遊戯王GX 決闘モンスターリリカルなのは   作:あかない

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更新が遅れて申し訳ありません。
前回デュエルで遅れると言っていましたが、それに加えスランプでしばらく執筆していませんでした。まだスランプの途中だと思うので、更新には時間がかかるかもしれません。
まあこういう時は余り深く考えない様にしています。


てかリリパで劇場版新作の発表があったらしいですね。完全オリジナルとなると、ますます盛り上がりますね。しかもそのリリパで結婚発表があったと言う・・・・。行かれた方は楽しめただろうな~。




第五十四話

「フェルシュトラーフェ?」

「驚いたよ~。グルグルと世界回ってたら、遊斗がいるんだもん。しかも死にかけ」

 

フェルシュトラーフェは目の前に敵がいるのにも関わらず、ピョコピョコと嬉しそうに跳ねながらこっちにやって来た。あの時と変わらず、九歳のなのはそっくりで、左の前髪の螺旋状に並んでいる赤・青・黄色のメッシュと、サファイアとルビーのオッドアイが特徴の女の子。

 

「どうしてお前が「だ~か~ら~、僕も偶然通り掛かっただけなんだって」そ、そうか」

 

ほんの僅かな時間しかこの子と一緒にいなかったが、この子が嘘を吐けない純粋な子というのは分かる。だからこれ以上何も聞かず、若干ダルい体を置きあがらせる。

 

「君には僕の力が効かないみたいだね」

「うん! 僕は強いからね」

「けどいくら強くてもこれは辛いでしょ?」

 

奴は左腕の化け物の腕から突然デュエルディスクを生やし、セットされたデッキから五枚のカードをドローする。

 

「手札の封印されしエクゾディアの効果発動! 封印されし者の右腕、左腕、右足、左足とこのカードが揃った時、相手に∞ポイントのダメージを与える! 怒りの業火エクゾード・フレイム!」

「んな!? 詰め込みかよ!? 逃げるぞフェルシュトラーフェ!」

「え~、何で~?」

 

なんて言ってる間にも空中に現れた魔法陣から巨大な右手と左手が出ている。

フェルシュトラーフェの手を掴んでエクゾディアの真正面から急いで逃げる。既にエクゾディアを召喚した奴の姿が見えなかった。三幻魔の元へ行ったのだ。

 

「えへへ~。遊斗の手、暖かいね」

「そりゃあ興奮してるからな!」

「こ、興奮って僕の「違う! エクゾディアだ!」む~、そんなに言うなら僕が倒してあげる」

 

エクゾディアの力が精霊世界でどれくらい強いのかは分からないが、封印が解かれたエクゾディアを止めるのは不可能。だからこうやって逃げている訳だが、いつの間にか握っていた筈の、フェルシュトラーフェの手の感覚が消えた。

まさかと思いエクゾディアが召喚された方を見ると、あろうことかエクゾディアの目の前で鎌を持って浮いていた。

既にエクゾディアの封印は解かれた。標的を見つけたエクゾディアは、フェルシュトラーフェに向けて右手に溜めた炎を撃とうとする。

 

冥界の制裁(ヴィルト・シュトラーフェ)

 

コンマ一秒もあったのだろうか? いつの間にかフェルシュトラーフェの姿は、エクゾディアの後ろにあり、彼女がポツリと呟いた魔法名が、この広い砂漠に響いた気がした。

彼女の声が鼓膜を振動した刹那。魔法陣と共に、エクゾディアの体が真っ二つになり、バリンと音を立てて消える。

 

「どう? 凄いでしょ?」

 

いつの間にか俺の目の前まで来た彼女を見て改めて思う。この子は異様なまでの力を持っている。それこそエクゾディアの力を凌駕するほどの。

 

「ああ、ビックリした。正直エクゾディアを倒せるなんて」

「あのカードがどれだけ強いかは知らないけど、結局は封印されてたんでしょ? 封印されるくらいのカードに僕は負けないよ」

「自分の力は封印出来ないって事か?」

「だって僕が抵抗するからね。そんな事より遊斗、あいつ追いかけなくていいの?」

「ツッ、続きは走りながら話す!」

 

エクゾディアを切断するフェルシュトラーフェの姿に茫然としてしまい、いつの間にか奴の事を忘れていた。フェルシュトラーフェなら転移魔法とか使えそうだけど、若干――というかかなり不安なので、走って追いかける。

奴が消えた場所の近くには地下へと続く階段があった。フェルシュトラーフェがいる安心感と、一刻も早く奴を止めないといけない正義感に押され、中を確認する前に入る。

 

「それでフェルシュトラーフェ」

「フェルシュトラーフェじゃ長いから、フェルって呼んで」

「じゃあフェル。単刀直入に言うと、真っ白になったみんなを元に戻す事は出来るか?」

 

俺の真横を飛びながら進んでいるフェルに、真っ白になったカード一枚を渡す。するとフェルは、飛びながら腕を組んでう~んと唸る。

 

「出来ない事も無いけど、かなり力を奪われてる。全員分は厳しいね」

「最低限デュエル出来るレベルまでだったら?」

「カードに絵を戻すだけだったらそんなに力使わないかな。けど数が数だから、僕もちょっとグロッキーになっちゃうかも」

「そこを何とか!」

 

全力疾走中に両手を合わせて頭を下げる事が出来る俺は、やはり色々とおかしくなっている。しかしそんな事より、今はみんなを取り戻す方が先だ。今目の前にその方法があるなら、それに頼るしかない。

 

「嫌だ~。って言いたいけど、僕自身LSだから、この人達は無視できないんだよね~。う~ん、じゃあ今度美味しいものちょうだい? 遊斗の手作り」

「それくらいだったらいつでも食わせてやる」

「交渉成立だね~。けどデュエルするギリギリまではお預けだから」

「分かってる」

 

坂道は一本道だったので迷う事も無く、無事に最下層まで到達する事が出来た。最下層は結構大きい広間があった。まあ広いと言っても中学校の体育館ぐらいの大きさだ。

この広場に入って真っ先に目に入ったのは、三幻魔のカードが封印されているケースに近付く奴の背中。

 

「フェル!」

「任せて!」

 

フェルは素早く右手を前に出し、超高速でバインドを出して奴の体を縛る。しかし次の瞬間、赤・青・黄の三色が螺旋状になって並ぶバインドはバリン! と粉々になって粉砕された。

 

「あれっ?」

「フフッ、残念だけど、三幻魔は僕に力を貸してくれるみたいだ」

 

三幻魔のカードを封印していたケースから三枚のカードが奴のデッキに向かって飛んでいく。あの絵柄は忘れようと思っても忘れられない。

神炎皇ウリア、降雷皇ハモン、幻魔皇ラビエル。

 

「自分達の力を奪った君を恨んでるみたい」

「フェルは三幻魔が融合した事で初めてカードに収める事が出来たモンスター。力を奪われた三幻魔じゃ勝てない筈・・・・」

「説明してあげるよ。前の世界でコブラは僕に莫大なデュエルエナジーを与えた。だけど僕は完全に復活せずに、こうやって人の体に乗り移っている。これは何でだと思う?」

 

この世界に俺達を送る為? いや、それはみんなの力を奪って行なった。デュエルエナジーは関係ない。つまりこいつはコブラが送って来たデュエルエナジーで自分の体を取り戻すと同時に――

 

「三幻魔の力を取り戻す為に、そっちにもデュエルエナジーを送り込んだって事か」

「正解! 君は凄いよ。そこにいる奴以上に面白い存在だ」

 

奴が指差した先にいたのはずっと気になっていた留学生の一人、アモンだった。

 

「アモン!? どうしてここに!?」

「すまない。三幻魔を守る事が出来なかった」

「嘘はいけないよ。君も三幻魔を狙って僕とデュエルをしたじゃないか」

「・・・・」

 

じゃあアモンの怪しい行動や、ガラム財閥の潜水艦が合ったのは、三幻魔を奪う為?

そうなると一応繋がる点はあるが・・・・。

 

「遊斗が思ってる推理じゃないと思うな。あの男の人、何だか黒いモヤモヤを持ってる」

「流石三幻魔が融合した姿。その手の感情にはお詳しい。実はね、アモンと僕は初対面じゃないのさ。この世界に来る前から僕とアモンは知り合いだった」

「ツッ!? そうなのかアモン!?」

「そうだ。僕の、いや、ガラム財閥の目的は三幻魔では無く、この精霊だったんだ」

「だけどアモンはガラム財閥関係なしに、個人的に僕の力が欲しくなった。本当なら僕もそうしてあげたかったけど、僕はマイペースでね。約束を破ったのがいけなかったのかな? 今じゃこうやって僕に抵抗してくる」

 

いまいち背景設定が読みとれないが、つまりアモンは敵でも味方でも無いって事か。いや、敵の敵は味方とも言うから、今はこっち側と考えてもいいかもしれない。

 

「色々と疑問は解決した。後やるべき事は一つ」

 

左手のデュエルディスクを起動させ、腰に付けているホルダーからデッキを取り出してデュエルディスクにセットする。たった数日デュエルをしていなかったのに、もう何ヶ月もデュエルをしていない様な気がする。

 

「三幻魔対三幻魔って事か。いいよ、受けて立とう」

「アモン、ここは危ない。今は見逃してやる」

「・・・・感謝するよ」

 

感謝の欠片も無いトーンでそう言って、アモンは俺達が入って来た入口とは別の場所に走って行った。

 

「フェル。頼むぞ」

「りょ~かい。あっ、それと三幻魔のカード渡しておくね」

「ホント、何から何まですまないな」

「そう思うなら愛情込めて料理作ってね」

 

フェルは三幻魔のカードと存在しない者を手渡すと同時にスッと姿を消した。存在しない者を入れるついでにデッキを確認すると、真っ白だったカード達が元に戻っていた。

嬉しさの余りに思わず泣き出しそうになったが、グッと我慢して、瞳に溜まった涙を腕で拭う。

 

「おかえり、みんな・・・・。さあ行くぞ!」

「フフッ、感動の再会は出来たみたいだね」

「「デュエル!」」

「先攻は僕が貰う。ドロー! 永続魔法トライアングル・フォースを発動! 発動時にデッキから同名カード二枚を発動できる!」

 

効果がそれだけとは言え、たった一枚でフィールドに三枚の永続魔法を出すのはかなり強い。これで奴のフィールドに三枚の魔法カードが揃った。

 

「三枚の永続魔法を墓地へ送り、光来せよ! 降雷皇ハモン!」

 

AD4000

 

デュエルフィールドを埋め尽くすほどの巨大な氷柱が地面から生えた。先の尖った氷柱の中に眠っているのは、三幻魔の一角、降雷皇ハモン。ハモンは氷の牢獄を破壊して、完全なるその姿を俺達の前に現す。

 

「永続魔法? 影丸理事長やエンディミオンが使っていたハモンの召喚条件は魔法カード・・・・」

「君が力を奪ってしまった所為で効果も一部変わってしまったみたいだね」

 

三幻魔もエラッタには敵わないって事か。となるとウリアの特殊召喚条件も永続罠になり、ラビエルも何らかの縛りが追加されたと思っていい。

けど手札消費たったの二枚で攻守4000のハモンを出したのは流石と言える。

 

「カードを三枚伏せてターンエンド」

 

マルタン モンスター1 伏せ3 手札1 LP4000

 

「俺のターン」

 

デュエルを始めてもう十何年も毎日この台詞を言って来たから、たった数日口にしていないだけで、この台詞を言うのも随分久しぶりな気がする。デッキトップに人差し指と中指を当て、一回大きく息を吸って長く吐く。みんなと一緒にいなかった時間がそうさせたのか、不思議とデッキトップのカードが分かる気がした。

 

「ドロー!」

 

この感覚だ。全ての感情をこのデッキトップに込めて、たった一枚のカードを力強く引くこの感覚。

 

「スタンバイフェイズ、永続罠暗黒の呪縛を発動! 魔法カードを使う度に1000ポイントのダメージを受ける。これで少しは行動が制限できたかな?」

 

手札にある魔法カードは三枚。つまりダメージを考慮すれば俺は半分の手札を封じられた事になる。だが甘い。

 

「永続魔法時空管理局を発動!」

「ダメージは恐れないと。1000ポイントのダメージを与える!」

 

暗黒の呪縛のカードから禍々しい黒いエネルギーが発射され、視界を一瞬の間だが真っ黒に染めた。三幻魔の力が働いているからか、やはりデュエルのダメージが体を襲ってくるが、この程度どうってことない。

 

遊斗LP4000→3000

 

「頼むぞ。フェイトを召喚! 効果でLCを置く!」

 

LCフェイト1

A1800・D500

 

まだ完全に力を取り戻していないから、フェイトの優しい笑みや声を見聞きする事は出来ないが、大好きな彼女の姿を再び見られただけでも十分だ。

 

「フェイト・・・・」

「涙の再会中申し訳ないけど、デュエルを進めてくれるかな?」

「分かってる。手札のすずかを魔法カード扱いとして魔法・罠ゾーンに置く。これは発動じゃないからダメージは受けない。すずかの効果でフェイトのLCを自身に移動」

 

LCフェイト1→0 すずか0→1

 

「すずかのLCを取り除いてデッキからアルフを特殊召喚! 場のフェイトとアルフを融合! 来い、黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウン!」

 

LC時空管理局0→2

A2800・D500

 

「装備魔法バルディッシュをフェイトさんに装備!」

「暗黒の呪縛の効果で1000ポイントのダメージを与える!」

 

フェイトA2800→A3800

遊斗LP3000→2000

 

「バトル! フェイトさんでハモンを攻撃! 効果で攻撃力を1000上げる!」

「永続罠、デモンズチェーンを発動。これで黒騎士フェイトの攻撃を封じる」

 

やはり永続罠を伏せていたか。王様はやてさんやホーリーシャマ姉が使う鎖によく似た、禍々しい鎖がフェイトさんの体を縛って動きと効果を封じる。

 

「無限書庫を発動! 効果でバルディッシュをデッキに戻して二枚ドロー!」

「まさか君はッ! クッ、暗黒の呪縛はミスだったみたいだね」

 

遊斗LP2000→1000

 

これでライフは1000以下。しかもドローしたカードの中にあのカードが入っている。

 

「カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

遊斗   モンスター1 伏せ3 手札2 LP1000

マルタン モンスター1 伏せ3 手札1 LP4000

 

「ドロー! 永続罠、メタル・リフレクト・スライムを発動」

 

A0・D3000

 

「この時点で永続罠、存在しない者を発動! ライフが1000以下の時に発動可能。自分フィールド上のLSを生贄にして、生贄にしたモンスターの名前が含まれるレベル11のモンスターを融合デッキから特殊召喚する。黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウンを生贄に、光来せよ! 降雷皇フェイト!」

 

LC時空管理局2→3

AD4000

 

地下に居ても感じられる程巨大な雷の音が頭上から聞こえて来る。その直後、ズドドド! と天井の岩を破壊して黄色い雷が降りてきた。雷の威力に耐えきれず、さっきまで頭上にあった地面は、文字通り粉々になった。三つの太陽の光に照らされる中現れたのは、ハモンの体のパーツを装備した降雷皇フェイト。

 

「GYAAAAAAA!」

「ツッ、随分気がたってるみたいだね」

 

自らの力を奪った降雷皇フェイトを前にし、ハモンは空気の振動を肉眼で感じられる程の爆音を上げて威嚇する。奴によって力を奪われていない降雷皇フェイトは普通に話せる様で、ハモンの怒りの咆哮に冷や汗を流している。

 

「じゃあ行くよ、二枚目の幻魔を! 暗黒の呪縛、メタル・リフレクト・スライム、デモンズチェーンの三枚を墓地へ送り、新来せよ! 神炎皇ウリア!」

 

先程降雷皇フェイトが開けた天井から、天へと昇る巨大な火柱が現れる。その火柱は空を優雅に泳いでいる雲を斬り裂く。だがこれは、登場する前の演出にすぎない。火柱の中から現れたのは、オシリスの天空竜と対をなす、蛇の様に細く巨大な体を持った、神炎皇ウリア。

 

ウリアAD0→A3000

 

「フィールド魔法失楽園を発動!」

 

水も無く、干からびた植物がかろうじて生きている枯れ果てた大地。毒々しい瘴気の様な雲。一枚の葉も無い枯れた樹の下には、無数の腐ったリンゴが落ちている。三幻魔はその力で、楽園だったこの土地のエネルギーを根こそぎ奪い、楽園を消したのだろう。

 

「失楽園の効果発動! 三幻魔の内一体がいる時、デッキから二枚ドロー出来る。僕のフィールドにはハモンとウリアがいる。よって二枚ドロー! その降雷皇は厄介だね。カードを一枚伏せてターンエンド」

 

場 失楽園

遊斗   モンスター1 伏せ3 手札2 LP1000

マルタン モンスター2 伏せ1 手札1 LP4000

 

ウリアの召喚と失楽園の発動だけで攻撃はしてこなかったか。奴は降雷皇フェイトを除去しない限り、俺にダメージを与える事は出来ない。と言ってもハモンの効果を発動させてしまったら俺のライフは0になる。

 

「俺のターン、ドロー! 時空管理局のLCを生贄に、はやてを召喚!」

 

LCはやて1 時空管理局3→2

A2000・D1700

 

「時空管理局のLCを二つ取り除いてデバイスマイスターを発動。デッキから闇の書とツヴァイを手札に加える」

 

LC時空管理局2→0

 

「そしてはやてのLCを取り除いてツヴァイを特殊召喚」

 

LCはやて1→0 時空管理局0→1

 

「場のはやてとツヴァイを融合! 来い、夜天の主・八神はやて! ツヴァイの効果で時空管理局のLCを取り除いて手札に加える」

 

LC時空管理局1→0→1 はやて2

はやてA2100・D2000→A2700

 

「はやてに闇の書を装備。すずかの効果ではやてのLCを時空管理局に移動」

 

LC時空管理局1→2 はやて2→1

はやてA2700→A3000→A2700

 

「バトル! 降雷皇フェイトでハモンを攻撃!」

「サンダーレイジ!」

 

相手の頭上に雷を落とすサンダーレイジ。その為本来は、相手の頭上に魔法陣を展開させるのだが、何と降雷皇フェイトは自分の目の前に超巨大な魔法陣を出現させた。その大きさはハモンの巨体すらもすっぽり埋まる程の大きさだ。その魔法陣の中心に、辺りに満ちた電気エネルギーと自分の魔力を込め、落雷を砲撃の様に発射してハモンに撃つ。

 

「撃激しろ! 失楽の霹靂!」

 

A4000 VS A4000

 

ハモンの放つ禍々しい雷と、降雷皇フェイトが放つ黄色の雷の威力は五分五分。同じ降雷皇を名乗っているので当然と言える。降雷皇フェイトとハモンは同じタイミングでバリンと音を立てて破壊される。

 

「降雷皇フェイトの効果。デッキから一枚ドロー! 永続罠、存在しない者の効果発動! 夜天の主・八神はやてを生贄に、現出せよ! 幻魔皇はやて!」

 

AD4000

 

突如うごめき出す影。俺の影、奴の影、カードの影、モンスターの影、枯れ果てた樹の影、腐ったリンゴの影。影であればどんなものでも形振り構わずに自らの体を作るパーツにする。一点に集まった影はグニョグニョと蠢く、不気味なスライムの様になったが、本来の姿を現すにつれその姿は美しくなる。

はやてさんのバリアジャケットと同じく、黒いスカートに白のジャケット。違う点と言えば、金色の部分がラビエルの部位で出来ているのと、白のジャケットが長くどちらかと言うとコートに近い点。それとシュベルトクロイツもラビエルの腕の部位で出来ている

 

「幻魔皇はやての効果発動。墓地のフェイトさんとはやてさんを魔法・罠ゾーンに置く。そして闇の書の効果で幻魔皇はやてに装備」

 

はやてA4000→A4300

 

「幻魔皇はやてでウリアを攻撃!」

「罠発動、マジカルシルクハット! ウリアを裏守備にセット。更にデッキから二枚の永続罠を裏守備表示で特殊召喚する。その後セットされた三枚をシャッフル」

 

ウリアはその巨体を?のマークが付いたハットの中に隠した。どう考えてもウリアの巨体はそのハットの中に入らないだろうが、そこはツッコんではいけない。

 

「幻魔皇はやての効果発動! 魔法・罠ゾーンのフェイトさんを守備表示で置く。そして幻魔皇はやてでて真ん中のセットモンスターを攻撃!」

「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて撃ち貫け。石化の槍ミストルティン!」

 

A4300 VS D0

 

残念な事にセットされていたのはウリアじゃなくて永続罠カード。エンドフェイズ時にもう一枚の永続罠も破壊されれるから、ウリアの攻撃力は5000になる。フェイトさんを攻撃表示で置かなかったのは、三分の一の確率でも反撃される可能性があったからだ。

 

「ターンエンド」

「エンドフェイズ時にもう一枚の永続罠カードは破壊される」

 

場 失楽園

遊斗   モンスター3 伏せ5 手札3 LP1000

マルタン モンスター1 伏せ0 手札1 LP4000

 

「ドロー!」

「スタンバイフェイズ時に、降雷皇フェイトの効果発動。手札のLSを捨て、再び復活する! 再臨せよ! 降雷皇フェイト!」

 

AD4000

 

再び落雷と共に現れた降雷皇フェイト。奴にとって攻守4000の復活するモンスターは非常に厄介だろう。三幻魔の内の二体が復活する降雷皇フェイトと相撃たれるのだ。

 

「ウリアを反転召喚。墓地の永続罠は五枚、よって攻撃力は5000!」

 

ウリアAD0→A5000

 

「失楽園の効果。デッキから二枚ドロー! 幻銃士を召喚! 幻銃士は召喚成功時、フィールドのモンスターの数だけ銃士トークンを特殊召喚できる。来い、二体の銃士トークン」

 

AD1000

AD500

 

「そして三体の悪魔族モンスターを生贄に、現出せよ! 幻魔皇ラビエル!」

 

AD4000

 

失楽園に落ちる黒が入った青い光線。巨大な青い光の中から現れたのは、最後の三幻魔。幻魔皇ラビエル。召喚するだけでも大災害を起こし、青い光線が落ちた場所には巨大なクレーターが出来ていた。

ハモンと同じく、自らの力を奪った幻魔皇はやてを、文字通り鬼の様な眼で睨みつけている。三幻魔の中で、何故か一人だけ本来の性格とは違う幻魔皇はやては、面倒臭そうに欠伸を掻きながら、ラビエルを大層どうでもいい様な眼で眺める。

 

「幻魔皇はやての効果発動! 魔法・罠ゾーンにいるはやてさんを守備表示で置く」

 

A2100・D2000

 

「バトル! ウリアで幻魔皇はやてを攻撃! ハイパーブレイズ!」

 

A5000 VS A4300

 

巨大な口から放たれるのは、ウリアが従えし炎。それは生命の炎や再生の炎とは程遠い、破壊にしか使えない禍々しい炎。幻魔皇はやては自分の目の前に、ラビエルの素材で作られた二つの棺桶を出して防ごうとするが、今のウリアの攻撃力はラビエルより大きい。棺桶は僅か数秒で破壊され、そのまま幻魔皇はやてを破壊。そのまま俺へと向かって飛んできた。

 

「ぐああああああッ! ツッ! 流石三幻魔。ダメージ700でこれか・・・・。闇の書の効果発動! はやてさんに装備する!」

 

遊斗LP1000→300

はやてA2100→A2400

 

「君はかなりタフみたいだね。ラビエルで黒騎士フェイトを攻撃! 天界蹂躙拳!」

 

A4000 VS D500

 

その巨大な腕からは考えられないスピードで放たれた拳を速度特化のフェイトさんが防げる訳が無く、拳をくらって吹き飛ばされたフェイトさんは破壊され、墓地へ送られてしまった。

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

場 失楽園

遊斗   モンスター2 伏せ4 手札2 LP300

マルタン モンスター2 伏せ1 手札1 LP4000

 

幻魔皇はやてが破壊されてしまったが、降雷皇フェイトは無事。だが攻撃力5000のウリア相手だといずれピンチになる。

デッキトップに指を置くと、不思議と何となくだがカードが分かる気がする。もし本当にデッキトップのカードがこのカードだったらウリアを倒せる。

 

「ドロー! 読み通りだ。速攻魔法ユニゾンアウトを発動! はやてさんの融合を解除し、墓地に存在するはやてとツヴァイを特殊召喚する! 闇の書をはやてに装備」

 

LC時空管理局2→3 はやて1

はやてA2000・D1700→A2300

AD500

 

「速攻魔法フェイクシルエットを発動! デッキからアインスを墓地へ送り、ツヴァイをアインスとして扱う。そしてすずかの効果ではやてのLCを時空管理局に移動」

 

LC時空管理局3→4 はやて1→0

 

「場のはやてとアインスを融合! 来い、夜天の王・八神はやて! 闇の書を装備する」

 

LC時空管理局4→5 はやて3

はやてAD2800→A3100

 

「融合素材にしたツヴァイの効果で、LCを取り除いて手札に加える」

 

LC時空管理局5→4

 

「王様はやてさんの効果発動! LCを一つ取り除き、ウリアの効果を無効にする!」

封鎖領域(ゲフェニクスデア・マギー)!」

 

LCはやて3→2

ウリアA5000→A0

 

シュベルトクロイツの杖先から放たれた禍々しい鎖がウリアの体を縛り上げ、その能力を奪っていく。いくら三幻魔でも、効果を無効にされてはひとたまりも無い。

 

「バトル! 王様はやてさんでウリアを攻撃!」

「響け終焉の笛・・・・ラグナロク」

 

A3100 VS A0

 

王様はやてさんは紫の雲のすぐ下まで跳び上がり、眼下の敵を狙って古代ベルカ式の魔法陣を展開する。三つの頂点に溜められたエネルギー。その一つだけでも、普通の魔導師なら手も足も出ないと言うのに、それが三つ。効果を奪われたウリアではダメージを減らす事も出来ず、白銀の魔力流に呑み込まれて破壊された。

 

LC闇の書0→1

マルタンLP4000→900

 

「クッ!」

「降雷皇フェイトでラビエルを攻撃!」

 

A4000 VS A4000

 

降雷皇フェイトの雷と、ラビエルの拳の威力は互角で、二体とも衝撃に巻き込まれて破壊された。

 

「降雷皇フェイトの効果でデッキから一枚ドロー! 王様はやてさんの効果発動。LCを二つ取り除き、融合デッキの祝福の将シグナムを守備表示で特殊召喚」

 

LCはやて2→0

A2700・D2000

 

「そして魔弾生成を発動! レベル7以上のLSを生贄にする事で、カートリッジロードを可能な限り手札に加える。シグナムさんを生贄にデッキから三枚のカートリッジロードを手札に加える。カートリッジロードを闇の書と王様はやてさんに発動!」

 

LC闇の書1→3 はやて0→1

 

「闇の書の効果! LCが三つ乗ったこのカードをゲームから除外する事で、墓地のアインスを特殊召喚する! 更にアインスの効果で夜天の書を特殊召喚!」

 

AD2300

AD0

 

「ふふっ、僕の場にモンスターはいないのに、容赦ないね」

「お前のライフを0にするまで全力全開だ。夜天の書を王様はやてさんに装備。そして時空管理局のLCを四つ取り除いて四枚ドロー! カードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

LC時空管理局4→0

 

場 失楽園

遊斗   モンスター3 伏せ5 手札4 LP300

マルタン モンスター0 伏せ1 手札1 LP900

 

「僕のターン、ドロー!」

「降雷皇フェイトの効果。手札のLSを捨て、再臨する」

 

LC時空管理局0→1

AD4000

 

三幻魔がいないから失楽園の効果を発動する事も出来ない。圧倒的に有利なこの状況だが、相手も三幻魔を使ってくるとなると、不安要素が多すぎる。

 

「ファントム・オブ・カオスを召喚!」

 

AD0

 

ツッ、そう来たか。ファントム・オブ・カオスは墓地のモンスターを除外して、その効果と名前を得るモンスター。王様はやてさんがいるから効果を無効にする事は出来るが、除外する効果はコストでは無い為、除外するタイミングで効果を無効にする事は出来ない。この効果を通してしまうと、次に俺がフリーチェーンの効果を発動できるのは、奴が召喚か効果を使った時、もしくはフェイズの移動をした時。

 

「ファントム・オブ・カオスの効果発動!」

「王様はやてさんの効果発動! ファントム・オブ・カオスの効果を無効にする!」

 

ここで止めないと真っ先に失楽園の効果を発動されてしまい、二枚のドローを許してしまう。この判断が吉と出ればいいんだが。

 

「永続罠、血の代償を発動! ライフを500払い、通常召喚を行う! ファントム・オブ・カオスを生贄に、暗黒の召喚神を召喚!」

 

マルタンLP900→400

AD0

 

デーモンの召喚を召喚に似た言い方をして、奴がデュエルディスクにセットしたモンスターは、レベル5でありながら攻撃力守備力0の雑魚モンスター。100%効果持ちだろうが、態々三幻魔デッキに入れてるとなると、嫌な予感しかしない。

 

「暗黒の召喚神の効果発動! このカードを生贄に捧げる事で、墓地のウリア、ハモン、ラビエルの内一体を特殊召喚できる! 最も、この効果を使ったターン僕は攻撃できないけど」

「当たり前だ」

「再び新来せよ! 神炎皇ウリア!」

 

ウリアAD0→A5000

 

暗黒の召喚神は自らの体を生贄に捧げ、三幻魔の一角を蘇生させた。

 

「まずはウリアの効果を発動! セットされた魔法・罠を破壊する! トラップディストラクション!」

 

その効果は強化されたのかッ! 伏せていたカードはディバイドエナジーのカードは、ウリアが吐きだした灼熱の炎で燃えッカスになって消えてしまう。

 

「失楽園の効果発動、デッキから二枚ドロー。カードを二枚伏せてターンエンド」

 

場 失楽園

遊斗   モンスター3 伏せ4 手札3 LP300

マルタン モンスター1 伏せ3 手札0 LP400

 

「ドロー!」

 

ここは召喚反応型を警戒して一気に攻める!

 

「すずかの効果発動。時空管理局のLCを王様はやてさんに移動。そして王様はやてさんの効果でウリアの効果を無効にする!」

封鎖領域(ゲフェニクスデア・マギー)!」

 

LC時空管理局1→0 はやて1→0

ウリアA5000→0

 

「バトル! 王様はやてさんでウリアを攻撃!」

「罠発動、威嚇する咆哮。このターンのバトルフェイズをスキップする」

 

フリーチェーンの万能防御カード・・・・。カウンターが無い俺のデッキでは止めるのは不可能。

ウリアがいる以上一枚だけセットカードを伏せるのは無意味。

 

「これでターンエンドだ」

 

場 失楽園

遊斗   モンスター3 伏せ4 手札4 LP300

マルタン モンスター1 伏せ2 手札0 LP400

 

「僕のターン、ドロー! 失楽園の効果で二枚ドロー。リビングデッドの呼び声を発動。墓地の暗黒の召喚神を特殊召喚」

 

AD0

 

「暗黒の召喚神の効果発動。墓地のハモンを復活させる!」

 

AD4000

 

降雷皇フェイト程ではないが、何度も復活する三幻魔達。エンディミオンが使っていた時は蘇生制限が無いカードだったし、ウリアが自己再生能力を内蔵していたから毎ターン三幻魔がいたが、今も余り大差ない状況だ。

 

「魔霧雨を発動。ハモンの攻撃力より低い守備力を持つ全てのモンスターを破壊する。このカードを使ったターン僕は攻撃できないけど、元々暗黒の召喚神の効果で攻撃できないからね」

 

クッ、伏せが無い俺には止める手立てはない。奴が持っている魔霧雨のカードから、不気味な白い霧がフィールドを埋め尽くす。そこには雷を通す魔力でも込められていたのか、ハモンが自らに地獄の雷を落とした時、その雷がフィールド全体に広がっていった。仲間であるウリアも例外なく、同じ降雷皇を名乗るフェイトも、魔霧雨の加護を受けたハモンの力には勝てなかった。

 

「クッ、降雷皇フェイトの効果でデッキから一枚ドロー!」

「マジック・プランターを発動。リビングデッドの呼び声を墓地に送って二枚ドロー。死者蘇生を発動。墓地の暗黒の召喚神を特殊召喚。その効果で墓地のウリアを特殊召喚!」

 

ウリアAD0→A6000

 

「カードを二枚伏せてターンエンド」

 

場 失楽園

遊斗   モンスター0 伏せ3 手札5 LP300

マルタン モンスター2 伏せ3 手札0 LP400

 

「ドロー! 降雷皇フェイトの効果。再び特殊召喚する!」

 

LC時空管理局0→1

AD4000

 

「永続魔法魔力高炉を発動。LCを二つ乗せる。そのLCを取り除いて連続転移を発動。デッキトップ三枚をめくって通常召喚可能なモンスターを特殊召喚する」

 

LC魔力高炉2→0→破壊

 

「一枚目ユーノ、二枚目ACS、三枚目ヴォルテール。ユーノを特殊召喚する!」

 

LC時空管理局1→2

A500・D1600

 

「手札のエリオの効果発動。このカードを捨てて、墓地のフェイトを手札に加える。フェイトを召喚! そしてフェイトのLCを取り除き、速攻魔法あの日のリボンを発動! デッキからなのはを特殊召喚する!」

 

A500・D1800

 

「場のなのはとユーノを融合! 来い、AOA高町なのは! 効果でデッキからザフィーラを手札に加える」

 

A1000・D3000

 

「遂に来るか」

「存在しない者の効果発動! AOA高町なのはを生贄に、新来せよ! 神炎皇なのは!」

 

SLCなのは1

AD0

 

ウリアと同じように、天まで登る巨大な炎の柱。しかしウリアと決定的に違うのは、その炎が持つ暖かさだ。幻魔の力を吸収しているのにも関わらず、その炎は心地よい暖かさを与えてくれる。そんな炎を発せられるのは、この炎を扱う彼女の心が優しいからだろう。

巨大な炎の柱から出てきたのは、赤いバリアジャケットを着て、ウリアを素材にした杖を持った神炎皇なのは。

最も、今回はフェルを出すから出番が無いんだけど。

 

「存在しない者の効果発動! 効果を三回使ったこのカードを墓地へ送り、墓地の三幻魔の一角を蘇生できる。再臨せよ! 幻魔皇はやて!」

 

AD4000

 

「そしてフィールド上の神炎皇なのは、降雷皇フェイト、幻魔皇はやてをゲームから除外する!」

 

失楽園を破壊した訳でもないのに、融合する時の衝撃で失楽園はバリンと音を立てて粉々になり、辺りの景色が天井に大きな穴の開いた地下に戻る。

 

「七十二柱を纏いし最強の幻魔。その足で現世を踏み、混沌と勝利を我が手に収めろ!」

 

三体の幻魔は巨大な穴から空へと飛んで行き、青空と雲を覆い隠す程の超巨大な融合の渦に入って行く。三体の幻魔が入った刹那、ドォォォォン! と、おそらくこの砂漠地帯全域に聞こえる爆音を上げ、融合の渦から赤・青・黄色の輝きを放つものが俺の目の前に降りてきた。

 

「降魔しろ! 混沌幻魔-フェルシュトラーフェ!」

 

AD0

 

さっきと変わらず黒のドレスを着た少女、フェルシュトラーフェ。白紙になったみんなを戻したのにも関わらず、特に疲れた様子も見せずに、ニコニコと純粋無垢な笑みを浮かべている。

 

「う~ん、召喚条件が重いとはいえ、もうちょっと早く出番が欲しかったな~」

「無茶言うな。行くぞ! フェルの効果発動! デッキトップ四枚を墓地へ送り、その中にモンスターがいたら、その内一体を選択して発動。選択したモンスターの属性により別々の効果処理を行う。墓地へ送られたティアナを選択。属性は炎だ」

 

その刹那、突然ハモンがこの世の終わりの様な悲鳴を上げ始めた。今まで余裕の表情を保っていた奴もこれにはかなり驚いたようで、自分フィールドにいるハモンの名前を大声で呼ぶ。

 

「炎または水を選択した時、相手フィールド上のモンスター一体をフェルの装備カードとして装備できる。そして装備したモンスターのレベル×100ポイントフェルの攻撃力は上がる。装備するのはハモン!」

ヘルシャー・ツヴィンガー(支配者の檻)!」

 

未だに止まないハモンの悲鳴は、フェルが開いていた右手をギュッと握りしめると共に止んだ。するとフェルの右腕から、バチバチと音を立ててハモンの使う雷が放たれた。三幻魔の一角を取り組んでいるだけあり、フェルの右腕の雷は時折暴れ出して辺りの岩や地面を破壊する。が、フェルの体を傷つける事は一度も無く、無理やり押さえつけたのか、すんなり大人しくなった。

 

フェルA0→A1000

 

「バトル! フェルでウリアを攻撃! フェルは戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分攻撃力を上げる!」

 

フェルA1000→A7000

 

「攻撃力7000!?」

死に絶える運命(アオス・シュテルベン)!」

 

A7000 VS A6000

 

フェルの頭上に、融合の渦がドス黒くなった様な、グニャグニャと曲がった空間が現れた。その中から複数の不気味な笑い声が聞こえると共に、渦の中から大量の悪魔や堕天使達が出てきた。いくら三幻魔の一角と言えど、やはり七十二柱の悪魔には恐怖を覚える様で、ウリアはフェルを狙うより先に周りの悪魔達を攻撃した。ウリアの攻撃は一匹の悪魔により空しく消されてしまい、残りの悪魔全員の攻撃に、聞いただけで地獄が思い浮かぶような悲鳴を上げて破壊された。

 

「トラップ発動ガード・ブロック! 戦闘ダメージを0にしてデッキから一枚ドローする」

「決められなかったか・・・・。フェルが攻撃した時、効果で装備しているモンスターを墓地へ送る」

 

フェルA1000→A0

 

「フィールド魔法聖王教会を発動。これで失楽園は破壊される。ターンエンドだ」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗   モンスター1 伏せ3 手札1 LP300

マルタン モンスター0 伏せ2 手札1 LP400

 

モンスターは無し、伏せはたったの一枚、ライフ400、手札は次のドローを入れて二枚。たった三枚のカードだけで混沌幻魔であるフェルを倒せるとは思えない。が、何故かホッと一息吐く事が出来ない。むしろ今まで以上に奴のデッキトップを刺す視線が強まる。

 

「僕のターン、ドロー!」

「・・・・」

「永続罠、リミットリバースを発動! 墓地に存在する暗黒の召喚神を特殊召喚!」

 

AD0

 

「そして特殊召喚成功時、速攻魔法地獄の暴走召喚を発動! 特殊召喚した攻撃力1500以下のモンスターを可能な限り特殊召喚する。君もフィールドのモンスターを可能な限り特殊召喚できるけど」

「融合モンスターは特殊召喚出来ないし、そもそもフェルは一枚しか持っていない・・・・」

 

奴はデッキに眠る二枚の暗黒の召喚神を自分のフィールドに並べる。これで暗黒の召喚神が三体並んだ。そして墓地には三体の幻魔。

 

「三体の暗黒の召喚神の効果発動! 墓地のウリア、ハモン、ラビエルを特殊召喚する!」

 

ウリアA0→A6000

ハモンAD4000

ラビエルAD4000

 

いくら攻撃できないとは言え、たった二枚で三幻魔を並べやがった。

やはり三体並んだ時の幻魔の威圧感は尋常では無く、自分が死んでいるのか生きているのか、これが夢か現実なのか、一瞬だがそんな曖昧な世界に飛ばされていた。

 

「だが三幻魔と言えどフェルの前では無力。攻撃できないのなら尚更だ」

「確かに今の三幻魔だったら君に勝てない。だけど、君と同じく僕も三幻魔を融合させる手段を持っているのさ! 魔法カード、次元融合殺を発動! 自分フィールド上に存在する神炎皇ウリア、降雷皇ハモン、幻魔皇ラビエルをゲームから除外し、混沌幻魔アーミタイルを融合デッキから特殊召喚する!」

「なっ!?」

「僕と同じ・・・・。いや、こっちが本物って言った方がいいのかな?」

 

フェルがポツリと何か呟いていた気がしたが、俺の耳には全く入って来ず、目の前の光景をただ茫然と見るしか無かった。奴の後ろに現れたのは、先程フェルが出した融合の渦によく似た、ドス黒いグニャグニャと曲がる不気味な空間。三体の幻魔は体を細くしながら螺旋状に回り、ドス黒い渦の中に入って行く。そして漆黒のオーラが放たれると共に、融合の渦から一体のモンスターが現れる。

 

「降魔せよ! 混沌幻魔アーミタイル!」

 

AD0

 

ハモンを象徴する巨大な両翼。

ウリアを象徴する巨大な尻尾。

それらの中心部にいるラビエルの顔。

ここまで巨大なモンスターを今まで俺は見た事があるだろうか? 否。三幻魔やF・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)やマスター・オブ・OZと言った、デュエルモンスターズの中でも一際巨大なモンスターを見た事があるが、これ程巨大なモンスターは見た事が無い。その巨大で長い尾を丸めてこの大きさだ。この尾を伸ばすと、数百メートルはあるのではないだろうか?

そしてその巨体から放たれる威圧感――いや、殺気。アーミタイルから感じられる気配は、怒りも憎しみも無く、ただ殺気だけが感じられる。

 

「これが、もう一体の混沌幻魔・・・・」

「本当は十代に最初に見せたかったけど出し惜しみもしてられないしね。さあ行くよ! 混沌幻魔アーミタイルの効果発動!」

 

奴がアーミタイルの効果を起動したその時だった。突然フェルとアーミタイルを中心に、物凄い衝撃が辺りに放たれた。俺も奴もその衝撃に吹き飛ばされ、背中が堅い岩と衝突した。

 

「グッ!?」

「カハッ!」

 

辺り一面の地面が崩れて行き、地面に亀裂が出来る程の衝撃。と言ったらどれくらいの威力なのかだいたい想像できるだろう。頑丈な俺でもこれにはかなりの痛みを感じ、岩と衝突して十数秒後にようやく立ち上がる事が出来た。

 

「い、いったい何が・・・・?」

 

目の前に広がる光景は文字通り天変地異だった。まずフェルとアーミタイルを覆う様な薄紫色のドームが貼られており、そのドームの中でこの世の終わりと言っていい程の異常気象が起こっていた。

ドーム内を縦横無尽に駆け巡る数多の色の雷。風の刃を作り出して飛ばすいくつもの竜巻。俺の手で収める事が出来る程度の小さい流星群が降り注ぎ、地面からはマグマが拭きあふれる。視界が霞む程の雨が降っていると思えば、次の瞬間には晴れやかな太陽が現れた。

 

「おそらく二体の混沌幻魔の衝突であらゆるエネルギーが暴走したんだ。君の混沌幻魔のおかげで僕達はこうして助かっているが、このバリアが消えれば終わりさ」

「なら今すぐ止めさせろ!」

「そのつもりさ。このデュエルはドローとしよう。勿論異論は無いよね?」

 

このアーミタイルの効果は知らないが、俺が非常にピンチなのには変わりなかった。余り勝利にこだわらない奴なのか?

いや、そんな事考えてる暇は無い。

 

「ああ。異論は無い」

 

奴はデュエルディスクにセットしているアーミタイルを含む全てのカードを取り除き、デュエルディスクにセットしているデッキに戻す。俺も奴に続いてフィールドと墓地にいるカード達をデッキに戻した。

すると目の前に広がっていた薄紫色のバリアが消える。バリアの中には地面に横たわっているフェル一人だけがいた。

 

「フェル! 大丈夫か!?」

「あ、あはは・・・・。ちょっと続けて力使い過ぎたみたい。というか、あの混沌幻魔、強すぎ・・・・」

「その力を抑え込めたお前も十分強いよ」

 

腕の中で衰弱しているフェルの頭をゆっくりと丁寧に数回撫でる。フェルは嬉しそうに笑みを浮かべ、スッと消えて行き、カードに戻って行った。

 

「少し力を使い過ぎたけど、今君と戦っておいてよかったよ。これで僕と十代のデュエルは誰にも邪魔されない」

「その混沌幻魔がどんな力を秘めているかは知らないが、俺は負けていた訳じゃない」

「分かってるよ。君が手札に持っていたザフィーラとか言う犬。あれは戦闘ダメージを0にする事が出来る。少なくともそのターン君が死ぬ事は無かった。アーミタイルの効果は10000の戦闘ダメージを相手に与える効果だからね」

 

10000の戦闘ダメージ・・・・。出したらほぼ勝ちと言っていいカードだな。

 

「だけど君もLSもその混沌幻魔も、今のデュエルで力を使い過ぎた。今まで力を補充していた僕と三幻魔を止める事は出来ない。おまけに君は、またデュエルエナジーを奪われただろう?」

「クッ・・・・」

 

やっぱりこの疲労感はあの衝撃の所為じゃなく、デュエルエナジーを奪われた所為だったのか・・・・。

奴はゆっくりとこっちに近付いてくるので、いつでも動けるように構える。

 

「安心して。十代を苦しめる為に君を殺してもいいけど、引き分けのデュエルの後に君を殺すなんて面白くない。それに僕の十代も到着したみたいだし」

「遊斗!? やっぱりさっきここで起こっていたデュエルはお前とマルタンのデュエルだったのか!?」

 

ヒーローは遅れて登場するって言うけど、少し遅すぎだ・・・・。十代はクレーターや、罅が入っている壁を一瞬だけ見ていたが、すぐに俺の方に走って来た。

 

「大丈夫か遊斗?」

「何とか・・・・。けどお前と一緒に戦うのは出来そうにない」

「気にするな。お前の分まで俺が戦ってやる。マルタン! よくも遊斗をッ!」

「違う十代。コイツはマルタンじゃない。みんなの力を奪ったあの金色の精霊だ」

「フフッ、そいつの言う通りだよ十代。君が思いだせないのなら無理やりにでも思い出させて上げるよ。デュエルアカデミアの横の決闘場で待ってるから」

 

奴はすれ違いざまにそう言って、十代がやって来た入り口とは別の場所から出て行った。十代は急いで追いかけようとしたが、天井の落盤により出入り口が塞がれて追いかける事が出来なくなった。

 

 

 




強力モンスターが万能
強力なモンスターの力で中断されるデュエル
いつの間にかOCG効果に戻っているカード
カードの力が暴走して異常気象が起こる


つまりカードゲームでは良くある事。


この一言で片付けられるから遊戯王は凄い。OCG化には理由を付けましたが。


最近ZEXALが更にぶっ飛んで面白かったです。
ベクターが関係する話は全部遊戯王だった(関係無くても遊戯王です) シャークさんとⅣとベクターが今のところ(ネタキャラ)三強だと思います。



最近innocentでチケット手に入る機会が増えて結構Rカード増えましたが、その代わりLDが溜まらなくなった・・・・。まあ最低限のRも持ってなかったので喜ぶべき事かと。
しかしこうなるとSのユーリやシュテル辺りが欲しくなります。

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