クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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誰か代わりに書いてくれないかなって思いながら書いてます。


特になんでもない一日

五月の中間テストを乗り切り、六月になる前に龍園が、Dクラスの赤髪を特別棟に呼び出し、暴力事件を引き起こさせて退学に追い込んでペナルティを確認しつつ遊ぶという計画を立てていた。龍園は一戦目遊ぶからな。

 

 

特別試験で退学を命じられる可能性もあるので、荒事方面でも有用なことを示したほうがいいなと思い、立候補をしてみたが…

 

 

「却下だ。」

 

 

「え?ダメなのか?」

 

 

「テメェなら事をうまく運ぶだろうが、どう考えてもデメリットがデカすぎる。テメェは坂柳のお気に入りだからな。」

 

 

比企谷八幡は坂柳有栖に守護られているようだ。でも流石に却下は想定してなかったわ。

 

 

「えぇ…点数稼ぎのボーナスチャンスなんだけどなぁ…」

 

 

「…どちらかと言えば、テメェは正攻法で行くタイプだと思ったが。どこかネジが外れてやがるな。」

 

 

「…俺は有栖から影響を受けているからな。俺なりに参考にさせてもらってるだけだ。」

 

 

「…クハハッ!そりゃあまともな参考書なわけねえなァ!!」

 

 

かつての比企谷少年にとって憧れだったからな。一般常識で照らし合わせたら悪趣味と言われても無理はないだろうが。

 

 

「まあ、今のテメェに下す指示は一つだ。」

 

 

「…?何だ?」

 

 

「ひよりがお怒りのようだぜ。説教受けてこい。」

 

 

 

 

 

「…まったく、もう。八幡くんはそういうことしなくてもいいんですからね?」

 

 

「ふぁい。」

 

 

両頬をぐにぐにと引っ張られながら怒られてます、八幡です。

 

 

「そういうところで頑張らなくても、ちゃんと他の所で頑張ってるんですから。怪我をしに行くような真似はしちゃ駄目です。」

 

 

…俺以外ならいいのかという言葉が喉を通りかけたがとりあえず飲み込む。ひよりも暴力を良しとするわけではないが、ここに通っている以上有効な手段と捉えているのだろう。まあ、Cクラスってどっちかというと勉強出来ない奴のほうが多いもんな…。

 

 

「…わかりましたか?」

 

 

「ふぁい。」

 

 

「…はい、じゃあ叱るのはこれで終わりです。」

 

 

頬を少し膨らませた表情から、いつものほんわか笑顔に戻るひより。俺の頬を引っ張ってた手の感触を堪能してたのは秘密だ。というから引かれるから言えるわけが無い。

 

 

「………あんたって本当に椎名に弱いわね。」

 

 

「…まあ、否定はしないが。」

 

 

第三者から指摘されるとより恥ずかしい。でもひよりには一生勝てる気がしない。

 

 

 

 

「…といった感じで参加しようとしたら却下されちまったんだわ。」

 

 

今日は茶道部なのでひよりと別れ、ケヤキモールに向かおうとする途中で帆波と会い、カフェに向かうことになった。その時に世間話の感覚でつい話してしまった。よく考えたら背信行為だったが、他の誰にも聞かれてないのでセーフです。アウトだわ。

 

 

「…うーん、八幡くん。暴力を受けに行くのはダメだよ?八幡くんの怪我してる姿を見たら、私も真澄ちゃんも泣いちゃうよ?」

 

 

…ナチュラルに有栖が外されているあたり、そういったことで帆波の中でも有栖が泣くのは想像できないらしい。

 

 

「…有栖ちゃんは静かに激怒するだろうね。『そんなことに八幡くんを使ったのですか?』って。」

 

 

なんとなく想像できるわ。柔らかくなった気がするとはいえきっちり相手を嵌めて確実に追い込めるように計画するだろう。流石に俺でも気に入られてる自覚はあるし。

 

 

「…そういう手段が有効なのはなんとなくわかるけど、やっぱり好きにはなれないかなぁ。」

 

 

…人として至極全うで正しい事だろう。ただ、ここだとそれが甘いと言わざるを得ないのが嫌な所だ。優しさを否定される場所、高度育成高等学校。学費は無料だけど教育機関としてこれでいいのかよと疑問は尽きない。

 

 

「…言っちゃ悪いが、この学校だと甘いと言わざるを得ない。」

 

 

「にゃはは…はっきり言うよね、八幡くんは。」

 

 

少し気まずくなったのでこの話を中断したが、後々ながら明らかにアウトな事言ってたのでどうにか帆波に口止めをポイントで頼むことにした。

 

 

「んー。ポイントでかぁー…。」

 

 

「…?」

 

 

「ポイントじゃなくて、一つ聞いてほしいお願い事があるんだけど。」

 

 

「…無理な願い事は拒否するぞ。」

 

 

 

 

 

以前から気になってたそうだが、俺の私服姿をほとんど見た事が無かったので選んだ服を着てほしいらしい。そりゃ見た事ないだろうな、制服が一番楽だもん。

 

 

「~♪ これなんかどう?着てみて?」

 

 

「お、おう…。」

 

 

こんな風に服を渡され、良いと言ってもらったものから何点か購入した。その後に眼鏡屋に行き、銀縁の伊達眼鏡を試したが、

 

 

「………ぁー。」

 

 

「…え?そんなにおかしいのか?」

 

 

「…………かっこいいよ。」

 

 

「お、おう…。」

 

 

大層お気に召したようで、プレゼントとして送ってくれるようだった。そこそこするけど大丈夫か…?とは言えなかった。彼女の顔がとても嬉しそうだったので。

 

 

 

 

 

名残惜しいけど、八幡くんと一緒に暗くなりつつある帰り道を歩く。

 

 

「八幡くん」

 

 

「ん?」

 

 

「今日はありがとね、楽しかったよ。」

 

 

「…おう。」

 

 

私を救ってくれた、大好きな人の横顔を見る。もう一度会ってお礼が言いたいと、それだけだと思ってた。でも八幡くんが「許す」と言ってくれて、慰めてくれた時に、八幡くんへの想いが溢れてくるのを感じた。この人が好きなんだと、好きになったんだと。そして八幡くんの隣に立ちたいと、自分の中での道標が生まれた。…絶対に辿り着きたい。絶対に。

 

 

 

 

 

………ただ、八幡くんの事が好きな女の子が他に3人も居るとは思わなかった。しかも、全員とも彼を見る目が優しいのだ。おそらく私と、同じくらい。誑し込みすぎだよ、八幡くん。

 




全員ほぼ攻略済みの状態です。
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