クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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最近になってジョジョリオンを全巻購入して読了しました。面白かったです。


1年D組クソボケ谷君29

必死こいて一緒にパフェを食った先輩が生徒会長に就任してから少しの時間が過ぎ、中間テストの結果発表をされた日に次の特別試験の説明をされた。期末テストに生徒同士でペアを組み、さらにテスト問題を生徒が作成して別の1クラスを指定して解かせるという試験である。ペアはこちらで自由に決めるのではなく、一週間後に行われる小テストの結果を基に学校側が指定するようだ。

 

 

問題の選定を除けば重要な事は3つだろう。どのクラスを攻撃するかという事と、ペアの選別の法則である。…とDクラスに居たのならこの2点についても悩む事になっていただろうが、Aクラスなら学力面で劣等生らしい劣等生などいないだろう。なので、残る問題は提出するテスト問題を誰かが買収されてリークしたり、脅されたり裏切りで問題をすり替えるために提出しなおす奴が出てくるかという事くらいか。

 

 

こういう時は我らがボスの出番だろうからご尊顔をチラっと見た。少し考えている様子を見せた後、考えが纏まったようで薄っすらと笑みを浮かべている。余裕そうな感じからして、おそらくだが既にペアの法則にあたりを付けているだろう。チェスで俺をボコっている時と同じような顔をしているし。

 

 

今回の試験は元祖Aクラスで処理すると有栖がクラスに向けて言った。処理って言ってるあたり負けは無いと確信しているのだろう、流石である。移籍組も勉強が出来ない奴は居ないし、綾小路は平均点の予想と少し上乗せする程度の点数を取るようにと指示が書いてあるメールが来たと言っていた。落とし所としてはそれくらいがちょうどいいだろうと、綾小路も納得していた。

 

 

俺の出る幕は無いので放課後になってすぐに寮に戻り、部活が休みの真澄と一緒にスーパーへ向かった。毎回学生にしては多めの購入量になったりするが、1か月も経てば慣れたものである。俺ではなく店員の対応が、だが。「ああ、いつもの子ね」という視線に俺はまだ慣れてない。

 

 

「今回の試験は流れに身を任せるだけで良いみたいだから、少しは楽が出来そうだな。」

 

 

「そうね。手前味噌になるけど、Aクラスは学力面では他のクラスに劣る事は無いわね。私は平均よりちょっと上くらいだけど。…ちょっと気になるから聞きたいんだけど、もし八幡ならどう立ち回るの?」

 

 

「あー、そうだな…大前提としてどのクラス相手でも勝てるだろうけど、実際の所攻撃出来るのはBクラスだけだな。Cクラスを選んだら龍園が圧をかけてくるだろうし。今回は無いだろうけど、そのうち外での食事に下剤を入れるくらいはやるだろう。勝負と勝ちに飢えてる男だし。」

 

 

「龍園でも流石にそこまでしない…と言い切れないわね。」

 

 

「カメラの無い所に呼び出されて、脅されたりフクロにされてテスト問題の内容を話してしまったとか、そういう事を防ぐ労力だけ考えても結構な手間だ。CクラスのAクラスに対しての勝ち筋を考えると、少なくとも今はどうあってもそういう事をするしかねえからな。証拠隠滅が出来るなら、ボスドラゴンがその手の手段を取るのに躊躇する理由が無い。」

 

 

どこまでも面倒な男である。そしてどこまでも面倒な学校である。一番恩恵を与っている俺が言うべきでもないかもしれないが。

 

 

「んで、Dクラスを選ぼうとしたらCクラスとの取り合いになりそうだな。龍園と戦うのは避けたいから、順当に勝てる以上Bクラスにするわ。あいつも今はAクラスと事を構えたくないだろうから利害も一致してるし。」

 

 

「…徹底的に逃げられる時は逃げるの、八幡らしいわね。」

 

 

「なんなら卒業まで直接対決を避けたいまである。………真澄が戦ってほしいって言うなら、戦えるように備えるぞ?」

 

 

「…ふふっ、その言葉だけで十分よ。真面目に戦っても損する相手だし、龍園に八幡との時間を取られるのは嫌だから。」

 

 

軽口叩いたら腕に抱き着かれながらそう言われた。まあ格好つけた所で今回は出番はほぼ無いのだが。レジへ行き支払いを済ませ、利用率が爆上がりした宅配サービスで寮に運んで貰うよう手配した。ちなみに、マッカンの購入数は減りつつある。皆から「飲むなとは言わないけど、飲み過ぎてもあまり健康に良くないからほどほどにしようね?」という風に優しく諭され続けてるので。一切高圧的に言う事が無いもんだから、従わにゃならんという気持ちにさせられ続けている。今日もマッカンをかごに入れようとしたら、真澄に手のかかる弟を見るような目で優しく見つめられたので棚に戻していたりする。

 

 

少し本屋に寄りたいので先に帰るか聞いたら一緒について行くと言われた。ちらっと参考書を眺めて、有栖がどういう問題構成にするのかちらっと気になった。国語で言えば、漢字の何画目を当てさせるような問題を数問忍ばせるだけでもそこそこ点数を奪えそうだが。少なくとも言える事は、あの子が作った問題を俺だったらあまり受けたくない事である。ケアレスミスを誘う問題から順当に難しい問題までふんだんに揃えたテストになるだろうし。

 

 

ぼんやり考えてたら肩をぽんぽんと叩かれたので振り向いたら真澄だった。時短テクや簡単に美味しい物が作れるみたいな料理ハウツー本から、気になったであろう漫画を持っていた。家庭的な子であるのは重々知っているが、まだスキルアップするつもりなのか…。

 

 

「八幡、まだ時間かかりそう?」

 

 

「ああいや、悪い。買う本は決めてたんだがちょっと考え事してた。…なんていうか、君も向上心の塊よね。今でも十分手際良く料理とか家事してる印象が強いんだけど。」

 

 

「以前より料理が楽しくなったから。誰かさんが私の料理を幸せそうに食べてるのを見て、遣り甲斐を覚えたというのもあるわ。まだ自分でも未熟と実感してる部分は沢山あるから、色々と覚えてる最中だけどね。」

 

 

「…良い嫁さんになれるよ、真澄は。」

 

 

「…八幡が相手なら、私はいつでもいいわよ?」

 

 

上目遣いで微笑みながら言ってきた。この子の吹っ切れっぷりは俺たちの中で一番かもしれない。森下を部屋に運んだ日は「女の匂いがする」って言われたけど説明が出来る程の余裕が無い状態だったから、どうしようかと思ってたら「上書き」と言いながら背中から抱き着いて体を擦り付けてきたし。その後歯を磨いてる間は離れてくれてたけど、寝ると伝えたら抱き枕を志願してきたのでそのまま抱き締めながら寝ている。その日以来教室でも後ろから抱き着いてくる事が結構あったので、以前よりもタガが外れてるのは確かだと思う。その代わりクラスメイトが死んでいる回数が明らかに増えたが。

 

 

ひとまず話は一旦中断して、俺も買おうと思っていた漫画と小説を手に取って一緒にレジへ並んだ。実家にもあるが久しぶりに読みたくなったバトル漫画を全巻と、ひよりと内容が気になると話をしていた変な間取りを題材にしたホラーミステリーの本である。

 

 

「一気に纏め買いするなんて珍しいわね。」

 

 

「…いや、実家にもあるし内容もそこそこ覚えてるんだけどな。山村を見てたらなんとなく思い出して無性に読みたくなってな。」

 

 

単身赴任中のサラリーマンとは違った忍者っぷりではあるが。我ながら変な思い出し方をしたものである。ちなみに誰にも言うつもりはないが、この漫画の白兎を見て今の自分もそうなりたいと目指すようになったのは一生の秘密である。

 

 

しかし俺の言葉に真澄は難しい顔をしている。変な事を言った自覚はあるが、何が引っかかったのか。

 

 

「…まだマーキング不足だったかしら?」

 

 

「いや、十分だと思うよ?それに、山村は俺より綾小路が気になってるだろうしな。」

 

 

どうやらそっち方向の考えだったようで、苦笑いで釈明したら納得はしてくれたようだ。レジでの支払いを済ませ、寮に戻った。「私にも読ませて」と言われながら。




改めて言いますと、本のチョイスは私の趣味です。新しい本に手を出すのを中々しないので、古い作品になりがちだったりもしますが。
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