クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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自分が書きたいように書いてるだけなので初投稿です。


天才少女との邂逅

彼と一緒に行動をしたのは気紛れだった。その時の思い出が、いつだって私の心を暖かくしてくれるのだ。

 

 

 

 

 

小学生の頃ほとんどの期間で当然ぼっちだった俺だが、わずかな期間…2週間ほどだが一緒に行動を共にした奴が居る。

 

 

そいつはまあ、控えめに言ってろくでもない部分を持ち合わせていたが、それ以上に自分の才覚を信じ、それに見合った以上の知性を備えていた。

 

 

きっかけは、奴が普段使っている杖がおかしくなりまともな移動が出来ない状態だったのを偶然見かけたからだった。

 

 

「…あ、あのー…」

 

 

「…はい?」

 

 

「だ、大丈夫でしゅか…?」

 

 

奴は超が付くほどの美少女と言える容姿だったのと、ただでさえ人とまともに会話できないぼっちだったため物凄く緊張していた。だから噛んだのは仕方がなかったってやつだ。

 

 

「…ふふっ。ああ、すみません。私はちょっとした病気を患っているもので。杖が壊れてしまい困っていたのです。」

 

 

「…助けを呼んだ方がいい?」

 

 

「いえいえ、あなたに手を持って頂き運んでいただければ…お願いしますね。」

 

 

まあ別に吝かではなかったが、この出来事から二週間ほど奴の足となって動くことが決まったと言える。

 

 

 

 

 

どうやら奴こと坂柳有栖は類稀なる見た目と知性が原因で虐めにまで発展しており、今回杖が壊れたのもその一端だったようだ。

 

 

「それで、大丈夫なのか?」

 

 

「ええ、順調に証拠は集まっていますので。」

 

 

「ええ、怖っ…。」

 

 

「それと、聞いた以上は協力してくださいね?」

 

 

…思えば当時から奴は人を使うのが上手かった。特殊な話術だとか言うのを駆使していると教えてもらったが、当時の俺はそんなに賢いわけもなかったので「ほーん」くらいで済ませていたが。

 

 

「比企谷くん、次はあちらへ回収に行きますよ?」

 

 

「行きますよって…坂柳、少しばかり休みたいんだけど。」

 

 

「後一か所です。頑張ってくださいね。」

 

 

この時の経験から体力つけようって思ったんだよなぁ…。坂柳をおんぶしながら移動し続けたのは、奴が軽かったとしても結構な重労働だったと思う。後、ものの見事に照れてたのは奴にバレバレだった。

 

 

 

 

 

「私にはある目標があるのです。」

 

 

「ほーん。」

 

 

「ちゃんと聞いてますか?比企谷くん、あなたは意外とふてぶてしいですね…。」

 

 

「まあうん、それで目標って?」

 

 

「ある人にいつか出会い、いつか打ち勝つことです。」

 

 

この時のコイツの目が、どこまでも真っ直ぐで綺麗だったことを今でもよく覚えている。明らかにろくでもない事に付き合っていたが、奴の自分の才覚を信じて突き進む姿は当時の俺にとって眩しく、とてもカッコいいなと感じていた。

 

 

「…そうか、勝てるといいな。頑張れよ。」

 

 

「…比企谷くん、どうして私の頭を撫で…いやいいです、そのまま撫で続けてください。」

 

 

 

 

奴との思い出の一つ…というか俺が勝手に絆みたいに思いながら続けてきたことで、チェスを教えてもらったのだが

 

 

「…なあ、坂柳………。」

 

 

「ふふふふっ。なんでしょう?」

 

 

「お前強すぎ…しかもここまでするか?」

 

 

奴の性格を見事なまでに盤面に反映された結果、キング一人でポツンと寂しい自軍に何度もさせられた苦い記憶が今でも鮮明に残っている。アイツやっぱドSだよ。

 

 

「まあでも、比企谷くんにセンスがないわけではありませんよ。」

 

 

「センス以前に戦いになってないんだが。」

 

 

「ふふっ。まあ私は天才ですので。」

 

 

その時の奴の表情はとても楽しそうだった。自惚れだと思うが俺がそれを引き出してやったぜと当時の俺はアホみたいに考えていた。まあ間違いなく自惚れだな、うん。

 

 

 

 

正直言って、彼とどうして行動を共にしようと思ったのかは分かっていない。けれども、そう。この時の事は私にとってとても暖かな経験だった。やってる事は虐め記録回収がメインで健全だったとは言えないけれど。

 

 

「…比企谷くん、今日までありがとうございました。」

 

 

「…おう。」

 

 

「これを行ってから私は転校することになるでしょう…。それにしても比企谷くん、あなたはどうして私に協力し続けたんですか?」

 

 

そう、基本的に彼は善性の人間である。人と上手く関われず、それでも人と関わりたいだけのただの少年だ。手伝って貰えたのは有り難いけれど、どうして最後までこんなことに付き合ってくれたのか、どうしてもわからなかった。

 

 

「…笑うなよ?」

 

 

「…?ええ、はい。」

 

 

「坂柳、お前がどこまでも、カッコいい奴だったから」

 

 

「…えっ?」

 

 

「そりゃやってることはアレだったけど、どこまでも真っ直ぐな目で進んでたから…それがカッコよかったから、気づいたら最後まで付き合ってた。」

 

 

…比企谷くんがとんでもないタラシだなと、ひしひしと感じた瞬間でもあった。彼は彼なりに私に向き合い、差別もなく真摯に向き合ってくれてたのだなと。そう感じた時に心が暖かく感じた。多分この時、私の顔は赤くなっていたと思う。

 

 

「…ふふふふっ。女の子にカッコいいだなんて…ふふっ。」

 

 

「…笑うなって、ちょっと変だとは思ってるんだから。」

 

 

「ええ、すみません。でも褒められて悪い気はしませんでしたよ。ありがとうございます。」

 

 

「…おう。」

 

 

 

 

 

奴が転校する前に、少しの時間話をした時に、

 

 

「また、チェスを一緒にやりたいから今度はもう少しまともに戦えるようになってくださいね?」

 

 

と言われ、それに応えられるように腕を磨くと約束して別れた。クラス崩壊どころか学校崩壊しかけたレベルの事件起こして颯爽と去る姿もカッコよかったが…いや普通に感覚麻痺してたな、明らかに。

 

 

 

 

いつか会うかもしれないし会わずに終わるかもしれないと思いつつ、賭けに勝てる程度にはチェスも強くなれていた。それにしてもチェスをするたびに、自分でもらしくないくらいに懐かしさをいつも感じるものだ。そう考えながら月初めに賭けチェスへ向かっている途中に、

 

 

「……あらっ。」

 

 

「…ん?………うん?」

 

 

「お久しぶりですね、比企谷くん。」

 

 

成長した坂柳は、記憶の中の彼女より美しく、優しい笑顔だった。

 

 

「お、おう。久しぶり…。」

 

 

「…それにしても比企谷くん、貴方、色んな女性と関わってきたのですね。…ですが。貴方は私のものですよ?」

 

 

衆人環視の中そんなことを言われた俺は、女王の下僕として見られるようになった。俺別クラスだよ?




イチゴ味感覚で書いてるので違和感を感じた方、正しいです。
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