遊戯王GX 決闘モンスターリリカルなのは   作:あかない

27 / 73
今回でついに一期が終わりです。
今回はストーリー的にデュエルする機会が無かったので、本当に初のデュエルが無い話です。


後書きに結構重要なアンケートをします。チラッと見るだけでもいいので、確認お願いします。


第二十四話

隼人が卒業してから一週間後。もうそろそろ三年生が卒業と言う事で、色々とイベントがあった。卒業する先輩に告白したり、今までの礼を言ったり、色紙を書いたり。卒業生とデュエルをして、思い出を作る生徒もいた。本当なら俺もデュエルしたいんだが、しばらくデュエルは禁止されている。

まあそれはそうだろう。なんたって今も松葉杖を付いて歩いている状態なのだ。デュエルなんて出来そうもない。

 

「やっぱりデュエルディスクでデュエルしたいもんな」

「せっかくの卒業デュエルだからな。けど中にはデュエルディスク無しでもOKの先輩達いたじゃんか」

 

そう、デュエル禁止と言っても、テーブルでデュエルするには何の問題も無い。ただアニメーションも、音も何もないデュエルと言うのは今一で、誘ってきた先輩達の8割が「元気になったら思いっきりやろう」と言い残して、俺とのデュエルを諦めた。

十代の言葉にハァとため息をつき「よっこいしょ」と親父臭い言葉と共に、椅子に座る。机を支えにして置いた松葉杖を見ると、まだ治らないのかと憂鬱になる。

 

「まだ休んでろよ。校長先生だって休んでいい、って言ってただろ」

「遅れた分取り戻したいからな。なによりお前と亮さんの卒業模範デュエルを見たら、部屋でジッとしてられなくてさ」

「へへっ、中々いいデュエルだっただろ?」

 

卒業模範デュエル。簡単に言うと、卒業生代表と在校代表のデュエルだ。

卒業生代表は当然パーフェクト人間である亮さん。そして在校生代表が十代。十代と亮さんのデュエルは物凄く、最後のターンなんか、三幻魔とのデュエルが可愛く見える程だった。

パワー・ボンドで攻撃力8000のサイバー・エンド・ドラゴンが登場。リミッター解除で攻撃力16000まで上昇。十代も負けず、決闘融合―バトル・フュージョンでシャイニング・フレア・ウイングマンの攻撃力を、サイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力分上げ20900に。だが亮さんもそのカードを持っており攻撃力は36900に。

攻撃力20900と36900で十代の負けかと思ったが、決闘融合―ファイナル・フュージョンと言う、お互いのモンスターの攻撃力の合計分ダメージを与える罠カードを使い、お互いライフが0になり相討ちになった。

 

「いや~、思いだしただけでも鳥肌が立つ」

「そんな褒めんなよ。あっ、クロノス先生が来たか。じゃっ、俺昼休みまで寝るから」

 

十代はそう言って机に寝そべり、僅か十数秒後にはグ~グ~と寝息を立て、夢の世界に旅立っていた。

・・・・やっぱデュエル以外は、代表と言える奴じゃないな。

 

「え~、それで~ワ、数日後の卒業式の事の話し合いをシマ~ス」

 

 

 

 

ついに卒業式当日。体もだいぶん戻ったが、まだ万全じゃなかったので、保険の鮎川先生の同伴の元、ブルー在校生代表として、卒業生の方々に別れと感謝を言った。長々しい校長先生の話も、卒業式ではその言葉一つ一つが重く感じられ、卒業生でもないのに目頭が熱くなった。校長先生の言葉が終ると、卒業生は一人一人、校長先生から卒業証書を貰った。

そして卒業式も終わった。

 

「今までありがとうございました」

「いや、スカリエッティみたいな後輩を持って良かったよ。いつかお前がプロになったら、自慢させて貰うぞ」

「はい。じゃんじゃん自慢してください」

 

亮さん以外にもいい先輩はいっぱいいて、お世話になった先輩一人一人にこうして別れの挨拶をしていった。卒業式が終わってから30分ぐらいずっと挨拶周りをし、最後に一番お世話になった先輩に挨拶をしに行く。

 

「亮さん、今までお世話になりました。こうやってブルーに溶け込めたのも、亮さんのおかげです」

「俺はお前が一人にならないようにしただけだ。ブルーの友人を作ったのはお前だ」

「それでもです」

 

亮さんには本当に色々とお世話になった。この一年間、十代の次にデュエルをしたのは亮さんだろうし、様々な戦術を見せてもらい吸収させてもらった。勿論デュエルだけではなく、日常生活や友好関係でもお世話になった。

 

「最後の最後、お前とデュエルを出来ないのは残念だ」

「俺もです。ここで今すぐデュエルしたいんですが、ある人に止められてて」

「ああ、あの女の子・・・・じゃなくて、お姉さんか。フェイトさん、だったか?」

「え? どうしてそれを?」

 

フェイトからデュエルを止められている事は、十代、翔、明日香、万丈目しか知らない筈だが。

 

「お前の頬が緩んでいたからな。そんな事だろうと思ったんだ」

「ッツ・・・・。やっぱり亮さんには敵いません。プロリーグでも頑張ってください」

「ああ、このデュエルアカデミアの卒業生として戦っていくさ」

 

亮さんと握手を交わし、何を言う事も無く俺達は別れた。

 

 

 

 

卒業式も終り、三学期もあっという間に終了。気が付けば長い長い夏休み。宿題があるが長い夏休みと、宿題がないけど短い春休み。どっちにも魅力があるが、同時にどちらにも悪い点がある。けどデュエルアカデミアの夏休みは、一般の夏休みより日数は長い癖に宿題がない。その代わりデュエルレポートと言うのがあり、毎日誰でもいいからデュエルをして、そのデュエルの流れと感想を書かないといけない。まあ日記みたいなものだ。そんなもの今までのデュエルを思い出したり、勝手に捏造したりすれば一日で終わる。つまり俺の夏休みのレポートはもう終わった。

そして俺は――――

 

「あ~、やっぱり自分の部屋って落ち着く~」

 

ミーンミンミン! と蝉が五月蠅く鳴く中、冷たいフローリングに横になり、扇風機から送られる風を堪能していた。ブルーの寮もいいけど、物心ついてからずっとここが自分の部屋だからな。やっぱりこの部屋が一番だ。

扇風機の風に吹き飛ばされない様にデッキを掴み、一枚一枚確認して行く。理由は無い、ただ暇だからだ。

 

「遊斗~、アイス買ってきたよ~。ってまだダラダラしてる」

 

開いているドアから入ってきたのは、近所のスーパーの袋を持ったフェイト。フェイトは俺の姿を見て、怒った顔をするが、しっかりリクエストしていたソーダ味のアイスをくれた。

 

「ありがと」

「も~、いくら夏休みだからってダラダラしすぎだよ。みんな実体化してどっか行ってるよ?」

「いや~、ブルーに上がってから、何だかんだで気を使ってたんだよ。優秀生徒に与えられる部屋を使っている分、テストやデュエルに力入れないとなって」

「その緊張が解けてダラダラしてると。確かに最後の月一試験では、イエローを退けて一位だったし、デュエルも完璧。遊斗って意外に凄いからね」

「フェイトさん程じゃないけどね~。一応努力してるんだ」

 

フェイトの前でフェイトさんの話をするのも変だけど、実際あの人は完璧超人だ。運動神経抜群、頭は良い、家事も出来るし戦闘も出来る。他にも色々あるけど、兎に角あの人は凄い。

けど俺だってフェイトさん程じゃないけど、運動は得意だし、勉強だって頑張っている。家事もなのはさんとはやてさんのおかげで人よりかは出来る。なによりデュエルが結構強い。この一年で女子に告白された経験もある。

 

「そう言えば、もし私が遊斗の精霊にならなかったら、今頃10年後の私と同じだったのかな?」

「フェイトは9歳までの記憶があって、フェイトさんは19歳までの記憶がある。9歳までの記憶は全く一緒って言ってたから、多分そうなんじゃないか? 本来ならフェイトは19歳のフェイトさんになる筈だけど、成長が止まって精霊として生き始めたから、違うフェイトになってるんだろ」

 

ソーダアイスを口に含みながら、俺は適当な推理を言った。

あっ! アイス一気に食って頭がキーンとする・・・・。このキーンって感覚も、冷たい物を食べる醍醐味の一つとして楽しむ人がいるらしいけど、俺はそこまでアイスが好きじゃない。因みにその醍醐味を味わっているのは、アイス好きのヴィータさんだ。

 

「今の私と、10年前の大人の私は違うもんね」

「そうそう」

 

フェイトは自分用のコーラ味のアイスをパクッと食べる。フェイトの食べる姿を見て、美少女に食べられる方がアイスもいいだろうな、なんて下らない事を考える。

 

「フェイト~、フローリングが硬い。膝枕して~」

「一年でデュエルアカデミアのトップになった人には見えないよ。もう一人のトップは授業で居眠りするし」

 

呆れ顔でそう言いながらもフェイトは俺の顔の方へ歩いて来て、腰を降ろしてお姉さん座りをした。甘えるようにフェイトの膝に頭を乗せ、柔らかい膝を堪能する。さっきまで硬いフローリングで寝ていたからか、よりフェイトの膝が柔らかく感じる。ん~、実体化出来るって素晴らしいな。多分俺、世界でかなり幸せな方だと思う。金髪美少女に膝枕してもらうって、そうそう経験できるもんじゃない。

 

「フェイト~」

「ん、何?」

「いくら相手が俺でもスカートの中は気を付けた方がいいぞ。襲うかもしれない」

「遊斗っ!」

 

その後数回フェイトに叩かれつつも、しばらくの間フェイトの膝枕を堪能した。365日ある一年の30日くらい、ダラダラしたっていいだろ。デュエルアカデミアは、土日に授業は無いけど、学校の中にいるのには変わりない。偶にはこうやって素の自分を出してリラックスしたい。

 

「あれ? もうこんな時間か」

 

気が付けば夕焼けが見える。そんな経験誰でもあるだろう。朝九時に起き、夕方になる六時までの九時間、いったい何をやっていたんだろうと、呆然とする人も多い筈。どうやらフェイトもその一人らしく、深くため息を吐いている。外出していた精霊達(みんな)が帰って来て、それぞれの思い出話を語るのも、フェイトがため息を吐く理由の一つだろう。

ふむ、確かに夏休みが始まってから一週間、まともに外に出てないな・・・・。フェイトも俺に付き合ってくれ、基本的に家にいる。俺も夏休み中ずっとダラダラするつもりはないし、ここは思い切って誘ってみよう。

 

「よしフェイト!」

「な、なに?」

「明日海行こう」

「へ、海?」

 

あれ、意外に反応が悪い? ひょっとしてフェイトって泳げない? それとも海が嫌いだったり・・・・。えっと、他に夏休みを感じる事が出来るものと言えば。

 

「海が嫌ならプールでもいいし、祭でもいいし」

 

祭は明日あるかは分からないけど、調べればどこかあるだろう。思いつく限り夏らしい遊び場を出すと、フェイトは首をフルフルと横に振り、俺を見上げニコッと微笑む。

 

「ううん、海がいい」

「よかった~。じゃあ明日朝の六時に出発するから」

「六時? 随分早いね」

「まあ少し遠いからな」

 

と言う事で翌日の六時。精霊達(みんな)には申し訳ないが、今日デッキは持っていかずフェイトと二人っきりで海に行く。デュエリストとしてデッキを携帯しないのは悪行だが、海にカードを持って行っても身動きがとりにくくなるだけだ。自転車の籠に自分の荷物を乗せ、家から出て来るフェイトを待つ。

ガチャッとドアが開くと、フリフリが付いた青の長いワンピースを着て麦わら帽子を被ったフェイトがいた。爽やかなブルーのワンピースに、ちょっと大きめな麦わら帽子はどこかグッとくるものがある。しかし肝心なフェイト本人の顔は、余り優れていない。

 

「・・・・もしかして自転車で行くの?」

「お前って水着持ってないだろ? 電車やバスで行くと水着代が無くなるんだよ」

「え? 遊斗ってそんなに貧乏だっけ?」

「ほら、冬休み精霊達(みんな)に服買っただろ? あれで今まで溜めていた金が綺麗に無くなってさ。自転車で嫌ならどこか別の所にしようか?」

 

ここからビーチまで自転車で一時間半以上は掛かるだろう。フェイトが嫌だったらどこか別のところでもいいんだが。

けどフェイトは悩む素振りも見せず、フフッと笑みを浮かべる。これだけでフェイトの言いたい事は分かった。フェイトに釣られて俺も笑い、ポンポンと後ろの荷台を叩く。

 

「途中で疲れたら言ってね」

「フェイトは軽いから大丈夫。よしっ、出発だ!」

 

フェイトの腕が腰に回ったのを確認し、ペダルを踏み込み車輪を動かし始めた。

 

 

 

 

どうやら俺は運が悪いらしい。自転車で片道一時間半の距離を漕いできて、誰にも邪魔されずフェイトと二人っきりで遊ぶ予定だったのに、どういう訳かビーチには十代、翔、万丈目、明日香、吹雪さんがいた。五人の姿が視界に入った瞬間、すぐにこの場から逃げようと思ったが、万丈目に見つかってしまった。

 

「・・・・どうしてお前達がここにいる?」

「それはこっちの台詞だ。ここは万丈目グループのプライベートビーチ。本当なら明日香君だけ招待するつもりだったのに・・・・」

 

万丈目の視線の先には、水を掛け合ってイチャイチャしている十代と明日香。誘った相手が他の男とイチャイチャしている。一時間半自転車を漕いできた俺でも、万丈目の不憫さには同情した。

万丈目の隣にいる翔が、俺をギロリと睨んできた。フェイトと二人乗りしていた事に嫉妬しているんだろう。いい加減フェイトの事は諦めたらどうだ・・・・。

 

「万丈目、更衣室ってどこだ?」

「あっちだ。ところでお前は自転車でここまで来たのか?」

「ああ、交通費使うとフェイトの水着が買えないからな。じゃっ、また後で」

 

万丈目と翔と別れ、更衣室に向かう途中、再びハァとため息をつく。ある情報でこのビーチは穴場で、フェイトと二人っきりのビーチで遊べると思っていたのに、まさか万丈目のプライベートビーチだったとは・・・・。ガセネタ掴まされたか。

 

「ゴメンね遊斗。水着まで買ってもらって」

「いいんだよ。男って女の子に服プレゼントしたい生き物だし」

「・・・・脱がせる為に?」

「ッブ!? い、いや、自分の好きな服を着てくれたら嬉しいじゃん」

 

ま、まあそういう下心が全く無い事もないけど、誰にでもそんな下心を持っている訳じゃない。なんて正直に言える勇気は無く、フェイトと別れ男子用更衣室に入った。

男の着替えなんてすぐに終わるものだ。一、二分で着替え終えた俺は、先に十代達の所に行った。さっきは遠くから見るだけだったが、明日香の水着は露出度が激しく、大人っぽかった。そんな明日香を前に、平然と遊んでいる十代は流石だと思う。

 

「おーい! 遊斗も一緒に遊ぼうぜー!」

「フェイトが来てからなー! 万丈目は明日香と遊ばなくていいのか? 吹雪さんも」

「明日香に念を押されてるんだよ。邪魔するなって」

「右に同じく」

 

女性にモテモテで、サーフィンも出来る吹雪さんでも、可愛い妹の明日香の邪魔はしたくないらしい。吹雪さんは片手でサーフィンボートを持ち、もう片方の手で万丈目の手を引っ張ると、十代と明日香が遊んでいる場所から少し離れた場所に歩いて行った。何だかんだであの二人は二人で楽しんでいるのか。

そしてさっきから何も話さない翔。コイツに関しては、泳げないから海で遊ぶ手段が砂浜で遊ぶくらいしかないんだろう。一人寂しく砂のお城を作る姿は、とても哀感が漂う。

 

「お待たせー遊斗ー!」

 

可愛らしい女の子の声と、綺麗な砂浜を走るサクサクの音が耳に入り、声の主であるフェイトの方へ視線を動かす。翔も俺と同じようにフェイトへと視線を動かそうとしたが、フェイトの水着姿を一番に見るのは俺だ。素早く翔の眼鏡を奪い遠くへと投げ飛ばす。

フェイトの水着は、上下白のシンプルなビキニ。腰には青のパレオが巻かれており、左足の膝を隠し右の太ももを出しているのが、小さい体ながらも何とも言えない色気を出している。上のビキニの中心には青のリボンが付けてあり、パレオとは違い子供らしさが出ている。

 

「・・・・」

「どう、かな?」

 

フェイトは恥ずかしそうにモジモジと手足を動かし、首を小さく傾げて上目使いで俺を見る。水着姿で手足をモジモジと動かすだけでも可愛いのに、首を傾げる+上目使いは駄目だ。

 

「凄く似会ってる。とっても可愛い」

 

余りの可愛さに口が中々動いてくれなく、フェイトの質問から十秒くらいたってようやく返事が言えた。

 

「あ、ありがと・・・・」

「よし! じゃあ遊ぶか!」

「うん!」

 

それから十代と明日香に混ざり、ビーチバレーをしたり、万丈目が持って来てくれたスイカでスイカ割りもした。ビーチバレーにしてもスイカ割りにしても、フェイトの運動神経は発揮された。自分の背より遥かに高いネットより高く跳びスパイクをしたり、スイカの気配を察知して綺麗に割ったりと、みんなを驚かせた。

 

「魔導師って運動神経もいいのね」

「私は近接戦闘をしたりもするから、結構鍛えてるんだ。元々運動は好きだし」

「へ~」

 

意外にもフェイトは明日香と話が合うようだ。忘れてしまいがちだが、フェイトは19年間生きているから、明日香とは年が近い。傍から見たらフェイトが妹で、明日香が姉に見えるが、生きた年月で言えば逆だ。

 

「魔法が使えるってどんな感じ?」

「それが当たり前だから良く分からない。けど私の魔法は戦闘ぐらいしか役にたたないから、絵本の魔法とは全然違うな」

「戦闘向きでもいいから魔法使ってみたいぜ。デュエルディスクにカードをセットしたら、カードが実体化する魔法とか」

 

十代だったら本当に出来そうで怖いな。

けど魔法か・・・・。昔からロマンチックな魔法を見た事がない俺にとっては、余り憧れるものじゃない。砲撃、斬撃、天候操作、広域攻撃、何一つロマンチックな物は無い。

 

「アニキは夢が無いッス。もし魔法を使えるなら、大儲けできるし、女の子からモテモテになる事も出来るッス」

「翔、お前の方が夢無いぞ・・・・」

「ってもうこんな時間か」

 

いつの間にか水平線の彼方に夕日が見える。オレンジ色の光が反射した海は、とても幻想的で、あの水平線の彼方に行くと、太陽に触れる事が出来るのではと、男らしくないメルヘンチックな考えが頭をよぎった。

 

「・・・・フェイト、ちょっと来てくれ」

「ふぇ? うん」

 

隣に座っているフェイトの手を握り、少し強引に引っ張る。俺達の後を翔が追って来たが、十代と明日香により止められ邪魔者はいなくなった。

人っ子一人いない場所まで来ると、クルリと振り返ってフェイトを眺める。オレンジ色の光によって反射した金色の髪は、この世のどんな色よりも美しく綺麗だった。キラキラと光る髪は、普通の人間には似合わない幻想的な色だが、天使の様に綺麗なフェイトには、輝く髪はこれ以上ないくらい似会っている。

 

「最後にちょっとだけ、二人で遊ばないか?」

「? うん」

 

フェイトの手は話さず、海に入っていく。長い間ビーチで遊んでいたから、体はすっかり乾いており、海の水がひんやりと気持ちいい。朝来た時とは違い、潮の関係で俺の腰辺りまで水が来ており、フェイトが遊ぶには少し水嵩がある。

 

「あの、遊斗?」

 

遊斗・スカリエッティ。一世一代の大勝負だ。ここで逃げたり誤魔化したら男じゃない。ゴクッと大きく唾を飲み込み、スーと軽く息を吸う。

 

「フェイト。俺・・・・フェイトが好きだ」

「へ?」

 

言った! ・・・・けど、フェイトは目をキョトンとして間抜けな声を出すだけで、何も言わない。まさかとは思うけど、likeの好きと勘違いされているとか? 

こ、告白したんだ、しっかり自分の気持ちをハッキリ伝えないと。

 

「家族としてじゃない。一人の女の子としてフェイトが好きだ。昔はお姉さんとして好きだったけど、デートしたり、学園祭回ったり、ずっと看病してくれたり。そんなフェイトを見て、フェイトが異性として好きになった」

 

は、恥ずかしすぎる・・・・。今すぐこの場から逃げて絶叫したいが、男がそんな事してどうする。フェイトが口を開くまでこの場から離れる訳にはいかない。

フェイトは顔を真っ赤にさせ、下を向き、ゆらゆらと揺れている海を眺めている。顔が赤いのは、遊日の所為じゃないと思いたい。

 

「私、人間じゃないんだよ? それに成長しない体だし・・・・」

「もし精霊だからって理由で俺をふるなら、俺は諦めない。あと成長しないのはフェイトのコンプレックスかもしれないけど、そんなの気にしない。勿論見た目も好きだけど、なによりフェイトの中身が好きだ」

 

自分の口じゃないみたいに、伝えたい気持ちがスラスラと出てくる。

 

「ッツ・・・・わ、私も、遊斗が・・・・好き」

「ちょっと普通とは違うけど、付き合ってくれる?」

「・・・・うん」

 

その言葉を聞いた瞬間、フェイトを寄せてギュッと抱きしめる。か弱く細い体を強く、けれど優しく抱きしめ続ける。

夕焼けだけが見守る中、俺とフェイトは恋人同士になった。

 

 

 




早速ですがデッキ枚数の事でアンケートをしようと思います。
問題はデッキの上限をどうするかです。
色々考えた結果、この二つにしようかと思います。

残り20枚に収める(1)
80枚超えても無視する(2)

の二つにします。デッキを二つに割るという案もありましたが、デッキを複数持っているとストーリー的に矛盾が出たり、相手によってデッキを使い分ける事をしたくないからです。


(1)ですが、これにするとこれからのオリカは融合モンスターが増え、防御手段も一定になっていくかもしれません。ですので出来れば作者としては避けたいところです。

(2)ですが、80枚超えると言っても毎回毎回オリカを出したりする訳ではなく、もう少し防御手段を増やしたり、vividやforceのキャラだったり、デバイスだったりをメインに出していきたいと思います。十代を理由に正当化するわけではないですが、アニメ終了時まで十代が使ったカードはメインだけで160枚です。(ここまで増やしません)


(2)に決定しなかったのは、80枚超えるのが嫌な方もいらっしゃると思うので、アンケート形式にしました。



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。