クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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「これでいいのか…?」と思いながらの投稿前の時間が怖いです。


体育祭前その1

夏休みが終わり、2学期が始まり体育祭の説明をされる。どうやら1か月の間に体育祭に向けて体育の授業が増えるため時間割も変わるようだ。うちのクラスは動ける奴らが多いから楽しみにしてる様子だが、運動の苦手なひよりはしおしおしてる。

 

 

「体育祭、憂鬱です…。」

 

 

「……まあ、下位10組にならないように頑張ろうな…。」

 

 

「はい…。」

 

 

運動してる所をほとんど見た事ねえもんなぁ…。とりあえず怪我しないように準備運動やストレッチはきっちりやらせるべきだろう。後は総合成績が下位10組だとテストの点数に影響が出るから、それだけは避けられるように。

 

 

 

 

全学年が顔合わせのために体育館に集められ、先輩から話を聞く。最後の1200メートルリレーは全学年が関わるが、他の種目は学年別での対決になるようだ。

 

 

Bクラスのリーダーらしき奴と話を…いや話する気ねえな龍園。すぐに切り上げてきてるし。とりあえず今回の作戦について確認してみた。

 

 

「…んで、今回はどういう風に動く予定なんだ?真面目に競い合うのか?」

 

 

「んなわけねえだろ。ククッ、Dクラスで遊ぶ予定だ。須藤と鈴音でな。」

 

 

「…須藤?鈴音?」

 

 

「…いい加減お前は他のクラスの奴のツラを覚えろや。赤髪と強気な黒髪の女だ。」

 

 

苦手なものは苦手なんだからしょうがない。チラっとDクラスの方を確認して、それらしき奴を見かける。しかし遊ぶって事は何か秘策があるということだろう。となるとおそらくは…

 

 

「…Dクラスの参加表が手に入るのか?」

 

 

「クククッ、そういうことだ。速い奴には遅い奴をぶつけて、実力が近い奴らは少し上回る奴をぶつけるだけだ。」

 

 

「…というか参加表ってそんなあっさり手に入れられるのか?えぇ…警戒心なさすぎだろ。隣のクラスにインテリヤクザがいるってのに…。」

 

 

「ククッ、こういう手段を考えもしないのがDクラスだからな。間抜けの集まりだぜ。」

 

 

…すでに煮え湯を飲まされてるんだから考えろよとは思う。でもやっぱ考えなくていいや、弱いほうが楽だもの。

 

 

改めて種目を確認してみると…

 

 

・全員参加種目

①100メートル走

②ハードル競争

③棒倒し(男子限定)

④玉入れ(女子限定)

⑤男女別綱引き

⑥障害物競走

⑦二人三脚

⑧騎馬戦

⑨200メートル走

 

・推薦参加種目

⑩借り物競争

⑪四方綱引き

⑫男女混合二人三脚

⑬3学年合同1200メートルリレー

 

 

それにしても出る種目が多い。推薦に出なくても8種目はやらなくちゃいけないじゃんか…。ダンスや組体操がないのは救いだが。どの種目よりも嫌まである。ポイント欲しいし頑張るけども。

 

 

 

 

本番に向けて少しでも運動させたほうがいいかなと誘ってみたが…

 

 

「…はぁ、はぁ。疲れましたぁ…。」

 

 

「………これからの事も考えて、定期的に少し運動していこうか。」

 

 

「………考えておきますー…。」

 

 

これはやらない時の返事だなぁ、自分の身にも覚えがありすぎる。運動してる暇があったら本を読んでいたいんだろうなぁ…。誰だって嫌いなものは嫌いだし。壁代わりに俺にもたれかかっているひよりに無理強いはしたくないし。

 

 

「…とりあえず借り物競争とかみたいに、運の絡む競技でも点数を稼ぐ方が良いだろうな。」

 

 

「…そうですねー。徒競走は自信がないですし…。」

 

 

早々に疲れてぐでーっとしてるな…ひよりのここまでやる気のない姿は初めて見たわ。とりあえず頭を撫でて心を落ち着かせてみる。

 

 

「…えへへ。」

 

 

「…まあ、龍園が何かしら作戦を考えてるだろうから悪くはならないはずだ。毎日ストレッチをして怪我しないように準備するか。」

 

 

「はい、わかりましたー。」

 

 

他の奴らが普段から頑張ってないわけでもないだろうし、これがベターだろう。これ以上無理強いしてひよりに嫌われたらやだし。

 

 

 

 

気分転換がてら、有栖をカフェに誘い軽く雑談をする。帆波と真澄は練習に励んでいるらしい。

 

 

「Aクラスって運動面ではどうなんだ?こっちはわんぱくな連中ばっかりだが」

 

 

「そうですね、動ける人はそれなりに居ますがそこまで動くのが得意な人は多くないかもしれません。私とか。」

 

 

「…さらっと反応に困るジョークを言うなよ…。」

 

 

「ふふっ、すみません。少しばかり手持無沙汰になるイベントで暇なものでして。」

 

 

確かにこのイベントだと有栖は参加すら不可能だからな。退屈なのも仕方ないか。

 

 

「八幡くんは、どの推薦種目に出るのですか?」

 

 

「ん?ああ、1200メートルリレーの予定だな。…それと」

 

 

「それと?」

 

 

「『練習を頑張った後に頭を撫でてほしい』と言われたので、それくらいだな。」

 

 

「…ひよりさんが羨ましいですね。」

 

 

運動が苦手ながらも、頑張ってるひよりの力になってやりたいしな。

 

 

「八幡くんはひよりさんや真澄さん、帆波さんにも甘いからですねぇ。」

 

 

「そ、そうか?」

 

 

「ええ、そうですよ。…私も結構羨ましいんですよ?」

 

 

拗ねた目で見られつつ思い返すと、確かにそうかもしれない。どちらかというと有栖には甘えてる気もするし。

 

 

「んー、そうですねぇ…。今から八幡くんの部屋で、甘やかしてくれませんか?」

 

 

「……まぁ、いいが。」

 

 

「そうですか、よかったです。何をしてもらいましょうかねぇ。」

 

 

 

 

 

「ふふっ、色々とやって頂きたい気持ちはありますがこれはこれでいいですね。真澄さんがせがむのも分かります。」

 

 

ベッドの上に向き合って座り撫でる。目を細めて嬉しそうな表情を浮かべ、こちらを上目遣いで見ている。

 

 

「…八幡くん。…キスしてくれませんか?」

 

 

「…お、おう。」

 

 

「んっ…。」

 

 

「んっ…。」

 

 

10秒ほどキスをして顔を離す。顔が熱くなってる。有栖は頬を染めて微笑んでいる。

 

 

「八幡くん…。私、幸せな気分です。」

 

 

「…おう。俺も、まあ、悪い気分じゃない。」

 

 

「………あの、出来ればですが。今日……したいです……。」

 

 

「………おう。」

 

 

有栖のお願いに応えて、今日は終わることになりそうだった。




八幡君は今もなお成長をしています。色々と。
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