遊戯王GX 決闘モンスターリリカルなのは   作:あかない

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いよいよ二期も終わりが近くなってきました(作者の近いは本当に近いです)


そこで今さらですが、一つ謝罪があります。それはですね、毎回毎回誤字や脱字が多くて申し訳ありません。書き上げた後、その場のテンションで投稿しない様にストック形式でやり、見直しも何回もやっているのですが、一向に誤字脱字が減らない。それどころか前回はグラン・ネオスをグラン・モールとか言ったり、カード名まで間違える始末。

まあ何が言いたいかといいますと、誤字脱字報告助かります。ここまでお世話になっているからには頑張って完結させます。それ以前に誤字脱字が少なくなるようにより一層気を付けます。


最近前書きが謝罪場になっている気がします。




第四十一話

GX大会もいよいよ大詰めになってきたのか、現在GXメダルを持った生徒はほとんどいなかった。俺が知る限りでは現在GXメダルを持っているのは十代と万丈目と亮さんの三人だけ。十代に負けた万丈目だが、あの時はGX大会と言うよりも、万丈目を正気に戻すのが目的だったので、GXメダルは貰わなかったそうだ。悪く言うと十代が情けを掛けたとも言う。

俺はその、情けを掛けた本人の部屋に遊びに来ていた。理由は単純、暇だからだ。GX大会と言うのは良くも悪くも強い者しか生き残れない大会だ。敗者はデュエルを見学するか、生き残りの生徒の取り巻きになるか、こうやってのんびりと遊ぶか、自主勉強をするかの四つだ。

 

「ふぁ~あ。暇だな~」

「あとカイザーと万丈目だけか。身内ばっかりだな」

「なあ十代。ちょっと考えたんだが、お前のデッキに終末の騎士とダーク・シムルグを入れるのはどうだろう? 終末の騎士でクロス・ポーターを墓地に送ってデッキからエア・ハミングバードを手札に加えたら素早く闇と風が集まるし」

「なんだよ急に。まあ確かに相性はいいけど」

「暇だ・・・・」

「ああ・・・・」

 

勝者である十代でさえ暇なこの大会。最初はいいけど参加者が少なくなっていくと今一盛り上がりに欠ける。まあ万丈目は天狗になるタイプだから、自然と万丈目の周りの生徒達は万丈目を担いでお祭り騒ぎだろうけど、十代はデュエル出来ればそれでいい、ってタイプだからな。

二人でダラダラと床の上でデュエルをしていると、扉がコンコンとノックされた。

 

「誰だ?」

 

立ち上がった十代がドアを開けると、そこには見覚えのある一人の女性がいた。はて、どこで彼女を見たんだっけ?

 

「えっと、どちら様?」

「初めまして。私はオージーン王子の秘書、リンドと申します。以前少しお会いになりましたが、あの時はご挨拶出来ず申し訳ありません」

「へ? ああ! あの時の」

「はい。今日は遊城十代様にお願いがありやってきました・・・・が、どうやら遊斗・スカリエッティ様もいらっしゃる様ですね」

「あっ、邪魔なら部屋から出て行きますが」

「いえ、むしろあなた様がいてくれた事は好都合です」

 

十代の案内で(玄関で靴を脱いだらすぐの場所だが)上がって来たリンドさんは、ご丁寧に正座をして畳の上に座った。何となく俺も正座をしなければいけない雰囲気だったが、隣にいる十代はあぐらを掻いているので、俺も楽な姿勢で座った。

リンドさんは右手に持っていたケースをスッと俺達の前に出し、そのケースの蓋を開く。ケースの中には黒いクッションが詰め込まれており、二つの鍵の様な物が大切に保管されていた。

 

「これは?」

「お二人ともニュースや新聞はご覧になりますか?」

「まあ偶に。ただ隣の馬鹿は見てないのでよろしければ説明していただくと」

「お、俺だってニュースぐらい見るぜ「デュエルだけな」うっ・・・・」

 

俺達の会話にリンドさんは一瞬クスッと笑うが、すぐに真面目な表情に戻す。

 

「オージーン王子が収める国、ミズガルズ王国では世界を滅ぼしかねないレーザー衛星、ソーラを所持しています」

「ええ!? なんでそんな危ない物を!?」

「ほ、本当にご存じないのですね・・・・」

「ネットやテレビは見るんですが、デュエルだったりスポーツだったりで」

 

ハァとため息を吐くと、十代は「アハハ・・・・」と乾いた笑い声を上げる。

 

「様々な国から非難されているソーラですが、本当は今後地球に降り注ぐかもしれない隕石の除去の為に作られたものです。勿論この事は何度も言っているのですが、中々信用されません」

「地球を破壊できる物を作った時点で非難されるでしょうね」

「ええ、この問題は長い時間を掛けて解消して行きたいと思います。ですが今は国同士の問題など微々たるものです。今このデュエルアカデミア、いえ、世界は滅亡の危機を迎えています!」

「「・・・・えええええ!?」」

 

何々!? 何で世界が滅亡するの!? 急な事実で頭がパニックになって中々思考が纏まらない。最初は冗談かと思ったけど、リンドさんの表情は本気だ。

俺達は五秒間ぐらいひたすら、え、と叫び、ようやく少し落ち着く事が出来た。

 

「じゃ、じゃあまさかその鍵みたいな物は・・・・」

「はい。これはレーザー衛星ソーラを作動させる鍵です。これは操られたオージーン王子が斎王に渡した物だったのですが、隙を見て奪ってきました。おそらく斎王は鍵が無い事に気付き、私を探している頃だと思います」

 

さ、さっきまで暇でダラダラとしていて、GX大会と言う名のお祭りの事を話していたのに、いきなり世界の命運を別けた話に巻き込まれるとは。

 

「この鍵を守る事が出来るのは、あなた達二人と、斎王を導く事が出来るエド・フェニックスだけです」

「エドも? けどこの鍵を収める場所、二つしかないぞ?」

「あなた達三人に渡す三つの内二つは本物です。一つだけダミー。どれが本物かはあなた達にお教えする事は出来ません。これも安全の為ですので」

 

ダミーの鍵と聞くと七精門の鍵を思い出すな。そう言えばあの時も世界の命運が鍵によって左右されていたっけ? しかし前回は人命の危機は無かったけれど、今回は人類が生き残るか死ぬかの話。

 

「はぁ・・・・しかしなんでまた俺達に? 十代は強いですけど、俺より亮さんの方が強いですよ?」

「いくら外交関係が良くないとはいえ、私達は一国のトップです。あなたがこの島に眠っている三幻魔のカードの力を持っている事くらいお見通しです」

「ど、どこから情報が漏れたんだ・・・・。あっ、あともう一つ。何故斎王は今までソーラを発射しなかったんですか? 斎王がオージーン王子を支配下に置いたのはGX大会初日の筈」

「地球を滅ぼすレベルのエネルギーを数日程度で溜める事は出来ません。しかも斎王は時々意味不明な事を言い、何故か地球滅亡を阻止する様な事を言いだしたりもします」

 

そうか。リンドさんは破滅の光の事を知らないのか。

おそらく斎王は、まだ破滅の光に完全に乗っ取られた訳ではないのだ。本来の斎王琢磨としての意識が、破滅の光の野望を阻止しようとしているんだろう。

 

「とにかくこの鍵を斎王の手に渡らない様にすればいいんだな?」

「はい。もうあなた達に頼る他ありません」

 

土下座をして頭を下げるリンドさんを見ると、俺達も断る事が出来ない。俺と十代は顔を見合わせ、コクンと頷くと、それぞれ一つずつ鍵を手に取った。俺達の行動にリンドさんは顔を上げ、もう一度ペコリと頭を下げた。

すると突然部屋のドアがドンドン! と激しく叩かれた。

 

「だれん~~っ!?」

「静かにしろ、十代。こいつは招かれざる客って奴だ」

 

十代の口を封じた時には、ドンドンと叩かれていたドアは、ドガンドガンと蹴られており、木でできた木製のドアは早くもミシミシと限界の音を立てていた。

 

「十代、リンドさん、ベランダから飛び降りるぞ。そこまで高くない」

「おう」

「え、私はとても・・・・」

 

なんて言っている間に十代は俺達三人の靴を持って来て床に置く。俺は自分の靴を雑に履き、リンドさんの靴を人差し指と中指だけで持つと、リンドさんの体を抱き抱えた。十代はガラガラと窓を開け、窓から飛び降り、俺もそれに続き窓から飛び降りた。

細身の女性と言えどやはり人間。かなりの衝撃が足腰を襲ったが、普段鍛えているのでちょっと痛い程度だった。地面に着地した刹那、さっきまでいた部屋からドガン! と一際大きな音が鳴った。

 

「いないぞ!」

「馬鹿な!? どこに行った!?」

「窓が空いている! まさか跳び下りたのか!?」

「走るぞ十代」

「了解」

 

 

 

 

「ハァ、ハァ、ここまで来れば大丈夫だろう」

「あ、ああ・・・・。け、結構走ったな」

「お、お二人とも素晴らしい身体能力ですね」

 

リンドさんだけ息が上がっていないのは、俺がずっと抱き抱えていたから。リンドさんは、自分も鍛えているから大丈夫、と言っていたがヒールで走るのは辛いだろうし、半強制的に抱き抱えて走った。

 

「ゆ、遊斗。精霊達を使えばあんな奴等」

「いや、あいつ等も操られているだけだし、手荒なまねはしたくない。それに極力精霊の姿は見られない方がいい。可能な限り手札を見せたくないからな」

「け、けど次来たら頼むぜ。俺の場合戦える精霊はネオスしかいないけど、お前は沢山いるんだから」

「わ、分かってるよ。そのつもりだ・・・・」

 

と言っても、ここはデュエルアカデミアでも迷いやすいと言われる森の中だからそう簡単に見つからないだろう。俺と十代はネオスペーシアンを見つける時のサバイバルでこの島の事を知り尽くしているので、滅多な事では迷ったりしない。ただこのデュエルアカデミアは三幻魔と言い謎が多いので、知り尽くしたと言うのは大げさかもしれない。

 

「鍵を手に入れるとか言っときながら逃げられるとは」

「ッツ!? 誰だ!?」

 

突然深い森の奥から男の声が聞こえたので、俺達はそちらを振り向く。ベヒーモスやバルバロスの時の様に急に襲ってくるかもしれないので、ポケットに手を入れて中にあるカードを人差し指と中指で掴むと同時に、なのはさんとフェイトさんも精霊状態でデッキから出てきた。フェイトさんは俺を、なのはさんは十代とリンドさんを守る様に移動し、声がした方を睨みつける。

ザッ、ザッ、と草を踏む足音と共に俺達の前に現れたのは、黒い髭を顔いっぱいに生やした男だった。だがこれは仮初の姿の筈。コイツからは精霊の気配が感じられる。

 

「誰だお前?」

「俺は悪魔族の王のトラゴエディア。遊斗・スカリエッティにデュエルを挑みに来た」

「悪魔族の王? 遊斗、どういう事だ?」

「・・・・説明は終わってからにする。十代、お前はリンドさんを連れてここから逃げろ」

 

十代の方を見ずにそう言うと、十代は察してくれたのか、それとも俺の気迫に押されてか「分かった」と言ってリンドさんの手を引っ張りここから去って行った。トラゴエディアもなのはさんが二人を守っているので、追撃するのは不可能と判断したのか、逃げる二人に攻撃する気配を見せなかった。

 

「今さら悪魔族の王か」

「俺は捨て駒だ。だが俺も出来れば生きたいからな。貴様を殺す覚悟でデュエルを挑む」

「その意気込み嫌いじゃない。これ以上の会話は不要だ。行くぞ」

「「デュエル!」」

「先攻は俺だ。ドロー! クリッターを召喚」

 

A1000・D600

 

「カードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

エディア モンスター1 伏せ1 手札4 LP4000

 

クリッターを表側表示で出したか。普通戦闘破壊して効果を発動するカード、つまりリクルーターやクリッターの様なサーチカードは、裏側で出した方が相手に攻撃をさせやすい。

かといって生贄要因を残しておくのも得策とは思えない。ここは罠と分かっていても攻めた方がいいだろう。

 

「ドロー! フィールド魔法ミッドチルダを発動し、クロノを召喚! 効果でデッキから設置型バインドを手札に加え、ミッドチルダにLCを置く」

 

LCミッドチルダ0→1

A1700・D1500

 

『なんだかあのリバースカード、嫌な予感がするんだが・・・・』

「男なら黙って攻撃だ。行くぞクロノ! バトル、クロノでクリッターを攻撃!」

 

A1700 VS D600

 

「馬鹿め、クリッターが攻撃対象となった時、ヘイト・バスターを発動! 攻撃モンスターと攻撃対象になったモンスターを選択し破壊。破壊した相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!」

 

表になった罠カードから発射された衝撃波がクリッターとクロノを突然爆発させた。その爆風は衝撃波によって俺にのみ向かって来て、俺の体に激痛を与える。

 

「ぐああああああ! グッ、この程度!」

 

遊斗LP4000→2300

 

「フハハハ! いきなり大ダメージだな。クリッターの効果でデッキから幻銃士を手札に加える」

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗   モンスター0 伏せ1 手札4 LP2300

エディア モンスター0 伏せ0 手札5 LP4000

 

「ドロー! ワン・フォー・ワンを発動! 手札を一枚墓地に送り、デッキからキングゴブリンを特殊召喚!」

 

A0・D0

 

なのは様が座っている台座に比べると、かなり安っぽい台座に座った緑色の怪物。偉そうに足を組んで座っているが、緑色の化け物の足組など一体誰が喜ぶだろうか。

 

「幻銃士を召喚して効果発動。召喚成功時、フィールドのモンスターの数だけ銃士トークンを特殊召喚できる」

 

A1100・D800

AD500

 

「そしてキングゴブリンはこのカード以外の悪魔族の数×1000ポイント攻守を上げる」

 

キングゴブリンAD0→AD3000

 

「バトル! キングゴブリンでダイレクトアタック!」

「罠発動、設置型バインド! キングゴブリンの攻撃を封じ、ミッドチルダにLCを置く」

 

LCミッドチルダ1→2

 

「幻銃士でダイレクトアタック!」

 

A1100

 

幻銃士は背負った二つの小さな大砲から黒い鉛玉を飛ばし、俺の足元まで飛ばす。その鉛玉はドンと地面にぶつかった途端、ドカーンと大爆発を上げた。

 

遊斗LP2300→1200

 

「ぐぅぅ・・・・」

「18の王を倒した割に大した事ないな。カードを二枚伏せてターンエンド」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗   モンスター0 伏せ1 手札4 LP1200

エディア モンスター4 伏せ2 手札1 LP4000

 

この野郎・・・・。ヘイト・バスターを決めて一回ダイレクトアタックをしたくらいで調子に乗りやがって。

 

「ドロー! ミッドチルダのLCを生贄に、はやてを召喚!」

『このターンで決めるよ!』

 

はやてLC1

A2000・D1700

 

「ああ、夜天の書の主とヴォルケンリッターの力を見せてやれ! 永続魔法時空管理局を発動! そしてフィールドにはやてがいる時、LCを一つ取り除く事でシャマ姉は特殊召喚できる」

 

LCミッドチルダ2→1 時空管理局0→1 シャマル1

A800・D1800

 

「同条件でヴィータさんも特殊召喚できる!」

 

LCミッドチルダ1→0 時空管理局1→2 ヴィータ1

A1900・D1200

 

「シャマ姉の効果で時空管理局にLCを置く! そしてフィールドにはやてかヴォルケンリッターがいる時、ツヴァイは特殊召喚できる!」

 

LCシャマル1→0 時空管理局2→3

 

「場のシャマ姉とツヴァイを融合! 来い、祝福の癒し手シャマル! ツヴァイの効果でLCを一つ取り除いて手札に加える」

 

LC時空管理局3→2

 

「そして再びツヴァイを特殊召喚!」

『ま、またですか~?』

「と、飛ばし過ぎではないか?」

「言っただろ、このターンで決めるって。場のヴィータさんとツヴァイを融合! 来い、祝福の騎士ヴィータ! 融合召喚時、その二枚のセットカードを破壊!」

『コメートフリーゲン!』

 

A2600・D2500

 

ヴィータさんは空中に二つの巨大な鉄球を出現させ、グラーフアイゼンを薙ぎ払って二つの球を同時に打った。二つの鉄球はそれぞれ別の軌道で動き、トラゴエディアの二つのセットカードを破壊した。破壊したカードはミラーフォースと二枚目のヘイト・バスター。

 

「守りのカードが!」

「はやての効果発動! このカードのLCを取り除く事で、このカードはこのターン二回攻撃が出来る」

「に、二回攻撃だと!?」

 

LCはやて1→0

 

「バトル! はやてで幻銃士と幻銃士トークン一体を攻撃!」

『ディアボリックエミッション!』

 

A2000 VS A1100

A2000 VS D500

 

シュベルトクロイツの杖先に込められる魔力。その魔力は次第に黒の球体に変わり、その球体は徐々に大きくなっていく。そしてはやてがシュベルトクロイツを勢いよく振り下ろすと、黒い球体は幻銃士と幻銃士トークンの丁度真ん中に発射され、着弾と同時に二体の幻銃士を呑み込む程のドームになった。そのドーム内で何が起こっているのかは分からないが、黒のドームが消えると、そこには二体の幻銃士はいなかった。

 

「ぐぅぅ・・・・だ、だがまだ」

 

エディアLP4000→3100

キングゴブリンAD3000→AD1000

 

「ヴィータさんで幻銃士トークンを攻撃! ヴィータさんは貫通効果を持つ!」

『ラケーテンハンマー!』

 

A2600 VS D500

 

幻銃士トークンは両手をクロスにして防御を固めようとするが、その程度ヴィータさんにとっては、薄っぺらい紙が一枚増えた様なもの。何の妨害にもならない。ジェット噴射によって勢いを付けたヴィータさんは、幻銃士トークンをグラーフアイゼンでぶっ叩いた。

幻銃士トークンはグラーフアイゼンの威力に耐えきれず、後方に飛ばされ、トラゴエディアに激突して爆発した。

 

エディアLP3100→1000

キングゴブリンAD1000→0

 

「ぐああああ! ば、馬鹿な!?」

「ラスト! シャマ姉でキングゴブリンを攻撃!」

『シャ、シャマビーム』

 

A1000 VS A0

 

ああーっ!? そう言えばその名前だった! 初めて万丈目と戦った時に俺が命名した攻撃名だけど、シャマ姉は覚えていたのか。シャマ姉も俺に頼らないで、一年近くあったんだから攻撃魔法の一つくらい考えて欲しい。

シャマ姉が両手に掛けている腕輪サイズのクラールヴィントから発射された緑色のエネルギー砲は、キングゴブリンを貫通してトラゴエディアを襲った。

 

「ぐあああああ!」

 

トラゴエディアLP1000→0

 

本人は物凄い痛みを体感しているのだろうが、攻撃名が余りにしまらないので、大げさなリアクションにしか見えない。今度攻撃名を一緒に考えるか・・・・っと、そんな事を考えている場合じゃない。コイツに一つだけ聞いておきたい事がある。

 

「死ぬ前に一つ。F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)はどこにいる?」

「ハハハハ! 俺が教えるまでも無い。上を見て見るんだな! 貴様もこれで終わ――」

 

騙し討ちかと一瞬思ったが、もう既に闇に呑まれたのでその心配は無いだろう。パッと上空を見ると、そこには長い黒のコートを着たロン毛の男が平然と浮いていた。男は殺意の籠った瞳で俺をギロリと睨み、ゆっくりと空から降りてくる。

その男から感じられる力は今までの王とは比べ物にならなかった。王の中で二番目、三番目に強いクリスティアとリッチーが、目の前の男に忠誠を誓うのが分かる程の力だ。

同じ高さで男を見て気付いたが、どうやら男の長い髪は赤・青・黒・金・茶と属性をイメージさせる五つの色で染められていた。趣味が悪いなど、そんなどうでもいい感想は、この男の威圧感で頭から消された。

 

「お前がF・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)だな」

「左様だ。貴様が遊斗・スカリエッティか」

「ああ」

 

・・・・。ほんの数秒だったか、あるいは一分や二分だったか、短く長い間俺とF・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)は睨み会っていた。いや、俺が一方的に睨んでいただけかもしれない。余裕のない弱者が強がる為に、強者を睨んでいたのかもしれない。三幻魔に負けずとも劣らない、それ程の力を目の前の男は持っていると肌で実感できた。

 

「・・・・」

「遊斗、落ち着いて。今までF・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)がデュエル以外の方法で襲ってこなかったのは、私達の力を知っているから。それに遊斗には三幻魔も付いている」

「フッ、賢い精霊だ。確かに我がデュエル以外の方法で戦を挑めば、我は勝てないだろう。だが同時に、お前達もデュエル以外の方法では、(破滅の光)を滅ぼす事は出来ない」

 

そうか・・・・。俺は敵の事ばかりを考えていたが、俺には王すらも手が出せない頼もしい仲間が付いているんだ。落ち着け、冷静になるんだ。戦うのは俺のフィールドであるデュエル。相手がどんなに力を持っていても、デュエルは平等だ。

 

「デュエルをする前にいくつか聞かせて欲しい」

「よかろう。我とお前、どちらか一方しか生きる事が出来ない。命乞い以外は答えてやろう」

「何故このタイミング、いや、お前が最初から挑んでこなかった? そうすれば他の王達は死ななかったかもしれない」

「王の中の王と言えど命を掛ける事は極力したくないのだ。使える駒は全部使った方が賢明だろう?」

 

なるほど。その答え、嫌いじゃない。

 

「それに仲間と言えど精霊の王。死んだ方が精霊の世はより混乱する」

 

ッツ! 最近、王=破滅の光、と言う事に意識が行きすぎていたが、精霊達にとっては今まで挑んできた王達は、その名の通り、その種族の王なのだ。いくら破滅の光が乗り移っていたとしてもそれは変わらない。

 

「今、精霊世界はどうなっている?」

「悲惨な状態だぞ。一部の賢い精霊達や弱者は、種族が違えど手を取りやって助けているみたいだが、ほとんどの精霊が争っている」

 

目の前の男はニヤリと口元を上げながら、嬉しそうにそう言った。その態度に俺はカッとなったが、痛いくらいに拳をギュッと握って怒りを堪えた。今、目の前の男を殴った所で、返り討ちに会うだけだ。

 

「だが争いの発端である我等王を全員倒せばその内戦争は終わるかもしれないぞ?」

 

確かに発端である王達全員を倒せば、戦争はその内終わるかもしれない。しかしF・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)の言うその内とは、精霊世界が滅亡間近になった時、もう戦争する必要が無いと全種族の過半数が気付く時だろう。はたしてその終りが、俺が生きている間に来るのかすら分からない。

 

「また一つお前を倒す理由が増えた様だな」

「クックック、出来れば倒されたくないものだがな」

「少しさっきの質問に戻る。今日このタイミングで来たのは、やはりソーラと関係があるのか?」

「左様。貴様も知っている通り、斎王と言う男は破滅の光によって支配されている。本来ならソーラの鍵を交渉材料にLSを奪おうと思ったが、あの馬鹿はソーラのエネルギーが溜まったこの日にリンドとか言う女狐に鍵を盗まれた」

 

リンドさんがソーラの鍵を盗んだタイミングが完璧だったって事か。

しかもこの言い方から、俺が持っているこの鍵は本物の可能性が高い。もしこれが本物じゃなかったら、F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)と斎王は先に鍵を手に入れて、俺を脅す筈。

 

「そろそろいいか?」

「ああ、最後に色々と聞けて良かったよ」

 

そう言ってデュエルディスクを構えると、F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)は再びニヤリと笑った。刹那、F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)が着ていた服が――いや、人の皮がビリビリと破けた。

まず始めに目に入ったのは黄金の鱗。どんな銃弾でもどんな刃でも皮膚まで届きそうにない最強の鎧。次に目に入ったのは火・金・闇・水・黒鐵の物体。その五つの物体は徐々にその正体を見せて行き、ついにその五つの首が全貌を見せた。

F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)。デュエルモンスターズの中で最高峰のステータスを持ち、光属性以外のモンスターでは破壊する事が不可能。ステータスだけならたった一枚で三幻神・三幻魔をも倒せるそのモンスターは、目の前にいるだけでこの世の終わりかと思わせるほどの恐怖を俺に与える。

 

「確かに凄い・・・・けど、こっちには破滅の光でさえ脅える仲間がいるんだ!」

「そうでなくては面白くない! 今まで戦ったのは雑魚ばかり! 我を楽しませろ!」

「「デュエル!」」

 




トラゴエディア・・・・ヤ無茶しやがって。
一応最後の雑魚王なのでカットするのもどうかと思ったので、久しぶりの文字数稼ぎにデュエルさせた結果がコレだよ!
取り敢えず漫画GXの知識がある方は二次+破滅の光に乗っ取られていると思い、割り切るか心の窓から投げ捨ててください。



作者は馬鹿で財政チートとか楽しく読むもののサッパリ分からないので、こういう目的暴露パートは矛盾が無いかどうか心配です。リンドさんの話はうろ覚えな原作知識を頼りに書いたので、矛盾は無いと思いますが。(取り敢えずペガサスや社長はソーラをなんとかするべき)

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