遊戯王GX 決闘モンスターリリカルなのは   作:あかない

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更新が遅れてすいません。クリスマスで忙しいとかではなく、最近一話書いて投稿、一話書いて投稿とストックが無くなった状態で更新を続けていたので、ここらで一回ストックを溜めて置いておきたいと、更新する前に数話書きました。

それでオリカのミスが出てきたので修正させて頂きます。
ヴィヴィオ、アインハルト、イクスヴェリア共通の
エンドフェイズ、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを融合デッキに戻し、「~王」または「~王」と名のつくレベル7のモンスターを融合デッキから特殊召喚する。

ですが、このままだと蘇生条件を満たせないのと、エンドフェイズに無限ループが起こるので変更します。

エンドフェイズ、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを融合デッキに戻し「~王」または「~王」と名のつくレベル7のモンスターを融合召喚扱いとして融合デッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、このターンエンドフェイズに融合デッキに戻る効果が発動しない。


融合召喚扱いは、簡易融合に似て、戻らないのはネオスペースの強制効果版です。


本文もですが、オリカでもミスが多くてすみません。


第二十三話

目覚めは最悪だった。朦朧とだが意識が戻った瞬間、体中に痛みを感じた。昼か、それともライトが付いているのか、瞼だけでは隠しきれない光が眼球を刺激する。体中が悲鳴を上げている為、今すぐ二度寝したいが、どうやらかなりの時間眠っていたらしく、全然眠たくない。

ゆっくりと瞼を開けると、ブルー寮の俺の部屋の天井。何とか首を動かし、ベッドの隣に置いている電子時計を見ると、昼十二時ジャスト。

 

「・・・・腹減った」

 

三幻魔と戦ってから何日経ったかは分からないが、少なくとも丸一日は寝ている事になる。と言ってもこの体で食べ物を調達するのは不可能だろう。軽く手足を動かしたが、凄い激痛が襲う。全身酷い筋肉痛って感じだ。

 

「お~い、誰か~」

「あっ、遊斗。目が覚めたか?」

 

俺の声を聞いてか、ドタドタと足音を立てて十代がやってきた。何故十代がここにいる、なんて疑問より、空腹感を満たすのが先決だった。

 

「腹減った・・・・」

「分かった、今すぐ何か買って」

「ブルーアイズヌードルがあるからそれでいい・・・・。早く食いたい」

「まかせろ! 二分で作ってやる」

 

十代はそう言ってキッチンの方へ向かい、味も聞かずにブルーアイズヌードルを作り始めた。・・・・ブルーアイズヌードルって作るのに三分必要じゃなかったっけ?

 

 

 

 

十代が作ってくれたラーメンは硬く、力が入らない体では食べるのが辛かったが、空腹感は無くなり、朦朧としていた意識もスッキリした。

 

「御馳走様でした」

「おう。食器はキッチンに置いとくな」

「・・・・あれ? そう言えば精霊達(みんな)は?」

 

誰も姿を見せないし、キョロキョロと辺りを見渡すがデッキがない。

 

「遊斗の親父が、遊斗のダメージを考えて二週間は起きないだろうからそれまでデッキは預かる、だって。流石遊斗の親父だよな、本当に二週間後に起きるんだぜ?」

「・・・・へ? じゃああれから二週間経ってるのか?」

「そう言う事」

 

・・・・やべぇ。二週間寝たきりだったのか。意外に実感ないな。こういう時って単位とか出席日数ってどうなるんだろう?

 

「でも悪いな十代。面倒見てくれて」

「俺だけじゃない。三幻魔との戦いを見ていたみんなも面倒見ていたし。それにこの二週間遊斗の世話をしてたのはほとんどアイツだから」

「アイツ?」

「あっ、噂をすれば帰ってきたぜ」

 

ガチャッと鍵が開かれる音が聞こえ、廊下から足音が数回起こると、扉から購買の袋を持ったフェイトが現れた。もしかして俺の面倒を見てくれた人って。

フェイトは俺の顔を見た途端、手に持った袋をボトッと落とし、俺の方へ走ってきた。

 

「遊斗ー!」

 

フェイトは目に涙を浮かべながら俺に飛びついた。いくら細くて軽いフェイトでも、今の弱っている俺の体には辛い。それでもフェイトは二週間ずっと俺の面倒を見てくれたんだ。体が痛むのを我慢して、胸に飛び込んできたフェイトの小さな体をギュッと抱きしめる。

 

「遊斗ぉ・・・・。心配したんだから」

「ありがと、フェイト・・・・」

 

さっき食べていたラーメンの匂いが鼻に残っていたが、フェイトの女の子特有の甘い香りが鼻に入ってくる。フェイトの体は、力が入らない体でも簡単に壊せそうな程柔らかく、久しぶりに撫でた髪の感触は病みつきになりそうだ。

 

「フェイト・・・・ありがとう。けど父さんの所に行ったんじゃ?」

「博士に頼んで私だけこっちに残ったんだ」

「へへっ、よかったなフェイト」

「うん、十代もありがとね」

 

 

 

 

フェイトとハグしてから30分ぐらい。あれから十代とフェイトからこの二週間何があったかを聞いた。まず俺がエンディミオンとのデュエルに勝利してすぐ、つまり気絶した直後、エンディミオンは闇のデュエルに負けたので、闇に呑まれたらしい。本物の三幻魔は、力を奪われたからかアッサリと封印する事に成功。そして三幻魔の力を吸収したカード達は、今すぐ被害があるわけではないとの事で、父さんと校長先生がデュエルモンスターズの生みの親、ペガサス・J・クロフォード会長の所に持って行ったらしい。

ペガサス会長の名前を聞き、俺の意識が飛びそうになったのは秘密だ。俺にとってペガサス会長は、超有名な俳優や女優、海外の超一流の監督すらも、一般人に見えてしまう程の憧れの人だ。なんたってデュエルモンスターズの生みの親。その人が俺の作ったカードを見てくれると思うと、嬉しさの余りに息が止まりそうになっても仕方ないだろう。

 

「そう言えばあの場にいたみんなにはなんて説明したんだ? 俺精霊達(みんな)の事いつも通り呼んでたし」

「私達が精霊だって事は伝えたよ。実体化してたし、誤魔化す事できなかったから」

「三幻魔の力を吸収したカードは、俺達もよく知らないから報告待ちだ。もうそろそろ遊斗の親父が来るらしい」

 

父さんがねぇ・・・・。というか父さんが作った精霊の力を吸収するカード、あれをペガサス会長はどう思っているんだろうか?

 

「なあ遊斗。存在する筈のないカードって何なんだ? フェイトに聞いても教えてくれないし」

「ああ・・・・、それに関してはもうすぐ来る父さんの口からの方がいいだろう。あっ、噂をすれば」

 

鍵を付けていないドアを躊躇なく開け、数人の足音が聞こえた。部屋に入ってきたのは、相変わらず白衣を着た父さん、校長先生、そしてさっき話に出たペガサス会長。

 

「ペ、ペペペペガサス会長!? いだっ!?」

 

予想の斜め上をいった来客に、使いものにならない体を思いっきり動かしてしまい、体に激痛が走ってしまった。

 

「大丈夫ですか~? 遊斗ボ~イ」

「だだだ大丈夫です!」

 

ペ、ペガサス会長に名前呼んで貰えた! やべぇ、俺明日には死ぬんじゃねえのか? でもペガサス会長に会えたなら本望だ。

 

「すっげえ! 本物のペガサス会長だ」

「あなたが十代ボ~イですね。噂は鮫島校長とDrジェイルから聞いていま~す」

「ペガサス会長に名前を覚えてもらえて嬉しいです」

 

こういう時十代の性格が恨めしい。俺だって本当はもっとペガサス会長と話したいんだが、完全にあがっている。俺らしくない。

 

「ゴホン、十代君、ペガサス会長。そろそろ本題に」

「オ~、それは失礼。遊斗ボ~イ、ここに座ってもいいですか?」

 

ペガサス会長はリビングに置いてあるソファーを指して俺に聞いた。俺は痛む体を無視して、コクコクと首を何度も縦に振った。ペガサス会長に続き、父さん、校長先生も座る。・・・・しかしこうして見ると、父さんって本当に凄いんだな。あのペガサス会長と同じ席に座っている。

十代とフェイトはベッドに腰を掛け、三人の方を向いていた。

 

「ではまず、エンディミオンが言っていた、存在する筈のないカード。これについて詳しく教えてください」

「分かりました。ではまず私がこの世界、いえ、この次元に来たいきさつをお伝えしましょう」

 

まるでこの世界の人間じゃない様な言い方に、事情を知っている俺とフェイト以外の全員が目を見開いた。一番冷静だったのがペガサス会長で、始めは驚いていた様に見えたが、すぐに真剣な表情に戻した。

 

「この次元には星の数ほどの次元がありましてね、私はその次元世界の中心世界、ミッドチルダと言う世界で生活してました」

 

生活って言っても、まともな生活じゃなくて犯罪者としてだがな、と一人心の中でツッコむ。十代は今の一言で早くも話の内容が分からなくなったのか、口をポカーンと開けている。まあ俺も、次元世界って言われても全く分からなかったもんな。

 

「じ、次元世界?」

「まあ異世界が沢山あると思っていただいて結構。兎に角私はミッドチルダで科学者として日夜研究をしていました」

 

人体実験や非人道的な実験だけど。なんて今言ってもメリットが何もないからな。父さんは聞かれない限り極力言わない様にしているんだろう。

 

「そんなある時、次元間のトラブルで、私はどういう訳かミッドチルダからこの次元に来てしまった。つまり私は本来ここにいるべき人間ではないと言う事です」

「本来ここにいるべき人間ではない? 待って下さ~い、ではあなたが作ったリリカルシリーズのカードと言うのは」

「ええ、精霊達が言っていた通り、本来なら存在する筈のないカードでしょうね」

 

クックック、とこの状況を楽しむかのように父さんの笑い声が、静まり返った部屋に響いた。けどいくつか、いや、たくさんの疑問が生まれてきた。父さんがその真相を知っているか分からないが、聞いておいて損は無いだろう。

 

「でも異世界人である父さんが作ったカードと、ペガサス会長が新しく作ったカードは何が違うんでしょうか? 仮に今この場でペガサス会長が思い付きでカードを作ったら、それは本来なら存在する筈のないカードになるんですかね?」

「残念ながら私はそれについて研究しているから分からないね」

 

父さんが研究していたのはこの件? いや、あくまで研究の中の一部だろう。父さんの探究心は一個の謎で収まる訳がない。おそらくもっとたくさんの研究を同時進行しているんだろう。

結局謎は謎のままだが、精霊達が言っていた、存在する筈のないカード=リリカルシリーズと皆分かっただろう。

 

「・・・・まさかDrジェイルが異世界人だったとは驚きデース」

「ああっ、すげぇな遊斗の親父さん」

 

ペガサス会長と十代はこの何とも言えない空気を立ちなおす為か、さっきまでの空気に似つかわしくないトーンで言った。だよな、天才の父さんでさえまだ解明できてない謎を、俺が頭で解決するのは無理だ。三人に存在する筈のないカードの意味は伝えられたんだ、次の話に行こう。

 

「ペガサス会長。俺が三幻魔とのデュエルで新しく手に入れたカードの事ですが・・・・」

「オ~、あのカード達ですか。三枚ともかなりの力を持ってマース。三幻魔の力を吸収したカードを野放しにするわけにはいきまセーン」

 

ッツ、やっぱりそうだよな。三幻魔は天地を枯らし、精霊達の力を吸収する力を持っている。そんなカードの力を吸収したカードを、学生である俺に持たせてくれるわけないか。

ハァ・・・・とため息を吐くと、どういう訳か十代も悔しそうな顔をしている。新たに手に入れた強いカードと戦える事が出来なくて残念なのか、それともせっかく生まれたカード達を自由にできなくてか、あるいはその両方か。どっちにしろ、十代の心は嬉しかった。

 

「フフッ、君達、人の話は最後まで聞くものだよ」

「「え?」」

「この三枚のカード達は確かに強い力を持ってマース。しかし力とは、精霊達の力を吸収したり、所持者を若返らせる力ではありまセーン。三幻魔の力を吸収する前、遊斗ボーイが言っていた通り、純粋な力を持っていマース」

 

と言う事はもしかして・・・・。

 

「普通のデュエルでは使う事を禁じますが、危険なデュエルだったり、本当に必要となった場合のみ使う事を許可しマース。勿論、この三枚のカードはあなたのカードデース」

 

ペガサス会長はソファーから立ちあがり、手に持った三枚のカードを丁寧に俺に渡してくれた。

凄く・・・・嬉しかった。ペガサス会長の手から渡されたって事は、強力なカードを持つにふさわしいデュエリストと、彼に言って貰った様なものだ。俺の勘違いかもしれなけど、そうだと無理やり自分に言い聞かせる。

 

「あ、ありがと、ございます・・・・」

「? どうしたの遊斗?」

「お前ひょっとして泣いてるのか?」

「う、うるせえ! 泣いてない! このカードは俺のカードだから、俺の手元にあるのは当たり前だ!」

 

涙で潤んだ目を見られたくなくて、布団に顔を埋めて十代とフェイトにそう言った。しかし照れ隠しとしか見られなかったのか、みんなの笑い声が部屋に響いた。

 

「オー! もうこんな時間デース。実はデュエルアカデミアに来たのはもう一つ用事があったんデース」

「? 用事ですか?」

 

部屋に置いてある時計が目に入った瞬間、ペガサス会長は勢いよく立ちあがった。ペガサス会長が来てまだ30分しか経っていないんだが、ペガサス会長は忙しい方だろうし、俺に構ってくれる時間もあんまりないんだろう。

 

「実はオシリスレッドの前田隼人ボーイに用事が」

「は、隼人に!?」

 

 

 

 

どうやら隼人がコンクールに出した絵がペガサス会長の目に入り、インダストリアル・イリュージョン社のデザイナーとして隼人をスカウトしに来たらしい。前々から隼人の絵の才能は凄いと思っていたけど、まさかそこまでだったとは。

オシリスレッドで留年生の隼人が一気に出世したものだ。けどそう簡単に事は運ばない。

デュエルのレベルが低い隼人がデュエルアカデミアの生徒として、、I2社のデザイナーとして堂々と旅立てる様に、クロノス先生が隼人と卒業デュエルをするらしい。

 

「本当はテレビ電話で隼人ボーイをスカウトするだけの予定でしたが、遊斗ボーイの件があったのでこの目で卒業デュエルを見る事にしたんデース」

「なるほど」

 

俺は車椅子に乗って、フェイトに押してもらいながら、隼人とクロノス先生がデュエルするフィールドにやってきた。勿論十代、校長先生、ペガサス会長も一緒だ。父さんは仕事があるらしく先に帰って行った。

会場に入ると、観客席の方に翔、明日香、万丈目、イ・・イエローがおり、二週間ぶりの挨拶を簡単にだがした。

 

「ペガサス会長!」

「始めましてナノ~ネ、ペガサス会長。今日シニョ~ル前田の卒業デュエルを担当する、クロノス・デ・メディチ、デス~ノ」

「オー、あなたが。鮫島校長から話は聞いていマース」

 

・・・・何だこのエセ外国人二人。いや、本物なんだけどさ、なんか日本人が想像する、日本語を話す外国人だよな。

 

「隼人ボーイ。期待していマース」

「は、はい!」

「それでは行くノ~ネ!」

「りょ、了解なんだな」

「「デュエル!」」

 

 

 

 

隼人はかなりいい線を行っていた。トリッキーな獣族専用の、キャトルミューティレーションを使い連続攻撃をしたり、クロノス先生の古代の機械巨人(アンティーク・ギア・ゴーレム)を破壊したりと凄い奮闘だった。

最後は隼人がデザインした魔法カード、エラーロックサンライズを発動し、ビックコアラを復活。そして手札のデス・カンガルーを融合し、マスター・オブ・OZを召喚。あの攻撃が通れば勝ちだったが、クロノス先生が伏せていたカードはリミッター解除。攻撃力が二倍にされた古代の機械巨人(アンティーク・ギア・ゴーレム)に返り討ちにあい、負けてしまった。

 

「クロノス先生! 隼人は自分の出せる力を全て出しました! 自分の夢を諦めないと、あなたに言いました! だからどうか!」

 

隼人が負けてなお、十代は頭を下げてクロノス先生にそう言った。しかしクロノス先生は十代の言葉を無視し、コツコツと隼人の方へ歩み寄る。そしてクロノス先生の口から出たのは、誰も予想してなかった言葉。

 

「良く成長したノ~ネ。シニョ~ル前田はデュエルアカデミアの卒業生として胸を張っていいノ~ネ」

「ク、クロノス先生!」

「あ、ありがとうなんだな。クロノス先生・・・・」

 

隼人は唇をかみしめ、今にも泣きそうな顔をする。さっき似たような立場だった俺には、隼人の気持ちがよく分かる。自分の憧れの人、先生、上司、そんな人達から自分を認めてもらった時、嬉しくて嬉しくてたまらない。

 

「では隼人ボーイ。早速ですが行きましょう。あなたにしてもらいたい仕事は山ほどありマース」

「は、はい! でもちょっとだけ待って下さい。遊斗!」

「な、なんだ?」

「遊斗の体が危ない状態のは承知なんだな。けど、俺とデュエルしてくれ!」

 

隼人とデュエル? 思えばこの一年、隼人と一対一で戦った事は無いかもしれない。なるほど、確かに隼人はこれからデザイナーとなり、働き始めるから、簡単にデュエルを挑めないだろう。

フェイトは俺の答えが分かっていたのか、十代から少し強引にデュエルディスクを借り、俺の脚の上に置いた。

 

「自分でやりたいんでしょ? 隼人とのデュエル」

「・・・・ああ! 受けて立つぜ隼人!」

 

せっかくの隼人とのデュエル、制裁デュエルの時の様に他人にデッキを任せたくない。体を動かすだけでも激痛が走る体を、無理やり立たせて腕にデュエルディスクをセットする。父さんから返して貰ったデッキをシャッフルし、ディスクに挿入する。

 

「だ、大丈夫か?」

「俺がデュエル大好きって知ってるだろ? 命がけのデュエルでも楽しむ奴だ」

「・・・・俺は、俺はこの一年でお前から色々な事を学んだ。デッキのプレイングを教えてくれたのも遊斗だったし、使い方が分からなくて、デッキから抜こうと思ったカードの使い方を教えてくれたのも遊斗なんだな。だから遊斗の事、尊敬してるけど軽蔑はしてない!」

「ッツ、ありがとな隼人・・・・。ペガサス会長! 早速ですがあの三枚のカード使っていいですか?」

「OKデース。この場にいるのは三幻魔の事を知っている者だけデース。ですがこれは特別ですよ。(あのカード達がどれほどのものか、この目で見ておく必要もありマース)」

 

やっぱりペガサス会長は優しいな。テレビで見るペガサス会長そのままだ。

さあ隼人、三幻魔の攻撃でも一切泣かなかった俺を、泣かせようとした罰だ! 全力で行くぞ!

 

「「デュエル!」」

「先攻は俺だ、ドロー! フィールド魔法、ミッドチルダを発動! なのはを通常召喚。効果でミッドチルダと自身にLCが置かれる。なのはのLCをミッドチルダに移動」

 

A500・D1800

LCなのは1→0 ミッドチルダ2

 

『久しぶり、遊斗。フェイトちゃん』

「ああ、後で仕事あるかもしれないからしっかり待機してろよ。ミッドチルダのLCを取り除き、デッキからユーノを特殊召喚。場のなのは、ユーノを融合! 来い、AOA高町なのは!」

『まだ完治じゃないみたいだけど、無事でよかったよ』

 

A1000・D3000

LCミッドチルダ2→1

 

「心配掛けてすいませんでした。なのは・・さんの効果発動! デッキからはやてを手札に加える。カードを二枚伏せてターンエンド」

 

この場の全員精霊の事は知っているから、もういつもの呼び方でデュエルしていいな。

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター1 伏せ2 手札3 LP4000

 

「いきなり遊斗得意の出だし。十代じゃないけど、ワクワクするんだな。ドロー! ビーストライカーを召喚。効果で手札一枚を捨て、デッキからモジャを特殊召喚するんだな」

 

A1850・D400

A100・D100

 

俺があげたカード。いつの間にか隼人のデッキのアタッカーになっているカード達。そう言えばこの二枚のカードの使い方も俺が教えたんだっけ。懐かしいな・・・・。

 

「バトル! ビーストライカーでAOA高町なのはを攻撃! さあ、その罠を発動するんだな」

「じゃあ遠慮なく。永続罠、鋼の軛を発動! ビーストライカーの攻撃を無効にする」

「カードを一枚伏せてターンエンドなんだな」

「エンドフェイズ、鋼の軛の効果で、ビーストライカーの攻守を1000下げ、ミッドチルダにLCを置く」

 

ビーストライカーA1850・D400→A850・D0

LCミッドチルダ1→2

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター1 伏せ2 手札3 LP4000

隼人 モンスター2 伏せ1 手札3 LP4000

 

体が痛くてすぐに横になりたいと悲鳴を上げている。けどそれ以上にデュエルをしたい、隼人との一対一のデュエル、心の底から楽しみたい。

 

「ドロー!」

「この瞬間罠発動、猛突進! 自分フィールド上の獣族を破壊し、相手フィールド上に存在するモンスター1体をデッキに戻す。ビーストライカーを破壊して、AOA高町なのはを融合デッキに戻すんだな!」

「バウンス!?」

 

伏せていたカードはプロテクション。防御を二重にしていたんだが、まさかバウンスとは予想外だ。面白いカードを使う。だがそれだけだったら強制脱出装置の下位互換でしかない。

 

「そして獣族が破壊された墓地へ送られた時、ライフを1000払い、墓地の森の番人グリーン・バブーンを特殊召喚するんだな!」

 

A2600・D1800

隼人LP4000→3000

 

隼人の場に現れたのは、ゴリラ・・・・らしき獣。いかにもバランスが悪そうな奴で、下半身はそこまで大きくないが、上半身、特に肩の部分がやたらと大きい。よく二本足で立っていられるものだ。

 

「相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない時、カリム姉は特殊召喚できる。そしてカリム姉の効果。魔法を選択する。デッキトップはティアナさん、失敗したから墓地に送る。ミッドチルダのLCを生贄に、はやてを召喚。自身とミッドチルダの効果でLCが乗る」

 

A2000・D1700

LCはやて1

 

「闇の書をはやてに装備! バトル、はやてでモジャに攻撃!」

『ディアボリックエミッション!』

 

はやてA2000→A2300 VS D100

 

「破壊されたモジャの効果発動! 墓地からレベル4の獣族を手札に加えるんだな。ビーストライカーを手札に」

「闇の書の効果でLCが乗る。はやてのLCを闇の書に移動。ターンエンドだ」

 

LCはやて1→0 闇の書0→2

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター1 伏せ2 手札2 LP4000

隼人 モンスター0 伏せ1 手札4 LP3000

 

「ドロー! レスキューキャットを召喚。効果でこのカードを墓地に送り、デッキから森の聖獣ユニフォリアとみつこぶラクーダを特殊召喚。森の聖獣ユニフォリアの効果発動! 墓地のモンスターが獣だけの場合、このカードを生贄にし、墓地の獣一体を特殊召喚する。レスキューキャットを再び召喚」

 

あ~、よっぽどのデッキじゃないと使われないみつこぶラクーダを入れているのはそう言う訳か。隼人も勉強して随分マニアックなカードを使うな。

 

「レスキューキャットの効果でデッキから二体のみつこぶラクーダを特殊召喚」

 

A500・D1500

 

ステータスも高くないモンスターを三体も並べたのは、次の隼人の行動で明らかになるだろう。さて、プロテクション一枚でどこまで持つ事が出来るか。

 

「みつこぶラクーダの効果発動。みつこぶラクーダが自分フィールド上に三体存在する時、その内二体を生贄に三枚ドローする」

 

三体いるみつこぶラクーダの内二体はスッと消えて行き、残った一体の三つのこぶが光り出すと共に、隼人のデッキトップから三枚のカードが光った。

面倒臭い効果かもしれないが、レスキューキャット一枚だけで三枚ドローしたんだ。コンボとしては優秀だ。最も、みつこぶラクーダは弱小モンスターだから、手札に二枚来たら終りだ。

 

「融合発動! 手札のビッグ・コアラとデス・カンガルーを融合! マスター・オブ・OZをと融合召喚!」

 

A4200・D3700

 

その大きさの余り、マスター・オブ・OZは本来の大きさでは無く、室内用の大きさになっていた。それでも亮さんのサイバーエンドを軽く上回る程。まさに隼人の切り札のカードだ。

 

「バトル! マスター・オブ・OZで八神はやてを攻撃! エアーズ・ロッキー!」

 

A4200 VS A2300

 

「罠発動、プロテクション! LSを選択して発動、このターン選択したモンスターは破壊されない!」

「けど戦闘ダメージは受けてもらうんだな!」

 

マスター・オブ・OZの巨大な拳。その拳に付けているのは巨大な拳を覆いこむ、巨大なボクシンググローブ。はやては目の前にプロテクションを出し拳を受け止め、何とか破壊を無効にする事が出来たが、衝撃波までは止める事が出来ず、衝撃波が俺のライフを削った。

 

遊斗LP4000→2100

 

「ッツ・・・・」

「だ、大丈夫なんだな?」

「心配するな。続けろ」

「ああ。グリーン・バブーンで攻撃! ハンマークラブ・デス!」

 

A2600 VS  A2300

遊斗LP2100→1800

 

あと800、あと800ライフを上手く削れば三幻魔を呼べる。だが隼人だって三幻魔は警戒している筈、あえてライフを回復して調整するのもいいかもしれない。

 

「カードを二枚伏せてターンエンドなんだな。エンドフェイズみつこぶラクーダは破壊されるんだな」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター1 伏せ1 手札2 LP1800

隼人 モンスター2 伏せ2 手札2 LP3000

 

「やっぱり強くなったな隼人。ドロー! ミッドチルダのLCを闇の書に移動」

 

LCミッドチルダ2→1 闇の書2→3

 

「闇の書の効果。このカードをゲームから除外し、アインスを特殊召喚する。効果で融合デッキからナハトを特殊召喚!」

 

A2300・D2300

A0・D0

 

もはやみんなナハトに慣れたのか、ナハトに対する反応は無かった。やっぱ一年でだいぶん変るもんだな。

 

「場のはやてとアインスを融合! 来い、夜天の王・八神はやて! 王様はやてさんの効果でLCが三つ乗る」

 

王様はやてさんの登場シーンはいつもと同じだった。だが一つ違ったのは、王様はやてさんの登場に、ナハトが嬉しそうに体をグニョグニョと蠢かせた事ぐらい。

 

A2800・D2800

LCはやて3

 

「ナハトの効果で王様はやてさんに装備。攻撃力が1000上がる」

 

はやてA2800→A3800

 

「カリム姉を通常召喚。ミッドチルダにLCが一つ乗る。そして効果発動。罠を選択・・・・デッキトップはソニックムーブ。よって手札に加える」

 

A500・D500

LCミッドチルダ1→2

 

「バトル! 王様はやてさんでグリーン・バブーンを攻撃!」

『『響け終焉の笛! ラグナロク!』』

 

A3800 VS A2600

 

彼女のイメージカラーである黒とは反対の、三角形の白の魔法陣。ベルカ式の魔法陣の頂点には魔力が平等に溜められる。グリーン・バブーンを破壊できる程魔力を溜め、発射した。流石にスターライトブレイカー程の威力は無いが、プラズマザンバーブレイカー並みの威力はあるだろう。強い力を持っているグリーン・バブーンでも、馬鹿げた威力を持ったラグナロクを防ぐ事は出来ず、破壊された。

 

「うっ、グリーン・バブーンが!」

 

隼人LP3000→1800

 

「装備したナハトの効果発動! 装備モンスターが戦闘でモンスターを破壊した時、そのモンスターを装備モンスターに装備できる」

 

王様はやてさんの腕にパイルバンカーとなったナハトの銃口から、禍々しい鎖が発射された。その鎖は隼人の墓地ゾーンに入りこみ、さっき墓地に送ったグリーン・バブーンのカードを縛り上げ、俺の魔法・罠ゾーンに連れ込んだ。

 

はやてA3800→5100

 

「攻撃力5100ッ!」

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター2 伏せ3 手札2 LP1800

隼人 モンスター1 伏せ2 手札2 LP1800

 

「遊斗と隼人のライフが並んだ・・・・」

「だがバーン、回復、ライフ1000以下での召喚条件。遊斗はライフを気にしていないと言っているが、ライフを上手く操る事が出来る。隼人の方が危ない」

「さっすが遊斗なんだな。ライフ的には並んでいるのに、追いつめられてるんだな。けど、それでも諦めない! ドロー!」

 

ッフ、買いかぶり過ぎだ隼人。けどそう言って貰えると素直に嬉しいよ。

 

「永続罠リミット・リバースを発動。レスキューキャットを特殊召喚。そして効果でデッキからコアラッコとラッコアラを特殊召喚」

 

A100・D1600

A1200・D100

 

コアラの様なラッコとラッコの様なコアラ。つまりコアラッコは海でプカプカ浮いているラッコがメインで、ラッコアラは葉っぱを食べるコアラだがメインだ。

・・・・早口言葉みたいなだ。

 

「もう発動しとくか。王様はやてさんの効果発動! LCを一つ取り除き、コアラッコの効果を無効にする」

『『封鎖(ゲフェングニス)領域(デア・マギー)!』』

 

LCはやて3→2

 

再びナハトの銃口から禍々しい鎖が放たれ、コアラッコを縛り上げた。小動物相手に酷いやり方だが、コアラッコは自身以外の獣族がいる場合、相手モンスターの攻撃力を0にする効果を持つ。

本当ならレスキューキャットの効果を無効にしたかったんだが、効果解決時に墓地発動だから無効にしても意味ないんだよな~。

 

「ラッコアラの効果発動。フィールド上に他の獣族が存在する時、フィールド上の獣族の攻撃力を1000上げる。マスター・オブ・OZの攻撃力を1000上げるんだな」

 

OZ A4200→5200

 

早くも王様はやてさんの攻撃力を抜いてきたか。どうも二週間前のデュエルで攻撃力が10000越えをしていたから、5000でも小さく見えてしまう。

 

「ラッコアラとコアラッコを生贄に百獣王(アニマル・キング)ベヒーモスを召喚。ベヒーモスの効果で墓地のコアラッコとラッコアラを手札に加えるんだな」

 

A2700・D1500

 

隼人の手札もだいぶん分かってきた。さっき手札に加えたコアラッコ、ラッコアラ。あとビーストライカーと未知数のカード一枚。

 

「バトル! マスター・オブ・OZで夜天の王・八神はやてを攻撃! エアーズ・ロッキー!」

 

A5200 VS A5100

 

「王様はやてさんの効果発動。自身のLCを取り除き、破壊を無効にする」

『『パンツァーシルト』』

 

LCはやて2→1

遊斗LP1800→1700

 

「ベヒーモスでカリムを攻撃!」

「攻撃宣言時ソニックムーブを発動。カリム姉を除外する」

「やっぱりそうくるのか。ターンエンド。エンドフェイズOZの攻撃力が元に戻る」

 

OZ A5200→A4200

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター2 伏せ2 手札2 LP1700

隼人 モンスター2 伏せ2 手札4 LP1800

 

「ドロー! カリム姉の効果発動。魔法を選択。デッキトップのカードはフェイクシルエット。魔法カードだから手札に加える」

 

ライフをあと700削る事が出来たら、存在しない者の発動条件をクリアする。けど隼人の必殺のマスター・オブ・OZに野性解放を発動されたら負けだ。何しろ攻撃力が7900。亮さんのパワーボンドサイバーエンドとほぼ同じだ。

それに手札にはまだ存在しない者が来てないからな。自分からライフを削りに行くのは無謀だ。

 

「速攻魔法フェイクシルエットをカリム姉に発動。デッキのフェイトを墓地に送り、カリム姉をフェイトとして扱う。デッキのアルフの効果、ミッドチルダのLCを取り除き、特殊召喚」

 

LCミッドチルダ2→1

 

「場のフェイトとアルフを融合! 来い、黒騎士・フェイト・テスタロッサ・ハラオウン!」

『久しぶり遊斗。体を考えるとあんまり褒められるデュエルじゃないけど、隼人の事を考えると最高のデュエルだ』

 

A2800・D500

 

「ええ、バトル! 王様はやてさんでマスター・オブ・OZを攻撃!」

「引っかかったんだな! 攻撃宣言時、邪神の大災害。フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する!」

「んな!?」

 

前の攻撃時に使わなかったのはレスキューキャットの効果を使いたかったから! 確かに、手札にベヒーモスがあったのなら、レスキューキャットの効果を使いたいはず。邪神の大災害は予想してなかった。

邪神の大災害のカードから大嵐と同じように、嵐が発生し、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊しようとする。

 

「ミッドチルダの効果。LCを取り除き、破壊を無効にする」

「けどナハトとグリーン・バブーンは破壊されて攻撃力が下がるんだな」

 

LCミッドチルダ1→0

はやてA5100→A2800 VS A4200

 

ラグナロクの準備をしていた王様はやてさんだったが、突然の嵐により詠唱が中断。マスター・オブ・OZはその隙を狙い、エアーズ・ロッキーを繰り出した。

 

「お、王様はやてさんの効果発動! LCを取り除き、破壊を無効にする!」

「けど戦闘ダメージを受けてもらうんだな!」

 

LCはやて1→0

遊斗LP1700→300

 

や、ヤバイ。いくらライフ1000以下を狙っていてもこれは想定外だ。けど幸い手札にはザフィーラがいる。次のターン耐える事は可能だ。

 

「フェイトさんでベヒーモスを攻撃! フェイトさんは目の前のモンスターと攻撃する時、攻撃力が700上がる」

 

フェイトA2800→A3500 VS A2700

 

『トライデントスマッシャー!』

 

そう言えばエンディミオンに止めを刺したのもフェイトさんのこの攻撃だったな。魔法陣を銃、バルディッシュがトリガーとなったその魔法は、俺もかなり好きな魔法だ。

ベヒーモスは持ち前の野生の力でトライデントスマッシャーを押し返そうとしたが、野生の力だけでは限界がある。百獣王は一人の優秀な魔法使いに破壊された。

 

「ぅぅ・・・・もうグリーン・バブーンの効果が発動できないんだな」

 

隼人LP1800→1000

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター2 伏せ0 手札2 LP300

隼人 モンスター1 伏せ0 手札4 LP1000

 

「ドロー! ・・・・手札抹殺を使うんだな」

「手札抹殺!?」

「多分隼人は遊斗の手札に、ザフィーラがいるって予想したんだと思うぜ。ほら、当たりみたいだ」

 

攻撃力を0にできるコアラッコを捨ててもドローがしたかったのか? いや、別にライフが300ならマスター・オブ・OZの攻撃で終わる。もはや必要のないカードって事か。

まあ真理がどうであれ、ザフィーラを墓地に送られたのは辛い。

 

「やっぱり遊斗はそのカードを手札に持ってたんだな」

「よく分かったな。けどそう簡単には攻撃を通さないぞ?」

「勿論そのつもりなんだな。墓地のフェイクシルエットは視野に入れてる。融合回収を発動、墓地のデス・カンガルーと融合を手札に。黙する死者を発動。墓地のビッグ・コアラを復活。

融合発動、場のビッグ・コアラとデス・カンガルーを融合! 現れるんだな、二枚目のマスター・オブ・OZ」

 

オイオイ、マジかよ!? 一枚でもこのデュエルスペースの面積を多く埋めていたのだ。そんなのが二体いたらソリッドビジョンも堪ったもんじゃないのか、最初からいたマスター・オブ・OZの大きさが少し小さくなり、もう一体のマスター・オブ・OZと並んだ。

 

「バトル! 一体目のマスター・オブ・OZで夜天の王・八神はやてを攻撃!」

「墓地のソニックムーブの効果発動! 王様はやてさんを除外する」

「なら黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウンに攻撃! エアーズ・ロッキー!」

「罠発動、strikersの回収を発動。墓地のなのは、ユーノ、ザフィーラをデッキに戻し二枚ドロー。手札のザフィーラを捨ててダメージを0にする」

 

A4200 VS A3500

 

「やっぱり決められない・・・・。もう一体のマスター・オブ・OZでダイレクトアタック!」

「墓地のフェイクシルエットの効果発動。墓地のこのカードとティアナさんをゲームから除外し、攻撃を無効にする」

 

マスター・オブ・OZの拳は本物の俺では無く、幻影の俺の方へ伸びて行く。幻影の俺はペチャンコになる前にスッと消え、マスター・オブ・OZの攻撃は空振りに終わった。

 

「カードを二枚伏せてターンエンドなんだな」

「エンドフェイズ王様はやてさんが戻ってくる」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター1 伏せ0 手札4 LP300

隼人 モンスター2 伏せ2 手札0 LP1000

 

「ドロー! なのはを通常召喚、効果で自身とミッドチルダにLCが乗る」 

 

LCミッドチルダ0→1 なのは1

 

あの二枚の伏せ、かなり気になるな。王様はやてさんにLCを乗せるか、どちらか一枚破壊するか、悩む所だが・・・・。

 

「なのはの効果発動。LCを一つ取り除き、右のセットカードを破壊!」

『ディバインシューター!』

 

破棄したのは野性の咆哮。永続罠で、自分フィールド上のモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、自分フィールド上の獣族×300ポイント相手にダメージを与えるカード。俺のライフは既に300だから結構いいカードを破壊した。

 

「ミッドチルダのLCを取り除き、ユーノを特殊召喚。場のなのはとユーノを融合、再び現れろ! AOA高町なのは。効果でデッキからキャロを加え、魔法・罠ゾーンにキャロを置く」

 

LCミッドチルダ1→0

はやてA2800・D2800→A3100・D3100

なのはA1000・D3000→A1300・D3300

 

「カードを二枚伏せてターンエンドだ!」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター1 伏せ3 手札2 LP300

隼人 モンスター2 伏せ1 手札0 LP1000

 

「あの伏せのどれかに間違いなく、存在しない者が入っている」

「ああ、それに引き換え隼人はフィニッシュカードを一枚破壊された。ライフ的にはあと300だが、厳しい壁だ」

「ドロー!」

「スタンバイフェイズに永続罠発動、存在しない者。ライフが1000以下の時発動可能。自分フィールド上のレベル8以上のLSを生贄に、その名前が入っているレベル11のモンスターを融合デッキから呼びだす。夜天の王・八神はやてを生贄に幻魔皇はやてを特殊召喚!」

 

辺りの影を手当たり次第自分の一部とし、一点に集めて行く。その影は小柄な女性の形になり、女性の影は下から徐々に色が付いていく。やっぱり三幻魔の力を込めたカードの威圧感は凄い。

味方である俺でさえ、その力を肌で感じるほどだ。隼人の感じるプレッシャーはこんなものじゃないだろう。

 

はやてA4000・D4000→A4300・D4300

 

「そして幻魔皇はやての効果。このカードが特殊召喚に成功した時、墓地のLS二体を魔法・罠ゾーンに置く。黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウンと教会騎士カリム・グラシアを選択する」

 

はやてさんの影が魔法・罠ゾーンの方へ伸び、影からラビエルを素材にした棺桶が二つ生えてきた。やっぱり棺桶ってちょっと嫌だな。

 

「・・・・バトル! マスター・オブ・OZでAOA高町なのはに攻撃!」

「攻撃宣言時、協力防御を発動。このターンLSは戦闘では破壊されず、俺は戦闘ダメージを受けない。発動後デッキから一枚ドローする」

「ッツ、ターンエンドなんだな」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター2 伏せ4 手札3 LP300

隼人 モンスター2 伏せ1 手札1 LP1000

 

やけに単調な攻撃だったが引きがよくなかったのか? どうであれラッキーなのには変わりない。

 

「ドロー! なのはさんの効果でデッキからスバルさんを手札に加える。そして存在しない者の効果発動。AOA高町なのはを生贄に、融合デッキから神炎皇なのはを特殊召喚!」

 

俺のフィードに巨大な火柱が現れた。本来なら天にも届くその火は、デュエル会場の天井に邪魔された。それでも優しく温かい火の感じは、前と同じで、その中からウリアの形のデバイスを持ったなのはさんが現れた。

 

なのはA0・D0→A300・D300

 

「神炎皇なのはの効果で、自身のSLCを乗せる」

 

SLCなのは1

 

墓地の最高レベルは、王様はやてさんの10。マスター・オブ・OZの攻撃力を上回る事が出来るが、あの伏せが非常に怖い。獣族は野性解放の他に、もう一つ攻撃力を爆発的に上昇させる永続罠がある。

ビーストライザー。自分フィールド上の獣族一体を除外して、フィールドの獣族の攻撃力を除外したカードの攻撃力分上げるカード。ダメージステップに発動できる優れ物で、上昇する効果も永続なので除外すればするほど強くなる。

 

「・・・・幻魔皇はやてを守備表示に変更。ターンエンドだ」

 

あと一枚、あと一枚あればあの伏せがビーストライザーでも勝てる。

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター2 伏せ4 手札5 LP300

隼人 モンスター2 伏せ1 手札1 LP1000

 

「ドロー!」

「この瞬間神炎皇なのはにSLCが乗る」

 

SLCなのは1→2

 

「死者蘇生発動! 墓地のベヒーモスを特殊召喚するんだな!」

「動いてきたか! 幻魔皇はやての効果発動。相手が特殊召喚した時、自身の効果で魔法・罠ゾーンに置いているカードをフィールド上に置く。フェイトさんを攻撃表示で置く」

 

フェイトA2800・D500→A3100・D800

 

「永続魔法一族の結束を発動」

 

OZ A4200→A5000

ベヒーモスA2700→A3500

 

「バトル! ベヒーモスで神炎皇なのはに攻撃!」

「隼人の奴神炎皇なのはの効果を忘れたのか!?」

「神炎皇なのはの効果発動! このカードのSLCを一つ取り除き、墓地のAOA高町なのはをデッキに戻す。これにより攻撃力が4000上がる」

 

SLC2→1

なのはA300→A4300

 

「ダメージステップ永続罠、ビーストライザーを発動。ベヒーモスをゲームから除外し、一枚のマスター・オブ・OZの攻撃力を2700上げる!」

 

OZ A5000→A7200

 

除外する効果は自分のダメージステップでも撃てる。SLCを消費させつつ、攻撃力を上げたってところか。けど伏せは警戒するべきだったな。

 

「攻撃力を上げたマスター・オブ・OZで神炎皇なのはに攻撃! エアーズ・ロッキー!」

「攻撃宣言時設置型バインドを発動! 攻撃は無効にし、ミッドチルダにLCを置く」

 

LCミッドチルダ0→1

 

「けどもう一体のマスター・オブ・OZの攻撃が残っている。幻魔皇はやてを攻撃! エアーズ・ロッキー!」

 

A5000 VS D4300

 

「ダメージ計算時手札のスバルさんの効果発動。このカードを墓地に送り、幻魔皇はやての守備力を1000上げる」

 

はやてD4300→5300 VS A5000

 

マスター・オブ・OZの攻撃力は強力だ。攻撃力はF・G・Dと並ぶ攻撃力5000。幻魔皇はやて一人では無理だが、いつもみんなを助けてくれるスバルさんと一緒なら防ぐ事ができる。

マスター・オブ・OZの拳、エアーズ・ロックを古代ベルカ式の魔法陣と、近代ベルカ式の魔法陣二つが受け止め、巨大な拳を弾き飛ばした。

 

隼人LP1000→700

 

「・・・・ターンエンドなんだな」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗 モンスター3 伏せ3 手札4 LP300

隼人 モンスター2 伏せ2 手札0 LP700

 

隼人の伏せはもう明らかになってる。おそらくこれが最後のターンになるだろう。隼人もそれは実感しているだろうが、最後の最後まで諦めていない。

 

「ドロー! この瞬間神炎皇なのはにSLCが乗る」

 

SLCなのは1→2

 

「存在しない者の効果発動! フィールド上の黒騎士・フェイト・テスタロッサ・ハラオウンを生贄に、降雷皇フェイトを特殊召喚!」

「レイジングハートを神炎皇なのはに装備」

 

なのはA300→A1800

 

「バトル! 降雷皇フェイトで攻撃力の低い、マスター・オブ・OZに攻撃!」

『サンダーレイジ』

 

A4300 VS A5000

 

マスター・オブ・OZの上空に現れた巨大な魔法陣。魔法陣は辺りの電気エネルギーを溜め、溜めた電気エネルギーをマスター・オブ・OZにぶつけようとしたが、ぶつかる直前マスター・オブ・OZの姿がスッと消えた。

 

「ダメージステップ、ビーストライザーの効果でマスター・オブ・OZを除外し、もう一枚のマスター・オブ・OZの攻撃力を4200上げる!」

 

OZ A7200→A11400

 

「攻撃力11400!?」

 

しかもダメージステップ時に攻撃対象がいなくなったから、巻き戻しは起こらずに攻撃は無効。発動条件が除外なのが辛いけど、それ以外は強いよな。だがその攻撃力を出すのが少し遅かった。

 

「神炎皇なのはで攻撃! ダメージステップSLCを二つ取り除き、墓地の夜天の王・八神はやてと黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウンをデッキに戻し、攻撃力を9000上げる!」

 

なのはA1800→A10800

 

「けどまだ足りないんだな!」

「いや、足りてるよ。速攻魔法ACSを発動! レイジングハートを装備しているモンスター一体を選択。選択したモンスターの攻撃力を2000上げる!」

 

なのはA10800→A12800 VS A11400

 

『行くよ、全力全開! スターライトブレイカー!』

 

マスター・オブ・OZは、ベヒーモスと自身の分身の力を受け継いでいる。神炎皇なのはに放ったその拳には、コアラとは思えないほどの闘気が込めていた。だがACSの状態で、王様はやてさん、フェイトさんの魔力を受け継いだスターライトブレイカーの威力は異常だ。マスター・オブ・OZの拳をもろともせず、マスター・オブ・OZの巨体を呑み込んだ。

 

隼人LP700→-700

 

「勝った・・・っと、あれ? 体が・・・・」

 

今まで体の事を無視してきたのが一気に来たのか、背中が地面に吸い寄せられるように倒れて行った。みんな一瞬慌てていたが、すぐにホッと息を吐いた。フェイトが倒れ掛かっている俺を、上手く車椅子に乗せてくれたのだ。

 

「あ、ありがと、フェイト・・・・」

「やっぱり無茶だったみたいだね。しばらくはデュエル禁止だからね」

「ハァ・・・・、分かったよ」

 

目が覚めた時点で、しばらくデュエルできないって分かっていたからな。嫌だけど仕方ない。

 

「ゆ、遊斗! 大丈夫なんだな!?」

「あ、あんまり大丈夫じゃないけど。でも、後悔はして無い。いいデュエルだっだ」

 

隼人へ手を向けてフッと笑う。動かしただけで手が痛むが、さっきまでデュエルしていたんだ。これくらい我慢できる。

隼人も俺に釣られてフッと笑い、俺の手を優しく握った。

 

「うん! 最後の最後、本気の遊斗と戦えてよかったんだな!」

「カードデザイナーとして頑張れよ」

「ああ! いつか遊斗専用のカードを作るんだな!」

「それは楽しみだ」

 

こうして隼人はデュエルアカデミアを卒業した。ペガサス会長と一緒に歩く隼人は、一年前、レッドは落ちこぼれの集まり、とブツブツ呟いていた隼人の面影は無く、一人前のデュエリストのオーラを出していた。

今の俺では出せないオーラ。強い弱いじゃない。自分の進むべき道や、夢。そんな目標に向かって、魂のデッキと共に歩くデュエリスト。これが今の隼人だった。

 

 

 




今回のデュエルは、オリカの三幻魔をメインにしました。と言っても後半しか出番が無いんですけど。
今まで、ホープレイ出したいなら自爆特攻でOKwwとか思ってましたけど、ライフを1000以下にするのって難しいですね。自分でハードル上げた気がする。
まあ今回ペガサス会長が言った通り、普通のデュエルでは使いません。今回はペガサス会長がいて、みんな事情を知っているから、特別で許可をもらった感じです。
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