クソボケ谷八幡君 in よう実   作:結構暇なひと

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こんな感じの日常送ってそうですよって話です。


番外編
ひよりとの1日


「こうやって二人きりで過ごすのも久しぶりになりますね。皆さんと一緒に過ごすのも好きですが、八幡くんを独り占め出来るのはやっぱり嬉しくなっちゃいますね。」

 

 

「引っ越ししてからは5人で一緒に居るのが当たり前になったからなぁ。だが、2人きりで過ごす時間も欲しいと皆から言われた時はちょっと面食らったな。やっぱそういう機微には気づけそうにないって思ったわ。」

 

 

「いえいえ、八幡くんにそういう事は期待していませんから。器用になったら八幡くんかどうか疑っちゃうかもしれませんね?」

 

 

「…ひよりも言うようになったよなぁ。」

 

 

「私たちの八幡くんは器用ではないですけど、私たちのためにいつも一生懸命になってくれますからね。頑張ってくれてる姿は心を暖かくしてくれますし、私たちを見るといつも嬉しそうに笑ってくれる、そういう所が大好きなんです。」

 

 

「…おう。」

 

 

本当に嬉しいという表情で言われて、やっぱり照れてしまう。俺には勿体ない彼女だと言えるくらい可愛いし綺麗だから。最近ではひよりに見惚れるクラスメイトも居たりする。轟沈してるが。させてるのは俺だが。

 

 

5人で暮らし始めてから何か問題が起きるかもしれないと思っていたが、仲違いとかではなくたまには俺を独占する日が欲しいとの事だった。皆で一緒に何かやるのもいいが、それぞれの趣味があるので、棲み分けみたいな形があってもいいんじゃないかというのが話の発端だった。それで二人っきりの時間を学校が休みの日に1日ずつ設ける事になった。

 

 

なので、今日はひよりと1日を過ごす。今は図書館でひよりの隣に座って一緒に本を読んでいる。久々にこうやって読みたくなったそうだ。

 

 

「前々から思っていたが悪いな。多分だけどひよりのほうが読むペースは速いだろうから、テンポが悪くなっちまいそうだし。」

 

 

そう言うとひよりはちょっとぽかんとしたような顔をしてから、優しい笑顔で静かに笑った。

 

 

「ふふっ、確かにそうかもしれませんが何も問題はないですよ?八幡くんと一緒の時間を共有してるって凄く感じるので、幸せな気分になりますから。」

 

 

「…おう。まあ、うん。俺も、ひよりとこうやって過ごす時間は…ずっと前から良いなって思ってるわ。」

 

 

「八幡くん…。」

 

 

照れくさくなったのでひよりの頭を撫でて誤魔化す。ひよりは目を細めて嬉しそうにしている。昔の自分に図書館で勉強をしようとした英断を褒めるべきかもしれない。ひよりと出会えたのはそれくらいの奇跡だと思っている。

 

 

「それにしても、当時の俺によく話しかける気になったよな。あの頃の俺はなんていうか、人を寄せたくなかったっていうか…厨二病の成り損ないだったというか…」

 

 

「…ふふっ。確かにあの時の八幡くんは険しい顔で勉強をしていましたね。普段人の少ない図書館でしたので珍しいなって、あまり人の顔を覚えられない私にとってもどこか特徴的に感じましたね。周りを全く気にせずに勉強をしていましたし。」

 

 

とにかくがむしゃらにやってたからなぁ…。この学校に入るために出来る限り勉強しようと。必死に働いてくれてる両親の負担を軽くしようと思ってたわけだし。卒業したら4股とかいう、とんでもない爆弾を落とすことになったが。

 

 

「…懐かしいですね、あの時の八幡くんの顔のしかめ方は。ふふっ。」

 

 

「…俺、そんなに渋い顔をしてた?」

 

 

「はい!なんとなくですが面白い表情をする方だなって思っちゃいました!その後、私が本を薦めた時も会話を噛まれても居ましたね。それで、面白い方なんだなって。」

 

 

「…それでひよりと親しくなれたと喜ぶべきかひよりの前で見事に恥をかいた事を悔やむか…いや悩まんな、ひよりの興味が引けてるなら。」

 

 

嬉しそうに笑う今のひよりの前には俺の恥など大した事ではない。この子が隣に居ないとか今では考えたくもないし。

 

 

「ふふっ、ありがとうございます。私も、あの時八幡くんが私に興味を持ってくれてよかったって今でも思う時がありますよ。」

 

 

「…おう。…それにしても、出会った時からひよりは天使かと思うくらい可愛かったが、他に友達とかは作らなかったのか?男子からの人気は凄そうだと思ったが。」

 

 

天使という言葉に反応して頬を少し染めている。そういう所だぞと思いながらひよりの言葉を待った。

 

 

「確かに最初は話しかけて下さる方たちはいらっしゃいましたが……本の事となると夢中になり過ぎちゃって、趣味が合わなかったといいますか…」

 

 

「…まあ、読書する奴も年々減ってるって言うしな。ひよりには悪いが、そういう意味ではそいつらに感謝しなくちゃならんだろうな。」

 

 

「…?」

 

 

「…ひよりを独り占め出来るのは、そう簡単に出来る事じゃないだろうし。」

 

 

「…まあっ。」

 

 

俺の言葉に対して少し驚きつつも、俺の腕に抱き着きながら嬉しそうに顔を肩に乗せて来た。しばらくその状態のままゆったりとした時間を過ごしてから、本を読む事を再開した。

 

 

 

昼が近くなって、少し早めに昼食を取る事になった。

 

 

「さて、何か食べたい物はあるか?合わせるぞ。」

 

 

「私は特に食べたい物はないですね。八幡くんの食べたい物でいいですよ?」

 

 

「…俺に任せるとラーメンになるぞ?」

 

 

ひよりに、というか女子に付き合わせるにはナシよりのナシみたいな選択なんだが。

 

 

「ふふっ。あまり食べた事はありませんが、たまにはいいかもしれませんね。食べに行きましょうか。」

 

 

「悪いな、付き合わせて。以前南雲先輩から教えてもらった良い店があるから、そこにするか。」

 

 

「…南雲先輩にですか?有栖さんが言ってましたけど、八幡くんは確かに妙な所でコミュ力を発揮してるんですね。私より友達も多そうです。うらぎりものーって責めるべきでしょうか?」

 

 

…本人は無意識だろうけど、たまにこういう風に可愛さを全開で出してくる時は心臓に悪い。とりあえず返答をした。

 

 

「…やめてくれると助かるかなぁ。ひよりに言われると悪くなくても全部悪いと思っちまうから。」

 

 

「ふふっ、冗談です。私も大事なお友達が3人も居ますから、八幡くんより多いかもしれませんよ?」

 

 

「いやいやそんなはずは…あるな。今の所友達は綾小路だけだから…。負けてるじゃねえか。」

 

 

「ふふふっ。…そういえば、龍園くんはどうなんですか?」

 

 

龍園との関係か…友達ではないのは確かだが。

 

 

「そうだなぁ………多分友達ではないだろうな。配下って言うほど口の利き方がなってたわけでもないし。考えてもいい具合の言葉がパッと浮かばんな。ただ…有栖が居なければ逆に帆波と真澄を引き抜いていたかもしれないな。」

 

 

「八幡くんの中でも龍園くんの評価はとても高いんですね。」

 

 

「でもまあ、あの二人を龍園のクラスに呼ぶのは忍びないけどな。来てくれる気もしないけど。」

 

 

「八幡くんと天秤に掛けたとして……勧誘出来なさそうですね。特に帆波さんは、クラスの方に愛着があるでしょうし。逆に、八幡くんを持っていかれてしまう方が想像に難くないですね。」

 

 

「俺もそんな気がするな…。おっと、あそこだ。」

 

 

気づいたらラーメン屋に到着していた。少し早めに来たので席も空いているようだった。俺はこってり系にして、ひよりにはあっさり系のラーメンを薦め、テーブル席に座り注文を済ませて一息ついた。

 

 

「実を言うとラーメンを食べるのは小学生以来になるので、ちょっと楽しみです。」

 

 

「…結構間が空いてるんだな。まあ、ここのラーメンは美味しいから期待には応えてくれるだろうよ。俺も南雲先輩に奢ってもらってから贔屓にしてたりしてなかったりする。」

 

 

「…どっちなんですか?」

 

 

「色々と忙しかったから行けるタイミングがなかった。」

 

 

言う気はないが、ポイントが足りるか怪しかったのもある。ギリギリ足りるか足りないか、チキンレースみたいな気分でポイントを見つめてたからなぁ。この後はラーメンが届くまで軽い雑談をして、届いたら2人とも黙ってラーメンを食べ進めた。

 

 

 

 

 

「美味かったな。」

 

 

「美味しかったですね!はしたなかったかもしれないですが、夢中になっちゃいました!」

 

 

いや、食べ終わった後に見たけど君どことなく小動物じみた食べ方で可愛かったよ?本当に美味しかったようで口いっぱいに夢中で頬張ってたし。こっちを見てた奴らが手を止めてたぞ。

 

 

この後は補充しておいたほうがよさそうな日用品を買い、本屋で俺は同じシリーズの漫画をちょっと大人買いして、ひよりも何冊か気になった本を買っていた。買い終わった後は寮に戻ってゆっくりする事にした。有栖たちは出かけているようだった。

 

 

「八幡くんは漫画ですか…浮気はダメですよ?」

 

 

「浮気て。どっちも読むんだが。どっちも読みたいんだが。」

 

 

ひよりに薦められていくうちに小説も読まないと生きていけない体にされてしまってるし。漫画は漫画で面白いから読むけども。

 

 

「…ふふっ、冗談です。…特徴的な絵の漫画なんですね。」

 

 

「ああ、この作家さんの別作品を読んだ事はあるから外れではないかなって。あまり良くない先入観かもしれんが。後、綾小路も割と気に入ってたし。」

 

 

「…綾小路くんに浮気しちゃダメですよ?」

 

 

「いやいやいや、綾小路とひよりなら迷わずひよりを優先するわ!」

 

 

そういった関係を否定するわけではないが、俺は女の子が相手の方が良い。っていうかひよりがいい。有栖や真澄、帆波に対しても同じ事が言えるが。

 

 

「ふふふっ、冗談です。すみません、ちょっと意地悪でしたね。」

 

 

「ひよりたちがいて別の男や女に走るとか、社会的にも物理的にも殺されるわ。というか走りたくない。」

 

 

一年の頑張りを棒に振るってレベルじゃない。人生終了レベルの愚行に成り得るだろう。やるという選択肢は、はなから有る訳が無いけど。

 

 

やられっぱなしもアレなので、俺をからかって楽しそうに笑っているひよりを驚かすため、不意打ち気味に軽いキスをした。突然の行動にきょとんとしている。

 

 

「…これで、一応嘘じゃないと言えるだろ。多分、きっと。」

 

 

「………いいえ、足りません。もっとしてください。いえ、私がします。」

 

 

そう言ってひよりはキスを長めにしてきた。しばらくの間キスをしながらイチャつき続けた。まだ明るいからこれ以上はしなかったが。明るいうちから盛ってるって噂されると恥ずかしいし…。

 

 

この後は少しばかり一緒に昼寝をして、起きてから晩飯の支度を一緒に済ませた。皆が帰ってきてから一緒に夕食を済ませて、なんか当たり前になってしまったが全員でお風呂に入った後、ひよりと一緒に寝た。

 

 

「八幡くん。お疲れかもしれませんが…可愛がってください。」

 

 

「…おう。」

 

 

訂正する。少しばかり夜更かしになった。




番外編は大分内容がコロコロする事になると思います。
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