クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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掘り下げるためとはいえシリアスになるのは予定外だったので初投稿です。


一之瀬の相談

部屋に遊びに来た一之瀬から、とある相談を受けた。

 

 

「生徒会に入ろうとしたけどダメだった?」

 

 

「うん…。『まだ早い』って生徒会長に言われて…。」

 

 

『まだ早い』…そのままの意味に取れるが、能力面での判断としては一之瀬に問題がさほど有るとは思えない。

 

 

「能力が足りないとかそういう事は言われたのか?」

 

 

「ううん。特にそういった事は言われなかったよ。葛城君も入ろうとしてたけどダメだったみたいで…」

 

 

葛城………いや全然顔も浮かばないし知らん奴だが。一之瀬の交友関係はまだよくわかっていないが生徒会入りを目指そうとするくらいなんだから優秀なのだろう。

 

 

「…一之瀬と、その葛何某が揃って落選は不思議ではあるな。どちらかが採用されてもおかしくなさそうだが。」

 

 

「うん、落ちたのは仕方ないにしても、『まだ早い』じゃどこを直せばいいのかもわからないし…。」

 

 

色々推測を立てる事は出来るが、実際の所正しいかどうかは分かるはずもない。となると、俺が取るべき手段は一つだろう。

 

 

 

 

 

「すみません、お忙しい中お呼びして。」

 

 

「構わん。今日やるべき事は全て終わらせている。」

 

 

という事で採用担当者である堀北先輩に部屋にお越しいただいた。綺麗な姿勢の正座で風格を感じるまである。そして一之瀬がビックリしている表情は見応えがある。

 

 

「ひ、比企谷くん?堀北先輩と、知り合いなの?」

 

 

「知り合いというかなんというか…。」

 

 

「朝一のジョギングを一緒に行う程度の付き合いだ。」

 

 

…初めて遭遇した日の後ろから物凄いスピードで迫って、最後まで表情一つ変えずに併走してきた時はマジで怖かった。「鍛錬を怠らない有望な一年生に声掛けするためだ」と言っていたが、走り終えるまで何も言わずにずっと横に居たのは恐怖でしかない。「何かやらかしたか!?」ってずっと考えながら走ってたぞ俺は。

 

 

「一之瀬から聞きました。生徒会の面接にて『まだ早い』と仰ったそうですね?」

 

 

「…ああ、確かに言った。」

 

 

「言っちゃなんですが、一之瀬は優秀ですしカリスマも申し分ない。能力不足を疑えなかったのですが。」

 

 

…頬に手を当て、頬を染めてこちらをチラチラ見る一之瀬の姿に気を取られかけながら本当の理由を尋ねる。一々可愛らしいが、今は気が散りそうだから勘弁してほしい。

 

 

「…一之瀬達には問題は無い。」

 

 

「一之瀬達には…というと葛…なんとかもですか?」

 

 

「葛城だ。葛城にも問題はないだろう。」

 

 

…結構ヒントくれるな、この人。だがどこでこの人の不評を買うかわからんので尋ねるのはここまでにしておこう。顔面神経痛かってくらい表情に揺らぎがなさすぎてわからんし。ああでも最後に一つだけ尋ねてみるか。

 

 

「…堀北先輩、もう一つだけ聞いていいですか?」

 

 

「何だ。」

 

 

「原因は、二年生の生徒会役員ですか?」

 

 

「…!そうだ。生徒会副会長の南雲雅が原因だ。」

 

 

 

 

 

堀北先輩に礼を言って話を終わらせた後に何気なく生徒会に誘われたが丁重にお断りした。今ぐらいの余裕を持って動けてるくらいが一番性に合ってる。「なんで?一緒に入ろうよー」と言ってるかのような一之瀬の視線にぐらつきそうにはなったが。

 

 

「…とりあえず、その南雲先輩について明日調べてみるわ。」

 

 

「あ、うん。私も一緒に…」

 

 

「いや、今回は目立つからいい。何か分かっても分からなくても報告はするから。」

 

 

「うん、わかった…。」

 

 

寂しそうな表情を浮かべる一之瀬だが、この子まさか狙ってやってないよな…?………なんとなく、堀北先輩の口から真相を聞くのがはばかられたが、まさかそんな理由あるわけないよな?

 

 

 

 

 

そんな理由だったわ。とんでもないスケベ野郎じゃねえか副会長。

 

 

 

 

 

二年の先輩だとバレかねないから三年の先輩の何人かに、少し変装をしてからこっそり噂を聞いてみたが、どうやら結構な数の女子をマッチポンプで手中に収めているようで…。真偽は問いきれないが恐らくそうなのだろう。遠目ながらに見た顔は自信満々のオレ様みたいな感じだったし。

 

 

「で、南雲先輩ってやっぱスケベなことしまくってるんですか?」

 

 

「君も歯に衣着せないね。まあ、事実だよ。」

 

 

探ってるときに話しかけられ「バレちまったか!?」と焦ったが、どうやらバラさずに居てくれるようなので、ついでに話しかけてきた朝比奈先輩に確認を取った所、南雲先輩はやはりとんでもスケベ野郎だったようだ。

 

 

「知らん人相手ならほっとくんだけどなぁ…。っていうかええっ…俺これ伝えなきゃなんないの…?」

 

 

「事情は少しわかった気がするけど、君も大変だね。やっぱり帆波についてかな?」

 

 

「…まあはい。」

 

 

「…ま、頑張ってね?」

 

 

…一之瀬を手籠めにしようとしてるってどんなエロ同人なんだよ。何かもう疲れたわ、全部明日の自分に任せよう。

 

 

 

 

 

 

 

「ということで、生徒会に入ると貞操を失うかもしれんぞ。」

 

 

「えっ!?どういうこと!?」

 

 

ヤケクソ気味にぶちまけてやったぜ。とりあえず昨日調べた事を伝えた。朝比奈先輩とも知り合いだったらしく説明に説得力を持たせやすくて助かった。普通はどう考えてもイケメンに嫉妬して貶す非モテだもんなぁ…。しばらくして顔の熱がまだ引かない一之瀬がぽつりと、

 

 

「変われるチャンスだと、思ったんだけどなぁ…。」

 

 

「…?」

 

 

「あの日、比企谷くんに助けてもらってから………あの時から自分は止まってる気がしててさ。どこかで変わろうとしてる私が居るの。」

 

 

やはり、まだ一之瀬にとってあの日の事は終わっていなかったらしい。一度言われて直後に止めるように言ったが、いきなりポイントを渡そうとしてきたあたり引き摺り続けていることがうかがえた。でも周りからのヒモクズ呼ばわりは辛かったのよ?やめてね?

 

 

「中々変わろうと思っても、変われないね…。」

 

 

「…そうでもない。」

 

 

「…えっ?」

 

 

「…あの時と違って、今の方が頼りになる奴が多いはずだ。そしてあの時ほど追い詰められてもいないんだから。」

 

 

「………」

 

 

「…今回、俺に相談出来た時点で前よりは進めているだろうし。」

 

 

一之瀬は真面目でお利口さんだからあそこまで追い詰められた。それが彼女の良い所だとは思うが、プラスにだけ働いてくれないから人生とは厄介なものだ。だが、一之瀬はもう自分を許しても良いと思う。だからまあ、柄じゃないし何言ってんだ俺とは思うがしょうがない。

 

 

「…許す。」

 

 

「……?」

 

 

「一之瀬が自分を許せないなら、俺が許す。お前の感情は無視する。」

 

 

「………。」

 

 

そう言いながら一之瀬を抱き寄せて頭を撫でながらあやす。それくらいやらなきゃいけないのがつらい所だな、覚悟はいいか、俺は出来ていない。

 

 

「~~~っ!うううっ…」

 

 

とりあえず俺は全自動頭撫でマシーンに専念することにした。

 

 

 

 

 

「また、お見苦しい所をお見せしまして…。」

 

 

「い、いや大丈夫でしゅ。」

 

 

「…うふふっ。」

 

 

スッゲェ生暖かい目で見てくるじゃねえか…。

 

 

「…うん!ありがとう、少しスッキリした!」

 

 

「…そうかよ。」

 

 

「…八幡くん、私と出会ってくれてありがとう。あなたと出会えて、本当によかった。」

 

 

どこか晴れやかな一之瀬の、花咲くような笑顔は綺麗だった。

 

 

 

 

「ところで、生徒会はどうすんだ?」

 

 

「うーん…今はいいかな。」

 

 

「…そうか。」

 

 

「…八幡くんにもっと構い倒したいし、構ってもらいたいから!」

 

 

………俺の周りの子はこうやって俺の寿命を削ってくるから困る。この時から一之瀬から帆波へと、呼び方も変わるのだった。




八幡君は実際すごく強化して書いておりますが、フレーバーテキストです。
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