クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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これやっておかなきゃダメかなって思いまして。


混合合宿その3

3日目の授業も無事にこなし、今日は帆波に連れられて食事の席に案内された。同じグループの奴らの昨日とは違う女が来たって感じの困惑顔、気持ちは分かる。兎にも角にも、本日も4人と一緒に飯を食う事になった。

 

 

「…正直まだ3日目だが、団体行動しんどい。自分の部屋が恋しい。」

 

 

「普段と違ってそれほど親しくない方との共同生活ですからね。お疲れ様です、八幡くん。」

 

 

「にゃはは、やっぱり男子もそれなりに気を遣うんだね。」

 

 

「騒がしくする奴が少ないからまだいい方だけどな。まあ、その分消灯時間後が楽しみではあるが。」

 

 

そう言うと4人が目を丸くして驚いた。

 

 

「八幡くんがそのようにはっきりと言われるとは。」

 

 

「…今までそんな経験がなかったから他の奴がどうかは知らんが、夜中に親しい奴に内緒で会いに行くのってロマンだと思うんだが。」

 

 

昔そういうスパイ映画だったかを見た影響かもしれない。生憎、かつての比企谷少年にはそれを行えるような友達は居なかったのだが。しいて言えば放課後に行動を共にした有栖が該当するが、2週間くらいでお別れだったし。

 

 

「八幡くんってどこか子供っぽい所があるよね。可愛らしくて良いと思うけど。」

 

 

「…昔そんな感じの映画を見たのが、妙に頭に残ってて。有栖を抱えて移動してる時もあれはあれで趣があって楽しかった。」

 

 

「ふふっ。私も楽しかったですよ、八幡くん。」

 

 

そもそもそれに付き合ってくれる女の子が現れてくれるわけがないと思ってたから実は結構テンション上がってた、言わんけど。

 

 

「……羨ましい。私もやってもらえばよかった。」

 

 

「…やってやればよかったか。」

 

 

「…私もお願いしてもいいかにゃ?」

 

 

「…私もお願いします。」

 

 

合流したら俺が抱えて運ぶ、とりあえずそういうことになった。

 

 

 

 

夕食を食べ終えてから少しばかり休憩してから、大浴場へ向かった。全身を洗ってからお湯に入り、夜も冷えるだろうし今日はゆっくり入ろうと決めた。それがいけなかった。

 

 

しばらくして、何やら騒ぎ声が大浴場に響き渡る。うるせえなと思いながら声のする方を見ると、言い争いをしてる須藤と石崎の姿と、なんか盛り上がってる男子たちの姿があった。湯船に浸かりながら眺めていたであろう、ニヤケ面の龍園に聞いてみた。

 

 

「……何してんだ、あいつら。」

 

 

「アレのデカさで男比べしてるんだろうぜ、ククッ。」

 

 

「…く、くだらねえ…。」

 

 

確かに娯楽が少ないのは分かるが、そういう娯楽は要らないかなって。そして秘密兵器とばかりに石崎が山田を投入して須藤と山田が仁王立ちしてる。あっ、須藤が崩れ落ちた。そして周りの男子からの歓声が轟く。

 

 

「…娯楽が少ないからとはいえ、アホすぎる。」

 

 

「クハハハハッ!」

 

 

呆れながらも湯船にどっぷり浸かり直す。まあこれで静かになるかなーと思ったがならなかった。

 

 

「はっはっは。君たちはチルドレンのような愉快なことをしてるようだねぇ。」

 

 

「…わぁ。」

 

 

思わず変な声が出ちまった。まさか高円寺まで首突っ込んでくるとは思わなかった。めんどくさいことになる気がしてる。

 

 

「なんだよ高円寺、だったらテメェはどうなんだよ。どうせ口だけなんじゃねえのか?」

 

 

「愚問だねぇ。私は全てにおいて完璧な存在。当然男としても究極体さ。」

 

 

そうだね、究極体だね。だからとっとと湯船に浸かっておとなしくしてろ。そんな願いも空しく周りは高円寺を煽る。

 

 

「そんなこと言っても、実際は大した事ないんじゃねえのか?」

 

 

「争うまでもないねぇ。君たちが萎縮しないようにという私なりの気遣いだよ。」

 

 

「そこまで言うなら見せてみろ!」

 

 

相変わらずの涼しい顔の高円寺、流石である。社会に出る事考えたらああいう図太さも今のうちに身に付けないとなー。

 

 

「本来男に見せる主義はないが、一度きりのサービスだよ。」

 

 

世界一心躍らないサービスだな。呆れながら高円寺がタオルを外す所を見る。周りが静まり返った。あっ、今度は山田が崩れ落ちた。

 

 

「…で、でけぇ…。」

 

 

「フッフッフ。これで私が完璧な存在であると証明されたようだねぇ。」

 

 

「クク。待てよ高円寺。」

 

 

湯船に浸かってる龍園が待ったをかけた。余計な事するんじゃねえとコイツに対して一番思ったのは間違いなく今だろう。

 

 

「まさか君が私の相手になるとでも?」

 

 

「いいや、流石に俺でもお前には勝てねえな。だが、お前といい勝負をする奴がいるかもしれねぇぜ?」

 

 

何言っちゃってんのお前?綾小路に殴られ過ぎて頭バグっちゃったの?

 

 

「ほう、それは誰かね?」

 

 

「さあな。だが俺の勘違いでなけりゃ、この場でずっとタオルを巻いてその実力を隠してる奴と、無関係な顔して風呂から上がろうとしてるコイツがそうかもしれねぇぜ?」

 

 

「………えっ?」

 

 

龍園が言った言葉を飲み込めないまま呆然としていると、周りの男子が俺と綾小路を見てくる。もう一発コイツの頭を殴れば正常に戻るかな?と現実逃避しながらも展開は進んでしまう。

 

 

「ククッ。お前らコールしてやれ。」

 

 

「外せ!外せ!外せ!」

 

 

須藤が綾小路を、石崎が俺を高円寺の居る場所へ連行する。今回の試験が一筋縄ではいかないって言った気がするけどこういうことじゃないよ?

 

 

「…介錯してやろうか?」

 

 

どうあっても逃げられそうにないので、観念して綾小路と同時にタオルを外した。周りは静かになった。

 

 

「ま、マジかよ……」

 

 

周りの野郎どもが驚愕した目で見てくる。龍園ですら目を見開いていた。お前が始めた物語だろ。それに、デカければいいってものでもない。

 

 

「これはこれは。まさか日本人で私の互角の戦いを演じるとは、正直感心したよ。」

 

 

「…まるでTレックス同士の対決のようだな…」

 

 

Tレックスの無駄遣いが過ぎる。

 

 

「君たちは歴史の生き証人になったみたいだねぇ。しかし驚かされたよ、私と肩を並べる存在がいるとはねぇ。Tレックスに例えるなら、獲物を食らってきた数は私の方が上だが、経験値で後塵を拝するとはねぇ。」

 

 

「……………は?」

 

 

誰かの呆けたような声が響く。っていうか何言ってくれてんのコイツ?

 

 

「…そういえば結構な頻度で女子が比企谷の部屋に入っていく姿は見かけるな。」

 

 

「はぁ!?」

 

 

「綾小路くん?ちょっと黙っててくれる?」

 

 

「…そういえば林間学校が始まってからの夕食は、椎名さんと一之瀬さんに誘われてましたね。」

 

 

的場の一言で嫉妬と殺気の視線がさらに増えた。この後湯船に戻り、尋問される事になった。涼しい顔をしている高円寺とニヤケ面の龍園を睨みながら、答えても良い事以外はだんまりを決め込んだ。がっつりやってることやってます!とか他人に言う事でもないし。モテない奴が自分からそういう事を言うのもクソださいし。




八幡君は基本拒みませんからね。
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