クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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適当にゲームもしながら、のんびり書いてる状態です。


1年D組クソボケ谷君21

じゃんけん大会の翌日、男女に分かれて体力測定を行っている。綾小路にどれくらいの力でやるかと聞かれたので、誰が見てるかも分からんし7割くらいでいいだろと伝えた。余程無いとは思うが、誰がどこで何を見てるか分かったもんじゃないので。

 

 

「…綾小路は70キロ、比企谷は60キロか。推薦種目の綱引きも問題なさそうだな。」

 

 

「ああ。姫さんが名指しで全種目参加をさせると言った時はどうなんだと思ったが、問題なさそうだな。」

 

 

そんな感じで評価を改めている面々とは別に、俺は綾小路が握力100キロを超えられる事実にビビっている。「え、こいつ狡猾でパワータイプな悪魔だったの?」と思うくらいには。あんまり怒らせないようにしよう、喧嘩になったら確実にボコられる。

 

 

その他の記録に関しては平均より少し上程度に収まっている。俺も似たり寄ったりの記録だがほぼ負けている。負けていないのはシャトルランと五十メートル走くらいのものである。シャトルランに関しては100回あたりで時間勿体ねえから途中で中断したという補足も付くが。

 

 

「…たまにお前を悪魔だって思う時があるけど、本当に悪魔じみた実力してるな。何をやったらこんな実力が付くんだ?」

 

 

「さあな、悪魔に魂を売ればいけるんじゃないか?尤も、鬼神であるお前に必要は無いと思うが。」

 

 

割と冗談に聞こえない軽口が返ってきた。鬼神と呼ばれるのは実力を認められているようでちょっと嬉しいが。それはそれとして、体力測定が終わった後のAクラスの面々は疲れてる奴がそこそこ居る。多分全力で運動する事が少ないのだろう。

 

 

「どっちもどっちだよ…。2人とも、なんでそんなに涼しい顔してるんだ…。」

 

 

「これでも一応運動はしているぞ。筋トレとか、ジョギングとか。」

 

 

ただし、堀北先輩が終了時に息を切らす程度のジョギングだが。「妹さんとは今後敵対します」と夏休み中にメールは送ったのだが、いい刺激になるからと一緒にジョギングは続けている。日中に疲れを持ち越さないようにスピードは落としているが、毎回最後まできっちり走り切ってるあたり流石である。でも妹と一緒に走ってやれよとも思う。

 

 

女子はまだ分からんが、男子は動ける奴がちらほら居る。しかし全体で見ると恐らく下から数えた方が早いだろう。そういう振り分けでもしてんのかな、この学校。

 

 

「…体育祭がどれくらいのポイント変動か知らんが、来年以降に備えて運動もしたほうがいいぞ。『元Dクラスの奴の意見なんて知るか』と言うのならそれはそれで構わんけど。俺らはAクラスへの拘りはそこまで無いし。」

 

 

「…えっ、じゃあなんで移籍したんだよ?」

 

 

「DクラスよりAクラスの方が居心地がよさそうだから。友達と呼べる奴にも付いてきてもらったし。」

 

 

真の理由ではないが、本当の理由ではある。仮に「脅されました」と馬鹿正直に答えた結果、大きな問題になって茶柱先生に暴走されても困るし。ついでに体力テストの結果で侮りの視線は減ったので、より過ごしやすくなりそうだ。

 

 

 

 

 

練習に入り、まずは協力して行う競技…というか二人三脚の組み合わせを決める事になった。大体仲のいい奴や足の速さが近い奴と組むよなーと思いながら見ていたが、2人ほど誘ってくれた。綾小路と鬼頭である。どちらと組むかって話になったが、とりあえずどっちとも試して決める事にした。まずは鬼頭と一緒にやってみた。

 

 

「最初の一歩は真ん中からで、後はお前に合わせる。好きに走ってみてくれ。」

 

 

「…ああ、分かった。」

 

 

そう伝えたら思った以上に遠慮なく走りよった。危なげは無かったし思い切りの良さは買うけど、もう少し躊躇してもいいのよ?終わった後満足気だったから言えなかったけど。

 

 

「…とりあえず1位は取れそうだな。ゴリラがゴリラしてもまあなんとかなるだろう。」

 

 

「…?どういう事だ?」

 

 

「二人三脚っつってんのに相方を無理やり持ち上げて実質1人で走るって事だな。Dで言えば須藤、Cで言えば山田あたりが該当するんじゃねえかな。結局の所走るにはバランス悪いから、俺らが勝つだろうけど。」

 

 

「…確かにあいつらならやりかねない。…いや、どちらかといえば須藤がやる事だろう。」

 

 

俺もそう思う。山田はゴリラではなく兵士って感じの方がしっくりくるし。紐をほどいて「次は俺の番!」って感じの綾小路の元へ向かう。鬼頭と同じように好きに走るように言ったら、こいつもまた遠慮が無かった。ほとんど俺らの50メートル走の時と同じスピードである。有栖とのチェスを見るに、こいつが頭が悪い訳無いと考えると、一体何なら出来ないのか逆に気になるわ。

 

 

「……逃げ足だけが取り柄なんだけどなあ。お前に勝てる物がなさそうで、自信喪失しそうだぞ。」

 

 

「いや他にも取り柄くらいあるだろ、お前。誰にも持ちえない武器を持っている奴が言っちゃいけない台詞だぞ。…それにしてもやり易かったな。文字通り、お互いに足を引っ張る事がなかった。」

 

 

「ああ、間違いなく断トツでトップを走れるだろう。…まあ、今回は鬼頭と組むけど。」

 

 

「何故!?」と綾小路が言ってきた。まあ鬼頭と一緒に走った時よりも明らかに速かったから、疑問に思うのも分かる。

 

 

「…大会記録更新でクラスポイントが増えるなら組むのも有りだが、そういう訳でもないだろう。俺もお前も人に合わせられる以上、分散させたほうが全体で1位を取れるレースが増えるし。…目立つかもしれんが、俺と組むより俺以外と組んだ方が目立たないし、綾小路が凄いという認識になりやすいだろう、多分。」

 

 

「………一理あるか。組むなら騎馬とかでいいか。」

 

 

「…まあ、足の1人にはなってやるよ。」

 

 

騎馬の方でOK出したら納得した様子だった。しかしまあ妙に俺に拘るなあ。

 

 

「拘ってる気がするから聞くが、俺以外と組んでもお前なら一定以上の成績が出せるだろうが、何かあったのか?」

 

 

「…友達と協力するというのも学校生活らしいと思ってな。今まで同じクラスに居たが、一緒に特別試験とかをやってこなかったのもあるが。」

 

 

「裁判は動けず、無人島試験は釣りしかしてない。そんで船上試験は別グループで俺が速攻で終わらせたから確かにそうか。」

 

 

なんとなくだが納得できた。綾小路は他の奴に頼みに行くようなので、1人で待っててもらった鬼頭の所へ合流した。

 

 

「悪い、待たせた。それじゃあ練習するか…って言ってもほぼ練習せんでも勝てそうな感じはするが。」

 

 

「ああ。念のため2回か3回試して問題無いなら、別の練習をすればいいだろう。…だが練習前に、比企谷に聞いておきたい。…よく親しげに話をしていると聞くが、お前は龍園と仲が良いのか?」

 

 

「え、龍園と?特別仲良くしてる気はないけど、何かあるのか?」

 

 

「…いや、俺の好悪の問題だ。坂柳はお前を勤勉な男と言っていたが、龍園との付き合いがあるかもしれない以上信用しきれない、そう考えた。」

 

 

自分の今までの行動を思い返すと、ひよりに会いにCクラスへ通い続けてるし船上試験で龍園と一緒に座ってお勉強タイムしてた。大分疑わしいな俺。

 

 

「んー…俺は龍園の事を別に嫌いじゃねえが、嫌いなのか?」

 

 

「ああ、嫌いだ。顔を見たら殴りたくなる程には。そもそも好いてる奴のほうが少ないだろう。比企谷が何故そうでないのが不思議だ。」

 

 

「確かにそりゃあそうか。…何が何でも自分が勝つっていう執念を気に入ってるのかもしれん。どうにも昔から闘争心が薄くてな、あそこまで熱くなれるのが嫌いになれないんだろう。」

 

 

「…。」

 

 

難しい顔をしているが、なんとか自分の中で俺の話を噛み砕いているように見える。ちょっと恥ずかしいが、納得してもらえそうだし伝えるか。

 

 

「坂柳有栖と龍園翔なら迷わず坂柳有栖の手を取る。色々な理由はあるけど、個人的な理由で言えば有栖が居るからこのクラスに移籍した。一旦それで納得して欲しい。」

 

 

「確かに比企谷が坂柳たちを裏切る真似をする筈が無いか…。疑って悪かった。」

 

 

「いや、むしろちょっと感動を覚えたぞ。Dクラスに居た時はほとんどの奴がそういう考えに至ってくれなかったし…。」

 

 

「………そうか。」

 

 

同情の目をむけられながらも練習を再開した。やはり鬼頭は遠慮無しに走ったがよろける事も転ぶ事もなかったので、体育祭一週間前までは他の練習をしようという話に落ち着いた。ついでに騎馬戦のメンバーにどう?って聞いたら即OKが出た。結構ゴツいチームになりそうだと思いつつ、今日は走り続けて練習を終えた。




鬼頭君も別にそこまで疑っては無いけど、「なんであんな奴と一緒に居られるのか」という疑問はあったので質問したようです。多少は理解しましたが、納得はあまりしていないようです。
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