クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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これでいいのか?と思いながら書き進めてます。


6月の出来事

6月に入ってもポイントが入ってこないので何事かと思ったら、例の作戦を実行したらしくクラスメイトの3人がボコボコになっていた。ボコボコの顔で達成感溢れる顔をしているから不気味である。

 

 

ターゲットはやはりDクラスの赤髪だったようだが、どう見積もっても過剰なレベルの暴力である。瞬間湯沸かし器の才能に溢れているようだ。興味ないけど。

 

 

「やっぱり八幡くんがやらなくて正解でしたね?お友達のあんな姿は見たくないですから。」

 

 

さらっとひよりが呟く。ボコボコの奴の中にひよりのことを好きなのか、度々気にしてる風にチラチラ見てた奴も居るんだけど…。哀れである。

 

 

「…椎名も言うわね。」

 

 

「私や帆波さんや真澄さんが見たら泣きながら叱るくらいで済みますけど、有栖さんはそれだけじゃ済みませんから。」

 

 

「……………怖っ。」

 

 

龍園もそれを危惧していたのだろう。正直俺は一発殴られて終わるだろうくらいの考えだったから志願したのだが、ここまでやるとは…。というかそんな不良を入れるこの学校の入学資格のシステムはどうなっているのか。本来の予定通り、知り合いゼロでこの学校に入ってたらと思うと身震いするわ。ひよりとの一年近くの付き合いで、ぼっち強度は落ちているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

幸いポイントに関しては、1か月に1回の道場破りみたいな賭け巡りで稼いでいるので問題は無い。今月も「また来い」と言われていたので遠慮なく行かせてもらい、先輩のリベンジ失敗に貢献した。これからも貢献していく予定だ。

 

 

 

 

 

寮の部屋に戻ると、真澄がぼーっとした表情でベッドの上に座っていた。こちらを見ると柔らかい笑顔で俺に近づき、そのまま俺の手を取り一緒にベッドに座った。

 

 

「…とまあそんな感じで、悪くないペースで稼げていると思う。」

 

 

「…あんたも規格外よね。出会った時からおかしい奴だとは思ってたけど。」

 

 

「大丈夫だ、この学校には俺よりおかしい奴は一杯居る。」

 

 

「そういう話でも無いと思うけど。」

 

 

あきれた表情で真澄が見てくるが、綾小路や高円寺などはその筆頭だろう。彼らが相手では俺は二枚くらい落ちるおかしさのはずだ。そういう話ではないのは理解しているが。

 

 

「…ところで。」

 

 

「ん?」

 

 

「暴力事件があったみたいだけどあんた、志願してたらしいわね…?」

 

 

「…まあ、そうだな。却下されたけど。」

 

 

話を聞くと3人で話している時に、どうやら帆波がペナルティを覚悟の上で有栖と真澄に話を共有したらしい。そういう事に首を突っ込ませる回数を減らすためだとか。ゼロじゃなくて減らすといったあたり、やっぱりこの学校では暴力は軽視できないようだ。

 

 

「あんたがあんな目に遭ったら…もし怪我しに行くような行動に参加するなら……教室に行って泣き落としてでも止めるから。」

 

 

「えぇ…いや、でも必要な場合もあるし…」

 

 

「関係ない。止めるわ。だって…」

 

 

「…?」

 

 

「だって、お兄ちゃんにそういうことして貰いたくないのが、妹ってものでしょ?」

 

 

…とりあえず、少しばかり拗ねた表情の真澄を優しく撫でる。その後、泊まって一緒に寝たいと言われ流石に断ろうとしたが、潤んだ目の真澄の視線に負けて抱き着かれながら寝ることになった。何故真澄が放っておかれ続けてるのか理解に苦しむ事が多々ある。親ガチャに失敗したって言い張っても許されると思う。

 

 

 

 

 

自分でもらしくないと思うけど、どうしても八幡お兄ちゃんには甘えてしまう。今でも親に対しての未練が完全になくなったとは言えない。けれども、不器用なお兄ちゃんが自分なりに私と全力で向き合ってくれているのが、愛おしくて仕方がないのだ。だから一緒に寝たいという妹としてのお願いを偽る気はないのだ。それ以外の想いもあるけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして少しばかり時が経ち裁判が行われ、なんとDクラスは完全無罪を主張したらしい。いや、あそこまでボコっておいてそれは流石に無理があるだろう…。という事は何かウルトラCでも用意できるのか…?と思ってたら

 

 

「…えっ?訴えを取り下げた?なんで?」

 

 

「Dの櫛田に特別棟に呼び出されて、監視カメラの有無で追い詰められたらしい。」

 

 

「………えぇー。見え見えのハニトラじゃねえか、引っかかるなよ………。」

 

 

「まあ、テメェにやらせるよりはマシだがな。テメェはデストラップまみれだしな、ククッ。」

 

 

成り行きを龍園に聞き、さらっと失礼な事を言われつつ上機嫌そうな様子を見る。どうやらDクラスのリーダーには思いつかないであろう作戦だったようで、裏に手強そうな黒幕Xが居るらしいとの事。お隣の綾小路君です、言わんけど。

 

 

そういえばあいつ、5月の頭に呼び出し食らってたが…。ひっそり静かに学生生活をしたいと言ってた割には場に出させられてるし、その時に何か言われたのか?あいつも大変だな…。

 

 

 

 

 

 

テスト期間も近いので、予めやっておこうとカフェで復習をしている時に有栖と帆波が前に座ってきた。見かけたので声を掛けに来たとの事だった。

 

 

「八幡くん、今回の事件は無かった事として終わったようですね?」

 

 

「ああ、3人ほど殴られ損で終わったな。」

 

 

「…表舞台に引き出そうと画策してた私が言うのもなんですが、彼も難儀な目に遭っていますね。」

 

 

俺たちの会話をきょとんとしながら不思議そうな目で見ている帆波だが、事情を説明する気はない。何考えてるか分からん時が多いが、綾小路はなんだかんだで今後出来ないであろう貴重な男友達なのだ。無駄かもしれんけど、無暗に引っぱり出すような真似をする気はない。

 

 

「そういえば八幡くん」

 

 

「ん?」

 

 

「今回の件で当初志願したそうですが…どう立ち回るおつもりでしたか?」

 

 

「ん、ああ。実際の所今回の件みたいに呼び出すまでは同じだけど、喧嘩を売るつもりはなかったぞ。」

 

 

「え?そうなの?」

 

 

「ただ『お前は誰からも嫌われている』という事実をリサーチの元、突きつけようとしてただけだ。」

 

 

「それもっと酷いよ!?火に油どころの話じゃ済まないじゃん!」

 

 

「………効果的なのは認めますが、やりすぎになったでしょうね。少しばかり龍園君に感謝を覚えましたよ。」

 

 

…まあ、殴られた奴らの顔を見れば確かにそうだったかもしれないな。

 

 

「…八幡くん?絶対にやるなとは言えないけど、やらなくてもいい時はやっちゃだめだよ?」

 

 

「そうですよ八幡くん。貴方は他の場面でもっと働けるんですから。」

 

 

「…おう。………あ、あのー。お二方、何で俺の頭を撫でて…?」

 

 

「んー。なんとなくやりたくなったからかな?」

 

 

「そうですね。手のかかる弟をあやす気分ってこういうものなんでしょうかね?悪くないです。」

 

 

……………ここ、カフェだから目立って仕方ないからやめてほしい。あまりにも優しい目をしてくるから言えずに、二人が満足するまで為すがままにされたが。

 

 

 

 

 

期末テスト当日、テストの結果は大体90点台と問題なく終わらせられた。しかし試験前に坂上先生が言っていた「夏休みにバカンスに連れて行く」という発言…。俺の本質は引きこもりぼっちなのはさほど変わってないから行きたくねえ。家でエアコンつけて本でも読んでいたい。

 

 

「八幡くんっ、バカンスってどこに行くんでしょうね?」

 

 

楽しそうに話しかけてくるひよりの一言に、少しばかり疑問を覚えた。そういえば何故バカンスとしか言わなかったのか。明確な場所を伝えて奮起させたほうがよかったのではないか、と。

 

 

「…いや、まさか…。」

 

 

「…?八幡くん?どうかしましたか?」

 

 

「ああいや、この学校の事だから無人島に置き去りにされる可能性もあるんじゃね?」

 

 

「…ふふっ。流石にそんな騙し討ちみたいな事はないと思いますよ?」

 

 

「まあ、流石にないよな。いくらなんでも。」

 

 

この時の俺たちは大分呑気な会話をしていた。当日に「やっぱこの学校クソだな」って思う事になるのだが。




素人にヒロイン4人は多すぎたかもしれません。
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