報告ですが、原作タグを変更しました。
ヤマトとはいふり、どっちが原作なんだろう……?と悩んでましたがこっちにします
【推奨BGM:若き翼たち(新コスモタイガー・2205ver)】
発進から数時間後
教導艦〈ユウナギ〉 艦内
横須賀を発ってから数時間後。
教導艦〈ユウナギ〉の艦橋にて、艦長の古代進は僚艦の古庄を交え、横須賀校の校長、宗谷真雪と通信を繋いでいた。
『古代教官、古庄教官、そちらは全艦無事発進したそうね?』
『はい。多少のトラブルはありましたが……』
艦内のメインモニターに、真雪の姿が映る。新入生達の晴々とした出港をこの目で見守り、その報告を受けたところだ。
それに対して、同じ通信回線にいる教官の古庄が、ムサシのエンストの件を指して少し言い淀んだ。
「問題はありません。まだまだ彼らの力で挽回できます」
こんなトラブルは序の口だ。発進が数分遅れただけにすぎない。古代はまだまだそれを挽回できるとし、宗谷校長へ自信を露わにした。
だが、当の宗谷の表情は優れなかった。少し不安を感じている事があるのか、沈黙を挟んで口を開いた。
『……防衛軍は本校設立にあたり、人員不足の解消を求めているわ。すぐに一人前に育てようとする即成教育を、ね……正直、新入生たちは浮足立っているでしょう?』
その言葉を、古代は否定しなかった。
「ええ。ですが、彼らはまだ赤ん坊です。せめて両足で立つことくらいは出来るようにしなければ」
古代はまだ航海実習をした事がない生徒達を指し、そう言った。まだ自分の力で立ち上がることができない生徒達を、これなら厳しく指導していかなければならないだろう。
すでに古代は、厳しく教育するつもりでプログラムを組んである。これからの防衛軍を担う存在として、彼ら彼女らへ、飴と鞭のスパルタ教育を仕込むつもりだった。
数十分後 月面軌道
駆逐艦〈ハレカゼ〉 艦内
空間が裂け、歪みができる。それも一つではない。少しズレた陣形を組み、その空間から多数の宇宙艦が出現した。
旗艦のムサシ、戦艦のヒエイ、そして駆逐艦ハレカゼ。通常空間に出現した各艦は、即座にバラけていた陣形を組み直す。
「わ、ワープ終了!現在位置、月面軌道上!」
「よし……リンちゃん、陣形に加わって」
「りょ、了解です……!」
鈴からワープの終了の報告を受ける。予定の位置から少しズレているが、艦隊のワープは無事完了したようだ。
艦長の明乃は鈴に艦隊陣形に加わるよう伝えると、女物の腕時計で時間を確認し、新たに命令を唱える。
「総員、教練戦闘用意!」
「了解です!教練せんとーう!」
明乃に従い、ましろがその命令を復唱。彼女は座席に備え付けられたボタンを押し、戦闘配置のブザーを鳴らす。
それを合図に、ハレカゼに戦闘配置を告げるブザーが鳴り響く。ワープに備えていた乗組員達が、所定の位置に向かって走り出したり、持ち場の作業を開始したりした。
『わ、ワープ直後にって……どうかしてる──うっぷ……!』
『うわぁっ、こちら機関室!クロちゃんが吐いちまったぞ!』
「あちゃー……」
「あはは…………」
だが人生初のワープの直後ということもあり、ハレカゼの乗組員の中には、気分が悪いまま配置に着く者もいる。これには明乃達も笑うしかなかった。
だがそんな雰囲気は、艦橋下にあるCICからの報告で現実に戻される。CICでレーダーを見張っている宇田恵が、艦橋へ目標探知を報告する。
『コスモレーダーに感あり!月面基地航空隊の戦闘機です!』
「方位と距離は?」
明乃が即座に問いかけるが、彼女の答えは早かった。
『方位206、距離30000!数はおよそ30!すでに6グループに分かれてます!』
「わかった!対空戦闘用意!」
明乃は即座に対空戦闘の指示を下す。その言葉を受け、戦術科の芽依と志摩は、艦橋のコンソールを操作。火器の電源を入れ、対空戦闘に備える。
「うーん、撃つのは好きだけど……航空機に一方的に撃たれるのはなぁ……」
「うぃ」
「タマはパルスレーザー撃てるからいいよねぇ……」
「うぃ、うぃ」
二人がそんな会話をしている最中でも、戦闘は刻一刻と進んでいく。
『旗艦"ムサシ"より連絡。各艦連動、航空隊を迎撃せよ、です!』
『敵編隊!さらに接近!』
『ムサシ航空隊が迎撃に入ります!』
CICのマチコからの報告を受け、明乃は双眼鏡を取り出し、艦橋の窓から遠くの宇宙を見渡した。
ちょうどその方向に、戦闘機同士のドッグファイトだろうか、閃光が光ったり、高速で移動する物体が見えたりした。
演習戦闘が始まったのである。
同時刻 月面軌道
ムサシ航空隊
ムサシ航空隊がヘッドオン、仮想敵役の月面基地航空隊と演習弾の光を散らしながら、交差する。
何機かの機体はそのまま撃墜判定を喰らったが、残りの機体は旋回し、ドックファイトに入る。
両者のうち、ムサシ航空隊は新型機を使用していた。機体名、一式空間戦闘機"コスモタイガーⅡ"。ステルス性を捨て、機動性と武装搭載量に割り振った機体だ。
対して、月面基地航空隊の機体はわざと古い機体を使用していた。機体名、99式空間戦闘機"コスモファルコン"。ガミラス戦争時代の局地戦闘機である。
だが性能差はあれど、相手は現役のパイロットであるが故に、新入生パイロットは押され気味だった。ムサシ航空隊も優秀な生徒達とはいえ、流石にプロとして任務に就いているパイロットとは練度が違う。
そんな中でも、奮戦しているパイロットが一人いた。
「イヤッホォォォォイ!!」
ムサシ航空隊所属、坂本茂。
彼は月面軌道の広い空間を縦横無尽に飛び回り、背後から迫っていた敵三機を確認。
追いかけ回されているのにハイテンションで叫ぶと、機体のスラスターを全開で噴かし、後方へ一回転するクルビット機動を取った。
そしてその一瞬のうちに機銃を掃射。瞬く間に迫っていた機体全てに撃墜判定を下した。
「よっしゃ!三機撃墜!」
彼が仮想敵役に下剋上を決めたのを喜んでいる最中、それを見ていたムサシ航空隊教官の山本玲から注意が飛ぶ。
『坂本、無茶をするな!その速度で相手と衝突したら即死だぞ!』
「だから面白ぇんじゃん!」
そんな山本の注意すら聞かず、坂本は次の獲物めがけて急降下を始めた。その後も無茶な速度でドックファイトを続ける。
そんな破天荒な新入生パイロットを見て、山本は大きなため息を吐いて呆れていた。あとで一発入れてやろうか、とも思った。
同時刻
駆逐艦〈ハレカゼ〉 艦内
防空戦闘が始まってから数分が経った。
ムサシ航空隊と月面基地航空隊の戦いは、練度の低さを航空機の性能が補い、一進一退の攻防を続けていた。
観測員のマチコが、その様子を光学カメラで中継しつつ、戦況を艦橋へ伝える。
『また敵機撃墜です、同じ機体の模様』
「おー!」
「ムサシの航空隊も粘りますね……」
坂本を始めとしたムサシ航空隊の奮闘を、芽依と幸子は賞賛した。
まさか新型機とはいえ、あの月面基地航空隊相手にここまで奮戦するとは予想外だった。やはりムサシは成績優秀者の集まりなのかもしれない。
そんな時、一部の敵機が迎撃を突破したのを恵は見逃さなかった。
『敵編隊、三機が迎撃を突破!』
『ムサシよりデータリンク来ました!』
「対空防御開始!」
明乃の指示を受け、志摩がハレカゼに搭載されているパルスレーザーを連射。対空防御を開始した。ついでに上部の12.7サンチショックカノンも、対空バーストモードで撃ちまくる。
ハレカゼに搭載されているパルスレーザーは単装で、両舷で四基と心許ないが、ハレカゼは僚艦と連携して射撃する事により、数は少なくとも効果的な迎撃を喰らわしている。
だが敵航空隊はそれらの対空防御を、一糸乱れぬ急降下で切り抜け、指向するパルスレーザーが減る下方より接近。射程内に入るなり、対艦ミサイルを一斉発射した。
今度は艦隊の迎撃が対艦ミサイルに向かうが、至近距離であるためほとんどがすり抜けられた。一発がハレカゼに向かい、演習モードにより直前で爆発する。
「ミサイル、至近弾です!」
『演習プログラムよりハレカゼへ。右舷パルスレーザー全損判定』
「あ……」
「あちゃー!」
被弾により、演習プログラムかハレカゼへ損害判定を下した。
一気に対空手段を削り取られたハレカゼ艦内では、ダメージの演出の一環として、艦内に設置された装置から擬似煙が撒かれる。
『ちょっ!配食届けに行こうと思ったのにー!』
誰の悲鳴か、艦内から主計科の子の声が廊下から上がった。そんなてんやわんやの艦内を見て、ましろは静かにため息を吐く。
「ふぅ……まさか発進初日からこんな調子とは……」
「古代教官は鬼だよー!」
ましろは緊張と疲れからか、そう言って一息ついた。これでもまだ航海実習が始まって間もない、スタート地点である。
その言葉には思わず芽依も叫んだ。この演習プログラムを考えた古代教官のことを静かに恨んで。
こうして古代進は、憧れのイケメン教官から、鬼のスパルタ教官へと評価がクラスチェンジしたのであった。
怒涛の航海実習の初日は、こうして終了した。
ご意見、ご感想お待ちしております!
宣言スル!我々ハ、独立国家──
-
サルシマ
-
ユウナギ
-
ハレカゼ
-
ヤマト
-
ムサシ
-
アンドロメダ