に……なりたい」

「いやっ、でも流石に……♡」

 

 思考がぼんやりとしてきたものの、今回は少し待てばいいだけだ。今から連絡すればグライシアとかを呼べ……

 

「信じて、くれる?」

「あぅ、うん……」

 

 そう言われてしまえば、信じられないとは言えなかった。暖かいベッドへ押し倒された私の、手首に嵌められた冷たい手錠の感覚がとても対照的に感じた。

 

 


 

 ギシリと、二人分の体重をうけてベッドが軋む。先ほどまで寝かせていたスクイレの体温と匂いが、布団の中に広がっていて、淫紋の効果も相まってそれだけでイケナイ事をしているような気持ちになる。

 

 ―――違うじゃん。

「信じられない訳では無いけど、流石にそう言う事は早いよね」って諫めればいいだけの話だったじゃん。何がどう間違ってさっきまで死のうとしていた女の子にこんな事をさせてるんだよ。

 

「興奮……‥する?」

「うっ、うん……♡」

 

 と、息まいてみたものの……スクイレと私の相性はお世辞にもいいとは言えない。別に性格や身体の相性ではなく、私の性癖故だ。彼女は私の心を完璧に理解している。「初めから堕ちている」のが地雷な私に取って、彼女は天敵のような存在だった。

 

 何せ、どれだけ嫌がってもポーズだと分かってしまうのだ。内心では辱めてほしいなんて常日頃から思っている私に取って、それはあまりにも致命的だった。

 

「嘘は、無理に付かなくていい、よ? 私を信じて?」

「そっ、そうなの……?」

 

 この状態から、どうやって私を敗北させるつもりなのか。何処からどう見ても、ただの合意仲良し(隠語)にしか見えないというのに。拘束されてるからそこだけちょっとアブノーマルだけど。

 

「見えるようにする……ね?」

 

 スカートをぺらりと捲れば、私の下腹部と淫紋が露わになる。淡いピンク色の淫紋はその効力を発揮している事を示すかのように、淡く輝いていた。

 

「お腹、押す……ね?」

 

 グニグニと淫紋のあるあたりを手のひらで押し始めた彼女、場所が場所なだけに少し恥ずかしいものの……まあ、そんなに……そんな事を考えている内に、ピピピとタイマーが鳴る。

 

「今ので5分。とりあえず、10セットやるね?」

「分かったけど……何がした……」

「私を、信じて?」

 

 そう言われてしまえば、それ以上は聞けなかった。

 

 

 ペタペタと下腹部を触り続ける細い指。時には押し込むように、時にはこねるように触られ続けるが……? 一瞬だけ、ピクリと今までとは違う感覚を覚える。

 

「へぇ、うん。そこは良いんだ……‥ね? 才能、ある」

「あはは、そういうのも読まれるのはちょっと恥ずかしいね?」

 

 むずむずとするものの、またタイマーが鳴って一瞬の休憩になる。読心の前に隠し事は無駄だった、こういうのは少し恥ずかしいけど……屈服と言うほどではない。

 

 

 それから異変があったのは、7セット目の事。先ほどと全く同じように、お腹を押し込んだだけなのに。

 

「なん……でこんなっ……‥!?」

「本で見た。こういうのもあるんだ、よ?」

 

 お腹を押されるのが、気持ちいい。それも、マッサージ的な意味合いでなく。なっ、なんで……今までそんなことなかったのに、これも淫紋の効果? それとも、この部屋に何か仕掛けが? 分からないけど、急な快感に少しずつ今置かれている状況が怖くなっていく。

 

「大丈夫、信じて?」

「えっ、あっ……うん♡」

 

 恐怖の中で、まるで誘拐された子供のように……彼女の言葉に従わなければいけない気持ちが沸いて来る。

 

 そこからの3セットは未知の感覚だった。まるで自分の知らない臓器が生えたかのようなそんな感覚。これが彼女の秘策だったのだとしたら、中々に策士だ。

 

「───あっ♡はっ、はぁっ……? 身体……おかしい……♡」

「これで、3回目」

 

 ピピピと、5分が経った事を知らせる10回目のタイマーがなる。

 とりあえずは、これで淫紋のせいで発狂して死ぬようなことは無くなっただろう。そう思って手錠を外してもらおうとしたものの……

 

「あっ、ありがとうスクイレ。じゃあこれで終わ……」

 

 だけどその後に告げられたのは、終わりを意味するものでは無くて。

 

「それじゃあ、もう10セット……やる、ね?」

「……えっ?」

 

『これ』を続けるという意味の、言葉だった。

 

 

 流石にこれ以上は洒落にならない、ただでさえ身体がおかしいのに。そう思って手錠を引きちぎろうとしたものの……外れない? なんで、魔法少女の力ならこれくらい……!

 

「手錠は『外敵』の素材で作ったんだよ? 魔法無しで引きちぎれないくらい、頑丈」

「あっ、待って。本当にダメだから……♡」

「ベッドは、壊さないで……ね?」

 

 これ以上は不味い、本当に戻れなくなりそうだった。身体が限界で、頭も茹だっておかしくなりそうなのに。これを後10セットも……耐えられる訳が無い。今回ばかりは本当にダメだ、何時ものフリじゃなくて、本心から体力の限界だった。

 

 

「やっと。心から嫌がってくれた、ね?」

 

 

 だけどそんな考えを読んでか、もう一度タイマーをセットし直すスクイレ。それを見てさぁっと血の気が引いていくのを感じる。これ以上は本当に、本当にダメだ。

 

「これで、本心から、落とせる……よね?」

「あっ、違うのスクイレ。本当にこれ以上はダメで……‥ッ!?」

「終わりじゃなくて、ここからが始まり……だよ?」

 

 タイマーが動き出す、残り時間は4分と50秒。そしてまだ1セット目が終わってすらないというのに、頭がチカチカする。

 指が、潰すように私のお腹へと沈んでいく。恐怖と快楽で声が、声が出ない。

 呼吸すら出来ない程に、押し寄せる感情の中で身体だけが正直に跳ねる。

 

「やだっ、本当に……許して? もう良いから、十分だから……!」

「許してって、何で? ()()()()()、10セット行ってみよ?」

「だめっ、駄目……おねが……‥い”っ”♡」

「これを、望んでたんだ、よね?」

 

 

 握り拳を作ったスクイレの手が、見せつけるかのようにゆっくりと私のお腹に近づいて―――

 

 

 

 

 

 ───続きはFANB〇Xで。

 

 載せられる訳が無いだろう、こんな所に。

 あくまでお腹を押していただけなのでセーフ。

 まあでも一言で表すなら……うん。

 

 自分の知らないところまで管理されるのって、良いんだね……




これでヒロイン4人と背景を描き終わった……これ以上は増えない予定です。
導入は済んだので、ここからは日常と恋愛、そして百合を強めに描いていけると思います。


それと、要望と反響があれば、R18オリの方で書くかもしれないとだけお伝えしておきます。
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