クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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同時に4つくらいゲーム回してるせいか、名前に偽り有りみたいな状態になってます。


1年D組クソボケ谷君43

冬休みの初日くらいはいいか、といつもより遅めに起きた。完全に目を覚ますために顔を洗って、少し遅めの朝食を取ろうとリビングに入ったら八幡と桔梗が仲良くソファで寝ていた。ほとんど二度寝をしないので珍しいなと思いつつ、簡単に朝食を食べてから身支度を整えた。

 

 

準備を終えた後はもちろん、ソファの空いてるスペースに八幡に抱き着くべく毛布に潜り込んだ。八幡は穏やかな顔で寝ているけど、桔梗は外では見せないくらいの緩んだ顔で腕に抱き着きながら寝ている。この桔梗の寝顔を周りに見せたら、さらに人気が出る気もする。ただ、以前本人にそれを教えたら「もういいかな」と返ってきたけども。

 

 

もう片方の腕に抱き着いたけど、起きる気配が無い辺り疲れているみたいだ。気合を入れ直すと言ってたから、普段よりも張り切り過ぎたのかもしれない。八幡の体が普段よりも温かいし。こうやって一緒に寝ると、欲しかったものが手に入ったという実感がいつも湧いてくる。

 

 

今となっては振り切ったと言い切れるけど、この学校に来る前の私は両親に対してほぼ諦めていた。勉強や運動を頑張っても、絵のコンクールで入賞しても事務的な言葉しか返ってこなかった。「ああ、この人たちは私に興味が本当にないんだな」と突き付けられた気分になり、中二が終わる頃にはほとんど期待を捨てていた。

 

 

辛い時ほど楽しかった頃の思い出が蘇るという話は本当で、受験シーズンに入るまではお兄ちゃんと小町との2か月を何度も思い出していた。八幡も誑しだけど、小町も負けず劣らずの誑しだと今でも思っている。何となくそう言ってほしそうだったからと、「いらっしゃい」から「おかえりなさい」と迎えてくれるようになった。あの温かさを失ってから数日は枕を濡らしたものだ、知らなければよかったとちょっと思ったくらいには。それでもまた会いたかったから、ずっと一緒に居たかったから藁にも縋る気持ちでこの学校の謳い文句に釣られた。一刻も早く自立して、ずっとそばに居られるようにと。…意気込みに反して、あっさり再会出来てしまったけれども。

 

 

クラス分けの法則を聞いた時に、どうして八幡はDクラスなのかと疑問に思った事がある。クラスメイトと比べても劣っているどころか勝っているとしか思えなかったから。疑問に思って間もなく退学にすると言われてるのに反逆した話を聞いて少し納得はした、それ以上に怒りが勝ったけど。

 

 

それはそれとして同じクラスでないと敵という事実は、顔には出さなかったけど凄く嫌だった。八幡に会うためにこの学校に入ったというのに、自分の手で排除するようなものである。コツコツポイントを貯めてると聞いた時は、少しでも足しにするべきかと私なりに節約はしていた。茶柱先生のやらかしのおかげで、驚くほどあっさり一緒のクラスになれた。しかも同棲まで出来るようになったので、毎日茶柱先生への感謝を欠かしていない。

 

 

ちなみに、想い人に影響されたのか中学時代は友達を作らなかった。この学校に入っても同じだろうなって思ってたけど、私を自分側に引き込もうとする言動の有栖に否を出す事なく乗った。不思議そうにしてる有栖からどうしてか聞かれたので「想い人の妹みたいな立ち回りだったから」と頭を撫でながら伝えたら、少し渋い顔をしていた。八幡が想い人だと知ったら、さらに渋い顔をしていた。八幡が好きな子が私以外に結構居て私も渋い顔をしたが、今幸せなのでもう何も問題は無い。八幡の事だから再会した時に彼女を作っていてもおかしくはないと、その場合は素直に身を引くしかないだろうなと思っていたので。…ひよりと別の学校に一緒に進学して告白されたら付き合ってた?と質問したら、即答でYESと返ってきたので頬を思いっきり引っ張ってしまったが。正直なのは良い事だけど物凄くイラっとした。後でちゃんと謝った。

 

 

色々と考えていたらうとうとしてきた。特にやらなきゃいけない事もないので、私も寝よう。

 

 

 

 

 

「………相変わらず仲が良いですね。」

 

 

リビングで仲良く寝ている3人を見て、つい口に出していた。自分のせいとはいえ、簡単に抱き着きに行けるのが羨ましい。八幡は自分のペースで良いと言うが、こっちはもっとガンガン行きたいのだ。こういう時八幡がオラオラ系ならガンガン来てくれるのかもしれないが、解釈違いなのでノーセンキューではある。本人も「………いや、気色悪いだろその俺」と言ってたし。

 

 

焦ってるわけではないが、ただでさえ私は出だしが皆より遅い。付き合い前と同様に恋人らしくなく遊べるようには戻ったけど、恋人らしい事と言えば手を繋いだくらいである。これは宜しくない。ここは一念発起して私も添い寝をする、それ以外の選択は無い。

 

 

だが両脇を物理的に固められており、横での添い寝は不可能だ。となると足元から潜り込んで、よじ登るようにして八幡に乗っかるしかない。何故だか分からないけど凄くぐっすりしてるようで、足をぺちぺちしても起きる気配が全く無い、チャンスだ。

 

 

毛布をそっと捲って入り込む。もぞもぞ動いても動く気配が無いので、3人とも熟睡しているようだ。顔を真っ赤にしながら腰の下を通過して、胸のあたりで顎を乗せて毛布の上を少し上げ、思った以上にしっかりしている体にドキドキしながらジーっと八幡の顔を覗き込む。

 

 

大食いチャレンジを試みた日に、八幡が通りかからなかったらこういった関係にはなっていなかっただろう。あの日から、意外と話が分かるし付き合いは悪くないんだなと分かったのでガンガン絡んでいったけど、今思えば最初の方でバッチリ気になっていたと言える。

 

 

この男、思った以上に相手を否定しないのだ。まあ私は別に否定されようが気にしないが、八幡は自分なりに噛み砕いて意見をバッチリ返して来る。悪くない気分だった。そういった感じで打てば響く人間が私の前に現れてこなかったのもあって、より絡むようになった。

 

 

明確に自覚したのは、実力を測るべくポーカーを挑んで惨敗した後だ。椅子を傾けてオーバーリアクションにやられた感を出そうとしたら傾きすぎて後ろに転びかけたが、両肩をガッチリ掴まれてほっとした感じで優しく見てこられた時にバッチリ自覚した。自分が何故八幡に絡むのかと。

 

 

それにしても本当に起きない。………これはチャンスなのでは?見られてるとまだいけてないが、見られてない今ならチュー出来るのでは?意外と飽きないなと思いながら顔を眺めていたが、起きる気配は無いし。

 

 

さらによじよじして顔と顔がくっつくくらいの距離になった。ここまでやっておいてなんだけど、この男はなんで起きないのか。朝に走ってるとは聞いていたけど、精魂尽き果てるくらいやってきたのか。馬鹿だなと思いながらも少し口が上がってるのを感じるあたり、私はやはり八幡にやられているんだなと実感する。

 

 

いざ、と唇を目指そうとしたがぴたりと止まる。くそぅ………この男、思ったより色気が有るせいで余計に恥ずかしくなってしまった。女も度胸と以前言ったものの、レベル不足を未だ実感している。だが一矢を報いなければ女が廃る、ので………ほっぺにチューをした。とりあえず両頬に1回ずつ。

 

 

この後真っ赤な顔を隠すために毛布に潜り込んで、悶々としている内に私もそのまま寝落ちした。起きた後に桔梗から「物凄い大胆な事したね」とのしかかったまま寝た事について突っつかれて、さらに赤面する事になった。




おめでとう! 藍ちゃんは レベル9に あがった!
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