自意識ジジイの人間の話し方わからん
「」が人間、『』がポケモンの区別意識です
苦手な方はお戻りください
目を開けたら金色が目一杯に広がっていた
はて、と抱えていたらしい金色を見つめ少し考える
...、そういえばポケモン世界にいたのだったな。
抱えている温いものはピカチュウ君か、ともう一回寝ようと足を延ばすと何かに触れた。
え、なに
人間の足のようだ、と頭の中でテロップが流れるが半分パニックだ。
抱えていたピカチュウ君はそのまま速やかにベットから脱した。
なぜ、ベットに足が生えている?????
ベットに置いてきたピカチュウ君の代わりにこちらから確認ができるのでは金髪の人間がベットにいる。
なぜ????????
と、とりあえず玄関のカギを見る
ちゃんと内カギがされている。
え、本当にあの子どこから来ているの??
近寄ってみるとピカチュウ君と思って抱えていたのはどうやらこの子のようだ。
いや、待ってくれ、このままだとただの変態では?
抱きかかえていた見知らぬ年端もいかぬ少年と共にベットに寝ていた中身ジジイ...
立派な警察案件じゃないか。
大人しくお縄になろう。
ピカチュウ君には悪いが、俺は牢屋の中に
フロントに電話をしようと説明書とにらめっこしているとベットに寝ていた少年が起きた。
「ん、わかばぁ、ごはん?」
起き上がった少年はそれはもう大層美しかった。
あどけないまろい頬には寝起き特有の赤みが差し、健康的な肌色ではあるがシーツを持つ手は幼さを残しているが彫刻のようだ。金色に縁どられた起き抜けの寝ぼけた眼から見える茶色の瞳は潤んでいる。金色の小麦のような髪はぼさぼさであるがその姿さえ絵画のように美しかった。
ん、まて。
さっき俺のことをみてわかばと言ったか?
名前を知っているだと??????????????
素知らぬ美少年に昨日の俺、いったい何したんだ。
余程のことが無ければ名前何て名乗ってこなかったのに?
ちょっと言いかけそうになって頑張ってたのに?
とてとて、とでも付きそうな効果音のような足取りとこちらに来る。
ど、どうどうと、堂々と状況を説明するんだ。
何年生きていると思ってるんだ。しっかりしろ。
「ワカバ?」
「スイマセンドナタデショウカッ」
こてん、と傾げた謎の少年を真正面から見るには覚悟が足りず目を反らした。
これがポケモンの世界に来た初めての目覚めである。
心臓は口から出てきそうなほどであり、冷汗は滝のように書いている。
最悪だ。
どうしてこうなった
―――――
名前...?となっているピカチュウ君はかわいい。
かわいいが、そんなに突飛なことだったのか?と不安になるぐらいの驚きようだ。あんぐりと開けた口に思わず指を突っ込みたくなる。
そうだ、と伝えるとあり得ないものを見る目で見られる。そんな顔しなくてもいいだろうに。さっきの顔よりも間抜け面である。
ゲームを孫がやっているところを見ていた記憶しかないが、確か名前を付けることができたはずだ。ピカチュウをピカチュウと呼ぶのは人間の事を人間と呼んでいるのとおんなじなの!と熱弁されたもう声も顔もわからない孫に言われたのを覚えている。
実際目の前にして呼ぶのは憚られる。コイツはコイツだけの名前を付けるのってのは俺的には当たり前だと思うのだが、この反応だとそうでもないのか?
『なまえ...って僕に!?』
肯定するとやっぱり頭おかしいと言わんばかりの顔で俺のことを見てくる。そんなにか
また頭を抱えたピカチュウ君の頭を撫でる。出会って一日なのに撫でる手を払おうとしないのはモンスターボールに入っていたせいかそれとも人懐っこいだけなのか。
それにしても名前つけられるのに何か意味でもあるのだろうか、こんなにも悩むなんて思っていなかったのだが。
『名前、つけても変なのつけないでよね』
呆れた、と言わんばかりの顔で下を向いていた顔がこちらを見る。
任せとけ、と口を開くと同時に腹が鳴る。
ピカチュウ君のお腹も追加と言わんばかりに鳴る。
まずはご飯を食べに行こうか、と言うとかっこつかねーのと言われる。
言うのはいいけど頭に乘るのはやめて欲しいな。
ご飯をたらふく食べた俺たちは仲良くベットにinしそのまま眠った。
そこから全く覚えていない。
本当に覚えていない。
ぱっちりと開いた目がこちらを不満げに見る。
謎の少年、どうやらピカチュウ君らしい。
寝ているのかと頭突きを食らったわけだが、納得がいかない。
「なに、僕怒ってるんだけど?」
にこりと笑って俺の前にいるピカチュウ君は悪魔のようだ。
どうやら寝ぼけて自己紹介やら名前を付けたらしい。
らしいってのはつけた時のことを覚えていないからなのだが、覚えているのはご飯をたくさん食べてお腹がいっぱいになってよく寝たってことだ。
それにしても
「似てないな。」
あのモフモフはどこに行った
目の前のピカチュウ君はコ、コイツ~っと俺のほっぺたをむいむいする。
仕草はぽいけれど、人間だからかなんだかピカチュウ君とは違う気がする。
なんで人間の姿になったの?と聞くと知らない。と言われた。ピカチュウ君曰く原因はよくわからんが人間に変化するのはそこそこ珍しいらしい。怒っていることに無駄だと感じたのかベットの上で胡坐をしている俺の膝の上に元のふわふわな姿で寝転がる。
ほんとに可変式なんだ、と妙に感心しつつ撫でる。
ふあふあだ~と関心を覚えつつピカチュウ君の言うことには、なんだか名付けてもらってから寝て、少し前に起きたら人間の体だったらしい。
ふしぎなポケモンと銘打つぐらいにはミラクルな存在だな、と感心しているとピカチュウ君、レオに叩かれた。
「朝ごはん、食べないの?」
僕、人間のご飯に興味あるんだよね、とワクワクしている。本当にこの毛玉は豪胆というか、のんきと言うか、緊張感がないというか。
食堂へウキウキのレオを連れてカギを開けた。
よく食べる目の前の少年は今、初めてのケチャップに感動しているようでこぼれんばかりに目を開いている。
目玉が落ちるぞ、と口元に着いたポテトのカスを取ってやると手を掴まれた。
「人間ってこんなにも素晴らしい食べ物を食べているの!?」
今まで食べていなかった世界にはもう、戻れないよ、とケチャップにほおずりをする金髪の少年、レオは傍から見れば関わってはいけないタイプの人間に映る。...これがピカチュウの姿であればかわいかったのだろうな、と思う。
落ち着けと言っているが、こうなっては時間がかかるだろうな。
それにしても名付けた名前がレオとは寝ぼけていたとはいえ、まともな名前を付けていて安心した。
寝ぼけて変な名前を付けた、なんてことかわいそうでしかない。
捕まれた手を揺らしているとレオがこちらを向いて真剣に言った。
「僕、君と一緒に冒険してよかった」
まだ一日なのだが、と一抹の気まずさを感じつつ礼を言う。
それにしても人の姿になるとはいえ人間が通常食べない量のケチャップを食べていいのだろうか。こう、健康的に高血圧になりそう。犬猫の知識も定かではないが、小動物に食べさせてはいけない食べ物があったと記憶しているがポケモンはどうなんだろう。
ミラクルな不思議生物だからノーカンなのだろうか。
ケチャップと結婚する!と血迷ったことを口走っているレオにため息をつき、借りていた部屋に引きずっていった。
さすがに見てられない。