"コスモ"ハイスクール・フリート2202   作:篠乃丸@綾香

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第七話です!


第七話:不穏・反乱容疑でピンチ!

戦闘から数分後

地球連邦首都 メガロポリス

 

 地球連邦の首都であるメガロポリスは、今や復興の象徴だ。街には天を貫く摩天楼のようなビル群が立ち並び、道路には自動運転の車が忙しなく動いている。

 だがその街並みを少し外れれば、辺りは遊星爆弾のクレーターと、干上がった荒野のような地表が目に映る。地球の復興は、まだまだ途上だった。

 さて、そんなメガロポリスの一角に、地球防衛軍の総司令部があるビルがあった。鋭利なナイフのようなデザインのビルの地下、敵の攻撃から身を隠せる深い深い地下司令部に、ある通信が入った。

 

「横須賀高等宇宙学校、教導艦サルシマより緊急電受信。学生艦ハレカゼより攻撃を受け、大破した模様」

 

 元宇宙戦艦ヤマト乗組員、森雪が通信内容を読み上げる。その衝撃的な報告に、副長官の芹沢は司令部に設けられた高いところから、森雪を見下ろしつつ問いかける。

 

「学生艦が砲撃だと?森君、それは本当かね?」

「はい。大破したのは間違いないようです」

 

 森雪はあくまで冷静に、事実だけを伝えた。芹沢は突然のことにワナワナと震えつつ、なぜ学生艦がサルシマを砲撃したのか疑問に思い、思考を巡らせる。

 

「サルシマより追加の入電です!以下、早急な対応求む。繰り返す、以下、早急な対応求む!」

 

 森雪の隣にいる司令部要員の西条が、追加の報告を芹沢たちに伝える。その言葉を聞き、地球防衛軍司令長官の藤堂は疑問を浮かべた。

 

「一体どういうことだ……?」

 

 何が起こったのか、いまいち掴めない。こうしてはいられないと、藤堂は一早い事実確認を求め、学生達の責任者の名前を呼ぶ。

 

「……至急、横須賀高等宇宙学校、校長の宗谷君に連絡を取れ。事実確認だ」

「ハッ!」

 

 その言葉と共に、西条がキーボードを素早く操作。藤堂の席へ通信回路を開こうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

横須賀高等宇宙学校所属 駆逐艦〈ハレカゼ〉

 

 一方で、危機を脱した駆逐艦ハレカゼは、小惑星のデブリに紛れながら航行を続けていた。

 艦内の雰囲気が少し落ち着いて来たところで、幸子が先ほどの戦闘について、話題を振って来た。

 

「それにしても、あの砲撃はなんだったんでしょう?」

 

 彼女の疑問は尤もで、先ほどの砲撃の意図を、乗組員達は計りかねていた。

 

「逃げられるかどうかの抜き打ち試験だったんじゃない?」

「それなら実戦出力で撃つ必要がない。試験にしたって危険すぎる」

 

 ましろの言う通り、試験にしては危険すぎる。撃ってきたのは、デブリを一撃で吹き飛ばす威力のショックカノンだった。

 駆逐艦にとっては掠ったり破片が当たったりしただけでも脅威となる。生徒を守る立場の教官が、そんな危ないことをするはずがない。そう考えられた。

 

「もしかしたら、サルシマが反乱を起こしたとか?我々ハ、教導艦イウ小ッポケナ存在デハナイー!宣言スル!我々ハ、独立国家サルシマ──」

「真面目に考えろ!」

 

 結論が出ないので、幸子が持ち前の想像力を働かせ、迫真の大根演技で妄想を垂れ流す。だがすぐにましろに止められ、幸子は少しシュンと俯いた。

 

「でも、みんな無事でよかった。怪我人はかすり傷程度みたいだし」

 

 艦長はみんなの無事が確認できたことに温度していた。

 医務員の鏑木 美波によると、怪我人は大したことなくて、酷くてもかすり傷程度だったらしい。

 乗組員の安全を考えて発砲した明乃にとって、それだけでも安堵できた。

 

「被害状況まとめたら、学校に報告したほうがいいよね?」

「どれだけ叱られることやら……」

 

 明乃とましろが今後のことを考えていると、艦橋後ろの受話器が鳴り響いた。

 

「おや、亜空間通信ですね。取りまーす」

 

 一番近い幸子がそれに反応し、受話器を手に取った。しばらく耳に当てていた幸子だったが、彼女はしばらくそのまま固まった。

 明乃が「どうしたの?」と声をかけると、彼女は青ざめた顔で報告する。

 

「た、大変です……」

「?」

「ハレカゼが……我々の船が、反乱したことになってます!」

「な、なにぃ!?」

 

 その報告を受け、明乃は血の気が引くのを感じた。他の乗員達も、顔が青ざめていく。

 入学してから早々、駆逐艦ハレカゼは反乱の汚名を着せられてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

横須賀高等宇宙学校 校長室

 

 横須賀基地にある、横須賀高等宇宙学校の校舎。

 辺りには軍事施設らしく、無数のアンテナや防衛砲台などが設置されている。

 だが校舎には桜並木や植木、赤煉瓦風の塗装などが施され、物々しい雰囲気を中和している。

 

「ハレカゼが反乱!?」

 

 わざわざレトロな雰囲気を感じるように作られた、横須賀高等宇宙学校の校舎にて、同学校長の宗谷 真雪宙将補は、通信相手の報告に耳を疑った。

 パソコン画面には映像通信が表示されており、相手は地球防衛軍の総司令部から通信を送る、藤堂長官だった。

 

『集合時間に遅れていたハレカゼが突如発砲。迎えに行った教導艦サルシマを大破させたそうだ』

「なぜそんな事態に……?」

『……現時点では不明だ。だが、防衛軍上層部は対応に追われている。君の関与を疑う者もおり、説明を求めているそうだ』

「っ…………」

 

 重大事態であることは理解した。

 どうやらハレカゼの発砲により、防衛軍は学生の反乱や真雪の関与を疑っているらしい。この報告をしている今この瞬間も、有事に備えて対策を取りつつあるのかもしれない。

 だが、そんなことよりも真雪にとって大事なことは、なぜ生徒達が反乱を起こしたかと言うことだ。

 

「あの子達に限って、そんな事があり得るはずが……」

 

 真雪は大事な生徒達が反乱を起こしたとは思えず、内心の言葉が漏れ出た。その言葉は藤堂長官にも聞こえていたようだが、彼は敢えて何も言わなかった。

 

「長官、近くの教導艦は?」

『今、土星沖に教導艦ユウナギがいる。既に現場の判断で、サルシマとの通信途絶地点に向かっているそうだ』

 

 付近の艦艇の情報を問いかけると、幸いなことにもう一隻の教導艦が無事なようであり、対応に向かったそうだ。

 

「古代教官……」

 

 真雪は教導艦ユウナギの艦長の名を呼んだ。

 彼は信頼に値する教師であり、この学校の中でも練度の高い方にあたる。判断力も高いため、すでに現場の判断で当該の地点に向かっていると言うのも、彼らしい判断だ。

 彼ならきっと、真相を突き止めてくれるだろうか。一抹の不安と同じくらいの期待を胸に抱きながら、真雪はこの件を学校内で処理するため、校長室から会議室へ向かった。

 




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宣言スル!我々ハ、独立国家──

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