唐突な閑話休題と共にお久しぶり、時空未知です。
半年近く自分で書いた展開に自分で解釈違いを起こしてスランプってた時空未知です。
就活とかいろいろあったんですけど露骨に執筆速度鈍ってた主原因はこれです。
ガンダムの二次創作に手を出してちまちま書き溜めてたとかダブルでクロスな狩人やってたとか夜渡ってたとかじゃありません……多分
それはさておき、自分が納得いく展開を漸く考えついたんですが、その兼ね合いで現在最新の数話がなかったことになります。
本当に申し訳ない……
「……………」
……果たして自分は、一体何をしていたのだろうか?
グラングは朧気な視界の中で、そう一人心地に呟く。
揺らめく視界の先にあるのは、透き通るような青い青い空。
その中心で照りつける陽光が、砂上で仰向けになった自分の身体を熱している。
そして……
「グラング大丈夫!?私のことわかる!?」
「待って、仰向けのままじゃいけない。水が気道に入らないように横向きに」
「わ、わかったよアズサちゃん!」
「スケバンは私と委員長でどうにかします!皆さんはグラングさんの救命に!」
「けひゃ、ああああ、ああああああ!!!!」
「"あ、チンピラが潰れた空き缶みたいに……"」
それらの感覚を掻き消してしまうほどの、喧騒。
人生において殆ど聞き感じることのなかった音圧を前に、グラングは思わず目をすぼめた。
「……むぅ」
「あ、今声が……!」
「"本当!?"」
「よし、意識があることは確認できた。次は動けるかどうかの確認。敵は今も攻撃してきている。少しでも頭数を……」
「何言ってるのアズサちゃん?!」
……自分が一つ唸るだけでも、この有様である。
逡巡の素、グラングは遠方から聞こえてくる銃撃の音が鳴りやむまで、動けないふりを決め込むことに……
「きゃあっ!?」
「!!」
しようとした次の瞬間、その意志はすぐ頭上から聞こえてきたソラの悲鳴により、一瞬で霧散した。
それは、ある夏の日。
グラングが途方もない年月を過ごした中で初めて海に出向き……
……自らの不可解な体質を、今更ながら知った日のことである。
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「落雷で店のエアコンが壊れた」
嵐が過ぎ去った日の早朝、開口一番ソラが言った言葉である。
エアコンの意味を解りかねた自分に向けての説明によると、それは部屋内の温度を適正に保つ機械で、これがなければ今の時期、体調の維持に支障をきたすほどの温度になるらしい。
……らしい、というのは、基本的にグラングは真夏の炎天下でも汗一つかかず平気な顔をしている異常体質であるため、ソラの訴えを根本的には理解できないためである。
ともあれ、商品棚やらの冷蔵設備こそ壊れなかったものの、エアコンが届くまでの1日間、店の営業ができなくなった。
しかし、だからと言って冷房が生きている施設で1日中何もしないというのも如何ともしがたい。故に……
「ふふん♪いつ振りかな、海に来たのって」
「……ふむ」
グラングとソラは、海水浴場に来ていた。
このことを提案したのはソラ。今日一日どこへ行くか、という話になった時、「水辺で遊ぶ」という概念をグラングが知らなかったため、一度行ってみようということになったのだ。そこからは行きのついでにグラングの水着を買って、今に至る。
因みにグラング曰く、海に限らず、狭間の地の水辺には蟹や蛸、何よりザリガニが生息している為、一般市民はまず近寄らず、漁師や兵士でも用事がなければあまり行くことはないらしい。試しに一体どんなザリガニなのかと聞いたら、武装した歴戦の戦士複数名を安々と返り討ちにするようなやつが沢山いると返答された。果たしてそれは本当にザリガニか?
まあ、それはさておき……
「……これが、この地の海。水平線が霧掛かっておらぬというだけで、こうも場景の変わるもの、か」
そう呟くグラングは、丈の短いボトムと上半身を広く覆うトップを組み合わせに、更にジャージを来たもの。身体の起伏が少なく背が高い故に、色気というよりは凛とした美しさがある。因みに、左手を覆い隠す包帯はそのままである。
「それにしても思ったより……っていうか、全く人がいないかも。そこまで有名じゃない場所を狙ったとは言っても海水浴シーズンなのに……」
そう言いながら辺りをキョロキョロと見回すソラの方は、フリルのついた可愛らしいワンピースタイプの水着である。かなり前に買ったものであるが、自身の発育の悪さが味方をしてすんなりと着ることができた。当人はその事実に渋い顔をしていたが。
それはさておき、2人の会話は続く。
「珍しい、のか?」
「うん。本当ならもうちょっと人がいてもおかしくは……」
グラングの問いかけに、ソラは軽く頷くと返答を返……そうとしたその時だった。
「"あれ、ソラに……グラングも?"」
「へ?」
背後から聞こえる、双方とも良く聞き覚えのある声。
グラングとソラが振り返ってみると、想像通りの人物がそこにはいた。
「せ、先生!?」
「偶然、であるな」
「"いやー、私も別件で来たんだけど、こんなこともあるんだね"」
驚いて思わず手の中の浮き輪を取り落としそうになるソラと、いつも通り表情をほとんど変えることなく応じるグラング。そんな彼女たちの全く異なる反応に、先生は笑顔を返す。そんな彼はというと、4人ほどの生徒を連れてここを訪れているらしい。
その中で、サングラスを頭にのせたベージュの髪の少女が、おずおずと先生に問いかけた。
「あの、先生。お知り合いですか?」
「"あ、そうそう。みんなにも紹介するね"」
少女の言葉に先生はそう言って頷くと、グラング達のことを手で示した。
「"私の知り合いの生徒でね。こっちがソラで、もう片方がグラング"」
「ど、どうも……」
「……言われた通り、だ」
先生の紹介に対して、ソラは緊張、グラングは元々の気質により、返答は至極簡潔なものに留まる。しかし、そんな2人の様子に気を悪くする様子もなく、少女は明るい表情で自分を示すと口を開いた。
「こんにちは、私はヒフミと言います!どうぞよろしく……「待って、ヒフミ」へぇ!?」
しかし、彼女の自己紹介は、そのすぐ隣に立っていた、花の装飾が散りばめられた水着を着ている銀髪の少女が、庇うように前に出たことより中断される。
鋭くすぼめられたその少女の瞳は、ソラ達……の中で主に、グラングの事を射抜いていた。
「あのグラングって人。静かにしてるように見えるけど、常に私達のことを観察してるし、身体もかなり鍛えてる。それにもう片方は少なくともトリニティ地区の生徒。今の条件下で偶然出会ったにしては、出来すぎてる」
「そ、そうかな……?」
少女の口らから流れるように並べ立てられてゆく推論。何か致命的な勘違いをされているような気もするが、各個人に関しての予想については間違いなく当てはまっている故に、下手に何か言いだしにくい。
店の外では意外にも人見知り気味なソラと、無口なグラングとではなおさらである。
そうして誰にも遮られぬまま一通り推論を語った少女は一つ息を付くと、結論を告げた。
「つまり、これも正義実現委員会の策略。偶然を装って追加の監視をつけ、私達の一挙手一刀を見逃さないようにしてる……!」
「な、なんでそうなるんですか!?」
「……正義、実現」
その言葉に対し、ソラは少女が出した結論に思わずそう驚愕し、グラングは言葉の中に含まれていた「正義実現委員会」なる物騒な名前の組織に眉をひそめる。
……そして、先生らの方はと言うと。
「そ、そうなのアズサちゃん!?」
「え、いや違いますよ?」
ヒフミが慌てふためき、その横で黒髪を肩辺りで短く切っている少女がアズサの言葉をあっさりと否定する。しかし、アズサと呼ばれた銀髪の少女は怯まない。
「いや、監視役はあくまで正義実現委員会側の人間。信用することはできない」
「えぇ……」
「そ、そもそも私中学生なんですけど!?」
その氷のように研ぎ澄まされた凛々しい表情からは、冗談じみた空気感は一切感じられない。少女自身、自分の推測について一切の疑いを持っていないのだろう。
黒髪の少女は閉口し、ソラは必死でツッコミを入れる。
……そんなアズサの誤解を解いたのは、先生だった。
「"いや、アズサ。グラングとソラは正義実現委員会……というか、そもそもトリニティ学園の子じゃないよ"」
「……そうなの?先生」
「"うん。シャーレのエンジェル24でバイトをしてもらってるの"」
その言葉に、しばらくの間考え込むアズサ。
そして然程しないうちにその意味に気が付いたのか、ばつが悪そうに頭をかいた。
「ごめんなさい。少し勘違いしてた」
「いや、良い」
そう言って頭を下げるアズサだったが、
そんな彼女に向けてグラングは短くそう言った後、言葉を続ける。
「初に顔を合わせる者を警戒し、観察するのは自然なことだ。その点、お主は優れていると言える」
「……え」
まさか、褒められるとは思っていなかったらしい。
アズサは何度か目を瞬いた後、やがて少し照れているような思うところがあるような、幾重にも感情が織り交ざった表情になった。
「……癖みたいな、ものだから。でも褒めてもらったのは初めて。ありがとう」
「自然、かな……?」
「警戒はわかるけど、観察って……」
その横で、彼女らの逸般常識についていけないソラとヒフミが何やら話しているが、幸いと言うべきかグラングらには聞こえていなかった。
……まあ、何はともあれ誤解は解けた。
アズサは咳ばらいを一つすると、改めて口を開いた。
「……改めて、私は白洲アズサ。得意なことは単独行動。今は正義実現委員会から言い渡された特殊任務に準じているところ」
「特殊任務ってほどでもないですけどね……あ、私は正義実現委員会所属の一年、マシロと言います」
その言葉に付け加えるようにして、傍にいた黒髪の少女も自己紹介をした。
どうやら、彼女が件の正義実現委員会の人員だったらしい。
……
グラングは少し考え込んだのち、すぐ隣にいたソラの肩をつついた。
「?どうしたの、グラング」
「ソラ、正義実現委員会というのは……」
「あー、他の学校で言う風紀委員会みたいなとこ。変なとこじゃないから安心して」
「……そうなのか」
正義実現委員会、という名称から若干の不安を抱いていたグラングだったが、ソラの言葉でその感情はほどけたようだった。そんなソラの言葉にマシロがうんうんと頷く。
「そうなんです、正式な治安維持組織ですからね。……では、最後ですね」
マシロはそう言った後、少し離れた場所からおどおどとした様子でグラング達の会話の様子を眺めていた、先生と一緒に来ていた最後の少女を手で示した。
「それで、あの人が私達正義実現委員会の委員長、ツルギ委員長です」
「!?」
まさか、自分が紹介されるとは思っても見なかったのか、ツルギ委員長、とマシロに呼ばれた少女は大きく目を見開いた。しかし不幸か、マシロの動作により自然とその場にいる皆の視線はツルギへと集中する。
……一瞬の静寂、そして硬直。そして……
「ひ、ひきゃひゃひゃひゃひゃ!?」
「ひうっ?!」
突如、ツルギの顔が元の美形の面影が消えてなくなるほど歪められると同時、何とも言い難い奇声を発したのだ。
あまりにも突然且つ突拍子もないその行動に、ソラは短く悲鳴を溢すとグラングの背に隠れた。
「な、何で!?私、変なことしちゃった!?」
「あ、あ、きしゃああああ!?」
「ひえっ!?」
「……」
未だ発狂しているツルギに、怖がるソラ。
そんな中、グラングはじっとツルギの様子を見つめていたが、やがて何かに気がついたのかほんの少し身動ぎすると、背後のソラへと視線を向けた。
「ソラ、安心するといい。この者に敵意はない」
「へ?」
敵意はない。
……その短い言葉を理解するのに、ソラはしばらくの間時間がかかった。見れば、自分以外にはヒフミ位しか、ツルギを怖がっているような様子はない。
そんな中、同じ正義実現委員会であるマシロが、グラングの言葉に付け加えるように言った。
「まあ、委員長は大体いつもこんな感じですから。あまり怖がらなくても大丈夫ですよ」
「い、いつも……」
それはそれで何か問題がある気がするが……
この事に関して、ソラはもう何も言うまいと決意した。
……しかし、ここでソラの脳裏に疑問が過った。
キヴォトスでは日々、様々な場所で喧嘩という名の銃撃戦が発生する。治安が比較的良いとは言え、それはトリニティでも変わらない。詰まる所治安維持組織はそれだけ忙しいという訳で……
「というか、なんで委員長さんがここに?正義実現委員会の活動って結構忙しいって……」
「いや、これは正義実現委員会の任務の一環だ」
その疑問に答えたのは、マシロ達ではなくアズサの方だった。何かあったのか、彼女の言葉にヒフミが困ったような笑みを零す。
「あはは……その、話すと少し長くなっちゃうんですけどね」
そう前置きすると、ヒフミは現在の状況について語り始めた。
「アズサちゃんがちょっと事情があって、海を見たことが無かったんです。だからこの機会に見せてあげたいと思いまして……」
「な、なるほど……」
その言葉に、ソラは頷く。
ヒフミの話す言葉は少し違えど、ソラがグラングと共に海水浴場に来た目的に重なるものがあった。
しかし、それがどうしたら正義実現委員会の活動に繋がって……?
彼女は脳内で首を傾げる。だが、その答えが判明するのは早かった。
「それで、学校の備品の巡航戦車をお借りしようとしたら……」
「?」
「待って待って待って」
次の瞬間、ごく普通の事であるかのようにとんでもないこと暴露したヒフミの言葉を前に、グラングは思わず首を傾げ、ソラは慌ててその続きを押しとどめることとなった。
そんな彼女たちの反応に、当のヒフミは何故だか慌てた様子である。
「あ、あれ、私もしかして変なことを……」
「変も何も、何で戦車何ですか?!」
さも自分が普通であるかのような物言いをしたヒフミに対して、ソラから強烈なツッコミが入る。しかし、それに対してヒフミは尚も反論する。
「え、だ、だって夏の海を満喫するには戦車が欠かせないじゃないですか?!」
「欠かせなくないですよおかしいですってその感性!?」
「何言ってるんですかソラさん!?夏の海に戦車は普通ですって!」
「変な人しかいない?!」
悲報、ヒフミと感性が似通った人がもう一人いた。
会話に割り込むようにして参加してきたマシロを見て、ソラから悲鳴に近い声が上がる。
……そんな3人の様子を見て何を思ったのか、グラングが不意に口を開いた。
「……そうか。海には、戦車が必要なのか」
「違うからねグラング!?変なこと覚えちゃだめだからね?!!」
危うく間違った常識を刷り込まれそうになるグラングをソラは慌てて押しとどめる。
頻繫に銃撃騒ぎが起こるキヴォトスでも、流石に海には戦車という常識はない……多分、きっと。
目の前にその理念を是とする人物が2名いるのは偶然だ。だからこの話は終わり、閉廷!
ソラは脳内でそう結論付けると、兎も角話を進めるために改めてヒフミの方へと視線を向けた。
……幸いなことに、戦車と聞いたグラングの脳内では、生首を模した火を吹くナニカが砂浜を走り回っていることを彼女が知ることはなかった。
「と、ともあれ戦車を持ち出した理由は……わ、わからないけどわかりましたけど、そこからなんで正義実現委員会の任務に……」
「無断の持ち出しだった上に暴走の末、正義実現委員十数名からなる部隊を壊滅させたからですね」
「うん。私が砲撃手、ヒフミが操縦士で戦闘した。事前準備があればみすみす捕まるようなことは……」
「普通に犯罪じゃないですか?!」
またもや繰り出される想像の斜め上を行く答えに、ソラは本日何度目かのツッコミを入れる。何がどうあったら借りるつもりだった戦車一台で治安維持部隊を壊滅させるに至るのか。
如何にも平凡そうな雰囲気を纏うこの
いよいよソラがそう勘手繰り始める中、当のヒフミ(推定:犯罪組織のボス)は未だに弁明を試みている。
「い、いや、後できちんと、こっそり戻そうとして……ってグラングさん、その視線やめてください……な、何だか普通に怒られるよりダメなことしちゃった感が……」
そんな彼女に突き刺さるグラングの無言の瞳。
警官が言い訳を繰り返す犯人を見ているような冷たいそれにヒフミはたじろぐ。
……まあ、それはさておきだ。
「ともあれ、戦闘の末に捕縛された私達は、正義実現委員会の副委員長に司法取引を言い渡されたの。今回のことを不問に処す代わりに委員長と共に海へ行き、必須行動リストを埋めるとともにその写真を撮って報告しろ……と。これが全容」
「"それで、今はそのリストを埋めてる途中なんだ"」
アズサとそれに付け加えられた先生の言葉で、一旦彼女らの現状の説明は終わった。
「……解した」
「わからないです、けど……何かわかりました。はい」
だからといって理解が追いついた、というわけでもないが。
どうして司法取引の結果が海に行って写真を撮ることなのか……しかも水着で。
どちらかと言うと、遊びに来ているような……
……ふと、ある予測を思いついたソラは、そのリストについて尋ねてみることにした。
「ち、因みに、そのリストって、一体どんな感じなんですか?」
「あ、ちょっと待ってくださいね」
そう言うとヒフミは、脇に下げた変な鳥の描かれたビーチバッグから一枚の紙を取り出すと、ソラに手渡してくれた。それを受け取った彼女は、グラングと共にそのリストを覗き込んだ。
曰く……
砂のお城と砂風呂作り、泳ぎを習得する、ビーチバレー、花火、スイカ割り、海の家
……以上6つ。その内砂のお城と砂風呂作りには、既にチェックマークがついていた。
「ふむ?」
「……これって」
グラングは意味が良くわからないのか首を傾げていたが、ソラにはわかる。
アズサが言うには、司法取引の結果の必須行動リスト。
けれどそれは、夏休みのやりたい事リストに見える。
ここでソラはふと、正義実現委員会はいつも忙しそうにしていることを思い出した。
……
「あの、もしよかったらでいいんですけど、一緒に行くことってできますか?」
気がつけば、ソラはヒフミたちに向けてそう問いかけていた。
きょとんとした様子の彼女らに向けて、ソラは言葉を続ける。
「正直、突発的にここに来ちゃたのでこの後の予定決めなくて、
それならある程度目標があった方がいいかなって。グラングもいい?」
「我は、構わぬ」
グラングの方は特に考え込むこともなく、ソラに同意する。
そしてヒフミの方も、彼女の言葉に快く頷いた。
「わかりました、人数は多い方が楽しいですしね!」
「私も構わない。監視役、それでいい?」
「まあ、実質夏季休暇みたいなものですし。委員長もいいですよね?」
「……!!」
マシロに声をかけられたツルギは少し目を丸くする反応を見せたものの、
異存がある、というわけでもないようだ。寧ろ、この状況を期待しているようにも見えなくもない。
そんな少女達の反応を、先生は一通り見まわして頷くと、ソラ達の方に向き直った。
「"よし、じゃあこれからよろしくね。ソラ、グラング"」
「は、はい!」
「……うむ」
その言葉にソラは少し緊張しながらも、グラングはゆっくりと応えた。