クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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何か長くなってきたので分けました。


1年D組クソボケ谷君7

8月1日になり、説明されていた通りに1年全員がバカンスに行くために豪華客船に搭乗した。有栖は本来欠席になるはずだったが、どうにか許可を貰ったそうだ。やる事が終わって余裕があれば、後で会いに行くとしよう。

 

 

綾小路の動きが茶柱先生にマークされてるかもしれないので、俺1人で賭けを済ませる事は予め決めていた。その様子を見られないのは残念だと綾小路は言っていたがこればかりはしょうがない。「互いに大人になってから、暇を作って行こうぜ」と伝えたらどこか嬉しそうだったが。

 

 

俺だとわからないようにある程度の変装をしてからカジノに向かい、到着してルーレットの台を見つけて「よしやるか」と思ったら誰かに肩を掴まれた。俺たちの学年屈指の自由人、高円寺六助だった。

 

 

「フッフッフ。どうやら君もポイントを増やしに来たようだねぇ、比企谷ボーイ。」

 

 

「………それ、誰ですか?人違いじゃないでしょうか?」

 

 

「他の者ならいざ知らず、私の目は誤魔化せると思わない方がいい。それにしても、普段の比企谷ボーイらしからぬ行動だねぇ。君は地道に積み上げるタイプのはずだが、まさか一発逆転でも狙いに来たのかな?」

 

 

表情にも態度にも出していなかったはずだが、高円寺には通用していなかったらしい。パーフェクトヒューマンを自称するだけあるわ。ただ、一つだけ違うので訂正してやるとしよう。

 

 

「一発逆転か、違うな。」

 

 

「ほう?どう違うのかね?」

 

 

「俺が勝つに決まってるんだ、一発逆転も何も無いぞ。…なんなら俺に賭けてみるか?」

 

 

「…フハハハハ!面白いじゃないか、そこまで言うならやってみたまえ!」

 

 

冗談交じりに言ったらなんか100万ポイント渡された。こいつもこいつで結構貯めてるようだ。賭けなきゃいけない金額は増えたが、それでもやる事は変わらないのでとっととルーレットへ向かった。

 

 

台の前に座りディーラーさんに賭けられる額の確認を取ったが、苦笑いされながらも教えてくれた。事前の情報通り青天井だった。こっちとしてもとっとと終わらせたいので、他のプレイヤーが賭けている中21に全額投入した。皆が驚いていたが、高円寺は涼しい顔のままだった。流石である。

 

 

俺にとってこれが禁じ手の理由は、賭け事ばかりに頼り切りになると自身の成長が見込めなくなるからである。愛想を尽かされるのを避けたいとも言う。結局の所、自身の基準は有栖の眼鏡に適うかどうかなのだろう。好かれてる自覚はあるが、嫌われる可能性は0ではないだろうし。

 

 

ルーレットが止まるのを、全員が固唾を飲んで見守っていた。どうせ負けは無いだろうと勝手に決めつけていたが、その通りの結果ではあったので少しばかりほっとした。払い戻しが終わったのを確認してから席を立ち、その場を高円寺と一緒に離れた。早めに来たおかげでこいつ以外に見られていないのは幸いだった。

 

 

「………まあ、こんなもんよ。ほれ、お前の分のポイント送るから学生証出せ。」

 

 

「ストレート・アップを決めるとは恐れ入ったよ。私が背筋が凍ったような感覚を覚えるとはねぇ。」

 

 

「これが一番手っ取り早いからな、遊んでる時間も大してなさそうだし。この後すぐに「特別試験を開始する!」って言われる可能性もあるからな。」

 

 

船の上でも試験はやれるだろうからな。乗船して1時間でアナウンスがかかる事も考慮してたくらいには。この予想は外れていたようでよかったわ。他の奴らがここに来るようになる前に決着をつけたかったから。

 

 

「お前さんなら言わんでも心得てくれていると思うが、誰にもバラさんでくれよ?誰彼構わず突っかかられたりタカられたりするのは御免だからな。」

 

 

「フッフッフ、分かっているとも。私もおいしい思いをさせてもらったからね、それくらいは聞き入れてあげよう。」

 

 

「よし、そんじゃあ俺はしばらくのんびりしたいからこれで。」

 

 

 

 

 

高円寺と別れた後、綾小路に個室のある店に居るから来てくれとメールを送り、カフェオレを注文してから綾小路が来るのを待った。カフェオレにさらに砂糖を入れてから飲み、一仕事終えてトーンダウンしている気力を回復させていると扉が開いた。

 

 

「比企谷、結果はどうだったんだ?」

 

 

「おう、普通なら卒業まで問題ないんじゃねえか?」

 

 

端末を見せながら綾小路に言った。流石のこいつも驚愕している様子だった。

 

 

「………信じていなかったわけじゃないが、凄まじいなお前。」

 

 

「多分この学校じゃ評価されない項目だけど、役立つ機会はあるもんだなって。」

 

 

多分、1年生のこの時期に3億6000万ポイントをこの時点で稼げる奴は他には居ないだろう。やれる奴が他にいるとしたら豪華客船側から高育生徒が乗船拒否されそうだし。

 

 

あらかじめ話してた通り、綾小路に学生証を出させポイントを送る。目減りしても2億6000万残っている。誰かに見られないように、より管理に気を付ける必要が出てきたな。それはそれとして、もう一つの要件を伝えておく。

 

 

「そういやお前に、もう1個伝えなきゃいけない事があったわ。俺、夏休み明けにAクラスに移籍するから。」

 

 

「…お前、俺を置いていくのか?」

 

 

メンヘラ彼女みたいな事言って来た。なんならちょっと捨てられそうな子犬みたいな目もしてるな。

 

 

「元々移籍は考えてたけどな、予定を随分繰り上げて行く事になったわけだが。んで、お前も一緒に移籍しないか?」

 

 

「…俺もか?」

 

 

「茶柱先生が本当に退学措置が取れる場合でも、DクラスよりAクラスに居る方が他クラスになる分だけ派手に動かなきゃいけなくなりそうだしな。場合によっては真嶋先生が盾になってくれそうなのもある。有栖曰く、生徒思いの良い先生らしいから義憤に駆られて動いてくれるかもしれないし。後は…」

 

 

「…?」

 

 

「ポイントをタカってきそうな奴がAには居なさそうだからな。ポイントが潤沢な今なら、色々と解禁してある程度は贅沢が出来るだろ。別のクラスにまで乗り込んでポイントをタカリに来るとか、クラスポイントに甚大なダメージを与えられそうだから出来るわけないだろうし。」

 

 

「………なるほど。そういうメリットも存在するか。」

 

 

Dクラスは山菜定食とお友達だったからなぁ。俺はポイントが使えない都合上、ちょくちょく奢られてる体で山菜定食以外を食べていたが。日本人である以上良い物を食べたい欲求からは逃れられないのだ。

 

 

まだ悩んでる状態の綾小路に冗談交じりにある事も伝えた。

 

 

「一緒にAクラスに来るなら、俺を敵に回さんでも済むぞ。…なんてな。」

 

 

「………確かに、それも重要な事だったな。お前ほどの化け物は今まで見たことがないしな。」

 

 

冗談を思いっきり真に受けられた上に化け物呼ばわりされた。俺以上の化け物なんて毎日見てるだろうが。

 

 

どっちのほうがより化け物かという不毛な言い争いの後、綾小路の中で結論も出たようで2学期から一緒にAクラスに移籍する事になった。こいつもこいつで貧乏生活に飽き飽きしていたようで、毎日食べるもののグレードを上げたかったと言っていた。それはそれとして俺もほっとしている。綾小路が敵に回るとか考えたくもねえし。能力的にも友達としても。




多分Dクラスルートの一番の被害者はDクラスの生徒(綾小路、高円寺、桔梗ちゃん除く)だと思います。
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