遊戯王GX 決闘モンスターリリカルなのは   作:あかない

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前回は9日も更新が空いてしまったので、その穴を埋めるため、素早く投稿しました。

すっかり忘れていましたが、章に分けるシステムを見つけたので、一期、二期と分けてみました。

そして思ったのが、二期が始まって数話と言うのに、ペースがかなり早いという事。
ただこれくらいのペースでストーリー進めないと完結出来ないと思うんですよね(苦笑)


それと今回タッグデュエルをやりますが、エンドフェイズ時の場の確認の時にターンプレイヤー(TP)を付けています。


追記
進撃の帝王の使用中に、アドバンス召喚したカース・オブ・ヴァンパイアを攻撃しました。この時、ヴァルバロイドの効果を無効にする効果が、進撃の帝王により守られると勘違いしていましたが、ヴァルバロイドの効果は対象に取らないので、カース・オブ・ヴァンパイアの効果は無効化されます。



第三十一話

俺と翔とマテリアルズは十代と別れ、海馬コーポレーションの近くにあった喫茶店で昼ご飯を食べていた。十代が店に残ったのは、双六さんが語る遊戯さんの武勇伝やデュエルを聞く為。俺と翔も遊戯さんの話には興味があるが、腹が減っていたし、これ以上レヴィとディアーチェを待たせる訳にはいかなかった。

童実野町に着陸した時言った通り、レヴィには水色のキャンディーを。ディアーチェには学生が買うにはかなり贅沢なプリンを。シュテルには猫の形をしたまんじゅうをそれぞれ買ってあげた。

そして俺と翔は普通に喫茶店のパスタを食べていた。

 

「けどシュテルちゃん達、本当にそれだけで大丈夫ッスか?」

「はい。私達は元々食事が必要ありませんから。味を楽しむだけで量は必要ありません」

「ふ~ん、本当に精霊なんすね」

「仮に食事が必要だったら大変な事になってる。食事代だけでも考えただけでゾッとする」

 

365日朝昼晩、毎回大規模なパーティー並みの食料が必要になるだろう。父さんの収入を全て使っても、一年持つか分からない。

こうやって嬉しそうにお菓子を食べる三人には申し訳ないが、毎日食べさせてあげる事はできない。

 

「けどあの子はお菓子を食べなくて良いのでしょうか?」

「そうだよ。せっかく遊斗が買ってくれるって言ったのに」

「あの子ッスか?」

 

シュテル、レヴィが俺のデッキケースをジッと見つめ、翔も続いてデッキケースを見る。三人にとって大切な家族である一人の少女。三人からの話で、お菓子が大好き、と知っていたのでお菓子を餌に少しコミュニケーションを取りたかったが。

 

「なにぶん引っ込み思案だからな。まあ後で我が話をしておく」

「ありがと、ディアーチェ」

「ふんっ。勘違いするなよ。これはあ奴の為であって、貴様の為ではない」

「はいはい、分かってるよ」

 

プリンを食べて気が落ち着いているのか、言い方はきついがトーンはそこまできつく無い。ディアーチェは最後の一口になったプリンをプラスチックのスプーンでゆっくりと救い、スプーンの上でプルプルと踊るプリンを口にしようとした瞬間。

ガチャーン! と大きな音と共に、俺達が座っていた席に隣接していたガラスが突然割れた。

 

「ッツ!」

 

俺は素早く隣にいるレヴィとディアーチェを抱き寄せ、飛んでいるガラスの破片から二人を守る。ディアーチェは一瞬顔を真っ赤にしたが、すぐに真剣な表情に戻り、ジッとしていてくれた。それとは反対に、レヴィは苦しそうにバタバタと暴れている。

 

「キャアアアアア!」

 

ガラスが割れ、俺が二人を守った次の瞬間、ようやく店内から悲鳴が上がった。この僅かな時間で素早く行動できたのも、日頃の訓練の賜物と言える。

幸い大きなガラスが俺に当たる事は無く、背中に痛みはほとんどない。

 

「うわあっ! だ、誰ッスか!?」

 

翔の悲鳴が聞こえ、慌てて顔を上げると、俺達の机に一人の大男が立っていた。背伸びしたら天井に頭が付きそうな程背が高く、鍛え上げられた腕は、俺の二倍以上太い。

この男がガラスを突き破ってきたのか、男は服に付いたガラスを払っている。

 

「お前何者「武藤双六は預かった。KCビルの屋上で待つ」なっ!?」

「双六さんは十代さんと一緒にいます。誘拐したと言う証拠でもあるのですか?」

「賢い少女だ。これを見ろ」

 

大男はポケットから携帯電話を取り出し、シュテルの方へ投げ捨てる。携帯電話をキャッチしたシュテルは、画面を見ると「ッツ」と息を呑んだ。

慌ててシュテルから携帯電話を取り画面を見ると、そこにはビルの屋上で縄に巻かれ、見動きを取れずにいた双六さんがいた。丁寧に今日の新聞と時計も映っている。

 

「どうやら本当みたいだな・・・・」

「当たり前「ッペ! やっと飴が出てきた。まさか僕が飴玉に苦戦するとは思わぬほく兵。ん? おじさん誰?」・・・・」

「レヴィ、それを言うなら伏兵です」

 

この緊迫した空気をブチ壊すシリアス感のまるで無いレヴィと、冷静にツッコムシュテルの声が妙に大きく聞こえた。

どうやらさっきまで苦しそうにしていたのは、喉に飴が詰まっていたかららしい。

 

「・・・・KCビルで待つ!」

「待て! 行くぞ翔!」

「う、うん!」

 

後ろから店長らしき人物の怒り声が聞こえるが、今はそれどころじゃない。ひょっとしたら今の相手は、十代を倒す程の実力を持った奴かもしれない。

 

 

 

 

KCビルの屋上に付くと、そこにはさっきの大男と、もう一人の男。そして携帯の映像と同じように縄に巻かれた双六さんがいた。どうやら俺達がここに来るまでの間、双六さんは眠らされた様で、ピクリとも動かない。

辺りを見渡すが、十代の姿や身につけていた物などは無かった。

 

「双六さんを返すッス!」

「ただで返す事は出来ない。そこに立て」

 

さっきの大男は、悪役の笑みを浮かべながらクイクイと手招きをする。俺達に拒否権は無いので大男の指示通りの場所に立つ。俺と翔が立った場所は、ガラスで出来た床の上だった。下を見るとKC会社の職員が見える。高いのが苦手な翔は、下が見える床にブルブルと震えている。

 

「このじじいを返す条件は簡単だ。俺達にタッグデュエルで勝てばいい」

「デュエルでか。上等だ」

「だが普通のデュエルとは少し違ってな。ライフが0になった瞬間、敗者の地面、つまりガラスが爆発する」

「そ、それじゃあここから一気に落ちて」

「死ぬだろうな。これは命を掛けたデュエル。因みにお前達が負けた瞬間、このじじいも落ちる」

 

命を掛けたデュエル。それは俺好みなルールだが、翔には荷が重すぎる。現にガタガタと震えあがり、目に涙を浮かべている。

 

「ぼ、僕は無理ッス。遊斗君が一人二役して」

「おっと。もう既に爆弾のスイッチは入った。デュエルが終わる前に誰か一人でもこの場から出たらその時点でドカン」

「そ、そんな・・・・」

「大丈夫だ翔。お前は十代の弟分だ。こんな所でビビってたらアカデミアにいる剣山に笑われるぞ?」

 

その瞬間翔の震えはピタリと止まり、キッと二人の大男を睨む。何と言うか、翔は十代の名前を出しとけば扱い易い。

 

「ッフ、では始めようか」

「おっと、その前にお前達の名前を聞いておこうか」

「俺は氷丸。コイツは雷丸だ。さあ行くぞ!」

「「「「デュエル!」」」」

「先攻は俺だ、ドロー! モンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

氷丸&雷丸 モンスター1 伏せ1 手札4 LP8000 (TP氷丸)

 

無難かつ安定した出だし。相手がどのようなデッキかはあのセットカード表になる事で分かるだろう。しかしタッグデュエルを挑んできたという事は、相手は十中八九コンセプトが同じデッキと言うのは読める。その一方俺達は全くコンセプトが違うデッキ。

 

「翔、お前が先にやれ。自分の好きなようにプレイするんだ。俺に気を使うな」

「う、うん。僕のターン、ドロー! ドリルロイドを召喚!」

 

A1600・D1600

 

ドリルロイドは守備モンスターを攻撃した時、ダメージ計算時前にそのモンスターを破壊する効果を持っている。セットカードがリクルーターでも効果を発動されず破壊できる。いい判断だ。

 

「バトル! ドリルロイドでセットモンスターを攻撃!」

「おっと、威嚇する咆哮を発動。バトルフェイズをスキップする」

 

威嚇する咆哮のカードから、血に飢えた獣の咆哮が発せられ、ドリルロイドはその咆哮に脅えてひるんでしまった。

 

「ック、申し訳ないッス、遊斗君・・・・」

「いや、あのカードをセットされた時点で攻撃を通すのはほぼ不可能。謝る必要無い」

「ありがとうッス。カードを二枚セットしてターンエンド」

 

遊斗&翔  モンスター1 伏せ2 手札3 LP8000 (TP翔)

氷丸&雷丸 モンスター1 伏せ0 手札4 LP8000 (TP氷丸)

 

「随分優しい少年だな。ドロー! セットされたカイザー・サクリファイスを生贄に捧げ、雷帝ザボルグを召喚!」

 

A2400・D1000

 

そうか、奴等のデッキは生贄召喚に特化したデッキ。生贄にしたカイザー・サクリファイスは、このカードを生贄にして、生贄召喚に成功した時、このカードを手札に戻す効果を持つ。融合程じゃないが、手札ロスが多くなるデッキには相性がいい。

そして現れた帝は、俺達人間よりかは圧倒的に大きな巨人。白銀の鎧を纏い、手からバチバチと電気エネルギーが出ている。

 

「雷帝ザボルグが生贄召喚に成功した時、フィールド上のモンスター一体を破壊する! ドリルロイドを破壊、デス・サンダー!」

 

雷帝ザボルグの両手から雷が、ドリルロイドを感電し、体内の機械部品を全てぶち壊した。

 

「そんな!」

「更に生贄にしたカイザー・サクリファイスの効果で、墓地のこのカードを手札に加える。バトル、雷帝ザボルグでダイレクトアタック! ローリング・サンダー!」

 

A2400

遊斗&翔LP8000→5600

 

「うわあああ!」

「この程度か? 魔法発動、ワン・フォー・ワン。手札のモンスターを墓地に送り、デッキからレベル・スティーラーを特殊召喚する」

 

A600・D0

 

背中に大きな星マークを付けた巨大なテントウムシ。巨大と言うのは、テントウムシの中でであって、デュエルモンスターズの中では小さい。

このモンスターも生贄召喚をメインとするデッキとは相性がいいだろう。

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

遊斗&翔  モンスター1 伏せ2 手札3 LP5600 (TP翔)

氷丸&雷丸 モンスター1 伏せ1 手札3 LP8000 (TP雷丸)

 

「ゴ、ゴメンッス「このデュエル中謝るの禁止だ」ゴメンッス・・・・」

 

まあ翔がここまで謝るのも仕方がない。何しろこのデュエルで負けた者は命を失う。むしろ俺の様に楽しむ奴が異常。最も俺だって痛いのは嫌いだし、死ぬのは絶対に嫌だ。

 

「レベル・スティーラーか・・・・」

 

相手のデッキは帝を軸にした生贄召喚デッキで間違いないだろう。帝は強力な効果を持っており、レベル・スティーラーは息切れがしにくい。だがレベル・スティーラーは最低でもレベル5のモンスターがフィールドにいなければいけない。

 

「簡単な話、お前達のフィールドを全滅させればいいだけだ。ドロー! フィールド魔法ミッドチルダを発動! フェイトを通常召喚、効果でミッドチルダと自身にLCを置く」

 

A1800・D500

LCフェイト1 ミッドチルダ0→1

 

『大変な事になってるね。しかもこの二人、何か普通とは違う』

「分かった、気を付けるよ。ミッドチルダのLCを取り除き、アルフを特殊召喚」

 

A1600・D1000

LCミッドチルダ1→0

 

『なんだい? ひょっとしてあたしもバトルするのかい?』

 

フェイトの魔力値を頼りにデッキから現れたオレンジ色の毛を生やした大きな狼は、俺の方を振り向く。

 

「ああ、なかなか戦闘の出番を作れなくてごめんな。フェイトの効果、自身のLCを取り除き、雷帝ザボルグを守備表示にする」

「ッチ、小癪な」

「バトル! アルフでレベル・スティーラーを攻撃!」

『久しぶりの敵にしては手応え無いねぇ!』

 

A1600 VS D0

 

アルフはレベル・スティーラーに跳びかかかり、口に付いている鋭い刃でレベル・スティーラーに噛みついた。レベル・スティーラーは抵抗する事も出来ず、あっさり破壊された。

 

「フェイトでザボルグを攻撃!」

『私も負けてられないね。ハーケンセイバー!』

 

A1800 VS D1000

 

帝と言っても召喚成功時に効果を発動できるだけ。ステータスはそこまで高くない。

グルグルと回り残像で円を描く、三日月状の魔力刃は、ザボルグの雷をもろともせずに突き進み、ザボルグを真っ二つに切断した。

 

「フェイトとアルフを融合! 来い、黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウン!」

 

A2800・D500

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗&翔  モンスター1 伏せ3 手札3 LP5600 (TP遊斗)

氷丸&雷丸 モンスター0 伏せ1 手札3 LP8000 (TP雷丸)

 

「そっちの小僧はやるようだな。一対一なら危ない。だがお前には足枷がある」

「うっ・・・・」

 

確かに今の所翔にはいい所が無い。その事を翔も自覚していたのか、気まずそうに俺から視線を逸らす。

 

「確かに翔は気が弱いかもしれない。だが立派なデュエリストだ。少なくともお前達みたいに人質を取るデュエリストより何百倍も立派だ」

「遊斗君・・・・」

「さあ、ゴタゴタ言ってないで早くドローしな」

「ッチ、俺のターン。ドロー! 永続魔法強者の苦痛を発動。これによりそのモンスターの攻撃力は800ダウンする」

 

フェイトA2800→A2000

 

『ッツ・・・・』

 

強者の苦痛。相手のモンスターの攻撃力をそのモンスターのレベル×100ダウンさせる優秀なカード。主に攻撃力が低いデッキに入るカード。このカードが入っていると言う事は、相手は切り札になるモンスターが無く、半上級モンスターで叩いたり除去したりするのがメインと見た。

 

「今貴様はこのカードを見て、俺達のデッキに高火力アタッカーがいないと思っただろう?」

「? 間違っているのか?」

「一対一ならその通りだ。だがタッグデュエルの場合違う。相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合サイバー・ドラゴンは特殊召喚できる」

 

A2100・D1600

 

「それはサイバー流のカード!? どうしてお前が持ってるッスか!」

「サイバー流だけが所持してる訳じゃない。このカードだって高額だが店に売っている。そして墓地のレベル・スティーラーを蘇生!」

 

A600・D0

 

「場のレベル・スティーラーを生贄に、茫漠(ぼうばく)の死者を召喚する!」

 

レベル・スティーラーを生贄に現れたモンスターは、包帯を体中に巻き付けたミイラだった。だが俺が見た事あるミイラとは明らかに違い、手足の一部分が異様に大きく、そこだけ分厚く包帯を巻いている。

 

茫漠の死者A?・D0→A2800・D0

 

「攻撃力は2800に!?」

「このモンスターの攻撃力は、召喚、特殊召喚時の相手ライフの半分の数値になる。お前達のライフは5600だから2800になる」

 

タッグデュエルの場合違うと言っていたのはこう言う事か。通常のデュエルだと初期ライフは4000。一ターン目に出しても攻撃力は2000と心もとない。だがタッグデュエルだと初期ライフは8000で、一ターン目に出した場合攻撃力は4000。

ダメージを受けたのが不幸中の幸いだが、強者の苦痛がある状態で2800のモンスターは辛い。

 

「バトル! 茫漠の死者で黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウンを攻撃!」

「ッツ、すまん翔。罠発動、リビングデッドの呼び声。これでフェイトを特殊召喚する」

 

フェイトA1800・D500→A1400

 

「だからどうした! 攻撃続行だ」

「もう一枚の罠発動、協力防御。俺のフィールドのモンスターは破壊されず、俺への戦闘ダメージは0。その後一枚ドローする」

 

ここでフェイトさんが破壊されるのは危険だ。攻撃力が700上げる効果を持っているので、帝の打点は越える事が出来るし、サイバー・ドラゴンも破壊できる。リビングデットを使ってでも守った方がいい。

 

「ッチ、ターンエンドだ」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗&翔  モンスター2 伏せ2 手札4 LP5600 (TP遊斗)

氷丸&雷丸 モンスター2 伏せ2 手札2 LP8000 (TP氷丸)

 

「お前が伏せてくれたカードのおかげで助かったぜ」

「うん、役に立てて良かったッス。僕のターン、ドロー! 未来融合-フューチャー・フュージョンを発動。極戦機王ヴァルバロイドの融合素材、スチームロイド、キューキューロイド、ステルスロイド、ジェット・ロイドを墓地に送る」

 

翔の新たなコンボでありエンジンでもある、未来融合―フューチャー・フュージョン。ヴァルバロイドを選択する事でデッキのロイド五枚を墓地に送る事が出来る。タッグデュエルでなければ、スーパーチャージでドロー加速が出来るが、タッグデュエルの場合ほぼ不可能と言ってもいい。

 

「バトル! 黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウンでサイバー・ドラゴンを攻撃!」

「攻撃力2000で攻撃だと? 血迷ったか」

「甘いな。フェイトは目の前のモンスターと戦闘する時、攻撃力を700上げる」

『トライデントスマッシャー!』

 

フェイトA2000→A2700 VS A2100

 

サイバー・ドラゴンから放たれたエネルギー弾、エヴォリューション・バーストは、黄色に光る砲撃に掻き消され、放ったサイバー・ドラゴンも同じように破壊され消えて行った。

 

「「ック」」

 

氷丸&雷丸LP8000→7400

 

「デコイロイドを守備で召喚。そして機械複製術を発動、デッキから二枚のデコイロイドを特殊召喚。ターンエンド。どうだ、僕だってやる時はやるんだ!」

 

デコイロイドA300・D500→A100

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗&翔  モンスター5 伏せ3 手札1 LP5600 (TP翔)

氷丸&雷丸 モンスター1 伏せ2 手札2 LP7400 (TP氷丸)

 

「ッフ、たかがダメージ600で何を言っている。ドロー! 永続魔法生還の宝札を発動、茫漠の死者のレベルを下げレベル・スティーラーを復活。生還の宝札の効果で一枚ドロー!」

 

A600・D0

 

やはりレベル・スティーラーは除外しないと永遠に復活される。それだけならまだしも生還の宝札まで発動されてしまった。あれとレベル・スティーラーのコンボは物凄いドローブーストになるので、対処しなくてはいけない。

 

「レベル・スティーラーを生贄に、カース・オブ・ヴァンパイアを召喚」

 

A2000・D800

 

今度は戦闘で破壊された次のターン、ライフを500払う事で攻撃力を500上げて蘇生する事ができるモンスター。さっきから意外と帝は出てきてないが、ひょっとして名前と同じ属性の帝しか持っていないのかもしれない。

そう考えると、急に帝の中で一番弱い雷帝ザボルグを使う雷丸が可哀そうに見えてきた。

 

「装備魔法ビッグバン・シュートを茫漠の死者に装備」

 

茫漠の死者A2800→A3200

 

「バトル! 茫漠の死者で黒騎士・フェイト・テスタロッサ・ハラオウンを攻撃!」

 

茫漠の死者は太く巻いた包帯を解き、フェイトさんに包帯を放った。先程まで軟らかい素材で出来ていた包帯は、突然鋭い刃へと変わり、フェイトさんに襲い掛かる。

 

「させないッス! デコイロイドの効果で相手はこのカード以外のモンスターを攻撃できない!」

 

A3200 VS D100

 

白い刃がフェイトさんに当たると思った瞬間、翔の言葉と共にデコイロイドがフェイトさんを庇うように現れた。

 

「面倒な事をする。だがビッグバン・シュートの効果で茫漠の死者は貫通効果を得る!」

 

遊斗&翔LP5600→2500

 

「ナイス判断だ。翔」

「カース・オブ・ヴァンパイアでデコイロイドを攻撃」

 

A2000 VS D100

 

3100のダメージを受け、二体のデコイロイドが破壊されてしまったが、まだもう一体のデコイロイドとフェイトとフェイトさんが残っている。レベル・スティーラーを呼んでいれば全部のデコイロイドを破壊出来ただろうが、攻撃力600のモンスターを守る手段無しで出しておくのは危険と判断したんだろう。

 

「ターンエンドだ」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗&翔  モンスター3 伏せ3 手札1 LP2500 (TP翔)

氷丸&雷丸 モンスター2 伏せ4 手札3 LP7400 (TP雷丸)

 

まだ二回目のドローなのに随分と差が付いてしまった。ここで一発逆転のカードを引かないとかなり危険な状態になる。

 

「ドロー、来た! この瞬間未来融合―フューチャー・フュージョンのターンカウンターが進む」

 

未来融合0→1

 

「デコイロイドを生贄に、ディアーチェを召喚! 効果でミッドチルダと自身にLCを置く」

『先程のプリンの仇、今ここで討つ!』

 

ディアーチェA2100・D1600→A1600

LCディアーチェ1 ミッドチルダ0→1

 

「装備魔法紫天の書をディアーチェに装備。これにより攻守が500ずつ上がる」

 

ディアーチェA1600・D1600→A2100・D2100

 

「だから何だと言うんだ?」

「こっからが本番だ。ディアーチェの効果発動。LSを一体選択し、選択したLS以外のフィールドにいるLSの攻撃力を選択したモンスターに加える事が出来る。黒騎士フェイトに攻撃力を集中!」

『なっ!? 我に攻撃させんか!』

 

出来ればそうして上げたいが、バトルフェイズ中に攻撃力を上げる事が出来るフェイトさんを対象にした方が効率が良い。フェイトさんはディアーチェの頭を優しく撫で『お願い』と微笑むと、ディアーチェは少しだけ頬を染めて言うとおりにした。

フェイトさんと俺への対応に明らかな差があるが、気にしないようにしよう。男の俺よりもフェイトさんの方が女性にモテるとか、そんな事きっと無い。

 

LCディアーチェ1→0

フェイトA2000→5500

 

「「攻撃力5500!?」」

「バトル! 黒騎士フェイトで茫漠の死者を攻撃! 黒騎士フェイトの効果で、茫漠の死者のモンスターゾーンの前に移動し、攻撃力を700アップ」

 

フェイトA5500→A6200 VS A3200

 

『ディアーチェが集めてくれた魔力、無駄には出来ないね。フォトンランサーファランクスシフト』

 

ディアーチェから貰った魔力を一度自分のリンカーコアを通し、自らの魔力へと変え、大量のフォトンスフィアを形成させる。流石に雷フェイトさん程の数はないが、大量の魔力を貰ったおかげが、目で数えるのが困難な程の数がある。

 

『撃ち砕け、ファイア!』

 

大量のフォトンスフィアから毎秒七発の魔力弾が発射され、そのすべてが茫漠の死者を襲い掛かる。一度死に、不老不死になったミイラでさえ、再び死ぬ事ができる程の超火力。

茫漠の死者は纏った包帯でフォトンランサーを斬るものの、数が数だ。結局全てのフォトンランサーを受ける前に、茫漠の死者は墓地へ行き、残りのフォトンランサーが氷丸と雷丸を襲った。

 

氷丸&雷丸LP7400→4400

 

「「ぐあああ!」」

「更に紫天の書の効果。相手モンスターが破壊される度に、このカードにLCを置く」

 

LC紫天の書0→1

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗&翔  モンスター3 伏せ5 手札2 LP2500 (TP遊斗)

氷丸&雷丸 モンスター1 伏せ3 手札3 LP4400 (TP雷丸)

 

「思った通り、かなりの実力を持っている。だが俺達は美寿知様から力を頂いたんだ」

「美寿知? それがお前達の親玉か!?」

「斎王美寿知と言えば分かるか? あのお方は斎王琢磨の妹」

「っな。斎王の妹!? それじゃあ今回の事件は斎王の仕業!?」

「おっと、おしゃべりはこのくらいにしておこう。ドロー! カース・オブ・ヴァンパイアのレベルを下げ、レベル・スティーラーを蘇生。デッキから一枚ドローする」

 

A600・D0

 

「レベル・スティーラーを生贄に、氷帝メビウスを召喚!」

 

相手フィールド上のある地点を軸に、地面が急に凍り始め、凍った地面の中から氷の帝が現れた。雷帝メビウスより色素の薄い白銀の鎧に、背中には青のマント。白銀の鎧には自ら出現させた氷が鏡となって映っている。

 

「氷帝メビウスの効果。未来融合-フューチャー・フュージョンと紫天の書を破壊する! フリーズ・バースト!」

「紫天の書の効果! LCを一つ取り除く事で、効果での破壊を無効にする!」

「だが未来融合は破壊だ!」

 

次のターンヴァルバロイドが呼べたら心強かったんだが、やはりそう簡単に出させてはくれないか。

 

LC紫天の書1→0

 

「まだだ、二重召喚(デュアルサモン)を発動。カース・オブ・ヴァンパイアのレベルを下げ、レベル・スティーラーを特殊召喚。効果でデッキから一枚ドロー。レベル・スティーラーを生贄に、フロストザウルスを召喚」

 

A2600・D1700

 

「永続魔法、進撃の帝王を発動。これにより生贄召喚したモンスターはカードの対象にならず、カードの効果で破壊されない」

 

これでカード効果での破壊や表示形式も不可能になった。だがこれから召喚されるモンスターはレベル・スティーラーの効果を受け付けなくなった。これで現在レベル・スティーラーは復活不可能になる。

 

「バトル! メビウスでディアーチェを攻撃!」

 

A2400 VS A2100

 

『アロンダイト!』

 

ディアーチェの持つ紫色の杖、エルシニアクロイツの先から、デバイスと同じ紫の砲撃が放たれた。だがその砲撃はメビウスが放った氷のエネルギーと密度が変わらなく、二つの砲撃は相殺し合い、爆風により土煙が舞った。

だがディアーチェはそこまで読んでいた。というより、アロンダイトにはもう一つの能力があった。土煙の中から球状の衝撃波が発生し、メビウスを襲い、破壊した。

 

「馬鹿な!? メビウスの方が攻撃力が上だぞ!?」

「ダメージ計算時、手札のスバルの効果を発動していた。これによりディアーチェの攻撃力は1000上がったんだ。甘かったな」

 

ディアーチェA2100→A3100 VS A2400

氷丸&雷丸LP4400→3700

 

「器用な奴め・・・・」

「更に紫天の書の効果でLCを乗せる」

 

LC紫天の書0→1

 

「まあいい。フロストザウルスで黒騎士フェイトに攻撃! フロストザウルスの前にはモンスターがいる。攻撃力を上げる事は出来ない!」

 

A2600 VS A2000

 

フロストザウルスはその巨大な体で突進し、フェイトさんを突き飛ばした。流石に人型のモンスターがペチャンコになるのは、ソリッドビジョンが避けたのだろう。

 

遊斗&翔LP2500→1900

 

「カース・オブ・ヴァンパイアでフェイトに攻撃!」

 

A2000 VS A1400

 

フェイトはハーケンセイバーを放つものの、カース・オブ・ヴァンパイアは一度複数のコウモリに姿を変えてハーケンセイバーを回避した。そして再び元の姿に戻り、フェイトを破壊した。

 

遊斗&翔LP1900→1300

 

「あ、あとライフ1300・・・・」

「落ち着け翔。ライフが0にならない限り勝負は付かない。もう攻撃は終りか?」

「ライフたったの1300でそんな態度がとれるとはな。カードを一枚伏せてターンエンド」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗&翔  モンスター1 伏せ3 手札1 LP1300 (TP遊斗)

氷丸&雷丸 モンスター2 伏せ5 手札0 LP3700 (TP氷丸)

 

幸いメビウスの効果で翔がセットしたカードと俺がセットしたカードは破壊されなかった。奴等の場には最初のターンからセットされたカードと、先程セットされたカード。それと生贄召喚のサポートカード二枚と、強者の苦痛。

俺にとってはライフが減ってからが本番だが、翔にとっては大ピンチと感じているのだろう。体がガタガタと震えて、デッキトップに乗せた指に力が入っていない。

 

「翔、しっかり「だ、大丈夫ッス」・・・・」

「ぼ、僕のターン、ドロー! まだ終わらないッス! 貪欲な壺を発動、墓地のスチームロイド、キューキューロイド、三枚のデコロイドをデッキに戻し、二枚ドロー。エクスプレスロイドを召喚、効果で墓地のドリルロイドとステルスロイドを手札に加える」

 

A400・D1600

 

「そんな弱小モンスターを出した所で何になる?」

「ここからが本番だ。セットした融合を発動! 場のエクスプレスロイドと手札の四体のロイドを融合! 来い、極戦機王ヴァルバロイド」

 

A4000・D4000

 

融合の渦に入って行った五体のロイドは、一つの最強のロイドとなって登場してきた。下半身は二つの巨大なタンク、手を連想させる二つの長い銃口。そして顔は融合素材であるロイドとは違い、アメリカンな可愛らしさは無く、細長くかっこいい。

そして何と言っても攻撃力守備力が4000と、融合素材が五体なだけあり、破格のステータスを持っている。

 

「攻撃力4000!? だが強者の苦痛の効果で攻撃力は下がる!」

 

ヴァルバロイドA4000→A2800

 

「それでも十分ッス! バトル! ヴァルバロイドでフロストザウルスを攻撃!」

 

A2800 VS A2600

 

ヴァルバロイドの銃口から放たれた火炎放射により、氷で作られたフロストザウルスはその体を徐々に水へと変えて行き、最後は水たまりになった。

 

氷丸&雷丸LP3700→3500

 

「この程度「ヴァルバロイドの効果発動! 戦闘でモンスターを破壊した時1000ダメージを与える」そんな効果を!?」

 

氷丸&雷丸LP3500→2500

 

「こっちも忘れるなよ。紫天の書の効果でLCを置く」

 

LC紫天の書1→2

 

「更にヴァルバロイドは二回攻撃をする事が可能! カース・オブ・ヴァンパイアを攻撃!」

 

A2800 VS A2000

氷丸&雷丸LP2500→1700

LC紫天の書2→3

 

「まだッス! 再び1000のダメージを受けるッス!」

「お前如きにっ!」

 

氷丸&雷丸LP1700→700

 

「これで終わりだ! ディアーチェでダイレクトアタック!」

「それはさせない! 速攻魔法クリボーを呼ぶ笛! 自分フィールドにクリボーを特殊召喚する」

 

A300・D200

 

最初から伏せてあったカードは十代も良く使うクリボーを呼ぶ笛だった。発動後、クリボーが奴等のフィールドに出現した。

 

「そのまま攻撃ッス!」

 

A2100 VS D200

 

流石のディアーチェも可愛らしい小動物相手には本気を出さなかったのか、デバイスでクリボーの頭を叩き、クリボーを墓地まで叩き落とした。

 

「ターンエンドッス」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗&翔  モンスター2 伏せ2 手札0 LP1300 (TP翔)

氷丸&雷丸 モンスター0 伏せ4 手札0 LP700  (TP氷丸)

 

翔のおかげでライフ、フィールド、共に逆転する事が出来た。だが次のターンプレイヤーである雷丸は、ドローを入れて手札は4枚。逆転するには十分な手札。このリバースカード一枚で防ぎきれるか。

 

「俺のターン、ドロー! 墓地のカース・オブ・ヴァンパイアの効果が発動する。ライフを500払い、カース・オブ・ヴァンパイアを特殊召喚。効果で一枚ドロー」

 

氷丸&雷丸LP700→200

カース・オブ・ヴァンパイアA2000・D800→A2500

 

ヴァルバロイドは攻撃したモンスターの効果をダメージ計算終了時に無効化する能力を持っている。だが進撃の帝王の効果で無効にすることはできない。

 

「手札のカード一枚を墓地に送り、THEトリッキーを特殊召喚」

 

A2000・D1200

 

「トリッキーのレベルを下げ墓地のレベル・スティーラーを復活し、デッキから一枚ドロー。行くぞ、レベル・スティーラーを生贄に、雷帝ザボルグを召喚する!」

 

A2400・D1000

 

「ザボルグの効果で極戦機王ヴァルバロイドを破壊する! デス・サンダー!」

「ヴァルバロイド!」

 

ザボルグの両手から発生した雷が、ヴァルバロイドを襲い、体内の機械を使いものにならなくする。せっかく召喚した最上級モンスターなのに一ターンしかフィールドにいれなかったのは残念だが、十分に活躍した。

 

「死者蘇生を発動。墓地の氷帝メビウスを特殊召喚する。効果で一枚ドロー」

 

A2400・D1000

 

「リバースカードオープン、ライトニング・ボルテックスを発動。手札を一枚捨て、ディアーチェを破壊する」

「無効だ。罠発動、プロテクション。このターンディアーチェは破壊されない」

「まあいい、バトルだ! 雷帝ザボルグでディアーチェに攻撃! ローリング・サンダー!」

 

A2400 VS A2100

 

「ディアーチェは破壊されない!」

「だが戦闘ダメージは受けてもらう!」

 

遊斗&翔LP1300→1000

 

「メビウスで攻撃! アイス・ランス!」

 

A2400 VS A2100

 

『ッチ、後で倍にして返してやる』

 

遊斗&翔LP1000→700

 

「カース・オブ・ヴァンパイアで攻撃!」

 

A2500 VS A2100

 

「頼むディアーチェ!」

 

二体の帝の攻撃と同じように、ディアーチェは紫色の古代ベルカ式のシールドを発動する。しかし攻撃力の差だけ俺達にダメージが走る。

 

遊斗&翔LP700→300

 

「何とか耐える事が出来たか・・・・」

 

と、言ったものの、この状態ではじり貧になる。紫天の書の効果であの子を呼んでも、ディアーチェがいる状態で召喚出来なかったら何の意味も無い。

 

「カードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗&翔  モンスター1 伏せ1 手札0 LP300 (TP翔)

氷丸&雷丸 モンスター3 伏せ4 手札0 LP200 (TP雷丸)

 

既に紫天の書の効果発動条件はクリアされたし、ディアーチェの効果だってミッドチルダのおかげで発動できる。だがディアーチェを残して平然としていると言う事は、さっき伏せたカードには何かある。

そしてあの子を出すには、最低二体、最高三体のモンスターを呼ばなくてはいけない。仮に守りのカードを引いても、手札が0の翔がドローカード一枚で逆転できるとは思えない。

 

「頼むッス遊斗君!」

 

デッキトップに置く指に力を込め、一秒だけ目を閉じる。心をデッキと一体化し、望むカードをデッキトップに来るように願う。

 

「俺のターン、ドロー! よし! ティアナを通常召喚、効果でミッドチルダにLCが一つ乗る」

 

ティアナA1200・D1000→A800

LCミッドチルダ1→2

 

「ティアナの効果発動! ミッドチルダのLCを取り除き、墓地のアルフをゲームから除外し、同名トークンを特殊召喚する」

 

LCミッドチルダ2→1

 

「更に速攻魔法フェイクシルエットをティアナに発動! デッキのなのはを墓地に送り、ティアナをなのはとして扱う。そして場になのはがいる時、LCを一つ取り除く事で、デッキに存在するユーノを特殊召喚できる!」

 

ユーノA500・D1600→A100

 

「ッフ、そんなモンスター達を呼んだ所で何になる?」

「こうするのさ。紫天の書の効果発動! このカードに乗ったLCを三つ取り除き、デッキからLS紫天の盟主―ユーリ・エーベルヴァインを手札に加える!」

 

LC紫天の書3→0

 

この子がさっき喫茶店で話題になっていた子であり、マテリアルズの切り札でもある。その召喚コストとは引き換えに、物凄い力を持っている。

 

「行くぞ! 場のなのは、ユーノ、アルフの三体を生贄に捧げ、紫天の盟主―ユーリ・エーベルヴァインを特殊召喚する!」

 

ウェーブの掛かった金髪の髪に、戦場には似つかわしくないトロンと柔らかな雰囲気を出す金色の瞳。上半身は白をメインとした長袖を着ており、小さなへそが出ている。下は燃えたぎる炎の模様が入った紫色の袴の様だ。

これだけ見るとディアーチェより頭一つ小さい、可愛い女の子だが、氷丸と雷丸はユーリの姿――正確に言うとユーリの背に付いた闇色の炎で作られた翼に脅えている。

 

ユーリA4000・D4000→A3000

 

「強者の苦痛の効果を受けても攻撃力3000だと!?」

「(いっ、いや、大丈夫だ。俺が伏せたカードはあのカード。勝ったのは俺達だ)」

 

氷丸の叫び声を聞き、恐怖を与えている側であるユーリが何故かビクッと驚き、ディアーチェの背中にササッと隠れる。そう、この子は極度の恥ずかしがり屋。こうやってデュエルに出るのは勿論、デッキ所持者である俺も警戒する程。

 

『ディ、ディアーチェ・・・・』

『大丈夫だユーリ。うぬの力、我の為に使ってくれるか?』

『ディアーチェの、為?』

『そうだ。そこの塵芥共がアホなプレイをする所為で今困っておる』

 

うぐっ、ディアーチェめ、言わせておけば。けどここまで追い詰められたのも事実。

 

『分かりました。ディアーチェの為に頑張ります! 行きますよ、塵芥さん!』

 

さっきから色々と納得できないが、取り合えずこのデュエルを終わらせるのが先決。ユーリに俺の名前を覚えさせ、なお且つディアーチェにお灸を据えるのはその後。

 

「ディアーチェを守備にしてバトル! ユーリで雷帝ザボルグに攻撃!」

『ナパームブレス!』

 

A3000 VS A2400

 

ユーリは小さな手の平から、自分の手より何倍も大きい赤黒い球体を出し、そのか弱そうな細腕を使い、赤黒い球体を投げ飛ばした。

 

「ハッハッハ! 攻撃しなければまだチャンスは残っていたものの、これで終わりだ! 罠発動、聖なるバリア―ミラーフォース! これでそのモンスターは破壊だ!」

 

ユーリが放った攻撃が七色に光る薄いバリアによって反射され、自らの攻撃をもろにくらったユーリ。その衝撃で舞った土煙を眺め、雷丸と氷丸は勝利を確信したのかハハハ! と大声を上げている。

 

「ッフ、お前等、フィールドを良く見て見るんだな」

『大丈夫かユーリ?』

『はい、自分の攻撃が跳ね返って来るなんて予想外でした』

 

ゆっくりと晴れていく土煙の中には、闇の炎で作られた頑丈な盾があった。その盾には穴はおろか傷一つ付いていない。

 

「ば、馬鹿な!?」

「どうしてミラーフォースで破壊されない!?」

「残念だがユーリは破壊されない。その代わり紫天の書が無いと攻撃できない大きなデメリットを持っている」

 

最も、今さらデメリットを言った所でもうこの攻撃でデュエルは終わる。あの二人に言っても馬の耳に念仏だろう。

 

『ディアーチェを困らせる人は私が許しません!』

 

再び先程の球体を展開すると、今度はしっかりと狙いを定め、雷帝ザボルグに向けて放った。雷を従えし帝も、紫天の盟主の前では赤子同然。球体を止める事も出来ず破壊され、雷帝ザボルグを貫通した球体は、氷丸と雷丸の間に落ち、そこを中心に爆発した。

 

「「馬鹿なああああ!」」

 

氷丸&雷丸LP200→-400

 

奴等のデュエルディスクからライフが0になったのを知らせる音が鳴った瞬間、奴等が立っていた場所のガラスが、ドガーンと鼓膜が破れそうな程の音を立て、爆発した。

顔にガラスの破片が当たらない様に、両腕で防ごうとしたが、ディアーチェが実体化してシールドを張ってくれたおかげで防ぐ意味は無かった。隣の翔はユーリが守ってくれている。

 

「あ、あわわわ。あ、あの二人はどうなったッスか?」

「なに、持っていたパラシュートで優雅にビルを降りてるよ」

 

下を向くと、ガラス越しに二つのパラシュートがゆっくり落ちて行くのが見える。命がけのデュエルを挑んできた割にチキンな奴らだ。よくパラシュートを隠し持っている状態で、翔を馬鹿に出来たものだ。

 

「ありがとう。ディアーチェ、ユーリ」

「ふん、お前が傷つくと色々と騒ぐ輩がおるからな」

「私はディアーチェに言われたから助けただけです」

「翔、取り合えず双六さんをガラスの外まで運ぼう」

「了解「お前達も道連れだ!」へ?」

 

その声と共に、どちらかがもう一つの爆発スイッチを押したのだろう。ドガーンと先程と同じくらいの爆音が鳴った瞬間、体が浮遊感に支配された。

 

「うっ、うわあああああ!」

「ック、人目に付くがディアーチェ、ユーリ!」

 

二人は言われなくても助けるつもりだったようで、落下する俺達を助けようと、すぐさま飛んでくる。だがその瞬間、突如上空から丸い形をした何かがディアーチェとユーリに落ちてきた。

落下している最中なのでハッキリと分からなかったが、おそらくあれは機械族のモンスター。スフィア・ボム球体時限爆弾。

 

「な、なんだこの機械は!?」

「バインドで二人をっ」

 

ユーリが俺達に向けバインドを放とうとしたが、二体のスフィア・ボムが爆発した。コンマ数秒二人の心配をしたが、あの二人より俺達の方がピンチだ。デッキから誰かが助けてくれると余裕も、落下して二秒ぐらいすると無くなった。

 

「うわあああああ!」

「おい雷丸!? どうなってる!?」

「知るか!?」

「(ック、どうすればいい!?)」

 

次の瞬間だった。体の奥から何かとてつもない力が出てきた。それが何かは分からない。火事場の馬鹿力なのか魔法なのか。

その感覚を覚えた瞬間、落下スピードが一気に遅くなった――否、俺の体感速度が遅くなった。

 

「翔! 双六さん!」

 

無我夢中で空中で体を回転させ、近くの柱に一瞬だけ足を付け、思いっきり柱を蹴る。その衝撃で、落下している翔と双六の方へ跳び、空中で二人をキャッチする。既に翔は怖さの余り気絶している。

だがもう大丈夫。俺が翔達とぶつかった事で、俺達三人は丁度開いているパラシュートの上の位置にいる。

ドスッと音を立て、俺達はパラシュートの上に乗った。その重さに耐えきれず、パラシュートはしぼんでしまうが、既に地面との差は数メートル。それにパラシュートの下には二人の内どちらかがいるので、クッションになってくれた。

 

「がっ!?」

 

クッションになったのは氷丸だったようだ。二人を抱え地面に着地すると、回りは海馬コーポレーションの社員でいっぱいだった。

 

「お、おい君。大丈夫か?」

「この子、空中で凄い動きしなかった?」

「あれ? その子の服デュエルアカデミアのよね」

「さっき空を飛んでいる女の子が二人いなかったか?」

「ア、アハハハハ・・・・」

 

どうやっていい訳をしようか? 何故俺達が無事だったのか? 数秒間そんな事を考えていたが、あるものが目に入った瞬間、すぐに思考回路が変わった。

 

「貴様! 待て!」

 

俺と目があった瞬間、そのものは背中を向け立ち去ったので、俺は人混みを掻き分けでそのものを追いかけた。奴の後を追っていると、コーポレーション内の薄暗い廊下に出た。

 

『遊斗! 無事であったか?』

『すいません。ダメージは無かったんですが、黒煙で視界を遮られて』

 

奴の背中を追っている最中、ディアーチェとユーリが飛んできた。二人に外傷は一再見当たらない。

 

「色々と良く分からないが、お前達にスフィア・ボムを送り付けた犯人はあいつだ!」

 

それを聞いた瞬間、ディアーチェとユーリは再び実体化し、魔力弾を奴へ撃ち込んだ。おそらく二人が本気を出せば、奴は防げなかっただろうが、ここは室内。本気で撃てる訳が無く、二人の放った魔力弾は奴によって止められた。

 

「そろそろ逃げるのは止めろ! 機械王!」

 

その瞬間、機械王の足はピタリと止まり、ゆっくりとこっちを振り向いた。

 

『ッフ、その二体を封じ、数秒だけカードにいる精霊達を封じ込めればお前を殺せると思ったが、とんだ計算外だ』

「何故精霊であるお前がここにいる!?」

『決まっているだろう? LSを取りに来たんだ。機械族の王として』

 

 

 

 




注)作者は原作のこの回を見ていませんが、氷丸も雷丸も美寿知に操られていますが、落ちこぼれデュエリストです。この様なリアリストでは無いと思います。

遊戯王GXの知識があやふやですが、GX開催から再放送で再び見始め、比較的記憶が新しいです。と言っても細かいところは全然覚えていませんが。

そして中途半端に原作を意識した結果、帝を一人一種類縛りをしてしまい、帝デッキじゃ無くなったという。原作はどうやってデュエルしたんんだ・・・・。


それと遊斗の最後の身体能力ですが
遊斗=ラノベ主人公 ×
遊斗=クラッシュタウン時の満足同盟 ○


追記
デビルズ・サンクチュアリを速攻魔法と勘違いしていたので、キャラには合いませんが、クリボーを呼ぶ笛で代役をさせました。





今回登場した新オリカ。紫天の書とユーリです。


紫天の書 装備魔法
「LS闇統べる王」にのみ装備可能。
装備されたモンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップする。
相手フィールド上のモンスターが破壊される度に、破壊されたモンスターと同じ数のLCをこのカードに乗せる。
このカードがカードの効果で破壊される場合、代わりにこのカードに乗っているLCを1つ取り除くことができる。
このカードに乗ったLCを3つ取り除くことで、デッキ、墓地から「LS紫天の盟主―ユーリ・エーベルヴァイン」を一枚手札に加える事ができる。


LS紫天の盟主―ユーリ・エーベルヴァイン ☆10/闇/魔法使い/A4000・D4000
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上の「LS」と名のついたモンスターを含むモンスター3体を生贄にした場合のみ特殊召喚できる。
このカードは破壊されない。
このカードはフィールド上に「紫天の書」を装備したモンスターが存在しない場合、攻撃できない。



まずは紫天の書ですね。
装備対象がディアーチェだけとは言え、やっぱり攻守500アップは強いですね。闇の書と違ってカウンターも乗りやすいのも良い点です。


次にユーリ
何と言っても強い点は攻守4000という破格のステータス。しかもどっかの幻魔とは違い、しっかりと破壊耐性も持っています。
召喚条件が特殊召喚なので、1ターンでも呼ぶ事は可能ですね。
ただディアーチェがいないと(良いところを見せたいが為)攻撃できないという非常に困った子でもあります。
ディアーチェとユーリは末永く爆発するべし。

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