新米召喚術師の異世界紀行   作:woodenface

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初めての召喚

あれから森の中を野獣の声に怯えながら歩き回り、やっとのことで崖の下の壁面に空いた洞穴見つけて腰を落ち着けることができた。

 

中にあった大きめの岩に腰掛けて、運んできた収納BOXを開く。中身のカードはそれぞれ六属性のユニット、戦闘スペル、アイテム、儀式スペル、地形に分けて入れられている。この中からユニットを選べばいいのだが、頭の中には後悔がよぎる。実はこの収納BOX、最新版のカードは一切入っていないのだ。冒頭で昔のカードを眺めていた時に、と言ったようにこのBOXは販売元がブシ■ードに変わる前、もっと言えばモンコレがモンコレ2に変わってからのブースターパック8種分くらいしか入ってない一昔前のカードたちなのだ。最新版なら個々のカードの力も強いし汎用性も昔の比ではない。無い物ねだりでしかないのは分かっているが、一抹の後悔は胸の奥でくすぶっている。

 

ユニットだけでも大量のカードに目を通しつつ、これからの森での生活を見越して護衛兼身の回りの世話係としての能力がありそうなユニットを選定していく。初めはドラゴンとか召喚してみたいなーとか考えても見たけど消費魔力を見て目が覚めました。何アレ、消費魔力が最大魔力を余裕で超してるよ、そりゃあ護衛としては最強かもしれないけど生活能力なんてカケラもないじゃあないですか。

消費魔力と折り合いをつけながら、今の魔力で呼べる3枚のカードを選び出した。

 

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属性:土  レベル:②  攻/防:1/2  進軍タイプ:歩行

コボルド自警団 【コボルド】  アイテム:1

イニシアチブ:+1

消費魔力:2

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属性:土  レベル:②  攻/防:2/1  進軍タイプ:歩行

コボルトド・ライダーズ 【コボルド】  アイテム:1

チャージ:+2

消費魔力:2

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属性:風  レベル:①  攻/防:1/1  進軍タイプ:歩行

ウィンター・ウルフ  【ウルフ】

イニシアチブ:+1  耐性:吹雪

消費魔力:1

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先手を取ると数値分だけ攻撃力が増加するチャージと数値が高いほど先手を取りやすくなるイニシアチブの組み合わせ。急場にしてはなかなか良い組み合わせだろう。後の問題は・・・・・・そう、召喚だ。

 

洞穴の外を見れば、空は夕闇に染まり夜の帳が訪れようとしている。ここで護衛を召喚できなければ森の野獣たちの晩飯にされてしまうのは間違いないだろう。

あとがない悲壮感を漂わせながら、覚悟を決め選んだ3枚のカードをかかげ、叫ぶ。

 

「普通召喚!《コボルド自警団》《コボルド・ライダーズ》《ウィンターウルフ》!!」

 

すると、かかげたカードから光の玉が飛び出し洞穴の床に魔法陣―――モンコレの象徴である六芒星の陣を描く。慌てて陣から飛びのくと、魔方陣からまるで湧き出るように7つの影が浮かび上がってきた。

6つの影は犬頭の獣人「コボルド」、うち2人はオオカミに騎乗しどこか精悍な顔つきの《コボルド・ライダーズ》。残りはこんぼうや鍬、草刈り用の鎌などで武装し、なぜか兜の代わりに鍋をかぶった者もいる《コボルド自警団》。最後の影は純白の毛皮をしたオオカミ《ウィンター・ウルフ》。

無事召喚に成功した俺だったが、召喚した今になってある不安が胸によぎり冷や汗が流れる。

 

 

――こいつら、俺の言うこと聞いてくれんの?

 

 

 

 

 

やべー、この数相手に言うこと聞いてくれないとかなったら八つ裂き確定じゃん、などと恐怖に凍りついた表情で戦々恐々としていた俺に言葉を投げかけたのはコボルド自警団のリーダー格っぽい、茶色い毛並みに赤い簡素な鎧をつけたコボルドだった。

 

「マスター、おれたちよんダ。何の用ダ?」

 

茶色のコボルドに続いて、自警団たちが次々と話しかけてくる。

 

「おれたちよばれタ!」

「なにすればいイ?」

「なんでもまかせロ!」

 

自警団とは対照的にライダーズは沈黙を貫いているが、俺の方を向いてどうやらこちらの言葉を待っているようだし、ウィンター・ウルフも行儀よくお座りしていて暴れる様子はない。

一応、命の危機は去ったようだ。安堵して大きく息をつきながら、目の前のユニットたちにこれからすべきことを伝えていく。

 

「ライダーズは周辺を探索して食べ物を探してくれ、自警団は洞穴の入り口で獣が入ってこないように警備、ウィンター・ウルフはここで待機してくれ。」

 

ライダーズは無言のままこっくりと頷くと、彼らが駆るオオカミたちを走らせ洞穴から出て行った。続いて自警団たちも洞穴の入り口に陣取り、

 

「じゃア、おれたちは夜営の準備すル」

「じゅんびすル!」

「ひをおこス!」

「たきぎあつめル!」

 

見張りを残して各々がそれぞれの仕事をしに分かれていった。

洞穴の中には俺とウィンター・ウルフが残された。地面が冷えて寒いのでウィンター・ウルフに擦り寄っていくと、心底嫌そうな顔をしていたような気がしたが、最後は根負けして(顔はプイとそっぽを向いていたが)おなかをベッド代わりに貸してくれた。

 

「ほあぁー、もふもふぅ」

 

吹雪に耐えるための純白の毛並みは暖かく、寒さを防ぐための脂肪のおかげかおなかは適度に柔らかい。圧倒的なもふもふに包まれながら俺の意識は遠くなっていった。

 

こうしてもふもふに包まれて異世界最初の夜は過ぎていった。

 

 

 

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属性:聖・魔  レベル:1  攻/防:0/1  進軍タイプ:歩行

新米召喚術師  【人間】  スペル:*  アイテム:1

魔力:0/5

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●コボルド自警団
鎌や鍬で武装した犬頭の獣人(コボルド)たち
アイテム:1にイニシアチブ:+1と扱いやすい

●コボルド・ライダーズ
オオカミに騎乗したコボルド
先攻を取れれば強いが、防御は貧弱なので
どう先手を取るかが考えどころ

●ウィンター・ウルフ
単体では貧弱だが、群れると強い白狼
寒さに耐性を持ち、【吹雪】ダメージでは死亡しない
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