ちょっと最近お厳しい評価を頂いた+花粉症でションボリしたので、気晴らしになんか色々やってました。
で、ですね、夏休みの話を投稿しようかと思ったのですが、後に回して三期に突入しようかと思います。小さいですが一応理由はあります。
それと大分前にオリカの事で話したが、ストーリーに関係の無い新オリカは三期前半までで止めます(例外はあるかもしれません)
それでその三期前半に入ったので、この話を入れないで約4話~5話後ぐらいでオリカの募集を止めたいと思います。4か5だと急に聞こえるかもしれませんが、どんなに早くても一週間はかかります。
現在採用が確定したカードは
夜天の王様から頂いた
闇の書の意志
ナハトヴァール
コクイ様からいただいた
次元震
次元断層
虚数空間
アルハザード
を採用させて頂きます。
もうしばらく新オリカラッシュが続くと思います。
第四十四話
気が付いたら長い長い夏休みも終わり俺達はついに三年生になった。夏休みの話は今後少しだけ語ろうと思う。
思えばこの二年間、セブンスターズだったり破滅の光だったり精霊の王達だったりと濃い二年間だった。まあそれも今となればいい思い出になりつつある。
去年と同じように高校生活デビューを果たした一年生が目立つ時期でもあり、その一年生からしたら俺や十代、万丈目、明日香は目立っているだろう。俺や十代は世界で一枚ずつしか無いカード所持者、万丈目はGX大会優勝者、明日香はミスデュエルアカデミアでもあり一流のデュエルタクティクスの持ち主。翔は・・・・なんかあるんじゃないか?
「万丈目、翔、ペンキ持ってきたぞ」
「助かるッス」
「助かるぞ遊斗。じゃあお前達は屋根の上を塗り替えてくれ」
「「はい!」」
入学式が終わった後、俺達ブルー寮生は白になったホワイト寮を青に戻していた。二年の時から続けていたが、何しろ素人が城と変わらない大きさの寮の色を塗り替えるのは時間が掛かる。斎王は一体どうやってこのブルー寮を数日で白に塗り潰したのか未だに謎だ。
そして先程のやり取りで疑問に思った事があるだろう。何故レッド寮の万丈目とイエロー寮の翔がブルー寮の手伝いをしているか。理由は簡単、月一試験で二人は見事ブルー寮に上ったのだ。
「けど明日から本格的に高校三年目が始まると思うと何だか呆気ないよな」
「そうッスね。けど今年こそは平和な年を過ごしたいッス」
「翔、フラグになるからそう言う事は言わない方がいい。それにこのデュエルアカデミアの事だから明日ぐらいに絶対何か起こるぞ」
「そ、そんな事言わないで下さいッス」
頬をピクピクと引き攣らせながら苦笑する翔。この一連のやり取りが本当にフラグだったのか、狙ったかのようなタイミングで、一つ下のブルー寮の下級生が俺達の元へ走って来た。
「先輩方~! 今から校長先生の話があるみたいです。非常に大事な話だから全員来るようにって」
「なっ? 言っただろ?」
「マンマミーア!」
なんて翔と話していると、隣に立っていた万丈目はメガホンを口に当てて作業しているみんなに聞こえるように大声を出す。
「みんな! 今から集会があるそうだ! すぐに作業を止めて校舎に行くぞ!」
【【【はい!】】】
それにしても急な集会か。いくらエンターテイメントが好きだからってアポなしの集会は勘弁して欲しい。あの校長先生に今更言ったって意味ないだろうが。
待てよ? アイツの事だからどうせ部屋に居らずにどこかで釣りか昼寝でもしてる筈。そうなると集会の事を耳にするのは不可能だ。
「悪い万丈目、翔。十代を探してくる。あとは任せた」
「お、おい! 全くあいつは・・・・。十代の母親か」
◇
なのはさんのWASも使って十代を探したが、見つからなかった。仕方ないので合同教室に戻る事にし、クルッと方向転換すると目の前に一人の男がいた。
その男は袖にフリルのついた白いシャツを着を黒いズボンにインしている、好が別れるだろうがオシャレな恰好をしていた。髪の色に合わせてか青のベストも来ており、ズボンにも青のラインが入っているのが分かる。
「・・・・」
「・・・・」
「誰だ?」
「俺か? 俺はヨハン・アンデルセン。よろしくな」
「お、おう・・・・」
気が付けば右手を差し出されていたので、何が何だか良く分からないがその手を取って握手する。マイペースな挨拶にふと十代の事を思い出す。新入生・・・・にしては十五歳に見えない。しかし剣山の例があるからあり得るのか?
暫くの間目の前の男をジーと見ていると、その背中から紫色の毛を生やせたリスの様な動物が出てきた。小さいけど確かに精霊のオーラを感じる。
「それ、ひょっとして精霊か?」
「へ? 君もルビーが見えるのか?」
「ああ。精霊とは色々あってね。多分精霊の数ならこの世界の誰にも負けないと思う。フェイト、出てきてくれ」
すると腰に付けていたデッキホルダーから黄色の魔力光が発生し、次の瞬間俺の右隣にフェイトが現れた。突然現れたフェイトにヨハンは目を大きく開いて驚きを見せたが、すぐに嬉しそうに笑う。
「感激! まさかLSに会えるなんてな。じゃあ君が遊斗・スカリエッティ?」
「ああ。そうだけど・・・・」
「おっと。俺は怪しいもんじゃない。アークティック校から留学してきたんだ。海外でも君の活躍は有名だよ」
「それは光栄、かな?」
どこから俺の情報が海外に流れたのか一瞬気になったが、去年行われたGX大会にはプロが参加する事もあって各国テレビ局も来ていた。そこから流れたと考えるのが妥当だろう。
「ところで一つ聞いていいかな?」
「なんだ?」
「合同教室って何処だ? 俺方向音痴なんだ」
「あっ・・・・」
合同教室に駆けつけた時には既に全校生徒集まっており、校長先生の話の真っただ中だった。俺とヨハンの入室に校長先生は愉快そうに笑い、クロノス先生は深いため息を吐いている。
三年生ブルー寮代表が初っ端から遅刻したら、ブルー寮の格が落ちる。いくら寮同士の喧嘩や上下関係が無くなったとはいえ、ブルー寮がトップであるのには変わりが無い。トップなら下の寮生が、こうなりたい、と思える立ち振る舞いをしないといけない。と、前日クロノス先生に言われたばかりなのだ。
「いや~遅れた遅れた! 俺方向音痴だからな!」
「遅刻して申し訳ありません」
「ハァ、分かったノーネ。シニョールヨハンが来たのは丁度いいノーネ。みんなに挨拶するノーネ」
「ああ!」
遅刻した事を余り気にしていないのか、クロノス先生にタメ口で返したヨハンは入り口から堂々と階段を降りて行く。その間に俺は十代達が取っていてくれた空席にササっと移動して静かに座る。十代を遅刻させない様に探しに行った俺が遅刻するなんて、まるでミイラ取りがミイラになった気分。
万丈目や翔に、どうして遅刻したんだと聞かれたが適当に流し、合同教室の教壇へ歩くヨハンの背中を見て、後ろにいる十代の顔をチラッと見る。
「やっぱり似てるな・・・・」
「何か言ったか?」
「いや、何でも無い」
顔や声が似ている訳では無いので、やはり雰囲気だろうか? 兎に角十代とヨハンは、上手く口にはできないがどこか似ている。
ヨハンのデュエルを見たら何が似ているのか分かるだろう。挨拶が終わったらヨハンにデュエルを挑もうと考えていると、エドは教壇に立って俺達デュエルアカデミアの生徒に顔を向ける。
「アークティック校から留学してきたヨハン・アンデルセンだ。仲良くしてくれ」
他にも色々と言う事はあるだろうが、随分と簡単な挨拶だ。会場に響くパチパチと歓迎の意を表す拍手は数秒間続き、その間に俺は教壇に立つ五人の男を見る。
一番目に入るのは、やはりワニを背負った高校生――には見えない、大人びた(老けた)肌黒の男。頭にはカーボーイハットを被っており、首には派手な柄のスカーフ。背負ったワニも飾りではないらしく、瞬きした瞬間を確かにこの目で見た。
彼と一緒に並んでいてはインパクトが少ないのは当然だが、後の四人は容姿が外国人風であったが特に変わった点はなかった。
鼻が丸い黒人の男。眼鏡を掛けた優しい笑顔が特徴的な男。そして角刈りで身長2mはありそうな巨体の男。おそらく前者二人が生徒で、角刈りの男が先生だろう。正直眼鏡を掛けた男意外、皆中々大人びており(老けており)先生と名乗っても特に違和感が無い。
「全ての生徒が集まったので、プロフェッサー・コブラからお話があるそうです」
「臨時教師として配属されたプロフェッサー・コブラだ。お前達にはこれから一年間、このベルトを付けてデュエルをしてもらう」
プロフェッサー・コブラが皆に見えるように掲げたのは、柄の付いていないシルバーの質素な腕輪だった。
そのベルトを付けて何が変わる? おそらくこの場の全員の思考が一つになっただろう。プロフェッサー・コブラは皆の心の声に答える様に再び口を開き、ハスキーボイスでベルトの説明を始める。
「このベルトはデスベルト。これを付けてデュエルすると私の元へデュエルの内容と、戦術、戦績が送られる。それらを分析し、生徒個別の能力を測る物だ」
中々次世代的なベルトだが、デスベルトと言うのは生徒に付けるにはネーミングが駄目だと思う。現にデュエル好きな俺だって、デスと付いていたら余り乗る気がしない。闇のデュエルを楽しんでいた俺が言うと矛盾に聞こえるだろうが・・・・。
「これからは月一試験を廃止し、能力が低い生徒を問答無用で寮の格下げ、退学にする」
【【【退学!?】】】
「プロフェッサー・コブラ。いくらなんでもそれはやり過ぎナノーネ。この学校では筆記試験と実技の両方を行い、その二つから寮の上げ下げが決まるノーネ」
クロノス先生の意見に、生徒達も「そうだそうだ!」と言ってデスデュエルを否定する。寮格下げでも十分すぎるほど厳しいのに退学はあんまりだ。その意見にはクロノス先生や皆と同意見だが、月一試験が消える事にはちょっと期待してしまう。毎月毎月あの時期になると強制的に勉強させられるからな・・・・。この二年良く共同官二人に反抗しないで頑張ったと、自分で自分を褒めたい。まああの教導官二人に反抗出来る奴がいるのなら見てみたいが。
少し話がそれてしまった。
「どんなに知識があっても実戦で役に立たなくては意味が無い。これが私の教育方法だ」
確かに知識だけあっても実戦で約に立たないと意味が無い。だからと言って知識が無ければ実戦で戦うことすら不可能だ。スポーツでもデュエルでもそうだ。ルールを知らなかったり、技を知らなければフィールドに立つことすら不可能。
プロフェッサー・コブラの意見に反対しようと、腰を浮かせて立とうとした途端、パンパンと校長先生が手を叩いて場を収めた。
「大丈夫ですよ皆さん。プロフェッサー・コブラはこう言っていますが、実際に退学になどしません。ここは一度デスベルトの力を確かめる為に、留学生と在校生でお手本のデュエルをしてみるのはどうでしょうか? プロフェッサー・コブラ?」
「分かりました。ではアンデルセン、お前がやれ」
「はい!」
「では在校生代表はシニョール遊斗にお願いするノーネ」
「ちぇっ。羨ましいぜ」
背中から来た十代の悔しそうな声に「お先に」と言って席を立つ。十代とヨハンのデュエルも見たかったが、せっかくならヨハンのデッキを知らない、全くの初見で挑む方が面白い。教壇に降りる途中、他の友人からも声援を貰い、軽く手をタッチして勝利を約束する。
「まさかいきなり君と戦えるなんて。おもしれぇ」
「君じゃなくて遊斗でいい。俺もヨハンとデュエル出来るのを楽しみにしてたし」
プロフェッサー・コブラから貰ったデスベルトを、デュエルディスクを付けた手の反対、つまり右手首に装着する。デスベルトは装着する人の体格に合わせて柔軟に変化するのか、ジャストフィットして窮屈だったりブカブカだったりしない。
「それではデスデュエルを始める」
「成績に関係するらしいけど、気楽にやろうぜ」
「ああ。LSの力を見せてやる!」
「「デュエル!」」
「先攻は俺が貰う。ドロー! フィールド魔法、魔法都市ミッドチルダを発動! そして高町なのはを通常召喚! 効果で自身とミッドチルダにLCを置く」
LCミッドチルダ0→1 なのは1
A500・D1800
この学園に入って新たな仲間達と出会ったが、この初手の実用性は未だに衰えない。上級モンスターを二枚で特殊召喚しつつ、なのはさんの効果で手札一枚を補給。更に自分の有利なフィールド魔法を張っている状態。
「なのはのLCをミッドチルダに移動! ミッドチルダのLCを取り除きユーノを特殊召喚。場のなのはとユーノを融合! 来い、AOA高町なのは!」
LCミッドチルダ1→2→1
A1000・D3000
「感激! これが君のエースモンスターか!」
「俺のデッキにはエースは沢山いる。けどこのカードがこのデッキの中核であり切り札であるのは事実かな。なのはの効果発動! デッキからフェイトを手札に加える。装備魔法レイジングハート・エクシードをなのはに装備」
なのはA1000→A2500
「ターンエンドだ」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター1 伏せ1 手札4 LP4000
「いきなり攻撃力2500のモンスター! さっすが。俺のターン、ドロー! 宝玉獣トパーズ・タイガーを召喚!」
A1600・D1000
『ガルゥゥ! 俺様が先陣を切るぜ!』
ヨハンのモンスターゾーンから発生した黄金の光と共に、一匹の虎が登場した。その虎の種類はホワイトタイガーと言って良いのだろうか? 普通の虎では黄色になる部分の怪我白く、黒い縞の色が薄い。しかもその虎は貴重種であるホワイトタイガーの中でも珍しく、頭と四本の足からは宝石の様に輝く刃物が生えており、首にはトパーズの宝石が埋め込まれている。
『わぁ! 虎さんが喋った! 可愛い~』
『と、虎さん!? この女、馬鹿にしやがって』
「まあまあ。人に褒められるのはそんじゃないぜ? あれ? この場合人じゃなくて精霊か?」
「俺は一人の女性として見てるから、出来れば人として見て欲しいな。あっ、もちろん自他共に精霊って事は認めてるんだが」
「ふ~ん。変わってるなお前」
まあ確かに世間一般からすれば変わっているかもしれないけど、お前やデュエルアカデミアの生徒にだけは言われたくない言葉だ。
「じゃあ続けるぜ。永続魔法宝玉の樹を発動。更に装備魔法宝玉の解放をトパーズ・タイガーに装備。攻撃力を800アップする」
トパーズA1600→A2400
「それだとなのはの攻撃力には届かないぞ?」
「それはどうかな? バトル! トパーズ・タイガーでなのはに攻撃! トパーズ・タイガーは攻撃する場合ダメージステップの間攻撃力が400アップする! トパーズ・バイト!」
トパーズA2400→A2800 VS A2500
首に埋めているトパーズが輝くと共に、トパーズ・タイガーの体が黄金の光によって包まれた。装備魔法により宝玉の力が解放され、更には自分の野生の力を解放した事により、一時的だがなのはさんより攻撃力が上回った。なのはさんに突撃したトパーズ・タイガーは、その鋭利な牙と足に付いた刃でなのはさんを攻撃する。
桃色のバリアを発生させてトパーズ・タイガーの進行を阻止したなのはさんとレイジングハートだったが、トパーズ・タイガーの力は想像以上で、レイジングハートが自らの力を全て出し切る事でようやく防ぐ事が出来た。
「レイジングハートの効果発動! 装備モンスターが戦闘で破壊される変わりに、このカードを破壊する事が出来る」
「けど戦闘ダメージは受けてもらう!」
「うっ!」
遊斗LP4000→3700
なのはA2500→A1000
トパーズA2800→A2400
『ふっ。俺様を馬鹿にしたからだ』
「カードを一枚伏せてターンエンド」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター1 伏せ0 手札4 LP3700
ヨハン モンスター1 伏せ3 手札2 LP4000
『にゃはは、馬鹿にした訳じゃないんだけど』
「プライドが高い精霊ですね。どっかの誰かみたいだ・・・・。俺のターン、ドロー! なのはの効果発動。デッキからアリサを手札に加える。魔法・罠ゾーンにアリサとすずかを置く」
魔法・罠ゾーンに現れたアリサとすずかを見て、ヨハンとトパーズ・タイガーは大層驚いた顔をした。虎の驚く顔なんて初めて見た気がする。
「へぇ。君もその手の効果を・・・・」
「? お前も使うのか?」
「それは見てのお楽しみって奴さ」
「分かったよ。フェイトを召喚。効果で自身とミッドチルダにLCを置く」
LCミッドチルダ1→2 フェイト1
A1800・D500
さっきもヨハンとは軽く顔を会わせたから初対面では無いが、フェイトは改めて『初めまして、フェイト・テスタロッサです』と軽く頭を下げて挨拶をした。
こうも沢山の精霊同士の会話があると、俺達も自然とデュエル以外の話が出てしまう。精霊の声が聞こえる十代や万丈目には、俺達が何の話をしているかが大体予想できるだろうが、他の生徒にはチンプンカンプンだろう。
「フェイトのLCをすずかに移動。ミッドチルダのLCを取り除きアルフを特殊召喚!」
LCミッドチルダ2→1 フェイト1→0 すずか0→1
「場のフェイトとアルフを融合! 来い、黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウン!」
A2800・D500
「げっ。攻撃力2800!」
「アリサの効果発動。フィールド上のモンスター一体を選択。選択したモンスターが戦闘でモンスターを破壊した場合、選択したモンスターにLCを置く。更にフィールドにすずかがいる時、ドローする効果が追加される。フェイトを選択する」
「破壊した場合、か・・・・」
ヨハンはその部分だけを復唱してバツの悪そうな顔をする。除外デッキでもない限り、破壊した場合でも、破壊して墓地へ送った場合でも余り大差ない様に思えるが、そこが何か関係あるのだろうか?
「バトル! フェイトでトパーズ・タイガーを攻撃!」
A2800 VS A2400
運がいいのか、それともフェイトさんの効果を知っていたのか、トパーズ・タイガーはなのはさんの前のモンスターゾーンに召喚されていた。
アリサの効果により、バルディッシュに纏わる属性は電気と炎の混合。二つとも変換資質の中ではかなり攻撃に特化した変換資質であり、そこにフェイトさんの機動力とパワーが加われば並大抵の防御で無ければ受け止める事は不可能。
「罠発動! ラスト・リゾート!」
「ッツ。攻撃反応型!?」
「ハハ。遊斗が考えてる効果じゃないぜ。こいつはもっと面白い効果を持ってる。ラスト・リゾートは相手の攻撃宣言時に発動できる。デッキからフィールド魔法、虹の古代都市-レインボー・ルイン選択して発動できるのさ」
ヨハンがデッキから一枚のカードを取り出してフィールド魔法ゾーンにセットすると同時に、近未来都市ミッドチルダは、ガラスが割れる様にバリンと粉々になり、頭上に虹が輝くコロッセオの様なフィールドに変化した。先程も言ったがコロッセオと同じく、建物は丸い円を作っており、建物の中央に決闘者である俺とヨハンがいる状態だ。
「ラスト・リゾートの発同時に相手がフィールド魔法を発動していた場合、相手は一枚ドローする事ができるが?」
「勿論ドローする。バトルは続行だ」
フェイトさんは飛びかかって来たトパーズ・タイガーに向けてザンバーフォームのバルディッシュに振り下ろし、トパーズ・タイガーの体を木っ端みじんにする。
ヨハンLP4000→3600
「トパーズ・タイガーと宝玉の解放の効果発動! トパーズ・タイガーが破壊された場合、墓地へ送らずに永続魔法として自分の魔法・罠ゾーンに置く事ができる。同じく宝玉の解放の効果。このカードが墓地へ送られた時、デッキの宝玉獣を魔法・罠ゾーンに置く」
「なっ! 墓地へ行かず魔法・罠ゾーンに!?」
バラバラになったトパーズの欠片がヨハンの魔法・罠ゾーンに集まり、一つのトパーズの塊が現れた。そのトパーズの塊は(重さを考えなければ)大人一人が両手を使わないと抱えられない程大きな塊で、質にもよるが売れば億万長者になれるだろう。
「宝玉の解放の効果でデッキからエメラルド・タートルを魔法・罠ゾーンに。そして宝玉の樹は宝玉獣が魔法・罠ゾーンに置かれる度にジェムカウンターを一つ置く」
宝玉の樹0→2
「あれが宝玉獣か」
「面白い。イッツ、ワンダーモンスター!」
近くに居る留学生二人は、独特な効果を持つヨハンの効果にそれぞれ簡潔な簡単を言う。どうやらワニを持った男はペガサス会長と同じ、日本語と英語を合わせた独特な喋り方をするようだ。ただこの学校に居ればそこまで気にならない。
「アリサの効果発動。モンスターを破壊したからデッキから一枚ドローする」
LCフェイト0→1
「なのはでダイレクトアタック!」
『アクセル・シュート!』
A1000
なのはさんは桃色の魔力弾を四つ発生させてヨハンに向かって発射する。四つの魔力弾は全弾命中するかと思ったが、四つの内二つが虹色の光に包まれてスッと消えて行き、二つの魔力弾がヨハンを襲った。
「レインボー・ルインの効果。魔法・罠ゾーンに宝玉が二つ以上ある時、一ターンに一度戦闘ダメージを半分にする」
ヨハンLP3600→3100
「ダメージ半減か、地味に厄介だな。カードを一枚伏せてターンエンド」
場 虹の古代都市-レインボー・ルイン
遊斗 モンスター2 伏せ3 手札5 LP3700
ヨハン モンスター0 伏せ3 手札2 LP3100
「フィールドも手札もライフも一気に逆転。いきなりピンチ!」
「そう言う割には全然諦めていないな」
「へへっ。まあな。俺のターン、ドロー! 宝玉の樹の効果を発動。このカードを墓地へ送り、このカードに乗っていたジェムカウンターの数だけデッキから宝玉獣を魔法・罠ゾーンに置く。俺はルビー・カーバンクルと、アンバー・マンモスを置く」
枯れていた宝玉の樹から、赤とオレンジの輝きを持つ果実が生まれた。その果実が魔法・罠ゾーンにポトリと落ちると、ルビーとアンバーの結晶へと進化する。どちらも売れば億万長者になれる大きさだ。
「レインボー・ルインの効果発動。魔法・罠ゾーンに宝玉が四つ以上ある時、一ターンに一度デッキから一枚ドロー出来る。一枚ドロー! よしっ、サファイア・ペガサスを召喚!」
A1800・D1200
白馬に翼が生え、角を持った伝説の生き物ペガサス。目の前に現れたペガサスの翼にはサファイアが埋め込まれており、角もサファイアで作られているのか青く輝いている。
『ヨハン。一気に攻めるぞ』
「ああ! サファイア・ペガサスの効果発動。このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、手札・デッキ・墓地から宝玉獣一体を魔法・罠ゾーンに置く事が出来る。デッキのアメジスト・キャットを置く。サファイア・コーリング!」
サファイア・ペガサスのサファイアの角がより一層強い輝きを発すと、何も無い空間に巨大なアメジストの塊が出現した。ルビー、エメラルド、トパーズ、アメジスト、アンバー。比較的物欲が低い俺でもこれらの宝石の前には思わず涎が出てしまいそうだ。
「レインボー・ルインの効果。宝玉が五つ以上ある時、魔法・罠ゾーンの宝玉獣一体を特殊召喚できる。俺はルビーを特殊召喚!」
AD300
『はぅ! 可愛い~』
『ほんとだ。凄くペットにしたい』
廊下でヨハンと会った時にルビーの姿を見たが、やはりリスの様だ。紫色の毛並みをした宝玉獣は瞳と尻尾の先に自らの宝石であるルビーで出来ている。なのはさんとフェイトさんはその愛くるしい姿にすっかりメロメロだ。
「ルビーの効果発動。このカードが特殊召喚に成功した時、自分の魔法・罠ゾーンの宝玉獣を可能な限り特殊召喚できる」
「可能な限り!?」
「ルビー・ハピネス!」
尻尾の先の丸い宝石から赤い光線が発生した。その光線は魔法・罠ゾーンにあるトパーズ、アンバー、アメジストの結晶にエネルギーを与え、眠っていた宝玉獣達を眠気から覚ます。
ヨハンのフィールドにホワイトタイガー、マンモス、猫が現れており、それぞれ自らの宝玉を体の一部分に付けている。
A1600・D1000
A1700・D1600
A1200・D400
「ちょ、ちょっとヤバイかも」
「装備魔法団結の力をアンバー・マンモスに装備! 攻撃力を4000アップする!」
アンバーA1700・D1600→A5700・D5600
・・・・攻撃力4000アップの団結の力など久しぶりに見た気がする。団結の力の効果は、自分フィールド上のモンスターの数×800ポイントモンスターの攻守を上げるカード。良くて2400ぐらいアップするカードなんだが、攻撃力5000を突破したか。
「呆気ないがこれで終わりだ。バトル、アンバー・マンモスでなのはに攻撃! アンバー・スタンプ!」
A5700 VS A1000
仲間の宝玉の力を貰ったアンバー・マンモスの体は瞬間的にだが一気に五倍の大きさになった。これがソリッドビジョンでフィールドが変わっているから五倍まで大きくなれたが、元の教室だったら天井に付いているかもしれない。アンバー・マンモスはドスンドスンと地面を揺らしながらなのはさんに突進し、巨大な足でなのはさんを踏みつぶす。が、なのはさんはプロテクションを使いアンバー・マンモスの渾身の一撃を防ぐ。
「罠発動! 魔導師の甲冑! 発動後このカードは装備カードとなる。LSに装備可能。装備したモンスターは戦闘で一度だけ破壊されず、俺が受ける戦闘ダメージは半分になる」
しかしなのはさんへの攻撃を防いでも、ダメージまでは防げない。丸いバリアを上手く使い自分への攻撃をいなしたなのはさんだったが、アンバー・マンモスの巨体が地面とぶつかった瞬間、衝撃波が発生して俺の体を襲う。
遊斗LP3700→1350
「トパーズ・タイガーでなのはを攻撃! トパーズ・バイト!」
トパーズA1600→A2000 VS A1000
宝玉獣の連続攻撃、しかも片方は攻撃力5000以上のパワー相手では、なのはさんでも突破困難だった。バリアを張る前にトパーズ・タイガーの接近を許し、巨大な牙と足に付いた刃で斬られて破壊された。
遊斗LP1350→850
「アメジスト・キャットは与える戦闘ダメージを半分にする変わり、ダイレクトアタックができる! アメジスト・ネイル!」
『ちょいと痛い目にあってもらうよ!』
アルフに似た喋り方をする猫はフェイトさんを飛び、上空で前両足の爪をシャキンと構える。そして俺の元へと降りて来ると空中で爪をクロスさせて顔を引っ掻く。散々闇のデュエルをしてきた俺だが、この攻撃はソリッドビジョンでも怖く一瞬目を瞑ってしまった。
遊斗LP850→250
「あとちょっとだったか。これでターンエンド」
場 虹の古代都市-レインボー・ルイン
遊斗 モンスター1 伏せ2 手札5 LP250
ヨハン モンスター5 伏せ2 手札2 LP3100
「俺のターン、ドロー!」
幸いな事にすずかにLCがあるから、これでアンバー・マンモスの攻撃を防ぎ、他の宝玉獣達を倒して行ってアンバー・マンモスの攻撃力を下げて行けばいい。だが現時点で効果が分かっているのはルビー、サファイア・ペガサス、アメジスト・キャット、トパーズ・タイガーの四体。
攻撃力を上げる事が出来るトパーズ・タイガーでも攻撃力が100多いサファイア・ペガサスでも無く、未だに効果が分かっていないアンバー・マンモスに団結の力を装備させたのは何か理由があるのだろうか?
もしこのターンでアメジスト・キャットを破壊できなかったらダイレクトアタックでライフが0になってしまう。
「・・・・よしっ。その効果と仮定して動こう」
「へっ?」
「ティアナを通常召喚! 効果ですずかのLCを取り除き、墓地のAOAなのはを除外し、同名トークンを特殊召喚する!」
LCすずか1→0
A1200・D1000
A0・D0
「そしてAOAなのはトークンを生贄に、蒼穹の王・高町なのはを召喚!」
A2500・D2500
手札のカードをデュエルディスクにセットした瞬間に、ドンッ! とかなりの衝撃がデュエルディスクから発生した。ヨハンも宝玉獣もそれに気付いたのか、警戒を強めている。
フィールドの中心は我が物と考えているのか、彼女が登場する時に現れる竜巻はフィールドのど真ん中に発生し、強風を巻き起こす。小さいルビーはその風によって『ルビー!?』と鳴きながら(泣きながら)飛ばされ、竜巻の中心へと吸い込まれた。
その竜巻が消えると共に、赤い宝石が埋め込まれた黄金の玉座にこれでもかと言う程偉そうに座っているなのは様がいた。埋め込まれた赤い宝石は飛ばされたルビーにあらず、なのは様は右手でルビーを摘まんでおり、ポイッと捨てるようにルビーを返した。
「女なのにかっくぃ~!」
「そう言ってくれるとご本人も喜ぶよ。蒼穹の王・高町なのはの効果発動。特殊召喚成功時にデッキのカード一枚を墓地に送る。闇の書を墓地へ送り、その効果でなのはに装備する」
なのはA2500→A2800
「更になのはの効果。一ターンに一度、墓地の装備魔法を装備条件を無視して装備できる。レイジングハートを装備」
なのはA2800→A4300
「アリサの効果でなのはを選択。バトル! なのはでアメジスト・キャットを攻撃!」
『ディバインバスター・エクステンション!』
「へへっ、掛かったな。アンバー・マンモスの効果発動! 他の宝玉獣が攻撃対象になった時、攻撃対象をこのカードに変更できる!」
「この攻撃が決まったらヨハンの勝ちだ!」
アメジスト・キャットへ接近する桃色の砲撃の前に一つの巨大な壁が現れた。アンバー・マンモスだ。このままだとなのは様は返り討ちに合い俺のライフは0になってしまうが、ここまで計算通り。
「やっぱりその手の効果か。読みは当たった様だ! ダメージステップ速攻魔法ACSを発動! レイジングハートを装備しているモンスター一体を選択して発動。攻撃力を2000上昇させる!」
「なんだと!?」
なのはA4300→A6300 VS A5700
なのは様が持ったレイジングハートから桃色の翼が生える。まるで天使の翼の様に美しいそれは、広げると同時に桃色の羽を周囲に零す。しかしその美しさとは反比に、破壊力が凶悪的なまでに上がる。例え仲間達の力を一点に集中させたアンバー・マンモスでさえ、赤い炎を纏わせた桃色の攻撃の前では手も足も出ず、抵抗する暇も無く一瞬で破壊された。
ヨハンLP3100→2500
「アンバー・マンモス! クッ。アンバー・マンモスの効果で魔法・罠ゾーンに」
「アリサの効果でLCを置き、デッキから一枚ドロー!」
LCなのは0→1 闇の書0→1
アリサのドロー効果を二回使えた。発動してから二ターン遅れたが、これでアドバンテージは稼げた。アリサもすずかも優秀なサポートカードだが、単体ではボードやハンドアドバンテージを稼ぐ事が不可能で、アドバンテージを取り返しにくい。
「フェイトでアメジスト・キャットを攻撃! このカードが正面の敵と戦闘を行う場合、攻撃力を700アップする!」
『トライデントスマッシャー!』
フェイトA2800→A3500 VS A1200
バッと左手を付き出し、手のひらが中央に来るように黄色の魔法陣を展開する。そして掛け声と共に、黄色の砲撃が激流となってアメジスト・キャットを襲い掛かる。攻撃力3500と言う数値は馬鹿に出来ず、アメジスト・キャットは避ける事も出来ずに黄色の砲撃に呑み込まれた。
「レインボー・ルインの効果で戦闘ダメージを半分にする! そして魔法・罠ゾーンにアメジスト・キャットを置く!」
ヨハンLP2500→1350
「すずかの効果発動。なのはに乗ったLCを闇の書に移動」
LCなのは1→0 闇の書1→2
「カードを一枚伏せてターンエンド。エンドフェイズACSの効果。このターン破壊したモンスターの数だけ自分フィールド上のカードにLCを乗せる。闇の書とすずかにLCを乗せる」
LC闇の書2→3 すずか0→1
「へっ? なのはの攻撃力は下がらないのか?」
「残念だがACSの上昇は永続だ。専門性が高くて発動条件も厳しい分見返りも大きいんだ」
場 虹の古代都市-レインボー・ルイン
遊斗 モンスター3 伏せ5 手札3 LP250
ヨハン モンスター3 伏せ3 手札2 LP1350
「攻撃力6300のモンスターか。こりゃ本気で参ったな」
『大丈夫だヨハン。私達が付いている』
『俺達が力を合わせれば勝てない奴なんていない』
『ルビルビー』
今のやり取りだけ聞くと俺が悪役みたいだな。いや、まあ確かになのは様はあくどい顔(でも可愛い)をして宝玉獣とヨハン達を見下しているから、あながち間違っていないのかもしれない。
「ああ! みんなサンキュー。俺のターン、ドロー! アームズ・ホールを発動。デッキトップ一枚を墓地へ送り、デッキか墓地から装備魔法を手札に加える。流星の弓-シールを手札に」
「げっ。そのカードは・・・・」
「装備魔法流星の弓-シールをトパーズ・タイガーに装備。攻撃力を1000下げ、ダイレクトアタックを可能にする」
トパーズA1600→A600
「今度こそ終りだ。トパーズ・タイガーで遊斗にダイレクトアタック! トパーズ・バイト!」
「そうはいかない! 速攻魔法アイゼンゲホイルを発動! このターンのバトルフェイズを無効にする」
表になったカードから飛びだした、光り輝く丸い球体。フラッシュボム、スタングレネード、呼び名はどちらでもいいがつまり閃光弾の役割をする魔法だ。閃光弾が爆発すると思い目を瞑ろうとしたその刹那、光の球体はスッとフィールドから姿を消した。
「ところがそうはいかないんだな。レインボー・ルインの効果発動。モンスターカードゾーンにいる宝玉獣一体を墓地へ送り、魔法・罠の発動を無効にして破壊できる。ルビーを墓地へ」
「ぶっ!? 三枚で魔法・罠無効!? どう考えてもそれ五枚以上の効果だろ!?」
「んな事俺に言うなよ。言っただろこれで終わりって」
「終わらせるか! ダメージ計算時にザフィーラを墓地へ送って戦闘ダメージを0にする!」
なのは様とフェイトさんの頭上を飛び越えてきたトパーズ・タイガーの進行を止める様に、狼状態のザフィーラが俺の前に現れた。ザフィーラは無言でトパーズ・タイガーと対峙するが、トパーズ・タイガーは唸り声を上げてザフィーラを睨みつける。
『・・・・』
『・・・・おらぁぁあ!』
痺れを切らしたのはやはりトパーズ・タイガーだった。歴戦連魔のザフィーラの立ち振る前に耐えきれなかったのか、頭に生やした刃を武器に突進して来た。しかしザフィーラは冷静にシールドで受け止めて数歩下がって魔力刃を出そうした――その時。
『早くして』
後方で起きていたやり取りが面倒だったのか、なのは様は衝撃波でザフィーラを無理やり墓地まで吹き飛ばし、トパーズ・タイガーを竜巻の檻に閉じ込めてヨハンの元まで突き飛ばした。
「だ、大丈夫かトパーズ・タイガー?」
『も、問題ない。軽く目が回っただけだ・・・・』
「・・・・ザ、ザフィーラの効果でデッキからカードを一枚ドロー」
「ははっ。お前の精霊達面白いな。けど今のが止められるのは予想外予想外。サファイア・ペガサスでティアナを攻撃! サファイア・トルネード!」
A1800 VS D1200
サファイア・ペガサスはサファイアで出来た角から竜巻を発生してティアナさんを破壊した。なのは様の登場や攻撃を見慣れていると、地味に見える不思議。
「レア・ヴァリューを発動。魔法・罠ゾーンに宝玉が二つ以上ある時発動できる。相手はどれか一つ宝玉を選択し墓地へ送る。その後俺は二枚ドローする」
「なるほどな。じゃあ俺はアメジスト・キャットを選択する」
「二枚ドローする。カードを二枚伏せてターンエンドだ」
場 虹の古代都市-レインボー・ルイン
遊斗 モンスター2 伏せ4 手札3 LP250
ヨハン モンスター2 伏せ5 手札1 LP1350
俺の場には攻撃力6300のなのは様と、攻撃力を3500まで上げる事が出来るフェイトさん。トパーズ・タイガーかサファイア・ペガサスどちらかを倒せばヨハンのライフは0になる。レインボー・ルインで半減できるとは言えそれは変わらない。が、伏せられた二枚のカードがそう簡単に攻撃を許してくれるのかが疑問だ。
にしてもヨハンに宝玉獣、こいつ等かなり強い。一枚一枚は大した攻撃力を持ってないが、破壊されたら宝玉化する効果とサポートカードを使って――大した攻撃力?
「ヨハン。お前さ、ひょっとしたらまだエースカードを出してないんじゃないか?」
「へ? どうして分かったんだ?」
「いくら装備カードがあるとはいえ、攻撃力が低すぎるからな」
「ああ! 遊斗の読み通り俺には切り札がいる。レインボー・ドラゴン」
「レインボー・ドラゴンか。けど未だに出さないとなると、召喚条件が難しいか俺が舐められているかのどっちかだな」
「舐めてる訳じゃない。ただレインボー・ドラゴンはとっておきの、とっておきのとっておきだからな!」
「このデュエルでそのモンスターが出る事を期待してるよ。俺のターン、ドロー! 闇の書の効果発動。LCが三つ溜まったこのカードをゲームから除外し、デッキからアインスを特殊召喚する。そしてアインスの効果で融合デッキからナハトヴァールを特殊召喚!」
AD2300
AD0
闇の書から出てきたアインスと、アインスが呼びだしたグニャグニャした蛇の塊。とっくの昔に慣れてはいるが、やはりナハトの姿はグロテスクだ。現に新入生のほぼ全員の顔色が青くなっている。ヨハンはこの手のモンスターに無関心なのか「ふ~ん」と俺が出会った中で一番薄いリアクションをした。
ここでやるのはアインスにナハトを装備する事でも無く、はやてを召喚せずに新たな融合モンスターを呼ぶ。
「場のアインスとナハトヴァールを融合!」
「せっかく呼んだモンスター達を融合?」
「現れろ! 絶望への旅路-闇の書の意思!」
絶望への旅路-闇の書の意思 ☆10/闇/魔法使い/A3000・D3000
先程までアインスに懐いていたナハトは、突然アインスの体を自らの体で呑み込んだ。幸いな事にすぐにアインスの姿は見えたが、そのアインスはさっきまでの感情が表に出ていたアインスはおらず、顔や手に赤いラインを浮かばせた無表情な銀髪の女性がいた。両耳の上と腰からは黒い翼が生えており、腰に生えた翼はロングの髪よりも長い。
「凄い気迫だ・・・・」
「闇の書の意思の効果発動! 特殊召喚成功時に除外された闇の書を装備する」
闇の書の意思A3000→A3300
「闇の書の意思の効果発動。一ターンに一度、相手の墓地の通常魔法一枚を選択し、自身の効果として使用できる」
「俺の墓地の魔法カードを!?」
「ヨハンの墓地のアームズ・ホールの効果発動! このカードはコストや制約は必要無い。デッキからバルディッシュ・ザンバーを手札に加える」
特殊召喚したがセットカードが発動する気配が無い。やはり攻撃反応型なのか? 最悪ミラーフォースでもなのはさんがいるから問題ない。むしろ一番怖いのは
「速攻魔法フォトンランサー。フェイトと名のつくモンスターが存在する時発動できる。相手フィールド上のカード一枚を破壊する。右側伏せカードを選択!」
「くっ! ガード・ブロックが!」
破壊したカードは優秀な戦闘ダメージ無効化カードで、非常に汎用性の高い罠カード。他の学校でもこのカードの採用率は高いらしい。
「バトル! 闇の書の意思でトパーズ・タイガーを攻撃!」
『咎人達に滅びの光を。星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ。貫け、閃光! スターライト・ブレイカー!』
A3300 VS A600
闇の書の意思はなのはさんの十八番であり代名詞でもある収束砲撃魔法を片手だけで行い、一匹の宝玉獣に向けて撃った。
「罠発動、虹の引力! 自分フィールド上及び墓地に宝玉獣が七種類存在する場合に発動できる。自分のデッキから究極宝玉神と名のつくカードを召喚条件を無視して特殊召喚できる!」
「ッツ!? このタイミングでレインボー・ドラゴンを!?」
今まで出てきた宝玉獣は六体。後一体はアームズ・ホールの時に送られていたのか!
ヨハンの足元に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の光を発する小さな七つの宝石が現れ、それらは放物線上に飛ぶとレインボー・ルインに大きく美しい虹を描く。虹は本来光の反射によって起こる現象である為、実体は無く、虹のふもとなど存在しない。だが俺は生まれて初めて、絵本で描かれている様な虹の橋を肉眼で見ている。
「さあ、現れろ。究極宝玉神レインボー・ドラゴン! ・・・・なんちて」
「は?」
アインスが撃ったスターライト・ブレイカーは何事も無かったかのように突き進み、トパーズ・タイガーに当たるとそこを中心に爆発し、巨大なドームを作った。そのドーム内にいたヨハンの悲鳴と共にライフポイントに0の数字が刻まれた。
ヨハンLP1350→-1350
「あいたたた・・・・」
「どういう事だヨハン?」
「いや~、レインボー・ドラゴンはな・・・・まだ持っていないんだなコレが」
右手で後頭部に手を当てて「ハッハッハ!」と大声で笑い始めるヨハン。その光景に今までシーンとしていた会場は一気に野次が飛び交う空間へと変わる。
「おいおい!」
「期待させやがって!」
多少口が悪いが、俺も野次のみんなと同じ心境だった。態々専門のカードを使って虹を描いたと言うのに、デッキには対象のモンスターがいない。あのアニメーションはヨハンとソリッドビジョンの悪戯かよ・・・・。
「レインボー・ドラゴン。そのモンスターの正体は誰も知らなく、古代の石板にその姿が描かれている。その石板を見つけ次第ペガサス会長が作ってくれるらしいんだけど。みんなも見つけたら教えてくれよな! そうそう転がってるもんじゃねえがな! ハッハッハ!」
「なんというか、変わった奴だな・・・・」
十「伝説って?」
ヨ「ああ! それってハネクリボー?」
嘘みたいだろ? ノーカットなんだぜ、これ。
今回はヨハンと戦いました。最初はバッドエンドクイーンとか入れる予定だったのですが、改めてヨハンの項目をググったら宝玉獣関連以外は”一枚”もモンスターカードを使っていないんだとか。
これも更新が遅れた理由の一つでもあります。宝玉獣ハイランダーって何なの? 恵みどうやって使うの?
まあ原作を気にしている作者ですが、相変わらずの原作知識不足です。原作で十代とヨハンがデュエルした理由とかを全く覚えていません。
今回の新オリカ
魔導師の甲冑 通常罠
発動後このカードは装備カードとなり、自分フィールド上に表側表示で存在する「LS」と名のつくモンスター1体に装備する。
装備モンスターは1ターンに1度戦闘で破壊されず、装備モンスターが戦闘を行う場合、自分が受ける戦闘ダメージは半分になる。
LS絶望の旅路―闇の書の意思 ☆10/闇/魔法使い/A3000・D3000
「LS祝福の風リインフォースⅠ」+「LSナハトヴァール」
自分フィールド上に存在する上記のカードを墓地へ送った場合、融合デッキから特殊召喚できる。(「融合」魔法カードは必要としない)。
このカードが特殊召喚された時、除外されている「闇の書」を1枚装備する。
1ターンに1度、相手の墓地の通常魔法カードを1枚選択し発動することができる。この効果は「闇の書」を装備していない場合発動できない。
このカードが特殊召喚されて2回目の自分のエンドフェイズにこのカードを墓地に送り、手札・デッキから「LS闇の書の闇―ナハトヴァール」を1体特殊召喚する。
◇
闇の書の意志は夜の魔王様から頂きました。ありがとうございます。
魔導師の甲冑。まあバリアジャケットですね。
甲冑は騎士のフィールド系の事を指しますので、魔導師の甲冑って色々と間違っているのですが語呂がいいのでこの名前に。
しょっぱい効果ですが、ライフ操作に使っていこうかと。
絶望の旅路―闇の書の意思。いや~、やっぱり二つ名の様なものがあるといいですね。
アインスを呼べば直で出せるのが一番の強みです。召喚条件を無視してアインスを特殊召喚する罠があるので、闇の書が無いと効果が発動できない様にしました。
相手の通常魔法をパクる効果は蒐集をイメージされたようです。
デッキトップ操作をしなくても良く、更に相手の墓地の好きなカードを使用できるという点では、やはりダイヤモンドガイの上位互換効果ですが、相手依存でもあり召喚条件が厳しいという前提があるのでバランスは取れていると思います。
(オリカのバランスは三者三様なので)