ランキング日間オリ4位でした!
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そんな訳で続きます、良ければ楽しんでいってね
「可愛い……」
部屋にある姿見の前に立って、腰程まである枝毛一つない茶髪を、愛用しているピンク色のリボンを使って後ろで結ぶ。シミ一つのない肌をこれでもかと言うほど主張する、肩の出た白いワンピースは……まるで夏の妖精が絵本から出てきたような、そんな童話の一ページのようだった。
「流石に可愛すぎるか……」
こんなに可愛いと、芸能事務所に勧誘され過ぎて街中を歩けなくなってしまうのではないかと、普通に心配になってしまう。今日は折角のデートとやらなのに、それではクロエちゃんに申し訳が立たないじゃないか。まあデートと言っても買い物とパフェを食べに行くだけなんだけど。
それにしても淫紋が平常時は見えない設定で助かった、温泉とか行けないしお腹の出る服も着れなくなってしまうから。やっぱり夏の内に一度くらいは海には行っておきたいよね。そんな事を考えながら部屋を出ようとしたとき、鏡の中のやや赤みがかった綺麗な瞳と目が合う。誰だこの美少女……私か。
「本当に可愛らしいわね、サテライトちゃん♡」
「ふふっ、ありがとうルクス」
やっべ、部屋にマスコットと化した
「それじゃ、行ってくるね」
「はーい、お土産期待してるわよ」
何故か当然のように淫魔に見送られて家を出る、そんな事があっていいはずが無いのに。まあでも、何かスキャンダルですっぱ抜かれても
家から数十分かけて目的の場所へと辿り着く。魔法を使えば一瞬なのに面倒くさいなと思うけど、この人の多さで街中を飛ぶのはさっすがに不味い。確かこの辺りで待ち合わせをしたと思うんだけど……
「……だから、人を待っているのですわ」
「そういって1時間近く待ってるじゃん、もう来ないんじゃない?」
「そっ、そんなはずはありませんわ……!しずくが……しずくが急にいなくなるなんてっ!」
待ち合わせのハチ公の前に着くと、お高そうなジャンパースカートに身を包んだクロエちゃんが誰かに話しかけられているのが見えた。まあ、会話の流れからして十中八九ナンパだろう。あの綺麗な金髪と青い瞳はやはり街中で人目を引くし、胸もデカい。日傘をしていても顔が良いのが周囲に分かるくらいには美人だからね。後は胸がデカい。
「ごめんね、待った?」
「しずく……!」
「うおっ、すっげぇ可愛い娘ちゃんじゃん!よければ俺とお茶でも……」
「ごめんなさい、私たちこれからデートなんです」
そう言って天使のスマイルを向けると、大抵の初対面の人間は固まる。そんなところを、やや強引にクロエの腕を引っ張って歩き出す。私に目をつけるあたり、良い目を持っている。だけど、百合の間に挟まろうとすると各界隈から殺されるらしいから気をつけたほうが良いぞ。
「たっ、助かりましたわ……」
興味ないならああいうのは強めに断った方が良いのに……私はしないけど。なんか……蛍光灯に群がる虫みたいでちょっと可愛いじゃん?私と言う可愛すぎる光が悪いんだよね……
「ううん、折角のデートなんだから。そんな小さい事忘れて楽しもう?」
「本当に……そういうとこですわよ」
真っ白な頬が少し赤い。照れている……と言うより、日傘をしているとはいえ半分熱中症になりかけてないか?私が遅れちゃったのも良くないけどさ、何で予定より一時間も前についてるんだよ。今真夏だぞ?
「それで、一応10分くらい遅れるとは聞きましたけど……何かあったんですの?」
「ああ、ごめんね……待たせちゃって」
「いや、責めてる訳では無いんですけど……しずくに何かあったんじゃないかって心配で」
そう言って私の手を握るクロエちゃんの距離感は、明らかに友達のそれではない。急に居なくなったことが、私の想像より彼女の心に深い傷を残してしまったのだろう。その件は本当にすまなかったと思っていて……はい。
「折角のデートなのに、鏡に映った私の顔が良すぎて服が見劣りしないかなって心配で……」
「本当に……そういうとこですわよ」
脇腹を小突かれる、いひゃい。そんなちょっとした彼女からの衝撃で、下腹部がジンジンする。想像よりあの夜の事が、私の身体に刻まれているらしい。言うなれば敗北の記憶を身体が憶えていると言うべきか……なんかバステみたいでエッチだね。
「ほら、離れると危ないですわよ」
そういって手を握ったまま歩こうとするクロエちゃんに思わずぎょっとする。流石に中学生にもなって手を繋いで歩くほど私は子供じゃないんだけど……
「ここ……街中だよ?」
「しずくが居なくなったのも、街中でしたわね……」
「ぐうっ、それを言われると何も言えない……」
正しくぐうの音も出ないという奴だった。一時間も立っていたからだろうか、握った手のひらは少しだけ汗ばんでいて、真っ白な肌は少し赤くなっていた。日焼け止めは塗ってる……よな、流石に良い所のお嬢様だし大丈夫か。
暫く街を歩いていると、私の目的の品物を見つける。まあ書店ならどこにでも置いてあるとは思うけど、偶々家の近くの書店には無かったのだ。まあそれだけ人気という事は、とても嬉しいけど。
「で、何を買いに来たんですの?」
「じゃーん、これだよ!」
「すっ、筋金入りですわね……」
でっかく印刷された私の顔が表紙の一冊。週刊魔法少女、その3年目を記念した今回……なんと大々的に私こと、『魔法少女マジカル☆サテライト』の大特集が組まれているのだ。インタビューも受けたし、なんならサインも書いた気がする。さっすが実力・評判共に人気一位。認識阻害と印刷というフィルター越しでも顔が良い。
「自分の特集を買うなんて、正気の沙汰とは思えませんわよ……」
「クロエちゃんにも買ってあげようか?」
「わたくしはもう読みましたので、必要ありませんわ」
そっか、残念……ん?何かが引っかかる気もするけど、まあ良いか。小さな子供が私達の後ろに並んでいるが、こんな小さな子供ですら週刊魔法少女の一冊を大事そうに抱えている。
「先に会計してもいいよ?」
「ありがとう、綺麗なおねーさん!」
小学五年生くらいの薄い緑髪の小さな女の子に、順番を譲ってあげる。私のファン……ひいては私の事が好きな人は大好きだ。私は私への対応で全然贔屓とかする。私は聖人では無いのでね。
会計を済ませて、書店を出て都心から少し離れると……可愛らしいコーギーがマダムに抱っこされていた。
「可愛いわんちゃんですわね」
「……!」
そんな様子を見て呟いた後、彼女がはっとこちらを振り返る。
「……あなたの事じゃないから座っておきなさい」
「うぅ……ばうっ!」
「おばか!?本当に座ろうとするんじゃありませんわよ!?」
「いや、つい……」
「ついじゃありませんわ、情緒はどうなっていますの……?」
そんなハプニングはあったものの、涼む目的も兼ねて行く予定だったお洒落なカフェに入ることが出来た。中は満席だが、冷房が効いていて涼しい。予約をとってあったようでスムーズに入店することが出来……
「このお店、予約なんてやってたっけ?」
「あぁ、あまり気にする必要はありませんわよ?」
……たんだ。それ以上の追及はやめておいた方が良いのだろう。二人でパフェを頼むと、直ぐに料理が届く。私は季節のパフェを頼んだのが、どうやら今の時期は桃のパフェらしい。口に運ぶと甘い桃の香りと冷たいバニラアイスが口いっぱいに広がる。やはりSNSや学校でも評判がかなり良いだけあって、納得の完成度だった。
「マンゴーも美味しいですわよ、一口要ります?」
「うん、もらってもいい?」
「わかりましたわ、口を開けてくださいまし?」
思わず口の近くに差し出されたスプーンに驚くが、ここで引くと変に意識しているみたいで……あれだった。別にこれくらい、仲の良い友達ならやっているのだろう、そう思って口に含むとトロピカルな香りと濃厚な甘みが格別だった。
「美味しいねぇ……やっぱ女の子は甘い物には勝てないよねぇ……」
「もしよければもう一口要ります?ほら……」
そんな魅力的な提案を受けようと思った───その時だった。嫌な魔力の波長がした気がして窓の外に目をやると、窓の外では何もなかった空間が歪み始める。突然の魔族の発生の予兆に、あたりは悲鳴と恐怖に包まれた。
「なっ……」
極稀に……それこそ年に一度くらいはこうして、都心にいきなりポータルが現れる事がある。存在が弱々すぎて、予兆すら協会で検知できない位だから……本当に出てくるのは雑魚なんだけど。それでも一般人にとっては十分な脅威であることは確かだった。
「へんし───」
「変身」
一拍遅れたクロエちゃんを置いて、サテライトに変身した私は一息で異変の元へと飛び───立った。伊達にトップを張っている訳では無い、それに急いだのにはまた別の理由がある。
「さっ、サテライト様……!?」
「危ないからじっとしていてね、すぐにやっつけちゃうんだから☆」
そう、ポータルの近くにいたのは書店で私の本を買っていた小さな女の子だったのだ。万が一にでも、
「サテライト―――スマッシュ☆」
半ば着地狩りのような形で、ポータルから出てきたカエルのような怪物を蹴り上げる。目にも留まらぬ速さで放たれたそれは、大勢の人間が怪物を視認するよりも早く怪物を宇宙の藻屑へと変えた。
「魔法少女マジカルサテライト───スターライド☆」
当然ファンサービスのポーズも忘れない、沸き立つ観衆の声が気持ち良い。こういう小さな人気の積み重ねが、大きな大きな結果に繋がるのだ。それに単純に称賛の声を浴びるのは気持ち良い。
「あっ、あのっ……私!」
「うん、ちょっとその本……貸してくれるかな?」
よく理解していないであろう彼女から本を受け取ると、懐からいつも持ち歩いているペンを取り出す。そしてサインを表紙に描いていくと、何をしているのか気づいたのであろう彼女の表情が驚愕に変わっていく。あぁ、きっとこの経験は彼女の人生で忘れられないモノになるだろう。
「はい、これからも応援よろしくねっ☆」
「いっ、一生推します……!」
感極まった様子の彼女を置いて、この場を離れる。何と言っても今はクロエちゃんとのデートの最中だからね。何か忘れているような気もするが……なんだっけ。まあ特に気にするよう”な”っ!?
「わっ、忘れてたッ……♡」
まだ耐えられない程じゃない、それでも正常な思考を奪う程度には激しい快感が身体を襲う。暑さを感じない筈の魔法少女状態でも、身体中が熱くて仕方ない。
「全く……貴方って人は考え無し過ぎますわよ?」
「ごっ、ごめんなさい……クロエちゃん……♡」
「外で変身中はグライシアと呼ぶのがマナーですわよ、サテライト。こちらに来なさい?」
氷面鏡はこういう時に便利だ、私達の姿は道のど真ん中から急に消えたように見えただろう。グライシアに腕を引かれて、先ほどまで居た建物の二階へと辿り着く。都合よく良い感じの場所があった事に戸惑いはするものの、熱に浮かされた頭では上手く考えられない。だけど決して期待していたわけじゃない、淫紋の反動で仕方なく……仕方なくだからセーフだよね?
部屋に入ると、彼女の細い指が私のピンク色の髪を撫でるように梳く。そして、何処からか取り出した箱を開けると、その中身をそっと私の首へと巻き付けた。
「……本当は、もう少しマシなタイミングで渡したかったのですけれど。今を逃すと、今日中には渡せそうにはありませんもの」
突如として目の前に現れた氷の鏡に映っていた私に付けられていたのは……ハートのアクセサリーが付いた、黒い革の高級そうなチョーカーだった。
「あっ、ありがとう……すっごい嬉しい」
「決して、わたくしの傍から離れないでね。サテライト……」
素直に嬉しい、親友からのプレゼントなんて。チョーカーはちょっと……いや、かなり重い気がするけど。まるで一回寝たくらいで、彼女面しているみた……
「サテライト???……お座り」
「あうっ……わん♡」
部屋に入った時は昼だというのに、外に出た時には辺りはすっかり暗くなっていた。火照った身体に夜風が気持ち良い。順調に躾けられている気もするけど……まあ、淫紋のせいだから仕方ないよね。
チョーカーを送るなんて……これもう実質本番みたいなものでは?
そして、これで橘クロエの進行度一段階目のイベントは終了です
一応三段階はありますが、三段階目は殆ど個別エンドみたいなものなので……
次章はまたそのうち
魅力的だなと思ったシーンは何処ですか?
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キャラの掛け合い
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戦闘描写
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えちちなシーン
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地の文・心情
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その他(よければ感想まで)