相変わらず5Dsは名言にしろ迷言にしろ、凡庸性の高い言葉が多すぎる。
作者は特にジャック関連の迷言が好きです。ジャック!ハヤクローンヲシハラッテー!! は何度見ても笑える。
今回は序盤で結構物語が進展します。
「お前もエンディミオンと同じ企みを持っているって事か」
「エンディミオン? ああ、出しゃばって一人で勝手に突撃した魔法使い族の王か。俺はあの裏切り者とは違う」
「裏切り者だと? 裏切りも何もお前達は戦争をしている最中じゃないのか?」
俺の質問に機械王は「クックック」と笑い、口を開く。
「そうか、お前は知らないのか。まあせっかくなら話してやろう。我々20の王はお互いを敵だと思っていない。むしろ味方だ」
「味方!? さっきも言ったがお前達――いや、精霊界は種族同士で戦争をしている筈!」
「確かに民達は戦争をしている。だが我ら王は非常に深い関わりがある」
「馬鹿な! 何のメリットも無しに民を戦争させる王が何処にいる! 王とは臣下や民の声を聞くものぞ!」
同じ王を名乗っているディアーチェは王達がやっている事が許せず、激怒の表情で機械王に怒鳴りつける。デッキのアインハルトのカードもカタカタと震えている。ディアーチェと同じように怒っているのだろう。
「メリットが無い訳は無い。我らが起こした戦争には大きく二つメリットがある。一つは精霊世界を弱らせる事。もう一つはそうだな、自分で考えるんだ」
いったいどういう事だ・・・・。何故自らの世界を弱らせようとする。そんな事をしていたらいつか世界が滅ぶ――滅ぶ?
「ま、まさかお前・・・・」
「ほう? てっきり精霊無しではただの小僧かと思っていたが、さっきの件と言い、やはり只者では無かったか」
「お前が、破滅の、光、なのか?」
何の感情が俺の体を支配しているか分からないが、思う様に声が出なかった。
正解、と言わんばかりの不気味な笑みを浮かべた機械王を見て、ディアーチェとユーリは再び戦闘態勢に入る。
「そうだ。俺――いや、我々20の王は破滅の光だ。おっと、この身体や本来のエンディミオンの名誉の為に言っておこう。我々は王の体を乗っ取っただけで、本来なら皆優秀な王達だ」
だ、駄目だ。さっきから色々な事が起こり過ぎて頭が付いて行かない。混乱して足がふらりとバランスを崩し一瞬浮遊感を覚えたが、誰かに支えられた。
「大丈夫、遊斗?」
「フェイト。それになのはさん・・・・」
「遊斗はちょっと休んでて。ここからは私が相手をするから。ディアーチェとユーリもお疲れ様。一旦休んで」
なのはさんの言葉に、ディアーチェとユーリは頷いて返事をし、カードの中に戻って行った。なのはさんは右手にレイジングハートを持った状態で機械王と対峙する。
「何で破滅の光が私達を狙うの? 王達を乗っ取れる力を持つあなた達なら、力なんて必要ない筈」
「ッフ、まさかLSからそんな言葉を聞くなんてな。答えは簡単だ。|お前達はお前達が思っている以上に力を持っている。それはこの宇宙の破滅を一気に近付ける事が出来る」
「私達が思っている以上・・・・。確かに、本来の私たちなら、正直カードの数値なんかに当てはめるのは難しい」
なのはさんは一瞬考え込んでいたが、すぐに機械王の言葉に納得した。俺もなのはさん達が実際に魔法で戦っている姿は見た事が無いが、話や映像を見る限りでは物凄く強い。この海馬コーポレーションを壊そうと思えば一人で壊す事が出来るし、時間は掛かるが意図的に自然災害を起こす事も可能。それに加え、本来のなのはさん達と違うIFのなのはさん達がいて、更に三幻魔の力も持っている。
「そうだ。実際のお前達はデュエルモンスターズには無い、スピード、頭脳、技術も持っている。それに先程の少女や、闇の書。どちらも使い方次第で星をも壊す事が出来るそうじゃないか?」
「闇の書とユーリの暴走・・・・。けど待って! それでも王達を操っているあなた達なら、破滅なんてすぐに」
「お前達はこの宇宙に存在する生命は、地球と精霊界だけしかいないと思ってないか? 我々が滅ぼすのは我々を除くこの宇宙に存在する生命全て。それに我等には闇と言う強大な敵がいる。王達を洗脳出来たのも、長い年月と色々な犠牲からだ」
「どうして・・・・どうして破滅何かを望むの!? どうして!」
機械王、いや、破滅の光の言葉に耐えきれなかったフェイトが、普段の彼女から考えられないほどの怒りを込めた声で怒鳴った。
「溺れた人間が酸素を欲するように。腹が減った人間が食べ物を求めるように。砂漠で干からびた人間が水を欲するように。我々の破壊する目的は、それが生理現象だから。ただそれだけだ」
「どうやらあなた達を説得する事は出来ないようね」
「ああ、我々もお前達と話に来たんじゃない。そこの少年を殺し、お前達を破滅の光の一員にする為に来た」
機械王はそう言って左手をスッと上げると、なのはさんとフェイトは警戒してデバイスを構え、デッキからヴィータさんとトーマも万全の状態で現れた。
「おっと、俺が何の策も無しに一人で来る訳無いだろう。さっきの翔と言う少年と、双六と言う爺さんはどうした?」
「ッツ!? まさか二人を!?」
「ああ、俺に手出しすれば二人はすぐにドカンだ。だが一つだけお前も助かり、あの二人も助かる方法がある」
そう言って機械王は自分の左手に付けた機械仕掛けのデュエルディスクを構える。ネオスペーシアンでもデュエルで決着を付けていたので、もしかしたらと思っていたが。
だいぶん混乱も収まってきたので、足に立つように指示を送り、体を起こす。
「いいだろう、受けて立つ。みんな、デッキで待機していてくれ」
みんな一様にコクンと頷き、デッキの中に戻っていく。
「最後に一つだけ、何故王であるお前が出て来る?」
ディスクからデッキを取り出し、機械王の左手に置き、機械王も同じように俺の左手に自分のデッキを置く。
「単純明確。お前に勝てる機械族のデュエリストが俺以外にいない」
暗くて不気味な廊下に、タッタッタとシャッフル音が二重に響き渡る。
「ッフ、じゃあ少なくとも機械族にデュエルで負ける事は無いな」
「クックック、悪役がペラペラと喋るときは勝ちを確信している時だ。さあ行くぞ」
「「デュエル!」」
「先攻は俺だ。ドロー! フィールド魔法ミッドチルダを発動」
さっきまで薄暗く不気味だった空間が、一気に近未来都市のど真ん中になる。機械王は「面白い」と呟きながらキョロキョロと辺りを見渡す。
「シャマ姉を通常召喚。効果でミッドチルダにLCが乗る」
A700・D1800
LCミッドチルダ0→1
「シャマ姉の効果で、ミッドチルダにLCを置く」
LCミッドチルダ1→2
「そしてミッドチルダのLCを二つ取り除き、連続転移を発動! デッキトップ三枚をめくり、通常召喚可能なLSを特殊召喚する。闇の書、クロノ、アインハルト。よってクロノとアインハルトを特殊召喚する」
A1700・D1500
A1300・D1000
「この瞬間、クロノの効果。特殊召喚に成功した事でデッキから設置型バインドを手札に加える。更にアインハルトの効果。相手フィールド上にモンスターが存在しない時、このカードを手札に戻す」
これで手札消費はかなり抑える事が出来た。幸い手札にはティオもおり、アインハルトが手札に溜まる事も無い。
「カードを一枚伏せてターンエンドだ」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター2 伏せ1 手札4 LP4000
「フィールドに三枚のカードがあるが手札は4枚。流石だ。ドロー、メカ・ハンターを召喚」
A1850・D800
丸い球体に、黒緑の翼と六つの腕を付けた機械。機械王の命令で、ターゲットを捕まえるまで追い続けるハンターは、まさにこの絵にピッタリな説明文だ。
「永続魔法、
「罠発動、設置型バインド。これによりメカ・ハンターは攻撃できない。そして発動後、効果でミッドチルダにLCを置く」
LCミッドチルダ0→1
「そうくるだろうな。これでターンエンドだ」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター2 伏せ1 手札4 LP4000
機械王 モンスター1 伏せ1 手札4 LP4000
メカ・ハンターと
いや、深くは考えず、素直に伏せが無い事に喜ぶとしよう。
「ドロー! アインハルトを通常召喚。フィールドにアインハルトが存在する時、ティオは特殊召喚できる」
LCミッドチルダ1→2
A1300・D1000
A500・D500
「ティオの効果。特殊召喚に成功した時、このカードを除くフィールド上のLSのレベル合計×100ライフを回復する。合計レベルは11」
『頼みますよ、ティオ』
『にゃっ!』
遊斗LP4000→5100
いつものほわほわしたティオとは違い、今日のティオは目の前の機械王をかなり警戒しているのがすぐに分かる。声のトーンも普段とは明らかに違う。
「シャマ姉の効果でミッドチルダにLCを置く」
LCミッドチルダ2→3
「行くぞ! 場のアインハルトとティオを融合! 来い、覇王アインハルト!」
A2700・D2200
「バトル! アインハルトでメカ・ハンターを攻撃!」
『覇王断空拳!』
A2700 VS A1850
足から練り上げた力を拳の先に溜め、バインドにより行動不能になったメカ・ハンターに向け、上空から拳を振り下ろす。落下するエネルギー加わった拳に、頑丈に作られた機械の装甲も防ぐ事が出来ず、メカ・ハンターに大きな風穴が開いた。
機械王LP4000→3150
「更にアインハルトの効果でライフを回復する」
遊斗LP5100→6950
「だが
A1000・D2000
薄く汚れた黄色の装甲をした、人型の機械。頭にはカメラのレンズの様な物が付いている。
守備力2000か。
「クロノを守備にし、カードを一枚伏せてターンエンド。エンドフェイズアインハルトの効果で、このカードを融合デッキに戻し、融合デッキからイクスを特殊召喚する」
A2000・D2500
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター3 伏せ1 手札2 LP6950
機械王 モンスター1 伏せ1 手札4 LP3150
ライフ差は開く事が出来たし、フィールドでも優勢。しかし機械王のあの余裕な表情。何か嫌な予感がする・・・・。
「俺のターン、ドロー。アインアンコールを発動。墓地のメカ・ハンターを蘇生」
A1850・D800
またメカ・ハンター・・・・。やはり攻撃力が1850とレベル4の中では高いから、使う側としても扱いやすいのだろう。実際相手にする俺も少し辛い。
「バトル。メカ・ハンターでシャマルを攻撃」
A1850 VS D1800
50の差でやられると、惜しく感じるが、デュエルモンスターズは1でも攻撃力が上だったら戦闘で勝つ事ができる。メカ・ハンターの六つの手に付いた六つの武器により、シャマ姉は破壊されてしまった。
「そしてメカ・ハンターを生贄に、
「チェーンしてプロテクション発動! イクスはこのターン破壊されない!」
シャマ姉には申し訳ないが、取っておいて正解だった。まさかあのモンスターがそんな効果を持っているとは。
「ッチ、まあいい。
「エンドフェイズ、イクスを融合デッキに戻し、融合デッキのヴィヴィオさんを特殊召喚する。ヴィヴィオさんの攻撃力は墓地のLSの数×400。そして聖王の鎧を手札に加える」
ヴィヴィオA?・D?→A1200・D1200
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター2 伏せ0 手札3 LP6950
機械王 モンスター2 伏せ2 手札3 LP3150
「ドロー! カリム姉を召喚し、効果発動。モンスターを選択。デッキトップはキャロ、よって手札に加える。魔法、罠ゾーンにキャロを置く。これによりLSの攻守は300上がる」
ヴィヴィオA1200・D1200→A1500・D1500
クロノA1700・D1500→A2000・D1800
カリムA500・D500→A800・D800
「ヴィヴィオさんの効果発動。墓地のシャマ姉を選択し、同じ効果を得る。キャロにLCを乗せる。更にミッドチルダでもう一つLCを移動」
LCミッドチルダ3→2 キャロ0→2
ヴィヴィオA1500・D1500→A2100・D2100
クロノA2000・D1800→A2600・D2400
カリムA800・D800→A1400・D1400
「バトル! クロノでジェネクス・クラッシャーを攻撃!」
『ブレイズキャノン!』
クロノの持つデバイスの先から、ブレイズの名の通り、熱量を伴う砲撃が放たれた。発射速度が速い割に威力もかなり高く、ジェネクス・クラッシャーを木っ端みじんにした。
「
A500・D500
「やっぱり
『ディバインバスター!』
ディバインバスターを放ったヴィヴィオさんだったが、相手は攻守500のモンスター。威力より出を早くしたのか、いつもよりアッサリと相手モンスターを破壊した。
「一枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ、ヴィヴィオさんを融合デッキに戻し、アインハルトを特殊召喚する」
アインハルトA2700・D2200→A3600・D3100
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター3 伏せ2 手札2 LP6950
機械王 モンスター1 伏せ2 手札3 LP3150
「俺のターン、ドロー。ッフ、ダークシー・フロートを召喚」
A0・D300
出現したのは、赤と青の浮き輪の様な物を被った干からびた男。機械族に見えないが、ダークシー・フロートの本体は浮き輪の様な輪っかだろう。その輪っかには目と口が付いている。
「機械複製術を発動。攻撃力500以下の機械族を選択。選択したモンスターと同名モンスターを二体までデッキから特殊召喚する。二体のダークシー・フロートを特殊召喚」
けど攻撃力は0。攻撃力0だと
「一体何を・・・・」
「こうするのさ。特殊召喚成功時、激流葬を発動」
「っな!? 態々並べたモンスター毎破壊するのか!? チェーンしてソニックムーブを発動。カリム姉を場外する」
アインハルトを除外してもいいが、相手の目的が分からない今、なるべく手札を補充できるカリム姉を大事にしたい。
フィールドの上空に、突如物凄い量の水が発生し、その水はフィールド上のモンスター全てに滝の様に降り注いだ。
「目的はこれだ。ダークシー・フロートの効果発動。フィールド上に存在するこのカードが、カード効果で破壊され墓地に送られた時、デッキから一枚ドローする。よって三枚ドロー」
一気に三枚のカードをドローされてしまったか。奴の方が消費カードが多いが、ドロー効果でこっちのアド損の方がでかい。さっきのターンセットしていた激流葬を使わなかったのは、三枚のドローがしたかったからか。
「手札抹殺を発動する。俺は四枚捨て、四枚ドロー」
「俺は二枚だ」
手札には聖王の鎧があったから、手札抹殺は非常に嬉しい。だがそんな事はあいつも知っている筈。フィールドがガラ空きの今、一気に攻撃してくるつもりか?
「死者蘇生を発動。墓地のリボルバードラゴンを特殊召喚する」
「リボルバードラゴン!?」
A2600・D2200
墓地から復活した機械仕掛けの竜。右手に一丁の巨大な銃、左手にも一丁の巨大な銃、そして頭に一番銃口が長い銃、計三つの銃を持ったドラゴン。そのロマン溢れる姿に、機械族闇属性と様々なサポートを受け、ギャンブル効果だが強力な効果を持っている為、かなり高価で滅多に見られる事が出来ないカード。
まさかこんな形でその姿を見られるとは思わなかった。偽物とは言え、機械族の王と言うだけある。
「バトル、リボルバードラゴンでダイレクトアタック。
A2600
リボルバードラゴンの三つの銃にそれぞれ一発の弾丸が装填され、三つのトリガーが自動で引かれた瞬間、俺に向け三つの銃弾が発射された。
銃弾が体に当たった瞬間、トラックにひかれたかと錯覚する程の衝撃に襲われ、一瞬の内に体が数メートル後ろに飛ばされていた。
遊斗LP6950→4350
「うっ、ゲホッゲホッ!」
「ほう、普通の人間なら気絶してもおかしくない衝撃の筈だが。カードを二枚伏せてターンエンドだ」
「エ、エンドフェイズ、カリム姉が戻ってくる」
カリムA500・D500→A1400・D1400
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター1 伏せ1 手札2 LP4350
機械王 モンスター1 伏せ3 手札1 LP3150
ハァ、ハァ。さっきのリボルバードラゴンの攻撃で上手く出来なかった呼吸もようやく収まってきた。やはりこのデュエルは命を掛けたデュエル。デュエルでのダメージが実際のダメージになって襲ってくる。
「ドロー! カリム姉の効果発動。魔法を選択、デッキトップはフェイト。失敗したのでこのカードを手札に戻す」
「この土壇場で外すとは運が無いな」
「残念、俺にはもう一回チャンスがある。相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない時、カリム姉は特殊召喚できる」
「なるほどな」
「効果発動。モンスターを選択。デッキトップはティアナさん。よって手札に加え、ティアナさんを通常召喚」
LCミッドチルダ2→3
ティアナA1200・D1000→A2100・D1900
「ティアナさんの効果発動! LCを取り除き、墓地のフェイトを除外。その同名トークンを特殊召喚する。更にフェイトがフィールド上に存在する時、フィールドのLCを取り除いてアルフを特殊召喚する」
LCミッドチルダ3→1
「あの状態から一気に三体もモンスターを増やすか」
「場のフェイトとアルフを融合! 来い、黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウン!」
フェイトA2800・D500→A3700・D1400
「ミッドチルダのLCをキャロに移動」
LCミッドチルダ1→0 キャロ2→3
フェイトA3700・D1400→A4000・D1700
ティアナA2100・D1900→A2400・D2200
カリムA1400・D1400→A1700・D1700
LCがキャロに移動した瞬間、キャロは周りの魔力素をより一層自分に取り込み、ブーストとしてみんなに魔力供給する。
「バトル! フェイトさんでリボルバードラゴンを攻撃! フェイトさんの効果で攻撃力が700上がる!」
『トライデントスマッシャー!』
フェイトA4000→A4700
デバイスフォームのバルディッシュの杖先から放たれた巨大な魔力砲撃。まるで龍が飛んでいるかと思わんばかりの勢いの砲撃に、リボルバードラゴンは三つの銃を使い反撃する。
だがたった三発の弾丸ではその砲撃を止める事は出来ない。リボルバードラゴンの体が呑みこまれる――事は無かった。
リボルバードラゴンは突如狂ったように三つの銃を連射し、徐々に黄色の砲撃を押して行き、遂にはトライデントスマッシャーを打ち消した。
「ッツ! まさかそのセットカードは!?」
「そうだ、リミッター解除。機械族の攻撃力を二倍にする」
リボルバードラゴンA2600→A5200 VS A4700
『ッグ、ごめん遊斗!』
フェイトさんが謝った刹那、リボルバードラゴンの攻撃によりフェイトさんは破壊され、その衝撃が俺を襲った。
「痛ッ! 500でこの威力か」
遊斗LP4350→3850
フェイトさんがやられるとは計算外だ。いくらリミッター解除でリボルバードラゴンが破壊されるとは言え、高火力モンスターを破壊されたのは痛い。・・・・いや、これはむしろラッキーかも。
「カードを二枚伏せてターンエンド」
「エンドフェイズ、リミッター解除の効果を受けたリボルバードラゴンは破壊される」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター2 伏せ3 手札1 LP3850
機械王 モンスター0 伏せ2 手札1 LP3150
さあ、このターンが正念場になる。ここで上手くいけるか?
「ドロー。貪欲な壺を発動。墓地のメカ・ハンター、ジェネクス・クラッシャー、
ドローした二枚のカードを見て機械王は口元をニヤリと上げた。何かいいカードでも引いたのか?
「オーバーロード・フュージョンを発動。フィールド・墓地から融合素材をゲームから除外し、機械族・闇属性の融合モンスター一体を特殊召喚する。墓地のリボルバードラゴンとブローバック・ドラゴンを融合、現れろ、ガトリング・ドラゴン」
A2600・D1200
渦から現れたモンスターは、融合素材であるリボルバードラゴンともフローバック・ドラゴンとも似ていない。体は二つの棘のついた車輪によって支えられ、背中には機械には似合わない尻尾。そして顔らしき部分が無く、上半身には先端にガトリングガンを搭載した三つの触手の様な物が付いている。
「ガトリング・ドラゴンの効果は――」
「説明しなくてもいい。コイントスを三回行い、表が出た数だけフィールド上のモンスターを破壊する」
「そうだ。効果を発動、と言いたいが、墓地にはソニックムーブがある。仮に表を二つ出したら自壊してしまう。アイアンコールを発動、墓地のダークシー・フロートを特殊召喚」
A0・D300
「アイアンコールでそいつを呼ぶか・・・・」
「これで終わりじゃない。機械複製術を発動。再びデッキから二枚のダークシー・フロートを特殊召喚」
また三体のダークシー・フロートが並んでしまった。奴からすれば、表が一回も出ない以外は全ていい結果に終わる。一回でも一枚破壊できるし、二回の場合は一枚のドローが追加される。三回だと二枚ドロー。
「ガトリング・ドラゴンの効果発動。三回コイントスを行う」
フィールドのど真ん中に現れた三つの巨大なコイン。機械王は今表になっている部分を表として選択。すると三つのコインは回転しながら上空に跳び、音も立てずに地面に着地した。コインの模様は先程と一つも変わっていない。
「これはラッキーだ。表の数は三。よってフィールド上のカードを三枚破壊する」
「コイントスを行った時点で、墓地のソニックムーブの効果! ティアナさんをゲームから除外する」
ガトリング・ドラゴンは対象を取る効果じゃない。だからこのタイミングでティアナさんを除外しないと破壊されてしまう。
「ガトリング・ドラゴンの効果で、カリム、機械複製術で召喚した二体のダークシー・フロートを破壊する」
三丁のガトリングガンが、それぞれカリム姉と二体のダークシー・フロートに照準を合わせ、銃弾の雨を降らせた。
「ック、ごめんカリム姉」
「ダークシー・フロートの効果でデッキから二枚ドロー」
さっきから奴の手札が無くならない。しかもこのドローに加え、エンドフェイズにアイアンコールの効果でダークシー・フロートが破壊され、またもう一枚ドローされる。
「これで終わりだ。永続罠、リビングデットの呼び声を発動。墓地のパーフェクト機械王を特殊召喚する」
A2700・D1500
フィールド魔法を発動していなかったら天井を貫いてしまう程の巨大な体。足には白、腕には赤の巨大な装甲。顔はロボットアニメに出て来るものとは少し違い、機械なのに悪魔の様な顔をしている。
「パーフェクト機械王!? そんなカードいつ墓地に・・・・」
手札抹殺の時なら、その後発動した死者蘇生でリボルバードラゴンでは無く、攻撃力の高いパーフェクト機械王を選択している筈。
いや、相手の立場になって考えろ。今まで機械王が出してきたモンスターは全て闇属性。つまり闇属性のリボルバードラゴンを出した方が、フィールドにある
「思考時間は終わったか? パーフェクト機械王の効果。このカードを除く、フィールド上の機械族モンスター一体につき、攻撃力を500上げる」
パーフェクト機械王A2700→A3700
「死ぬがいい。ガトリング・ドラゴンでダイレクトアタック」
三丁のガトリングガン全てが俺に照準を合わせ、強風にした扇風機の如く回転し始めた。毎秒どれくらいの弾丸が発射されているかは分からないが、くらったらひとたまりもないだろう。
「手札のザフィーラの効果発動! 戦闘ダメージを0にする!」
「お前は馬鹿か? いくらガトリング・ドラゴンの攻撃が怖いからと言え、俺の場には攻撃力3700のパーフェクト機械王がいる。パーフェクト機械王の攻撃」
A3700
パーフェクト機械王のボックスがウィィンと機械音を立て開くと、中に詰め込まれたミサイルが不本意ながら目に入った。パーフェクト機械王の瞳が一層赤く光った瞬間、両肩のミサイルが一斉に発射された。白い煙を上げながら飛んでくるミサイルの群は、俺の周囲数メートル圏内に落ちて爆発した。
「がっ! うあああああああっ!」
爆発の衝撃で体が引き裂かれる――程の痛みが体全身を襲った。本気で死ぬかと思った三幻魔の攻撃に比べると優しい方かもしれないが、死ねると思えるほどの痛みである事には変わりない。
遊斗LP3850→150
「ゴホッ、ハァ、ハァ・・・・」
「無駄に生命力の高い、いや、精神が強い男だ。カードを二枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ、アイアンコールで特殊召喚されたダークシー・フロートは破壊される。そしてカード効果で破壊された事により、デッキから一枚ドローする」
パーフェクト機械王A3700→3200
「エ、エンドフェイズ、ティアナさんが戻る」
ティアナA1200・D1000→A2400・D2200
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター1 伏せ3 手札0 LP150
機械王 モンスター2 伏せ4 手札1 LP3150
・・・・やっぱりデュエルって面白い。この150って書いてある数値が0になった瞬間死ぬって言うのに、恐怖心なんて一切ない。
「貴様。話には聞いていたがこの状況を本当に楽しんでいるのか?」
「お前は今の自分の布陣を完璧だと思っているか?」
俺の質問に機械王は少しの間無言になるが、すぐに口元をニヤリと上げて口を開く。
「当たり前だろう? 実際エース級のモンスターが二体並び、ライフも3000勝っており、リバースカードも二枚ある。完璧な布陣じゃないか」
ああ、そうだよ。そんな風に勝ちを確信している奴に勝つのが大好きなんだよ。ピンチな状況がこれ以上に無いくらい面白い。
「じゃあその完璧な布陣。俺がぶっ壊してやるよ! 俺のターン、ドロー! まずはティアナさんの効果発動。キャロのLCを取り除き、墓地のフェイトさんをゲームから除外し、同名トークンを特殊召喚する。そして黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウンを生贄に、迅雷の化身フェイトを特殊召喚する!」
LCキャロ3→2
ティアナA2400・D2200→A2100・D1900
ディスクにカードをセットした瞬間、このミッドチルダの街中をジグザグに動く雷が発生した。まるで目の前のパーフェクト機械王とガトリング・ドラゴンを嘲笑う様に、二体の周囲を周った雷は、俺のフィールド上でピタリと動きを止め、その正体を現した。
フェイトA3300・D0→A4200・D900
「そいつが切り札の中の一枚。だが無意味だ、罠発動、奈落の落とし穴。これでそのモンスターは破壊してゲームから除外する」
また嫌らしい罠カードを。雷フェイトさんは態とらしく両肩を上げ、困った表情を作る。
『こんな無粋な罠に引っ掛かると、彼女を失望させちゃうな。遊斗』
「了解。永続罠、存在しない者を発動! ライフが1000以下の時発動可能。フィールドのレベル8以上のLSを選択。当然雷フェイトさんを選択する!」
「馬鹿め、それくらいお見通しだ。罠発動、砂塵の大竜巻。これで存在しない者を破壊する」
「馬鹿はそっちだ。リバースカードオープン、オプティックハイド! フィールドにLSが存在する時、フィールド上のカードを破壊する効果が発動した時、発動可能! そのカードの効果は、自分フィールド上にオプティックトークンを特殊召喚する効果になる! よかったな、オプティックトークンは機械族だぞ」
ソリッドビジョンに映っている砂塵の大竜巻のカードの絵柄が、例の如く訓練用の大型スフィアの絵になる。そして現れたオプティックトークンを見て、機械王は「ぐぬぬ」と小さく呻いている。
A2000・D2000
パーフェクト機械王A3200→A3700
「さあ! これがお前達が求める三幻魔の内の一体! 降臨せよ! 降雷皇フェイト!」
先程の破天荒な雷とは違い、今度は堂々と一つの雷が降りてきた。その雷は人の目でも確認できる程強大で、一瞬で消えたりはせず、滝の様に上空から降り注いでいる。
そして数秒間続いた雷の滝がようやく収まり、中から三幻魔の一角であるハモンをバルディッシュに取り込み、ハモンで作られた鎧を着た降雷皇フェイトがいた。
フェイトA4000・D4000→A4900・D4900
「こ、これが三幻魔の力・・・・。ふっ、フハハハハ! これ程の力を持ちながらLSはまだ戦力を持っていると言うのか? 貴様――いや、遊斗・スカリエッティ。お前に問う」
その声は今まで不気味に笑い、俺を見下していた奴の声とは別人の声に聞こえた。機械で作られた瞳からも確認できる強い意志。それはまるで俺を一人の敵として見ている様だ。
「お前は何故そのカード達を使って世界を征服しようとしない? お前ならきっと、いや、絶対に可能だ」
「俺がみんなの力を自分の欲望の為に使わない理由? 色々あるが一番の理由は、そんな世界になったら楽しくデュエルできないじゃないか」
「とことんデュエル馬鹿な奴だ。面白い。だがやはり殺す」
「それはこっちの台詞だ! バトル! 降雷皇フェイトでガトリング・ドラゴンを攻撃!」
『サンダー・・・・』
A4900 VS A2600
ガトリング・ドラゴンの上空に現れたミッドチルダ式の魔法陣。それは大規模な魔法を起こす為の布石であり、その大きさは普通の魔法陣の何十倍もある。巨大な魔法陣は、間隔が等しくなるように八つのスフィアを作り、そのスフィアは大気中の電気エネルギーを吸い上げる。
『レイジ!』
降雷皇フェイトの声と共に、巨大な落雷がガトリング・ドラゴンに降り注いだ。所詮作られた機械であるガトリング・ドラゴンが、人知を越えた力を防ぐ事など出来はしない。
「ぐあああああ!」
機械王LP3150→850
「だがしかし、
A2300・D1200
「カードを一枚伏せてターンエンドだ」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター2 伏せ2 手札0 LP150
機械王 モンスター3 伏せ3 手札0 LP850
デュエルモンスターズの中で一番弱いバーンカード、火の粉を受けてもゲームオーバーなライン。
「俺のターン、ドロー! ブローバック・ドラゴンの効果発動。コイントスを三回行い、その内二回以上が表だった場合、相手フィールド上のカードを破壊する。コイントスの結果、破壊効果を発動できる。俺が選択するのはLSを支援しているキャロだ!」
ッチ、やっぱり目の前の降雷皇フェイトに釣られなかったか。ブローバック・ドラゴンの頭の銃から一発の弾丸が発射され、支援に集中しているキャロは回避する事が出来ず破壊されてしまう。
フェイトA4900・D4900→A4000・D4000
ティアナA2100・D1900→A1200・D1000
「三幻魔と言っても攻撃力が無限な訳ではない! 強化支援メカ・ヘビーウェポンを召喚し、効果でパーフェクト機械王に装備させる」
メカ・ヘビーウェポンにパーフェクト機械王。様々な機械族デッキで使用されるメカ・ヘビーウェポンだが、パーフェクト機械王のカラーリングやデザインを揃えている為、この組み合わせが本来の合体なのだろう。
メカ・ヘビーウェポンは体を分解し、パーフェクト機械王の手足と胸の部分のパーツを強化し、より一層パワーアップさせる。
パーフェクト機械王A3700→A4200
「これで降雷皇フェイトの攻撃力を越えた! バトル、パーフェクト機械王で降雷皇フェイトに攻撃! ゲームオーバーだ!」
A4200 VS A4000
パーフェクト機械王から放たれた無数のミサイルは、ヘビー・ウェポンの力と自らの力により、威力とスピードが一段と上がっていた。降雷皇フェイトは今の自分では勝てないと判断したのか、抵抗する事無く爆発の海に呑み込まれた。
「・・・・何故ライフが減らない?」
「降雷皇フェイトが戦闘する時、俺が受けるダメージは0になる。更にこのカードが破壊された時、俺はデッキから一枚ドローし、このターン俺が受けるダメージが0になる」
「流石三幻魔。攻撃力だけじゃないって事か。だが戦闘破壊は出来る! フローバック・ドラゴンでティアナを攻撃」
A2300 VS D1000
さっきと同じように頭の銃から弾丸を発射し、ティアナさんを破壊した。
「カードを一枚伏せてターンエンド」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター1 伏せ1 手札1 LP150
機械王 モンスター3 伏せ4 手札0 LP850
「ドロー! 降雷皇フェイトが破壊された次のスタンバイフェイズ、手札のLS一体を墓地に送り、復活させる事ができる!」
「馬鹿な!? 再生能力も持っているだと!?」
デュエルディスクの墓地ゾーンから、黄色い稲光が発生した。機械で作られているにも関わらず、機械王はその光に目を手で遮っている。
そして奴が再びフィールドに目をやった時には、既に降雷皇フェイトが俺のフィールドに立っていた。
「この効果で特殊召喚した降雷皇フェイトは相手に戦闘ダメージを与える事ができない。だが火力は十分だ! バトル、降雷皇フェイトでオプティックトークンを攻撃!」
『サンダーレイジ!』
A4000 VS D2000
オプティックトークンの上空に現れた大規模な魔法陣。その中央に溜められた電気エネルギーが、降雷となりオプティックトークンを襲う。
「ぐっ、ああああ! ダ、ダメージを受けていないのにこの衝撃」
パーフェクト機械王A4200→A3700
「まだだ! 速攻魔法フェイクシルエットを発動! デッキのはやてを墓地に送り、降雷皇フェイトを八神はやてとして扱う」
「そんな事をして一体何に・・・・まさか!?」
「そうだ。存在しない者の生贄条件はレベル8以上。八神はやてとして扱っている降雷皇フェイトはこの条件に当てはまる! 八神はやてを生贄に捧げ、降臨せよ! 二枚目の三幻魔、幻魔皇八神はやて!」
平和なミッドチルダに、突如怪奇現象が起こる。ビルの影、車の影、木の影、信号の影、俺の影、機械王の影。ありとあらゆる影が一ヶ所に集まり、それはスライムの様にグニョグニョと不気味に動く。そしてそれは徐々に立体的になり、やがて小柄だがスタイルのいい女性の形になり、最終的に一人の美しい女性が現れた。
A4000・D4000
『ふぁ~あ。気持ちよく寝とったのに・・・・』
「寝過ぎだ。幻魔皇はやての効果発動! このカードが特殊召喚に成功した時、墓地のLSを2体選択し、魔法・罠ゾーンに置く。俺は墓地の蒼穹の王・高町なのはと降雷皇フェイトを置く」
『この力使うのもただじゃないんやで?』
幻魔皇はやてはもう一回眠そうに欠伸を掻くと、自分の影を魔法・罠ゾーンまで伸ばし、その影からラビエルを素材にした禍々しい青の棺桶を二つ出した。
「バトル続行! 幻魔皇はやてでブローバック・ドラゴンを攻撃!」
『彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け。石化の槍ミストルティン!』
A4000 VS A2300
ベルカ式の魔法陣を中心に三本と、その中心から一本、計四本の光の槍が現れた。発射された四本の槍はブローバック・ドラゴンを突き刺し、刺し傷を中心にブローバック・ドラゴンの体が徐々に石化して行き、数秒後には石象となり動かなくなった。
「罠発動、ガード・ブロック! 戦闘ダメージを0にして一枚ドロー。更に
A1850・D800
「これでターンエンドだ」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター1 伏せ3 手札0 LP150
機械王 モンスター2 伏せ2 手札1 LP850
「俺のターン、ドロー! 最後の最後で爪が甘かったな! あの時降雷皇フェイトをフィールドに残し続けていれば勝てていたものの! アイアンコールを発動、墓地のメカ・ハンターを特殊召喚する。これでパーフェクト機械王の攻撃力は500上がる」
パーフェクト機械王A3700→A4200
「この瞬間幻魔皇はやての効果発動。相手が特殊召喚に成功した時、自身の効果で魔法・罠ゾーンにいるモンスターゾーンに置く事ができる。来い、蒼穹の王・高町なのは!」
『最近私を使う出番が減ったではないか?』
A2500・D2500
こんな状況だと言うのになのは様は大変不機嫌なご様子。さっきの言葉からするに、もう少し出番を寄越せと言いたいのだろう。だったらさっき落下していた時に助けてくれたら――
『貴様。今私に文句を言ったか?』
「め、めっそうもございません!」
「何をゴチャゴチャ言っている! バトル、パーフェクト機械王で幻魔皇はやてを攻撃! これで本当の勝利だ!」
本日三度目のパーフェクト機械王の両肩から発射されたミサイル。それは降雷皇フェイトを破壊した時と同じような程のパワーとスピードを持っており、ミサイルの群が幻魔皇はやてへと向かう。そして無数のミサイルが爆発した。
「フハハハハ! これで勝ちだ! これで勝ち・・・・だ・・・・」
機械王の笑い声は、ある一つの光景を目にした瞬間ピタリと止まった。パーフェクト機械王から放たれた一つのミサイルが、幻魔皇はやての体を、まるで空振りをしたかのように貫通したのだ。
そのミサイルだけじゃない。実際ミサイルが爆発しても、幻魔皇はやてはビクともしない。
「どういう・・・・ことだ?」
「墓地のフェイクシルエットの効果。墓地のこのカードとティアナさんをゲームから除外する事で、攻撃を一度だけ無効にする事が出来る」
「そんな馬鹿な・・・・」
「何もないなら勝手にフェイズを進めるぞ」
「ま、待て、カードを一枚伏せてターンエンドだ。エンドフェイズ、メカ・ハンターは破壊される」
パーフェクト機械王A4200→A3700
「エンドフェイズ、存在しない者の効果発動。蒼穹の王・高町なのは――様を生贄に、神炎皇なのはを特殊召喚する」
突如フィールドに、巨大なビルをも呑みこむ火柱が現れた。その火は強大だが、とても優しくて暖かい。火柱から現れたのは、いつもの青の部分を赤くしたバリアジャケットを着た、ふんわりと笑みを浮かべる新炎皇なのは。
左手にはカノンモードのレイジングハートに似た、ウリアの頭の部分を杖にしたデバイス。
新炎皇なのはA0・D0
SLCなのは1
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター2 伏せ3 手札0 LP150
機械王 モンスター2 伏せ4 手札0 LP850
「これでラストターンだ、ドロー! この瞬間神炎皇なのはにSLCが一つ乗る」
SLC1→2
「新炎皇なのはでパーフェクト機械王に攻撃!」
「攻撃力0で何を考えているか知らんが、終わるのは貴様だ! 罠発動、聖なるバリア―ミラーフォース! これでその二体の幻魔を破壊だ!」
「なっ!? ミラーフォースだと!?」
新炎皇なのはのデバイスから放たれた炎の渦は、さっきの氷丸と雷丸と同じように、虹色の透明の光によって反射され、虹色の光を纏った炎により、二体の幻魔は破壊された。
「ハッハッハ! いくら幻魔でも結局はカード! 聖なるバリア―ミラーフォースの前では無力! さあ、降雷皇フェイトの効果でお情けの一枚をドローするがいい!」
「まっ、まさか一日で二回ミラーフォースをくらうとは思わなかった。しかも・・・・どっちも負ける直前の最後の悪足掻きとは」
「貴様、何を言って「永続罠存在しない者の効果発動」なんだと!?」
「三幻魔を呼ぶ効果を三回使ったこのカードを墓地に送る事で、墓地に存在するレベル11のLSを特殊召喚できる。さあ、再び降臨せよ、神炎皇なのは!」
『にゃはは、ミラーフォースとはちょっと予想外』
A0・D0
SLCなのは1
「そ、そんな・・・・」
「バトル続行。新炎皇なのはでパーフェクト機械王を攻撃! ダメージステップ、SLCを取り除く事で効果発動! 墓地のLSをデッキに戻し、そのレベル×500攻撃力を上げる。デッキに戻すカードは幻魔皇八神はやて、攻撃力は5500上がる」
なのはA0→A5500 VS A3700
「ば、馬鹿な・・・・」
『行くよ、これが私の全力全開!』
上空に飛びパーフェクト機械王に向けデバイスを向ける新炎皇なのはは、幻魔皇八神はやてと自らの魔力を使い、爆発的な威力を持った魔力の塊を杖先に作る。既に機械王は戦意を喪失しているのか、呆然としていた。
本当ならもっと話を聞きたかったが、敗者が死ぬのが闇のデュエル。これでサヨナラだ。
『スターライト・ブレイカー!』
命を繋ぐ優しい炎。だがそれは使い方次第では凶悪な武器へと変わる。
新炎皇なのはが放った炎の魔力砲撃は、数十メートルはある巨大ロボットを一呑みし、業火によってパーフェクト機械王の体内の機械は破壊され、やがて外装もドロドロと溶けた。
そして機械王を守る最強の壁が無くなり、炎の砲撃は機械王目掛けて突き進んで行く。
「うわあああああああ!」
機械王LP550→-1950
奴のライフが0になると同時に、突如奴の地面から無数の黒く禍々しい手が現れ、機械王の足をガシッと掴む。
「嫌だ! 死にたくない!」
「・・・・結局はお前も覚悟の無い奴って事か。ちょっとがっかりだ」
ズルズルと闇へと引きずり込まれる機械王を見下ろし、俺はそれだけ言うとクルッと奴に背を向けた。
奴の悲鳴が消えると同時に、ソリッドビジョンが消えて元の薄暗い廊下に戻ると、廊下は闇のデュエルの影響で罅が入っていたり、タイルが削れていたりと悲惨な状況になっている。
「ハァ・・・・もう少し場所を選ばないとな。っと?」
さっきまでハイテンションだったので気付かなかったが、やはり例によって例の如く体へのダメージが残っているようだ。ふらつく体を、さっきと同じように実体化してくれたフェイトが支えてくれた。
「大丈夫・・じゃないよね。かなりダメージ受けたんだから」
「けど慣れたのか、少し休めば歩けるようになると思う」
「あんまりそう言う事に慣れて欲しくないんだけど。けど、よく頑張ったね」
それからフェイトに支えられその場を離れ、人目の付かない所で休むことにした。
88888888!
皆さんも盛大な拍手をお願いします!
皆さんが散々
準制限カード(笑)
ミラフォは使われる事はないw
セイバリガハツドウシタゾ!
あまつさえ、本来なら悪い点に書かれるはずなのになぜか良い点に、ミラフォの扱いがいい、と書かれている始末。
だがそんなミラフォ先生も今回は優斗の切り札である三幻魔を破壊しました!
ミラフォ)俺は仕事をした
皆さんもこれに懲りたら、二枚のミラーフォースと、bloo-D、青眼の究極竜を使ってデュエルしましょう
◇
ストーリーに関して少し。
原作では結局破滅の光のフラグ回収は無かったので、ここは出来る限り上手く使わないともったいないので。
遊戯王GXのストーリーをザックリと分けると、この辺りが丁度真ん中だと思うので、急展開ですが進めました。
機械王がリアリストのやり方で優斗を殺そうとしましたが、結局はデュエルで決着です。この世界では全部デュエルで決着がつきます。