クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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主人公強化イベントです。


本日の比企谷君2

坂柳理事長との対面で殴られるかもしれんという恐怖を感じたからか、ああいう場面がまたあるかもしれないと思い始め、急に危機感が湧いてきてしまったので綾小路に頼み込んで訓練を付けてもらう事にした。俺が知ってる中で一番強いのは間違いなく綾小路なので。

 

 

とりあえず恐怖心の克服と言う名目から、顔面パンチを避ける訓練から始めてる。最初に足さばきや手で防ぐ際の動き方を教えてもらい、動き方を覚えたら実践として手加減パンチを避ける練習に入った。綾小路には「筋が良い」と言われてちょっと嬉しかった。

 

 

でも大分慣れてきて捌けるようになったら綾小路から腹パンされたのは痛かった。「当たらなさ過ぎてつい足を止めようと無意識にやっていた」との事、ひでえ。

 

 

「だが、腹を殴ったにも関わらず足は止められなかったな。結構力を入れて殴ったんだが。」

 

 

「めっちゃ痛いんだが。屋上で龍園の顔面を芸術にした時みたいにパンチが飛んでくるかもしれんと思ったら足を動かすしかなかったんだが。」

 

 

「…まあ、実際は顔面以外も狙われるからこれもいい訓練ってことで。」

 

 

「…一理あるけどさぁ。」

 

 

こいつ、思った以上にスパルタだぞ。そして案外楽しそうにしてるように見えるあたり、誰かを育成するのは好きなのかもしれない。血は争えないという事かもしれんが、絶対に口には出せない。まだ死にたくないし。

 

 

「…そういえば比企谷、今までどんなトレーニングをしてきたんだ?お前をホワイトルームとはまた違った施設で育った人間と疑いそうになってきてるぞ。」

 

 

「何言ってんだお前?どこからどう見ても一般家庭で生まれた、どこにでもいる庶民の息子だろう。」

 

 

「…お前をそう認めると世間は魔境になるぞ。確実に足を止めるつもりだったから、嘔吐してもおかしくないレベルで腹を殴ったんだが。」

 

 

「お前容赦なさすぎだろ、俺友達だよ?もうちょっと優しさ見せて?」

 

 

「…悪い。確かにやりすぎだったか。次からは悶絶する程度にする。」

 

 

あんまり変わってない気がする。しかしこれ以上の威力で敵が殴ってこない訳でもないから仕方ないと割り切ることにした。

 

 

「…で、トレーニングだったか。所謂基礎トレーニングを限界までやり続けてきたくらいだな。足腰鍛えるために走り続けたり、筋トレをしたりと地道に。とにかく何か始める事になったら身体が動くようにと。当初は限界を超えてたせいか失神を繰り返してたが。」

 

 

いやほんと、何を考えて無茶をし続けていたのか。当時の比企谷少年は「いや、こんなんじゃ坂柳はまだ笑う!」って考えてたようだけど、あいつの中で有栖はどんな悪魔だよ。思ってたの俺なんだけども。

 

 

「ホワイトルームでもここまで動ける奴はそうはいなかった。こっちも攻撃のし甲斐がある。攻撃が当たらなさ過ぎて少しイラっともしたが。」

 

 

「今やってるの訓練だよね?リンチじゃないよね?」

 

 

「…現時点で仮想敵として厄介とだけは伝えておく。」

 

 

仮想敵と書いて後で殺すリストって読むのかな?まあ、こんな感じで稽古をつけてもらう日々が追加された。

 

 

 

 

 

 

 

「八幡、上半身裸でどうし………それ、何があったの?」

 

 

腹パンされたところがじわじわ痛いので気になって見てみたら、拳型に痣になっていた。どんな威力で殴ったんだと綾小路にドン引きしつつ、湿布を貼るかーと思って上半身裸で湿布を探してたら真澄が部屋に入ってきたのに気づかなかった。話しかけられて振り向いた時に殴られた後をガッツリ見られた。物凄い心配そうな顔で。

 

 

「…あーいや…少しばかり必要性を感じたから、新しくトレーニングを始めてな。」

 

 

「…誰にやられたの?よく見ると腕にも痣があるし…。」

 

 

あれ?ちゃんと聞いてもらえてる?会話が微妙に成り立ってない気がするんだけど。

 

 

「い、いやそういうのじゃないから。綾小路とトレーニングした時のやつだから。」

 

 

「………綾小路、ね。」

 

 

あ、あれ…?今までに見た事無いくらい怒っていらっしゃる…?そう思ってるとゆっくりと立ち上がり部屋の外へ出ようとした。明らかに拙いと思い慌てて抱き締めるように真澄を止めた。

 

 

「ちょ、ちょっと待とう。勘違いしてるから。綾小路がちょっとイラっとして腹を殴ってきただけだから。」

 

 

俺も焦っているからか大分言葉足らずだった。言った後に気づく。やっべえ。明確にさっきより怒ってる。

 

 

「………止めないで。」

 

 

「いやいやいや、綾小路にお礼参りは拙いって。」

 

 

「関係ない。なんでそんな理由で八幡が殴られなきゃいけないの?」

 

 

それは殴られた時に俺も思ったけどそれどころではない。とにかく目の前で泣きそうな表情の真澄を部屋に連れ戻した。一緒にベッドに座ってとにかくあやすことにした。

 

 

「ほら、よしよし。俺は大丈夫だから。」

 

 

「…ぐすっ。どうして八幡が暴力を振るわれなきゃいけないの?八幡が悪い事するはずないのに…。」

 

 

そうでもないよ、所属クラス的に。とにかく真澄が落ち着くまで抱き締めながら頭を撫でてやった。半裸で。

 

 

 

 

 

「………というわけだ。」

 

 

「………殺して。」

 

 

「出来ん相談だな。」

 

 

真澄を落ち着かせてから上着を着て、事情をちゃんと説明する。真澄は今、耳まで真っ赤にしながら俺のベッドで顔を手で覆ってゴロゴロしてる。

 

 

「いやまぁ、心配してくれる人が居るのは嬉しいし真澄がそこまで心配してくれたのはスッゲェ嬉しいから良いんだけどさ。珍しくキレ散らかしてたな。」

 

 

「…これは誰だってやり過ぎだと思う。」

 

 

俺の上着をめくりながら痣になってる部分を見ながら言ってきた。寒いんだが。

 

 

「…まぁ、自分が出来る奴という証として俺は受け取った。それでよしとしてくれ。」

 

 

「…納得は出来てないけど、分かった。」

 

 

「…まあ、しばらくは生傷が絶えなくなるかもしれないが。」

 

 

「…納得出来ないし分からない。」

 

 

横向いて拗ねてしまった。どうにも俺の彼女たちは、俺が荒事に関わろうとするのを嫌っている節がある。しかし、昨日の坂柳理事長の体つきはパッと見でも凄かったし、そんな人と殴り合いになるかもしれないのだ。あの人、やはり貴様に娘はやらんムーブをやってくるかもしれんし。

 

 

「…2年になった時に武力が必要になるだろうから、納得してくれると嬉しいんだけどな。」

 

 

「…八幡がそんな事しなくても良いと思うんだけど。」

 

 

「龍園と同じクラスのままならそれでいいだろうけどなぁ…。」

 

 

そういう手段を取る味方が敵になる、死ぬほど厄介だと思います。1年近くの付き合いで、手の内がある程度分かるようになっていても全部に対応しきれるわけでもねえし。そんな事を考えてると、真澄が期待の目で見て来た。

 

 

「Aクラスに移籍してくれるの?いつ?」

 

 

凄いグイグイ来るのに気圧されつつ答えた。

 

 

「………多分、3月か2年が始まるくらいになると思う。だから、今のうちに身に着けておくべきかなって…。」

 

 

「そう…。じゃあ、しょうがないわね…。」

 

 

実を言うと必要なポイント自体はほぼ貯まっている。そのために1年間ずっとポイントの亡者を続けてきたから。おそらく学期末に行われるであろう特別試験の退学対策と、龍園への義理で今のクラスに留まってる。

 

 

「…誰かに言ったりはしないでくれよ?」

 

 

「…うん。……ごめん、嬉し過ぎて顔に出そう…。」

 

 

「…頼むぞ。」

 

 

というか真澄にしては珍しく大分にやけてる。本当に頼むよ?

 

 

 

 

後日、真澄と一緒に居た時に綾小路にばったり会ったが、物凄い剣幕で綾小路を睨んでいた真澄を止める事になった。それはそれ、これはこれだったようだ。とりあえず宥めた。




私の書く真澄ちゃんはどうしてこうなったんでしょうね。
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