早朝、まだ太陽が昇る前だが俺は目覚ましもなしにパチッと眼が覚めた。この時間に起きるのも習慣になっており、肌寒い季節であろうとそれは関係なかった。こうして早朝に起きるのには理由がある。
『起きたか遊斗。今日もやるのか?』
ソファーで新聞紙を読んでいたシグナムさんは、ベッドにいる俺の方を見ずに問う。昨日は寝るのが遅かったのでシグナムさんなりの気遣いだろう。
「はい、日課ですから。今日もよろしくお願いします」
俺の言葉にシグナムさんはフッと笑うと、新聞紙を一枚めくった。新聞を読んでいるシグナムさんって様になるよな。お父さん、って感じがする。って事ははやてさんが奥さんで、ヴィータさんとツヴァイとアギトが娘、アインスははやてさんのお姉さんで、ザフィーラがペット。シャマ姉は・・・・
『何かは知らないがシャマルに失礼な事は考えない方が良いぞ』
「肝に銘じておきます」
◇
ブルー寮の屋上。室内に比べて殺風景なこの空間は、坊ちゃん育ちがほとんどのブルー寮の生徒には人気が無いので絶好の訓練スペースだった。まあ訓練と言っても木刀での軽い打ち合い。
ストレッチと準備運動を終え、毎日決められた回数の素振りをする。シグナムさんレベルまでなると、一つの素振りを1000回ぐらいするらしいが、俺には無理なので20の数セットをやる。
「19、20! よし、終わりました」
「よし、じゃあやるか。今日こそは一本取ってみろ」
実体化したシグナムさんと俺が木刀を構えた時だった。突然コンクリートの中からアインハルトがヌッと出てきた。
び、びっくりした! 実体化してないと精霊って幽霊みたいなものだから、当然物を貫通する事が出来る。俺も人並みに怪奇現象は怖いからその現れ方は止めて欲しい。
「アインハルトか、どうかしたか?」
『もしよろしければ私も組み手に入れてもらえないでしょうか?』
「ふむ、では遊斗とやってみろ。遊斗は木刀のままでいい」
へ? 俺武器持って良いの? アインハルトって確か武道家だけど女の子ですよ?
それに俺、自分で言うのもなんだけど、シグナムさんに鍛えてもらってるから結構強いと自賛している。
「少女だと思って油断するな。お互い本気でやれ」
「『はい!』」
◇
『も、申し訳ありません!』
「ははっ、良いって・・・・ハァ」
結果? このやり取りで分かる様に惨敗ですよ。可愛らしい外見ですっかり忘れてたけど、アインハルトって覇王様なんだよね~。そりゃあ凡人の俺が勝てるわけないよね~。因みにアインハルトは魔法使用無し+片手だけのハンデでもなお勝った。あ~あ、この十年間頑張ってきた成果が・・・・。
『アインハルトは覇王の記憶を受け継いで、経験も豊富だ。そんなに落ち込む事は無い』
『遊斗さんは魔法が使えないのに凄く強かったです。胸を張って誇って下さい』
「りょ~かい、素直に喜ぶよ」
シグナムさんとアインハルトの励ましで何とか普段のテンションまで持ってこれた時、前方から十代が走ってきた。
「おっ、いたいた」
「どうかしたか?」
「クロノス先生にお前と一緒に校長室に来るよう言われてな」
・・・・この間パックを奢らせた事に関係があるのか? い、いやいや、その件には十代は関係ないから違う筈だ。別に脅える必要はない。
十代と一緒に校長室に行くと、そこにはクロノス先生と校長先生だけではなく、万丈目、み・・・・イエローの人、明日香、カイザー、そして大徳寺先生がいた。
「やっと来たノ~ネ。全く、シニョ~ル遊斗はもう少しブルー寮の誇りと言うものを」
「いや、待たせたのは申し訳ないと思っていますけど、俺はここに呼ばれているのを十代から聞いて知ったんですから」
にしても亮さんと大徳寺先生までいるって事は、これは深刻な話なのかもしれない。お二人がいなかったら、一年生だけの行事の打合せとも取れなくはないが、学年関係なしに召集が掛かっている。なにより校長先生の雰囲気もいつもとは違い少し怖く、重たい空気を纏っている。
「ゴホン、早速だが本題に入らせてもらう。このデュエルアカデミアにはとてつもない力を秘めた三枚のカードがあります。その名を三幻魔。このデュエルアカデミアの地下に古より封印されし魔のカードです。このカードの封印が解かれると、天は荒れ、地は乱れ、世界を闇に包みこみ破滅に導くと云われております・・・・」
・・・・何、どゆこと? 天が荒れ、地は乱れ、世界を闇に包み込むって冗談ですよね? 少し苦笑しながら、いやいやと手を軽く振って冗談だと思おうとしたが、校長先生は首を軽く横に振った。
ほ、本当にそんなカードが存在するのかよ、このデュエルアカデミアの地下に・・・・。
「セブンスターズ、そう呼ばれる者たちが三幻魔復活を目論み、封印を解く鍵を奪わんと向かってきています。それがこの鍵です」
校長先生は机の下から古びた木箱を取り出し、木箱の蓋を開けると7つの古い鍵があった。鍵はどれも形はバラバラで、色々な形で別れたり尖がったりと、独特な形の鍵だ。
本格的とかじゃなくて、これ間違いなく本物だよな。ここまでやって冗談って言う先生でもないし。
「あなたたちはこの学園でも屈指の実力を持つデュエリストです。その力を見込み、この鍵を託したい。そしてセブンスターズからこの鍵を守ってもらいたいのです」
ほう、実力のあるデュエリストを集めたって事はセブンスターズとの戦いもデュエルって事か。てかそりゃそうだよな、カードを狙って襲ってくるのにリアルファイトだと、解放された三幻魔が怒りそうだし。
校長先生の真剣な表情に、みんなコクンと頷いた。勿論俺も首を縦に振った。
「あ、その前に。どうしてそんな危険なカードを処分しないんですか? デュエリストとして言う台詞では無いですけど、破ったり燃やしたり切ったりしたら」
「三幻魔と言われるカードは普通とは違います。どんな熱でも燃えず、斬っても破ってもすぐに再生します」
なるほど、やっぱり庶民的な意見でどうこうなるカードじゃないって事か。まっ、そうじゃないと三幻魔と呼ばれ、封印される意味が無いだろう。
リアルファイトではすっかりやる気を無くしたが、デュエルではどんな相手であろうと負けない。
「無理強いはしませんが、その覚悟を持っていただけるなら、この七星門の鍵を受け取っていただきたい。そしてもし、この場の全員その気があるなら、このダミーの鍵を持って行ってください」
「面白いじゃん! デュエルで俺が出なきゃ誰が出るって言うんだ!」
「同じく! 悪い奴でも強い奴と戦えるなら喜んで志願しますよ!」
一番に志願したのは俺と十代。この緊迫した空気には似つかわしくないテンションに、クロノス先生、万丈目、明日香、イエローの人は呆れている。俺は七つある鍵の一つを手に取ると、付いている紐を首に回して、首に下げた。
◇
「なあ遊斗! 今からセブンスター探しに行かねえか?」
「行きません。確かに強い奴とデュエルはしたいけど、今は目先の女の子が大事」
「申し訳ありません、色々と奢ってもらって」
ペコリと綺麗なお辞儀をするアインハルトに「いいよいいよ」と軽く返す。デュエル馬鹿な俺が断るには、
いくら覇王とは言え女の子に負けたんじゃ、10年間シグナムさんに教わってきた俺のプライドがボロボロだ! 大人げないと思われようと、せめて一発入れられるくらい出来ないと。
『向上心は良い事だけど、もう少し正々堂々したら?』
「なのはさんは黙ってて下さい」
「? どうかしましたか?」
「いや、何でもないよ。って事で悪いな十代。セブンスターズ倒したら教えてくれ」
「っちぇ~。じゃあ俺もブラブラするか~」
トラブルメーカーの十代の事だから歩いていたら自然と向こうからセブンスターズが来そうだな。でもこの鍵、七星門の鍵を持っている限りトラブルメーカーじゃなくてもセブンスターズに狙われるのか。それに数ヵ月前だがカオス・ソーサラーに襲われた事もある。その件も解決していない。
何より心配なのが十代の事だ。今のあいつならセブンスターズとワクワクしながら戦うだろうが、はたしてそのワクワクがどこまで持つか心配だ。セブンスターズがどんな連中かは知らないが、命を掛けたデュエルをする時があるかもしれない。そんな時、心の底からデュエルが楽しいものだと思っているあいつは、どうなるんだろうか? 勿論俺もデュエルは楽しいものだと思っているし、カオス・ソーサラーと命がけのデュエルをした後でもデュエルを楽しんでいる。だけど俺と十代とではデュエルを楽しむ心に決定的な違いがある。
「・・・・どうかしたか、アインハルト?」
「いえ、お難しい顔をされていたので」
「まあな、みんなに聞いたと思うけど、数ヵ月前精霊に襲われた事があってな」
「はい、お聞きしました」
「そのセブンスターズって輩と関係があるのかなって・・・・。あともう一つ問題があってな」
「?」
ああ、そのチョコンと首を傾げる仕草。可愛らしくて思わず抱きしめたくなる愛らしさがあるそれ。その行動で発狂する輩がこのアカデミアには多くいるんだよ。
「周りがロリコンだらけって事だ」
「? ロリコン?」
「羨ましいッス遊斗君! フェイトちゃんに続き、アインハルトちゃんという美少女まで!」
「アインハルトたんハァハァ!」
「貴様は我ら紳士同盟の敵だ!」
駄目だコイツ等っ! 遅すぎたんだ、腐ってやがる!
周りにいた正常者は、男子も入れてコイツ等の気持ち悪さにドン引きしているが、当のアインハルト本人は無邪気と言うか警戒心が無いのか、リアクションが無い。いや、呆れてものも言えないのかもしれん。
「一度だけなら俺もそっちに合わせたけど、二回目は無いからな。ちょいと待ってくれアインハルト」
「はい。畏まりました」
◇
ロリコン共、いや、紳士同盟全員とデュエルして奴らを薙ぎ払い、あいつらがゾンビのように復活しない内に俺達は売店を後にした。う~ん、にしてもアインハルトの弱点が全く分からない。元々感情を表に出さない子なのか、それとも俺の事を警戒しているのか。
「先程の精霊に襲われた件ですが、ひょっとしたらジェイル博士が関係あるのでは?」
「父さんが?」
「はい。これは皆様がお話している内容を耳にしただけですが、ジェイル博士が元いた次元、つまり私達の世界のジェイル博士の被害者が遊斗さんに危害を加えようとしているのかも」
「・・・・はい?」
「ジェイル博士は一般人の私ですら知っている凶悪次元犯罪者です。復讐しようと思う方もたくさんいるかと」
「・・・・じょっ、冗談じゃない! 何で俺が父さんの尻拭いみたいな事をしなきゃいけないんだ! 俺の両親はお前の父親に殺されたんだ、っていう定番か!? 言っておくが例えそんな奴が来て、どれだけ父さんに酷い事されていようが俺には一切関係ないからな!」
ハァ゛ハァ゛・・・・。い、いかんいかん、少し興奮しすぎたようだ。アインハルトも突然の暴走にポカーンと小さく口を開いている。その小さな口に指を入れたくなるのは俺だけではないと思いたい。
アインハルトは暫くして現実世界に戻ってきたのか、笑ってないけど苦笑って表現が一番似合う表情をした。そんな表情も可愛らしく、一人勝手に和んでいたが、突然アインハルトの目つきが鋭くなった。
「・・・・誰です!?」
「クックック、よくぞ気付いた。我はセブンスターズの一人、そうだな、リベンジと名乗ろう」
アインハルトが睨んだ先から、草むらの中から現れたのは黒いマントを着た、俺と同じくらいの背丈の男が歩いてきた。
・・・・リ、リベンジですか。もう少しいい偽名無かったのか? こういう時パッと思い浮かばなかったら、アルファベット一文字とかが王道で無難な気がするんだけど。リベンジってカードとかにもよく使われているし、正直言うと凄くダサい。アインハルトも同感の様で、先程と同じ表情だがネーミングセンスに呆れているのが分かる。
「そのリベンジさんは俺にデュエルを挑んできたのか?」
「ああ! ジェイル・スカリエッティ! この男に俺の家族は殺された! そう、お前の父親にな!」
え、何? さっきの話フラグだったの・・・・?
じゃあどうしてこっちに来るんだよ!? 俺じゃなくて父さんの方に行こうよ、住所なら教えるって!
「どうして俺を狙うんだよ俺を!? 復讐したいなら父さんの方に行け!」
「うるさいうるさい! あいつにも家族を奪われる苦しみを与えてやるんだ! あいつを追って数年間、やっと貴様を見つけたんだ!」
俺を殺すよりも、研究成果とかレポートを壊した方がよっぽどショック与えられると思うんだが・・・・。こんなこと本人が言うセリフではないが、あの父親の元で15年も育てられていたら、父さんが自分の事をどう思っているかぐらいは分かる。
研究=欲望>精霊のカード>研究室>俺
良くてこれだと思う。
「なるほど。この間の対抗デュエルで俺の事を知ったってことか」
「さあ、デュエルしろ! 俺の復讐心が作り出した闇の力、この闇のフィールドではデュエルのダメージが本物となる。クックック、この闇で俺はこの次元まで飛んできたんだ。俺の闇の力は強力だぞ?」
リベンジの足元から出てきた闇の霧がここら一体の空間を包み込み、一つの空間になってきた。ック、闇のゲームが本当にあるとは・・・・。噂では負けた者は死より苦しい目に合うらしい。
やべぇ、いくら動機がありきたりとは言え、これは笑えなくなってきた。
「アインハルト、デッキに戻っていてくれ」
「はい」
「クックック、準備はできたようだな」
「闇のデュエル。笑えないなっ!」
「「デュエル!」」
「先攻は俺だ、ドロー! 永続魔法漆黒のトバリを発動。そしてモンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンド」
場
リベンジ モンスター1 伏せ2 手札3 LP4000
漆黒のトバリ、ドローしたカードが闇属性だったらそのカードを捨てデッキからもう一枚ドローする墓地肥しカード。相手のデッキは闇属性デッキか。しかも漆黒のトバリを入れてると言う事はモンスターカードが多い、闇属性デッキ、ダークモンスターデッキの可能性が大だ。
ただこれはあくまで予想。決めつけてはいけない。
「ドロー! フェイトを召喚し効果でLCを置く。そしてLCを取り除きそのモンスターの表示形式を変更する」
「俺のカードはキラー・トマトだ」
闇属性専用のリクルーターか。漆黒のトバリの時点で分かっていたが、やはり闇属性デッキ。
「時空管理局を発動し、キャロ・ル・ルシエを魔法・罠ゾーンに置く。これによりフェイトの攻守は300アップ」
フェイトA1800・D500→A2100・D800
「バトル! フェイトでキラー・トマトを攻撃!」
『ハーケンセイバー!』
A2100 VS A1400
バルディッシュから放たれた魔力刃が、キラー・トマトを縦に真っ二つにした。へ~、キラー・トマトの中って普通のトマトと同じで実があるんだ・・・・。ってそんな事はどうでもいい。
リベンジLP4000→3300
「キラー・トマトの効果。デッキから終末の騎士を特殊召喚。そして終末の騎士の効果でマッド・リローダーを墓地に送る」
A1400・D1200
「お前へのダメージは無いんだな」
「正義の味方が悪を倒す前に倒れたら困るだろ?」
正義の味方ねぇ・・・・。俺自身が正義とは思っていないし、父さんのやった事は悪だと思う。けど悪を倒すのが正義って訳ではないだろう。
そもそも自分へのダメージを消すとか正義の味方のやり口じゃない。俺の思う正義の味方って言うのは、十代や
「カードを一枚伏せてターンエンド」
「エンドフェイズ、終焉の焔を発動。黒焔トークンを二体特殊召喚する」
場
遊斗 モンスター1 伏せ3 手札2 LP4000
リベンジ モンスター3 伏せ1 手札3 LP3300
「俺のターン、ドロー! 漆黒のトバリの効果でゴブリン陽動部隊を捨てドロー、レベル・スティーラーを捨てドロー、合成魔獣ガーゼットを捨てドロー。冥界の宝札を発動! 場の黒焔トークン二体を生贄にダーク・ホルス・ドラゴンを召喚! 冥界の宝札の効果で二枚ドローする」
A3000・D1800
奴の場に出たのは銀の体に禍々しい黒い炎を纏った巨大な竜。この竜はホルスの黒炎竜LV8というカードがダーク化した姿。ダークモンスターは効果も強力でカッコイイというのもあり、かなり人気の高いカード。実際前に、同じダークモンスターと戦った事があるが、このダーク・ホルスの纏う闇は本物の闇だと俺の直感が言っている。
「二重召喚を発動。闇の住人シャドウキラーを召喚」
A1400・D200
「バトル! ダーク・ホルスでその小娘に攻撃! ダーク・メガフレイム!」
A3000 VS A2100
このリバースカードは奴の攻撃を防げるカードでは無い。フェイトは俺へのダメージを減らす為に必死になって防御を展開したが、フェイトの力では止める事が出来ずに、俺の方へ火が飛んできた。ック、覚悟は最初から出来てんだよ!
「あっ、あああああああっ!」
遊斗LP4000→3100
きゅ、900のダメージでこれかよ。じょ、冗談じゃない。もう既に炎の所為で体の一部が火傷している。
「フェイトが戦闘で破壊された時Asの収集を発動。デッキからLV5以下のLSを特殊召喚する。来い、なのは! キャロの効果で攻守アップ」
『この人、凄く怖い・・・・』
時空管理局LC0→1
A500・D1800→A800・D2100
「だが闇の住人シャドウキラーは相手モンスターが守備のみの時ダイレクトアタックできる!」
A1400
遊斗LP3100→1700
「がっ! ああっ!」
シャドウキラーが持っている剣が俺の体を引き裂いた。肉を切られた感覚はないが、激痛が斬られた部分から体中にめぐり回る。
「ダーク・ホルスのレベルを一下げて墓地からレベル・スティーラーを復活し終末の騎士を守備に変更。カードを一枚伏せてターンエンドだ」
A600・D0
場
遊斗 モンスター1 伏せ2 手札2 LP1700
リベンジ モンスター4 伏せ3 手札1 LP3300
ヤバイ、デュエルはまだ始まったばかりだが、闇のデュエルのダメージが想像を越えるものだ。カオス・ソーサラーとのデュエルの時は、カードにダメージを与えられた感覚だが、この闇のデュエルはそれに加え、体が闇の力に喰われているような感覚。相手も同じ条件なら死ぬ気で我慢するが、奴がインチキしてダメージが実体化しない今、俺一人の我慢大会。俺の気力もグンと下がる。
「ド、ドロー! 時空管理局のLCを取り除きユーノ特殊召喚、時空管理局の効果で再びLCが乗る。そして場のなのはとユーノを融合! 来い、AOA高町なのは!」
なのはA1000・D3000→A1300・D3300
LC時空管理局1→2
「なのはさんの効果でデッキからエリオを手札に加える。エリオの効果、このカードを墓地に送り、墓地からLSをサルベージする。フェイトを手札に加え召喚」
「ッチ、またそいつかよ!」
「フェイト自身のLCを取り除き、ダーク・ホルスの表示形式を変更する」
「その効果にチェーンしてガードペナルティ。選択したモンスターが守備になったらデッキから一枚ドローする。
そして魔法が発動した事により、チェーン処理が終わった時にダーク・ホルスの効果で墓地からキラー・トマトを特殊召喚」
なるほど、相手のターンに魔法が発動したら効果を使えるダーク・ホルスを上手く利用したコンボだ。安定性はゴミ同然だが、そのコンボを決めさせてしまったのは俺自身だ。
「バトル! フェイトでダーク・ホルスを攻撃!」
『ハーケンセイバー!』
A2100 VS D1800
「続いてなのはさんで終末の騎士を攻撃!」
『アクセルシュート!』
A1300 VS D1200
「ック、悪役の分際で生意気な!」
ッチ、インチキしておいてよく言うぜ。俺だけダメージ受けているのに悪役だの悪だの、流石の俺もイライラしてきたぞ。
「カードを二枚伏せてターンエンド」
場
遊斗 モンスター2 伏せ4 手札1 LP1700
リベンジ モンスター3 伏せ2 手札2 LP3300
「ドロー、死霊操りしパペットマスターを捨てドロー、墓地のパペットマスターとダーク・ホルスをゲームから除外して、手札のダーク・ネフティスを墓地に送る。レベル・スティーラーとシャドウキラーを生贄に闇の侯爵ベリアルを召喚! 冥界の宝札の効果で二枚ドロー」
A2800・D2400
闇の侯爵ベリアル。どう表現したらいいかよく分からないけど、剣を持った人型の悪魔って言えば一番分かりやすいと思う。癖のあるデュエルモンスターズの中では、なんかこうあり来たりで説明が難しい。因みにあいつがいると、あいつ以外のモンスターを攻撃対象に出来ず、魔法罠も対象にできなくなるから地味に辛い。
「更に悪夢再びを発動。墓地の守備力0の闇属性モンスターを手札に加える。俺はゴブリン陽動部隊と合成魔獣ガーゼットを手札に。闇の誘惑、二枚ドローしてゴブリン陽動部隊を除外。高等儀式術発動、デッキからサファイアドラゴンとブラッド・ヴォルスを墓地に送り、仮面魔獣マスクド・ヘルレイザーを降臨!」
A3200・D1800
マ、マスクド・ヘルレイザー。効果は何も持っていないが攻撃力は3000打点を越えた3200。昔伝説のデュエリストである遊戯さんと海馬を苦しめたカード。しかもこれだけやっておいて奴の手札は2枚。やっぱり闇属性はサポートが豊富すぎるんだよな。俺はどの属性に肩入れしているって訳ではないが、もう少し属性に平等を。
「バトル! マスクド・ヘルレイザーでその白の女に攻撃!」
「罠発動、フォーメーションチェンジ。このカードはLSを対象に取る効果だ。攻撃対象になったモンスターを守備に変更し、デッキから一枚ドローする」
A3200 VS D3300
ふぅ。なのはさんにこのカードはシナジー抜群だな。だがまだ奴の攻撃が残っている。
「ベリアルで金髪の小娘を攻撃!」
「それも無効だ。ダメージ計算時スバルさんを墓地に送り、フェイトの攻撃力を1000上げる。反撃だ!」
フェイトA2100→3100 VS A2800
手札から現れたスバルさんは、フェイトに振り下ろすベリアルの剣を受け止め、ベリアルを思いっきり蹴りあげた。スバルさんの力によって空中へ飛ばされたベリアルに向け、フェイトのハーケンセイバーが直撃して爆発した。
リベンジLP3300→3000
「ッチ、ヘルレイザーのレベルを一つ下げレベル・スティーラー復活。カードを一枚伏せてターンエンド!」
場
遊斗 モンスター2 伏せ3 手札1 LP1700
リベンジ モンスター3 伏せ3 手札1 LP3000
相手のライフを中々削れないが、こっちの場にはなのはさんとフェイトがいる。場はほぼ同じだが、奴の墓地には大量の闇属性モンスターと、1300のライフ差。そしてダーク・ネフティスは自身の効果で墓地に行った時、次のスタンバイフェイズ特殊召喚でき、魔法・罠を破壊できる。キャロを破壊されるのは辛い。
「ドロー! なのはさんの効果でデッキからザフィーラを手札に加える。罠発動、strikersの回収。墓地のスバルさん、エリオ、なのはをデッキに戻して二枚ドロー。
連続転移を発動。時空管理局のLCを二つ取り除き発動する。デッキの一番上から三枚めくり、その中の通常召喚可能なモンスターを特殊召喚する」
LC時空管理局3→1
「一枚目アインハルト、二枚目アルフ、三枚目アスティオン。三体を特殊召喚する!
アスティオンの効果でこのカードを除くLSモンスターのレベル×100俺のライフを回復する。俺の場のモンスターの合計は19、よって1900ライフを回復」
『にゃ~?』
『ティオ、お願いします』
LC時空管理局1→2
アインハルトの肩に乗ったアスティオンは、眠そうに『にゃ~』と鳴くと、ベルカ式の魔法陣を展開して俺のライフを回復してくれた。闇のデュエルだけあり、本当に命が回復して行くようだ。
遊斗LP1700→3600
「ッチ、悪役が回復カード使ってんじゃねえ!」
「場のアインハルトとアスティオンを融合。来い、覇王アインハルト!
同じく場のフェイトとアルフを融合。来い、黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウン!」
アインハルトA2700・D2200→A3000・D2500
フェイトA2800・D500→A3100・D800
LC時空管理局2→3
ああいうのは無視だ無視。頭が可哀そうな奴と同じ土台に立っていた俺が悪かったんだ。
「カートリッジロードをキャロに発動。LCが乗った事で三体の攻守は更に300アップ」
なのはA1300・D3300 →A1600・D3600
フェイトA3100・D800→A3400・D1100
アインハルトA3000・D2500→A3300・D2800
「バトル! アインハルトでヘルレイザーに攻撃!」
『覇王断空拳!』
A3300 VS A3200
あの技って今日俺もやってみたけど、凄く難しいんだよな。言葉だけではとても習得できない技だ、いつか俺もやってみたいな。あそこまで破壊力要らないけど。
リベンジLP3000→2900
「き、貴様ぁぁあ!」
「アインハルトの効果。戦闘でモンスターを破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分ライフを回復する」
『ティオ、もう一仕事お願いします』
遊斗LP3600→6800
「ライフ6800!? ッハ、流石悪役だな」
・・・・ライフで悪役ってどういうことだよ? てかお前の中の悪役は、回復は使わない癖にライフはやたらと多いんだな。どういうこっちゃ。
「続いてフェイトさんでキラー・トマトを攻撃」
『トライデントスマッシャー!』
フェイトA3400 VS D1100
「キラー・トマトの効果。デッキから二枚目のキラー・トマトを呼ぶ」
「なのはさんで攻撃はしない。なのはさんを守備表示にしてカードを二枚伏せてターンエンド。
エンドフェイズアインハルトの効果で自身を融合デッキに戻し、イクスヴェリアを特殊召喚。更にカートリッジロードを手札に加える」
イクスヴェリアA2000・D2500→A2600・D3100
場
遊斗 モンスター3 伏せ4 手札2 LP6800
リベンジ モンスター2 伏せ3 手札1 LP2900
「ドロー! スタンバイフェイズ前のターン捨てたダーク・ネフティスを蘇生。そしてそのピンクの小娘を破壊する!」
A2400・D1600
ダーク・ネフティスは口から炎を纏った黒の弾を吐き出し、キャロに発射した。
ック、よくやってくれたキャロ。お前のおかげでここまで持ってくる事が出来た・・・・。
「そしてレベル・スティーラーとキラー・トマトを生贄に堕天使ゼラートを召喚! 冥界の宝札の効果で二枚ドローする!」
A2800・D2300
っな、そいつが出るか!? 奴の場に現れたのは黒い翼と鎧を着た、その名の通り堕天使。強力な効果を秘めているのに相応しい、禍々しいオーラを纏っている。ヤバイ、コイツの効果は異常に強い。
「召喚成功時ソニックムーブ発動。なのはさんを除外する!」
「ッハ、逃げたか、堕天使ゼラートの効果。手札の闇属性のガーゼットを墓地に送り、貴様のモンスターを全て破壊する! 消えろ、雑魚共!」
「サンダーボルト効果は反則だろ! 墓地のソニックムーブの効果を使い、イクスヴェリアを除外。ごめんフェイトさん・・・・」
『気にしないで』
ゼラートは持っている巨大な剣に黒紫のオーラを溜めると、剣を横に振る。堕天使の圧倒的な力にフェイトさんは防ぐ術が無く、破壊されてしまった。
「墓地のレベル・スティーラーを攻撃表示で復活。更に墓地の風と闇を除外して、ダーク・シムルグを特殊召喚!」
A2700・D1000
おいおい冗談だろ! 高等儀式術の時に墓地に送っていたサファイアドラゴンはこの為だったのか! この間の万丈目はシナジーがあるからともかく、そのデッキに風属性は無理やりすぎるだろ!
「これで終りだ、バトル! ゼラートで攻撃!」
「ッツ、鍵受け取った時点で覚悟決めてんだよ! 来いよ堕天使!」
A2800
先程フェイトさんを倒した時と同じように、剣に闇の力を纏わせたゼラートは、その剣を大きく横に薙ぎ払い、闇の力を衝撃波にして飛ばしてきた。ック、これがデュエルじゃなかったら隙の多いこんな攻撃回避できるんだが!
「がああああああ!」
遊斗LP6800→4000
「ハッハッハ! いい気味だ! ダーク・シムルグの攻撃!」
A2700
じょ、冗談じゃない。これ以上大きいダメージをくらったら死んでしまうっ。
だがダーク・シムルグは非情にも、当の昔に限界を越えた俺に向け、闇の風を吹き飛ばしてきた。
「死ねぇぇぇえええええ!」
「っが、ああああああああっ!?」
い、痛い痛い痛い痛い痛いっ! シムルグの闇の風が俺の体を引き裂いた。余りの痛みに一瞬意識が遠のいたが、自分に喝を入れて足に力を込める。こ、ここで負けたらこれ以上の苦しみが待っているんだ。それにあの変態親父の所為で死ぬなんてまっぴらごめんだ。
遊斗LP4000→1300
「これで止めだ、と言いたいがせっかく貴様に苦しみを与えられるんだ。レベル・スティーラーで攻撃!」
A600
「あ、うっ・・・・」
遊斗LP1300→700
や、ヤバイ・・・・。声が出ない・・・・。
「これで終りだ! ダーク・ネフティスで攻撃!」
そう言えばカオス・ソーサラーの時もザフィーラに助けられたっけ・・・・。あの時と同じで、早く使わないと。体が思う様に動いてくれない。
「ダ、ダメージ、計算時・・・・。ザフィーラを、墓地に送りダメージを0にする・・・・。そして一枚ドロー」
よ、よし・・・・何とか耐えきった。エンドフェイズには二人が帰ってくるからまだチャンスはある。
「今度こそ終りだ! 永続罠闇次元の解放発動! 除外されたダーク・ホルスを呼び戻す! 死ね、ダーク・メガフレイム!」
ハハッ・・・・最後の最後で取っておいてよかった・・・・。
「せ、設置型バインドを発動・・・・。ダーク・ホルス、の攻撃を、止める」
LC時空管理局3→4
「ッチ、素直に諦めればいいものを。カードを枚伏せてターンエンド。エンドフェイズゼラートは自身の効果で破壊される」
「エ・・・・、エンドフェイズ・・・・」
・・・・し、しっかりしろ俺・・・・。ここで発動しなきゃ話にならないんだ。け、けど・・・・もう、限界かも。
『頑張って遊斗! 負けちゃダメだよ!』
フェ、フェイト・・・・。けど、体が熱くて痛くて寒くて、デュエルディスクが鉛の様に重いんだ・・・・。
もうデュエル続行を諦めていると、フェイトは俺の手をギュッと握って口を開く。
『勝ったら、その、ご、ご褒美上げるから! お願いだから頑張って!』
ご褒美? その言葉で俺の意識が闇の世界から戻ってきた。普通ならそんな言葉で元気は出ないけど、フェイトの頬が一瞬赤くなったのを見逃さなかった。それってもしかして・・・・。
っしゃあああ! 俄然やる気が出てきた。そうだよな、彼女がいないまま死ぬのは絶対嫌だ。
「フェイト、ご褒美の話忘れるなよ! エンドフェイズソニックムーブの効果でなのはさんとイクスが戻ってくる! イクスの効果で融合デッキからヴィヴィオさんを守備で特殊召喚し聖王の鎧を手札に加える」
『ア、 アハハ・・・・』
『まったく遊斗は・・・・。けど頑張る心はいいよ!』
場
遊斗 モンスター2 伏せ2 手札3 LP700
リベンジ モンスター4 伏せ4 手札0 LP2900
不純な動機だろうと死にたくないって当たり前な理由であろうと、奴がどんな苦しみを抱えていても関係ない。俺はこのデュエルに勝つ!
「ドロー! まずはヴィヴィオさんの攻撃力だ! ヴィヴィオさんの攻撃力は俺の墓地のLSの枚数×400上がる。俺の墓地のLSは8体。よって攻撃力は3200!」
ヴィヴィオA?・D?→A3200・D3200
「更にヴィヴィオさんの効果。墓地のキャロを選択し、同じ効果を得る。そしてヴィヴィオさんにカートリッジロードを発動」
LCヴィヴィオ0→1
ヴィヴィオA3200・D3200→A3800・D3800
「こ、攻撃力3800ぅ~?」
ッハ、驚いた振りか? 随分下手じゃないか。おそらく奴の伏せは攻撃反応型。十中八九ミラーフォースの様な逆転のカードだろう。だがそんなもの無意味!
「なのはさんを生贄に、蒼穹の王高町なのはを特殊召喚!」
カードをデュエルディスクにセットした瞬間、そこから物凄い風が吹き出した。ダーク・シムルグの風が可愛く見える位の威圧感を持った風だ。痛い痛い痛い! 頼むから王様なのはさん、もう少し静かに現れませんか?
負傷中の俺の事をお構いなしに、フィールドに巨大な竜巻が出現した。その竜巻はダメージを受けていないリベンジでさえも足を踏ん張る程強く、俺はフェイトとヴィヴィオさんに支えてもらい何とか飛ばされずにいた。
『ふむ、私が寝ている最中ずいぶん面白い事が起こっていた様だな』
A2500・D2500
ヴィヴィオA3800・D3800→A4100・D4100
ようやくお目覚めですか王様なのはさん。この人はあろうことか、しばらくの間寝たい、という理由で『私をデッキから抜け』と言ってきたのだ。それで最近出番が無かった訳だが、やっぱり居てくれた方が頼もしい。
なのはA2500・D2500→A3100・D3100
「王様なのはさんの効果発動。特殊召喚成功時、デッキから好きなカードを墓地に送る。俺はバルディッシュ・アサルト・ザンバーを墓地に送る」
『ククク、王様なのはさんでは長かろう。なのは様と呼べ』
『な、なのはママ・・・・』
え、え~。いくらなんでもなのは様って・・・・。なんて戸惑っていると、王様なのはさんはギロリと睨んできた。
はい! 喜んで呼ばせていただきます。
「な、なのは様の効果! 墓地の装備カードを装備条件を無視して装備できる。バルディッシュを装備して攻撃力が1000上がる。そして手札からレイジングハート・エクシードを装備。攻撃力を1500上げる!」
なのはA3100→A5600
なのは様の周りを回っていた、五機のレイジングハートのブラスタービットの内二つが、レイジングハートとバルディッシュに代わり、なのは様の前にプカプカと浮かぶ。
「こ、攻撃力5600ぅ~?」
てめぇの三文芝居に付き合っている暇は無いんだよ。俺はそろそろ限界なんだ。
「バトル! なのは様でレベル・スティーラーを攻撃!」
「ッハ、馬鹿め! いくら貴様により苦痛を与える為とは言え、攻撃力600のモンスターを簡単に出すわけがないだろ! 聖なるバリア―ミラーフォース―を発動!」
「ッハ、三文芝居に分かりやすいミラーフォースか。確かに効果は受けよう、だがなのは様の効果、装備魔法一枚を除外する事で破壊を無効にする! バルディッシュを除外!」
ミラーフォースは確かに発動した。だがバルディッシュが展開したバリアによってなのは様への効果は防がれた。
なのはA5600→4600
「ば、馬鹿な!?」
『実に愉快だ。闇のデュエルをこの手で終わらせられるとはな』
A4600 VS A600
『ッフ、この闇、随分と濃いな。負けたらこの闇を作り出した貴様自身も地獄が見れそうだ・・・・』
「た、助け・・・・そ、そうだ! ジェイル・スカリエッティがやった事は全て許す、水に流そう! だから攻撃をするな! ゲームを中断しよう!」
今更命乞いとは随分都合のいい野郎だな。苦しみとか言ってたけど、結局は自分が一番大事で、家族の仇の息子に命乞いする程度って事か。こんな奴の家族をあの父さんが何かするか?
まあ今はそんな事はどうでもいい。
「悪いが俺は父さんが前の世界でやった事には何も関係もない。だから許すも許さないもないんだよ」
「お、お前の父親だろ!? 被害者の一人が許すって言っているんだぞ!」
「もう少しまともな父親だったら尻拭いも手伝ったかもな。研究資料じゃなくて俺を狙った自分を恨むんだな!」
ヴィヴィオの支援もあり、レイジングハートの前で溜まって行く桃色の魔力は、既になのは様自身を上回る程に大きくなっていた。だがなのは様はまだ発射しようとしない。ニヤニヤとあくどい笑みを浮かべながら、ギリギリまで砲撃を大きく育てて行き、リベンジに絶望を与えて行く。
「嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だあああああああ!」
『「ディバインバスター・エクステンション!」』
俺達の掛け声で発射されたディバインバスター・エクステンションはレベル・スティーラーを中心に爆発した。その爆発は最上級モンスターである、ダーク・ホルス、ダーク・ネフティス、ダーク・シムルグを消し炭にし、リベンジを呑み込んだ。
「嫌だああああああああああああ!」
リベンジLP2900→-1100
攻撃が通ったのを確認した瞬間、俺は我慢の糸を解き、スッと眠りの世界に旅立った。
◇
Sideフェイト
遊斗は勝った瞬間に足の力が抜けたのか、倒れそうになった。私は慌てて倒れそうになる遊斗の体を支える。
足の力が抜けたのではなく、体が限界で起きていられなかったみたい。私の隣にある遊斗の顔からスースーと寝息が聞こえてきた。ダメージを受けてライフを回復し、またダメージを受けたんだ。物凄い痛みに耐えてきたんだろう。
「全く遊斗は・・・・。そんなにご褒美が欲しかったの?」
私の言葉で元気を出して勝利を勝ち取った遊斗。世界に一枚ずつしか無い私達の主としては、余りにも締まらなく、欲望丸出しだ。戦っている姿はカッコイイけど・・・・。
「嫌だ、死にたくない! お願い! 助けて、助けて下さい!」
クルッと後ろを向くと、リベンジの足元の闇がウニョウニョと動き始め、体を徐々に呑み込んでいく。
『クックック、闇のゲームを挑んだ者が何言っている。貴様は負け、罰を受ける。それくらいの覚悟は出来ていた筈だ』
王様のなのはは、地面の中にズルズルと引きずられていくリベンジを見下しながら笑うと、デッキに戻って行った。ほ、ほんとにあのなのはは別人だな~。
私は遊斗を抱え、溶けて行く闇の空間から出て行った。
今回は新オリカがないので前回のオリカ紹介。
LS教会騎士カリム・グラシア ☆4/光/魔法使い/A500・D500
相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しないとき、手札のこのカードは特殊召喚することが出来る。この効果で特殊召喚できるのは、1ターンに1度のみ。
1ターンに1度、自分はモンスター・魔法・罠を宣言して発動する。デッキの一番上のカードを確認し、そのカードが宣言したカードの場合手札に加え、違った場合墓地に送りこのカードを手札に戻す。
遠隔転移 通常魔法
自分フィールド上に「シャマル」または「キャロ」と名のつくカードが存在する時発動できる。
自分の墓地に存在する「LS」と名のつくモンスターを選択し、選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。
◇
遠隔転移。死者蘇生の下位交換ですね。蘇生カードがないと厳しいので作りました。
ピンポイントなカードが必要ですが、まあそれは今更。LSの融合モンスターは蘇生条件がないので前回の様にヴィヴィオを呼べたりします。
教会騎士カリム・グラシア。融合素材ではないモンスターなので、ただ召喚して宣言したカードを当てただけじゃ手札的に1:1交換にしかなりません。ですが逆に言うと、この効果を二回使えば1:2効果になるので、今後出番が多くなるかもしれません。また前回の様に、連続転移で召喚してから宣言したカードを当てれば0:1になる、”小説”では優秀なカード。
因みに作者はなのはさんやカリムさんの様なお姉さんが大好きです。